(短編集)
大下宇陀児探偵小説選〈2〉
- 探偵小説選 (68)
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長篇「鉄の舌」、短篇「金口の巻煙草」「三時間の悪魔」「嘘つきアパート」「悪女」「親友」「祖母」「宇宙線の情熱」、中篇「欠伸する悪魔」を収録。 長いキャリアのわりに個人名義全集がないという不幸はあるが、昭和30年代までは殆どの著作が一応単行本化されており、古書で読んでいる人にとって白眉なのは後半の評論・随筆篇と解題という事になろうか。 探偵・犯人問わず超人的キャラそして本格風トリックを不自然だと嫌い、市井の人間達を描いてリアリズムな路線に行ってしまった事は、 編者横井司氏がどんなにその意義を強調しても、地味な印象が拭えず良い意味でのハッタリが足りない。 エッセイを読むと宇陀児なりの主張は判るのだが、「鉄の舌」に代表されるトリック・謎解き趣味に乏しいメロドラマ風犯罪小説長篇の場合、 私など全ての探偵小説に寛容なつもりでも、何作も読み続けているとアナクロに感じてしまう。 それでも木々高太郎の幾つかの作のように、もはや探偵小説には見えず只の普通小説に成り果てるまでは到っていないので、その人情味を楽しめるかどうかが宇陀児を評価する生命線であり、 今回、結構難しかったであろう横井氏の宇陀児分析には敬意を表する。 しかし本書のうち「悪女」は良い出来だが現行の創元推理文庫に収録済みだし、「宇宙線の情熱」の収録だけでSF物が解題でも一切触れてないのは・・・。 一人複数巻出す必要がある作家は迷わず続刊してほしいし、宇陀児「3」がもしあるなら「百年病奇譚」「飼育人間」等のSF物にも目を向けてもらいたい。 宇陀児を未読の方は、まず『大下宇陀児探偵小説選1』→傑作短編集『烙印』(国書刊行会)→本書→『風間光枝探偵日記』→『日本探偵小説全集 大下宇陀児・角田喜久雄集』(創元推理文庫)と読み進めていくのをオススメする。 で、宇陀児が2冊出たのだから、本書の「魔人論争」「馬の角論争」にてその発言が特別収録されている甲賀三郎もどこか良い出版社が選集を出して欲しいね。 なんといっても日本で最初に理化学トリックを定着させた男なのだから。 | ||||
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