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ガーディアン



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【この小説が収録されている参考書籍】
ガーディアン

ガーディアンの評価: 3.53/5点 レビュー 19件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.53pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全19件 1~19 1/1ページ
No.19:
(3pt)

テーマとして面白いがラストは失速の感が否めず

中学校の生徒たちを裏で統制する自警団グループ「ガーディアン」。

「ガーディアン」は、学校に害をなす生徒たちを不登校に追い込み、学校生活に平穏をもたらしていた。生徒たちが「ガーディアン」の存在をひた隠しにするため公になることはない。歪な平和に気づいた着任したての教師は、この秘密に迫ろうとし、自身がターゲットになってしまうのだった…。

排除対象者の机に折鶴が置かれると、生徒たちによる圧力が始まるという不気味な設定である。「ガーディアン」のメンバーは一部早々に明らかになるものの、彼らの指示が日本人の同調圧力を喚起し、大きな力になってしまうというのが恐ろしい。

読み進めながら、出口なしの状態に追い込まれていく者たちの心情を思い、イライラがつのる。

これはユートピアなのか。テーマとして面白いが、この答えの出し方に不満が残ってしまう。クライマックスからラストにかけて失速の感は否めない。オチが難しいのは分かるのだが…。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.18:
(4pt)

学校版「1984年」。いじめのない一見平和な学園はユートピアかディストピアか?

いじめ、イジリ、体罰、シカト・・・学校にはというより社会生活においても様々な人間関係に関する問題が山積みで、最悪、自殺やいじめ殺人に至っているのが今の世の中。学園内のこの問題を一気に払拭する方法を発明した薬丸岳のアイディアは素晴らしいと思います。

 その方法とは生徒主導の自警団「ガーディアン」による学校秩序の維持。「ガーディアン」に逆らうと反対に「ガーディアン」会員による集団いじめや虐待などの罰が加えられるため、だれもその指示に逆らうことができません。そんなこと気にしないという図太くたくましい不良やアウトローには盗聴盗撮などにより弱味を握り脅迫、恐喝するという非合法手段まで使われます。おかげで学園内には不良が一掃され、いじめが一掃され、一見平和そのものに見えます。
そんなガーディアンが支配する石原中学校に新しく赴任した教師・秋葉は、校内が妙に落ち着いていることに疑問を持ち「ガーディアン」の存在を突き止めます。「ガーディアン」が学園の平和を担保している代わりに問題行動の多い生徒を不登校に追い込んでいると知り、ガーディアン自体を敵視する秋葉ですが、その熱血教師に「ガーディアン」による制裁の鉄槌が迫ります。
「ガーディアン」の正体とはだれか?ほかの教師たちは何をしているのか?学校の自治と平和はどうなるのか?などなかなかドキドキしながら楽しむことができました。

 教員、学生、その父兄と登場人物はものすごく多いですし、生徒を苗字で呼ぶ(先生)と名前で呼ぶ(学生)がごっちゃごっちゃで人間関係を把握するのがちょっときついかな。まあこれは学園物の宿命ですね。

いじめがない夢のような学園生活は実は一握りの生徒たちが組織したシステムによって担保されていた、という構図は1984年(ジョージ・オーウェル)を思わせます。また銀英伝のラインハルトに支配されている帝国を思わせます。
ローエングラム王朝で独裁制をひくラインハルトは
「体制に対する民衆の信頼をえるには、ふたつのものがあればよい。公平な裁判と、同じく公平な税制度。ただそれだけだ」
と唱え、事実国民は平和で富みます。ラインハルトによれば民主政治は
「民主共和政とは、人民が自由意志によって自分たち自身の制度と精神をおとしめる政体のことか」
ということです。腐敗がはびこる社会はこういうものでしょう。
一方の自由惑星連合の智将ヤン・ウェンリーは
「政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない」「政治家が賄賂をとってもそれを批判することができない状態を、政治の腐敗というんだ」
と両陣営とも奇しくも、結局自由な言動を抑圧する環境下では真の平和は生まれないといっています。

 さて、いじめの張本人、ガーディアンの首謀者、学校を無法地帯にして平気な教師たちと悪役になりがちな登場人物がたくさん出てきますが、本作の場合はどの教師も、保護者も、子どもを守りたいと思っていることが強調されています。しかしネットやSNSが発達した現代では、子どもの生活の多くがバーチャルな舞台にあるため、本人の悩みや苦しみがつかめないといった教師側の苦悩が描きこまれており、またそんな世界で翻弄されて自我を表現できない子供自身の苦しみも十分表現されています。大人も子供も息苦しい世界に生きていて、そこから活路を見出す勇気を考えさせられる佳作です。他の作品ではもっと深刻なタッチで社会問題をえぐる薬丸さんですが、本作ではいつもと違ったソフトトーンで教育についての問題を投げかけてくれています。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.17:
(2pt)

フィクションとしての面白さがまるでなかった

学校という閉鎖された環境で起こるいじめとその解決をめぐるストーリー。
着眼点は良いのかもしれないが、あまりにもガーディアンと呼ばれるものの存在ややることが弱すぎて、インパクトが超薄い。
それでいて、色々な生徒や教師が出てくるのだが、キャラクターも弱いため誰が誰かわからない。
小説において、この誰が誰かわからなくなるのは致命的である。
テーマの重さに対しての、問題の起こり方や解決の仕方などがいまいちであった。
もっと、フィクションとしての思い切りがあってもよかったなぁ。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
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No.16:
(1pt)

期待はずれでした

薬丸岳さんの作品が好きになり5冊ほど読みましたが、アノニマスコールがとても面白かったので、その後のこの作品はがっかりでした。生徒や先生など道場人物が多く、少し間を空けて読むと誰だったっけ?って感じで、いちいち遡るのも面倒くさいので、後半はそのまま適当に読んで終わりました。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.15:
(5pt)

学校の問題

「ラストナイト」ですっかり薬丸さんのファンになり手に取った作品。
ハードボイルドを描く巧さに長けている著者であるが、本作品は学園ものに近い。
もっとも、学校に存在するガーディアン(自警団)の存在と闘う誠実な教師の姿が印象に残り、読後感も良い作品であった。
まだまだ薬丸さんの作品には期待できそうだ。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
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No.14:
(5pt)

斬新な設定

斬新な設定でとても面白く、いつもは寝ている電車内で降車駅まで読み続けていました。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.13:
(4pt)

中学校の問題をよく見せる小説

薬丸さんの本はこれを含めて三冊読みましたが、どれもよかったです。この小説では、中学校にある問題がよく出てきて、その扱いの難しさがわかります。物語に出ている学校では、学生の自警団が存在し、そのおかげでいろいろな問題が解決されますが、自警団の問題点や悪影響にも気づきます。読みやすいストーリーで、内容が面白いので、最後まで興味をもって読めました。
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No.12:
(4pt)

中学生日記現代版

著者の作品のファンだが、いまいちこの作品は、入り込めなかつた。
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4062204789
No.11:
(4pt)

良かった

中学校を舞台にした生徒たちの自警団のお話。
親や先生、大人を信用できない生徒たちが、
自分たちで学校の問題を解決すべく、
自警団を結成しいじめや暴力、授業妨害など、
問題を起こす生徒を不登校に追い込んでいきます。
なかなか面白かったです。
そして、刑事夏目さんも少しだけ登場します。
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4062204789
No.10:
(3pt)

設定にそもそも無理があるようにしか思えない!

薬丸岳の本は、全て読んでいます。本当に良い作品生み出しテーマが少年犯罪など、重たい話であっても深く読者に考えさせる作家だと思っています。ですが、この作品だけは、なんかポイントがわからない。設定にそもそも、無理があると思います。あまりにも稚拙な感じがあり、ラストに近ずくにつれ、ヒョットして、無理矢理、終わらせるつもりなのではと思ってしまいました。読後も、特に感慨深いものがなく、途中も、中だるみしてしまった、薬丸岳さん本で初めて味わった、ガッカリ感です。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.9:
(3pt)

それなりに面白かったけど

薬丸さんの作品はみんな面白いし、読みごたえがあって、
この作品も面白いんだけど、学校の先生たちがいい先生過ぎて、
現実的じゃなくて、嘘臭かった。
ガーディアンのやったことも、こんなにうまくいくはずないと思えること多い。
そしてなによりも読みにくかったのは、
生徒の名前が名字で書かれていたり、
名前で書かれていたりして、同一人物だとわからなかったこと。
主人公の教師の視点では名字で書かれていて、
生徒の視点では名字や名前で書かれている。
ただでさえ登場人物が多くて覚えられないので、
読んでて混乱した。
手法かもしれないけど、読んでてしんどい。
八〇の変化には思い切りツッコミを入れたい。
説得力なかった。
でも先が気になって一気に読んだ。
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4062204789
No.8:
(2pt)

善意は悪意に勝てない

はいどうもこんにちは。
文章力と構成の巧さは相変わらずですね。
しかし、作品としてのテーマ性や精神性のなさも相変わらずで、
読了した後「もう一度読みたい」と想わされる要素は皆無でした。
この作者は、現実の「悪意」や「絶望」などの描写は本当に巧いのに、
どうしてソレに使い古されたキレイゴトや善意で対抗しようとするのか理解に苦しみます。
その接合性や説得力のなさ、無意味どころか逆効果というコトに気づいてないのでしょうか?
他の作品でも悪党から自分の身内を守るため「殺しはいけない」と言いながらも
結局は「殺す事」でしかその悪行を阻止出来なかったという処から
いい加減その「自己矛盾」に気づいて欲しいものです。
故に主人公、教師秋葉の考えや行動には一切共感出来なかった、
というより現実と自分が見えていない「偽善」と「欺瞞」に辟易とさせられました。
だって彼のやっている主なコトは、
『ただキレイゴトを言うだけで、結局は何もしていない』という一文に尽きるからです。
自分の教師としての「信念」とやらと相反するからガーディアンを無くす(潰す)と
息巻いていますが、ソレすらもガーディアンという存在に甘えての戯言に過ぎません。
彼個人ではいじめも恐喝も虐待も止められないのに、
「やり方が間違っている」と代替案も示さず
結局「オレが気に入らないからお前ら間違ってるんだよ」という
半ば逆ギレにも似た余りにも幼稚な行動理念が彼という人間の全てだからです。
「やり方が正しくても誰も救えない人間」と「やり方が間違っていても誰かを救える人間」
幼稚園児じゃないんですからどちらが本当に「正しい」かは明白です。
大雅がいじめから救われたのも、真凛が不良仲間から逃れられたのも、
葵が売春を免れたのも全部ガーディアンが動いたからに他なりません。
(秋葉はガーディアン本人から教えられるまでその「問題」の存在すら知らなかった。
葵を警察に連れていけたのも『ガーディアンのおかげ』なのです)
それを「本当の解決」等と嘯いて二の足を踏んでいたら(何もしなかったら)
いじめは際限なくエスカレートしますし、虐待はいつ強姦に変わるか解らず
売春はその様子も動画に撮られ奴隷にされるのは誰の眼にも明らかでしょう。
なのに何で「本当の解決」等という教師の「自己満足」のために
生徒が犠牲にならなければならないのか?
結果が間違ってても過程が正しければそれでいいのか?
そんな何もかもが全てキレイにまとまる「楽園」のような状況が出来上がるまで、
一体いつまで罪も無い子供が苦しみ続けなければならないのか?
全く本当に意味が解りません。
『やらない善よりやる偽善』
苦しんでいる者は「いつか」じゃなく『今』救いが欲しいんです。
そういう重大な事に眼を背けて、どうしても「善が悪に勝つ」という幼稚な理論を
ゴリ押ししようとするから折角の文章もあちこちで破綻が呻きをあげています。
一例を挙げますと大雅が優奈に
「ガーディアンには感謝しない、でもおまえには感謝してる」
というシーンがありますが、コレも「ガーディアンの助け在りき」の
言葉だという事に本人は気づいていません。
いじめがなくなったから心に余裕が出来た、色々考える時間も生まれた。
もしガーディアンの助けがなくいじめが「現在進行形」で続いていたら、
果たして彼は同じ言葉を優奈に告げられたのでしょうか?
エスカレートしたいじめの末期なんてそれこそ悪魔でもやらないような
残虐な所業のオンパレードで最悪「今、おれ、ここに、いなかった」かもしれません。
優奈だっていつまで彼を庇い続けられるか疑わしいもの、
自分も標的になって強姦でもされたら「アンタなんか庇うんじゃなかった!」
と後悔したかもしれません。
まるで飢えている時にご飯を食べさせたら心底感謝されたにも関わらず、
それが当たり前になったら「おまえの飯はまずい、もっと美味いものを持ってこい」
という厚顔無恥な人間と同種の気持ち悪さを感じさせられ
八巻も最低ですが被害者である彼にも同情出来なくなりました。
要するに、この作者が一番勘違いをしているのは「善意」とは、
「善意」VS「悪意」のような『対立概念』ではないというコトで、
「善意」とは、「悪人にではなく」
『そうでない人々と穏やかに生きるため』 に存在するモノだというコトです。
核ミサイルという悪意の塊が飛んできている時、祈ったらソレは止まるんですか?
どっかの莫迦が刃物振り回して襲い掛かってきた時、
慈愛に充ちた顔をしていたら刺されずに済むんですか?
だったらなんで刑務所は、人間の「善性」を説かず
毎日強制労働をさせているのでしょう。
「悪意」は「悪意」でしか止められない(コレは往々にして『正義』という言葉に置き換えられますが)
「善意」は使い物にならない、というより使う「人と場所」が違うのです。
この「善意万能説」もまた、秋葉のような偽善と欺瞞だらけの人間を生みだしてしまうのですが、
そういう意味で彼は教師に向いてなく、厨二病の英雄願望を拗らせた哀れな男だなというのが
最後に残った感想です。
文章力を踏まえ特別に星は2つ、しかし作品としては星1つです。
ソレでは。ノシ
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
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No.7:
(3pt)

学校問題に真摯に取り組んでいる作品と思います

何の問題もない普通の中学校に、教師の知らない学生たちの自警団が存在し、そのおかげで学校生活の平穏が保たれている。その中学校の中堅教師の秋葉は、特に問題は起きないものの、何となく不穏な空気を感じている。多数の生徒が、それぞれが大小様々な懸念事項を抱え、同時進行で事態が進んでいくので、とにかく物語の整理が大変です。

「ガーディアン」は生徒達が組織した自警団で、その賛否はともかく、いろいろな学校問題に投げかけられた一つの答えとして、本書を通じて考えることが出来ます。小説を単に楽しむという観点からは、「ガーディアン」の活動が少し都合良過ぎる感がありますし、簡単に話をまとめ過ぎてる印象もありました。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.6:
(4pt)

薬丸ファンには物足りないかも

登場人物が多く、生徒の名字と名前の判別がつかないので、読む方は最初に登場人物一覧を書くことをおすすめします。
終盤の職員会議シーンは、「先生ほ美化しすぎだろ」と思いましたが、卒業のシーンは文句なく感動しました。
ただ、薬丸作品のファンにしてみたら物足りないかもしれません。テレビドラマになりそう。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.5:
(2pt)

終盤がつくづく残念な作品

中堅教師の主人公が赴任したのは、生徒による秘密裏の自警団「ガーディアン」が治安を守る中学校だった。

ガーディアンのおかげで不良生徒は一掃され、一見異常な程に平和な学校だったが、
ガーディアンの「制裁」システムには綻びもあり、異変を感じた主人公は様々調べた果てにガーディアンと対峙する。

ガーディアンの設立理由『熾烈ないじめに先生たちは何も気付けず、こちらから訴える他はないが、訴えた所で先生が加害者を指導しても逆に加害者は被害者を更にいじめるだけであり、先生が頼りにならない以上、自分たちで何とかするしかない』を打ち破る信頼を、主人公は生徒と築けるのか?

以上、そんな内容です。
まず、今作品は好きな作家さんの初の教師物&作家さん本人が学校に良い思い出がないのでそんな過去を打ち破る作品に仕上げたという事で、
めちゃくちゃ期待してた分、落差からの超辛口評価となっており、今作品が知らない作家の作品なら評価はもう少し良かったしレビューも書かなかった事でしょう。

まず主人公は、ガーディアンの設立理由を打ち破るほどの信頼行動は取っておらず、
作中の生徒と同じく、僕自身も長期いじめ被害に遭いながらも『先生に相談しても悪くなるだけ』と絶望して何も打ち明けなかったままの過去があり、
過去の自分が今作品の教師を信頼出来るか?と言えば、まだ信頼出来ないので、評価が低くなりました。

ガーディアンをやめさせながら、不意にあのラストも矛盾を感じるし、

八巻は日下部を脅したり、松山への虐めも全く反省しておらず、三宅宅への焼香も内心は分からず、全く改心してない悪なのにそのまま学校復帰して卒業なのが、物語として不十分に思うし、1番下田を嫌う理由も不明なままだし、

八巻を見捨て、学校に来れなくさせた制裁も手伝った下田が、八巻の卒業に泣くシーンも虫が良すぎるなと感じ、

終盤までは良かったのに、終盤がつくづく残念な作品となりました。

次回作では、この評価を覆す良作を切に願うばかりです。
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No.4:
(4pt)

子供は大人が思っているよりもっと残忍で狡猾で、複雑である

先生が生徒を守ってくれないなら、自分たちで守るしかない。生徒による自警団「ガーディアン」によって平和が守られる中学校の隠された真実が明らかになる。

ガーディアンという自警団が、問題のある生徒に無視という制裁を加えることで、秩序を保つというのはよく考えられていた。「子供は大人が思っているよりもっと残忍で狡猾で、複雑だ」と生徒が語っている通り、極端ないじめや自殺が問題となる中で、いかに自分たちの身を守るか、生徒の切実な思いが伝わってきた。

登場人物が多くて多少の読みにくさがあるが、それだけさまざまな問題があるということでもあり、今の子供たちがいかに大変かよく分かった。

「いじめや困難は学校だけで起こるのではなく、生きている限りさまざまな困難に直面する。今、目の前にいる生徒を守ることだけでなく、その生徒が将来の困難に打ち勝てるよう見守っていくことも、教師の仕事だと思う」

秋葉先生が考え抜いた言葉が印象に残っている。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.3:
(4pt)

登場人物の多さに辟易しますがラストまで目が離せない展開です

薬丸 岳さんの最新長編です。

ガーディアンとは保護者・後見人・守護するなどの意味を持ちます。

今回の舞台は中学校、一見落ち着いて平和に見える学校ですが
その裏には匿名生徒による自警団「ガーディアン」なる物が存在し
問題のある生徒らに「制裁」を行っています。

主人公はこの学校に赴任した秋葉悟朗(あきば ごろう)

正義の様に思えるガーディアンの行動には問題点もあり
秋葉はその正体を探って行くといった学園ミステリーです。

本作品は学校物と言う事もあり、とにかく登場人物が多く読む進める上で非常に苦労しました。

苗字と名前の両方が出て来るので何度も前のページを見返す必要があり
又場面の切り替えやエピソードも多く頭の中がごちゃごちゃになってしまいました。
これから読まれる方は慎重に読み進める事をオススメします。

生徒と教師の学校を良くしたいと思う気持ちは十分に伝わって来ますが、やり方の難しさも痛感しました。
中盤以降は先が気になり一気読みでしたが
やはり登場人物が多過ぎた事で1人に強く共感する事が出来なかったのは少し残念でした。

卒業式の場面で感動したのもつかの間ラストの4行は衝撃的です。
余韻が残る作品に仕上がっています。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.2:
(5pt)

ラストはわざとなんですか

一見平和でなんの問題もない中学校。しかし、その平和の裏には、とんでもない真相が隠れていた。
という話で、薬丸さんでなければ、片方が正義で、もう片方は悪で、という構図で進むのでしょうが、そんな単純な話で終わらせないのが、さすがです。
逆にこんな熱心な先生ばっかいないよねとか、結局みんないい人じゃんとか、隅をつつこうと思えば出てきますが、素直に読めば、素直に感動できる話です。夏目刑事が登場するのも、薬丸ファンとしてはプレゼント感あり!
ただ、ラストのエピソードはわざと読者が自由に解釈できるように、ぼかしたのでしょうか?
ネタばれになるので、ここでは書けませんが、読み終えた方と、話したくなる一作です。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789
No.1:
(5pt)

相関図から謎を解け!

岳さんの小説の中でも飛びぬけて登場人数が多いサスペンスな恐怖を味わえます。あの夏目刑事もゲスト出演するので最初頁の出だしから登場人物の相関図と相互の関わりをメモしながらの深読みがおすすめです。イッキ読みの特Aランクで楽しめました。
ガーディアンAmazon書評・レビュー:ガーディアンより
4062204789

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