(短編集)
宿命は待つことができる
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時代が違いすぎのせいなのか、説明不足でトリックもあらすじもよく分からない。 物好きだけが読んでください。 | ||||
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天城一傑作集の第三巻ですが、全四巻中これがいちばん低調な作品集といわねばなりません。メインの長編「宿命は待つことができる」はほかの長編にくらべて格段につまらない。中短編でいえば「かれらマンダレー」「春の時代の殺人」の二編がじつによい出来です。 「春の時代の殺人」は、権力への意志に派生する動機のもと、元マルクスボーイの「適切な結果を招くためには不適切な行為が行われなければならない」との、公理から演繹される解としての殺人が遂行される。争議のテーブルで落胆し絶望したかにみえたポーズが、じつは照明弾が舞う戦場下で臨戦態勢をとって顔を伏せ目を閉じている兵士のものとわかる、やがてくる闇のため猫の目を準備し、犯行(突撃)の瞬間を待っている、この刻々たる緊迫が察知される鮮やかなエンディングがみごと。 「かれらマンダレー」。戦中マンダレーでの敵味方の区分が融けた、命を懸けたダブルスパイの男女関係こそが、ふしぎなるも至福なときであったという男女の、戦後のみすぼらしくデカダンな犯罪の顛末。男はロマンに死に、女は打算に生きる。だがその打算こそが擦り切れたロマンの再演だというクールな認識がこれまたクール。 さて個人的な忘備もこめて、総括がわりの天城全作品のベストテンを試みる次第。 「感傷的対話」ハードボイルド精神の真骨頂の抽出。 「急行《あがの》」巧妙なアリバイトリックと超絶シンプルな刑事群像劇。 「準急《皆星》」機械仕掛けの神たる鉄道=時刻表に翻弄される人間ども。 「急行《なにわ》」女詩人の戦慄の旋律。 「夏の時代の犯罪」見えるけど見えないのは裸。 「明日のための犯罪」密室トリックと一体となった児戯あふれ、かつ切実なるリアルな動機。 「高天原の犯罪」見えるのに見えないのは神。 「かれらマンダレー」戦中が至福だった男女の戦後のデカダンスを描くって、これは成瀬『浮雲』だ。 「春の時代の殺人」動機の演繹的、かつ遂行の夜行突撃的と定式化された天城マジック。ぞくっとする。 「沈める濤」屋台骨たる下士官たちへの鎮魂歌。 | ||||
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