(短編集)
小酒井不木探偵小説選
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不健全派スリラーと言われる小酒井不木にも、こんな別の顔がある。本書は少年科学探偵・塚原俊夫シリーズ13篇を収め、その内3篇が単行本初収録。 第一作「紅色ダイヤ」の発表が大正13年だから、日本の探偵小説でも最初期にあたる。意外にも不木の創作探偵小説ではこれが処女作。 少年ものというと何かと怪奇冒険、戦前の場合は特にスパイ小説になりがちなのに、本書は論理的解決を目指しているところに価値がある。 「玉振時計の秘密」は倒叙スタイル、「紅色ダイヤ」「紫外線」「深夜の電話」は暗号、 「頭蓋骨の秘密」は復顔術で大人ものの不木らしさも垣間見せるなど、力の入った内容になっている。 主人公は十二歳なのだが、犯罪知識が異常に高かったり、たまに年相応でない口調になったり、 子供なのに名探偵然として大人の依頼者が頼ってきたりと、設定がtoo muchなのが悔やまれる。 たぶんフリーマン作ソーンダイク博士の少年版にしたつもりだったのだろうが、数年後に登場する江戸川乱歩の小林芳雄と比べても万能すぎたのが、 当時の年少読者に「少年探偵団」ほど喝采を浴びなかった理由ではないだろうか。 しかし現代の探偵小説好きな大人から見ると、読者への挑戦文が所々入っていたり、謎解きの楽しさをキチンと見せようとする不木の姿勢は逆に感服する。 「不思議の煙」が海外の作品と似ているのを読者から指摘され、すぐに中絶してしまった事からも作者の律儀さが現れている。 (不木の作ではない、その指摘されたローゼンハインの「空中殺人団」までが同時収録されているからスゴイ) この塚原少年ものは、早すぎた死の4ヶ月前まで書き続けられた不木唯一のシリーズ作品であって決して軽視すべきではない。 森下雨村と並んで日本探偵小説の父と呼ばれた作家の情熱が偲ばれるはずだから。 | ||||
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