■スポンサードリンク
見たのは誰だ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
見たのは誰だの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
へんてこなミステリを読んでしまった。本書の帯には「倒叙モノの傑作」とあるが、これを倒叙ものと言っていいのだろうか? 珍品、と呼ぶのが最もふさわしいと思う。 ある青年の冤罪を晴らすために弁護士が活躍する話…かと思いきや、まさかの展開が待っている(どんでん返しという意味ではない)。なんじゃこりゃ、という感じだ。 本作が刊行されたのは1955(昭和30)年。松本清張はもうデビューしているが、『点と線』が発表されるのはその3年後のことだ。社会派推理小説ブーム夜明け前であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大下 宇陀児氏の50年代に発表された倒叙風味の長編。 倒叙と言っても最初は犯人視点で描写されるが、警察と犯人の攻防が描かれる訳ではなく、犯人の冤罪を晴らすため探偵が動くという倒叙とは少々異なるテイストになっている。 犯罪小説的な前半は面白いが、中盤になるとやや展開が倒叙に期待するような要素ではない方向に進んでいってしまうような印象だ。 倒叙だと期待して読むとやや肩透かしな真相である。 冤罪を決定づける要素に驚きがあまりない。 まあ、今から読むと標準的な出来と言わざるを得ない。 巻末の紹介だと推薦が芦辺拓となっているが、それなら解説は氏に書いて欲しかったところだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最近ちょこちょこ大下宇陀児の本を書店で見かけるが再評価されてるのか、そうさせようとする動きがあるのかどっちであろうか。 それはともかく、個人的には大下宇陀児はアンソロで何度か見た事がある程度で、猟奇的な珍作(魔法街など)を作るトンデモ作家と言う印象しかなかったが、この作品を読む限り結構普通のサスペンスも書いたらしい。 だがちょっと普通過ぎる。ミステリなら後一ひねり欲しい。本格探偵小説(純粋に探偵小説の謎ときの面白さを追求する意味での)に背を向けた宇陀児なのでしょうがないのかもしれないが、当時のリアルを描いたと言われても当時を知らないこちらとしてはどこまでリアルなのかイマイチ分かりかねる。解説者の「名探偵のようなヒロイズムを避け、血の通った人間を描く」という意味でなら松本清張には遠く及ばないし、リアルと言う割には随分ポンポンと話が進むし中途半端な印象がある。 と言ってつまらないわけではなく、まあ現代にこう言った作品があれば普通に評価はされると思う。ただやはり事件の謎に対して「つじつまを合わせただけ」という印象が拭いきれず、数多あるミステリの中に容易く埋没する様な作品であるのは確かだ。 それと、その時代の今を描いたはずなのに、若者に対する大人たちの愚痴が似たようなものであるのは興味深い。 作中心理学者が言う。 「若い人たちは極めて簡単に人を殺すし、また極めて簡単に自殺してしまう。」 1959年の作品である。このとき若かった子供たちは今は老人だろう。 何時の時代も若者が命を大切にしないと大人達が考えるのは不思議である。 昔の小説を読むと、時代や人が変わった事よりも、思ったより変わってない事に驚かさせれる。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!