(短編集)
宮野村子探偵小説選1
- 探偵小説選 (68)
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「八番目の男」・「若き正義」・「匂ひのある夢」・「薔薇の処女」が個人的ベストです。 | ||||
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中で一番の注目はやはり『鯉沼家の悲劇』でしょう。宮野叢子にとっては最初の長編であり、1949年に発表されたものです。日本の古い時代のミステリが手に入りにくい時代があったためか、しばらく忘れられていた作品ですが、当時の探偵小説作家のなかで文学派を標榜していた(抜き打ち座談会等に詳しい)だけありその筆力は現代でも読み応えがあります。表題の通り名家「鯉沼家」が崩壊していく様子が描かれています。もちろんただ没落していくだけではなく、失踪、殺人があり、時代錯誤ともいうべきエゴイズムな動機が事件には絡んでいます。鯉沼家は一男四女なのですが次女は身分違いを反対された結婚により家と縁を切り、唯一の男子である長兄は失踪してしまい生死不明です。女ばかりの家に謎の死を遂げた父親の妾の娘が幼い息子を連れて舞い戻ることが悲劇の始まりです。もっとも事件の種はすでに父親の死により播かれていたのですが。後継ぎのいない鯉沼家では憎い妾の孫であるこの男の子を受け入れるのですが…。 三姉妹、妾の娘、失踪した長男、弥平という忠僕、謎の予言による連続殺人とこの道具立てはまるで横溝正史のようです。横溝正史の「犬神家の一族」にはこの「鯉沼家の悲劇」の影響があるとも言われています。名家・旧家の存在が日本人にとって普遍的なミステリそのものなのでしょう。「鯉沼家の悲劇」以外にも「柿の木」岩谷選書版とシュピオ版(探偵小説雑誌の一つです)や、「八人目の男」などの佳作が収載されています。「犬神家の一族」のようなミステリが好きな方はもちろん、戦後の女流作家の第一人者であった宮野叢子を知らない方にも是非読んでいただきたいです。 | ||||
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