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ガーディアン
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ガーディアンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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いじめ、イジリ、体罰、シカト・・・学校にはというより社会生活においても様々な人間関係に関する問題が山積みで、最悪、自殺やいじめ殺人に至っているのが今の世の中。学園内のこの問題を一気に払拭する方法を発明した薬丸岳のアイディアは素晴らしいと思います。 その方法とは生徒主導の自警団「ガーディアン」による学校秩序の維持。「ガーディアン」に逆らうと反対に「ガーディアン」会員による集団いじめや虐待などの罰が加えられるため、だれもその指示に逆らうことができません。そんなこと気にしないという図太くたくましい不良やアウトローには盗聴盗撮などにより弱味を握り脅迫、恐喝するという非合法手段まで使われます。おかげで学園内には不良が一掃され、いじめが一掃され、一見平和そのものに見えます。 そんなガーディアンが支配する石原中学校に新しく赴任した教師・秋葉は、校内が妙に落ち着いていることに疑問を持ち「ガーディアン」の存在を突き止めます。「ガーディアン」が学園の平和を担保している代わりに問題行動の多い生徒を不登校に追い込んでいると知り、ガーディアン自体を敵視する秋葉ですが、その熱血教師に「ガーディアン」による制裁の鉄槌が迫ります。 「ガーディアン」の正体とはだれか?ほかの教師たちは何をしているのか?学校の自治と平和はどうなるのか?などなかなかドキドキしながら楽しむことができました。 教員、学生、その父兄と登場人物はものすごく多いですし、生徒を苗字で呼ぶ(先生)と名前で呼ぶ(学生)がごっちゃごっちゃで人間関係を把握するのがちょっときついかな。まあこれは学園物の宿命ですね。 いじめがない夢のような学園生活は実は一握りの生徒たちが組織したシステムによって担保されていた、という構図は1984年(ジョージ・オーウェル)を思わせます。また銀英伝のラインハルトに支配されている帝国を思わせます。 ローエングラム王朝で独裁制をひくラインハルトは 「体制に対する民衆の信頼をえるには、ふたつのものがあればよい。公平な裁判と、同じく公平な税制度。ただそれだけだ」 と唱え、事実国民は平和で富みます。ラインハルトによれば民主政治は 「民主共和政とは、人民が自由意志によって自分たち自身の制度と精神をおとしめる政体のことか」 ということです。腐敗がはびこる社会はこういうものでしょう。 一方の自由惑星連合の智将ヤン・ウェンリーは 「政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない」「政治家が賄賂をとってもそれを批判することができない状態を、政治の腐敗というんだ」 と両陣営とも奇しくも、結局自由な言動を抑圧する環境下では真の平和は生まれないといっています。 さて、いじめの張本人、ガーディアンの首謀者、学校を無法地帯にして平気な教師たちと悪役になりがちな登場人物がたくさん出てきますが、本作の場合はどの教師も、保護者も、子どもを守りたいと思っていることが強調されています。しかしネットやSNSが発達した現代では、子どもの生活の多くがバーチャルな舞台にあるため、本人の悩みや苦しみがつかめないといった教師側の苦悩が描きこまれており、またそんな世界で翻弄されて自我を表現できない子供自身の苦しみも十分表現されています。大人も子供も息苦しい世界に生きていて、そこから活路を見出す勇気を考えさせられる佳作です。他の作品ではもっと深刻なタッチで社会問題をえぐる薬丸さんですが、本作ではいつもと違ったソフトトーンで教育についての問題を投げかけてくれています。 | ||||
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「ラストナイト」ですっかり薬丸さんのファンになり手に取った作品。 ハードボイルドを描く巧さに長けている著者であるが、本作品は学園ものに近い。 もっとも、学校に存在するガーディアン(自警団)の存在と闘う誠実な教師の姿が印象に残り、読後感も良い作品であった。 まだまだ薬丸さんの作品には期待できそうだ。 | ||||
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斬新な設定でとても面白く、いつもは寝ている電車内で降車駅まで読み続けていました。 | ||||
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薬丸さんの本はこれを含めて三冊読みましたが、どれもよかったです。この小説では、中学校にある問題がよく出てきて、その扱いの難しさがわかります。物語に出ている学校では、学生の自警団が存在し、そのおかげでいろいろな問題が解決されますが、自警団の問題点や悪影響にも気づきます。読みやすいストーリーで、内容が面白いので、最後まで興味をもって読めました。 | ||||
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著者の作品のファンだが、いまいちこの作品は、入り込めなかつた。 | ||||
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中学校を舞台にした生徒たちの自警団のお話。 親や先生、大人を信用できない生徒たちが、 自分たちで学校の問題を解決すべく、 自警団を結成しいじめや暴力、授業妨害など、 問題を起こす生徒を不登校に追い込んでいきます。 なかなか面白かったです。 そして、刑事夏目さんも少しだけ登場します。 | ||||
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登場人物が多く、生徒の名字と名前の判別がつかないので、読む方は最初に登場人物一覧を書くことをおすすめします。 終盤の職員会議シーンは、「先生ほ美化しすぎだろ」と思いましたが、卒業のシーンは文句なく感動しました。 ただ、薬丸作品のファンにしてみたら物足りないかもしれません。テレビドラマになりそう。 | ||||
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先生が生徒を守ってくれないなら、自分たちで守るしかない。生徒による自警団「ガーディアン」によって平和が守られる中学校の隠された真実が明らかになる。 ガーディアンという自警団が、問題のある生徒に無視という制裁を加えることで、秩序を保つというのはよく考えられていた。「子供は大人が思っているよりもっと残忍で狡猾で、複雑だ」と生徒が語っている通り、極端ないじめや自殺が問題となる中で、いかに自分たちの身を守るか、生徒の切実な思いが伝わってきた。 登場人物が多くて多少の読みにくさがあるが、それだけさまざまな問題があるということでもあり、今の子供たちがいかに大変かよく分かった。 「いじめや困難は学校だけで起こるのではなく、生きている限りさまざまな困難に直面する。今、目の前にいる生徒を守ることだけでなく、その生徒が将来の困難に打ち勝てるよう見守っていくことも、教師の仕事だと思う」 秋葉先生が考え抜いた言葉が印象に残っている。 | ||||
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薬丸 岳さんの最新長編です。 ガーディアンとは保護者・後見人・守護するなどの意味を持ちます。 今回の舞台は中学校、一見落ち着いて平和に見える学校ですが その裏には匿名生徒による自警団「ガーディアン」なる物が存在し 問題のある生徒らに「制裁」を行っています。 主人公はこの学校に赴任した秋葉悟朗(あきば ごろう) 正義の様に思えるガーディアンの行動には問題点もあり 秋葉はその正体を探って行くといった学園ミステリーです。 本作品は学校物と言う事もあり、とにかく登場人物が多く読む進める上で非常に苦労しました。 苗字と名前の両方が出て来るので何度も前のページを見返す必要があり 又場面の切り替えやエピソードも多く頭の中がごちゃごちゃになってしまいました。 これから読まれる方は慎重に読み進める事をオススメします。 生徒と教師の学校を良くしたいと思う気持ちは十分に伝わって来ますが、やり方の難しさも痛感しました。 中盤以降は先が気になり一気読みでしたが やはり登場人物が多過ぎた事で1人に強く共感する事が出来なかったのは少し残念でした。 卒業式の場面で感動したのもつかの間ラストの4行は衝撃的です。 余韻が残る作品に仕上がっています。 | ||||
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一見平和でなんの問題もない中学校。しかし、その平和の裏には、とんでもない真相が隠れていた。 という話で、薬丸さんでなければ、片方が正義で、もう片方は悪で、という構図で進むのでしょうが、そんな単純な話で終わらせないのが、さすがです。 逆にこんな熱心な先生ばっかいないよねとか、結局みんないい人じゃんとか、隅をつつこうと思えば出てきますが、素直に読めば、素直に感動できる話です。夏目刑事が登場するのも、薬丸ファンとしてはプレゼント感あり! ただ、ラストのエピソードはわざと読者が自由に解釈できるように、ぼかしたのでしょうか? ネタばれになるので、ここでは書けませんが、読み終えた方と、話したくなる一作です。 | ||||
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岳さんの小説の中でも飛びぬけて登場人数が多いサスペンスな恐怖を味わえます。あの夏目刑事もゲスト出演するので最初頁の出だしから登場人物の相関図と相互の関わりをメモしながらの深読みがおすすめです。イッキ読みの特Aランクで楽しめました。 | ||||
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