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(短編集)
海の見える理髪店
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海の見える理髪店の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.79pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全93件 61~80 4/5ページ
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「いつか来た道」に一票。 ‟私、自分の店を持つことになったんだ。あなたには「下品ね」と眉をひそめられるであろう夜の店だが、 必死で働いて、自分を殺して、ときには戦って、そういう女だと思われないように針鼠になって自分の 暮らしだけはきちんとして、そうやって手に入れた店だ。” 人間、 「褒められたい」 「ただ、あの人に褒められたい」 そんな思いだけを糧に生きていけるもの。 「あの人」である母親は、真っ当とは言い難かった。 それでも子にとって親は、世界でたった一人。 いくつになっても、何年たっても褒められたいのだ。 小さいながらも自らの城を築き、そして訪れた「あの人」は・・・ 切ない、だけどどこか暖かい物語だった。 | ||||
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面白かったです。 いろんな年齢層の方々におすすめしたいと思います。 | ||||
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図書館でリクエストしたのだが、注文者が殺到していて、手元に届くまで半年近くかかった。この本は短編集で表題作が直木賞を受賞。この中では一番の出来だと思う。「成人式」もよかったな。 全体を通じて言えることだが、とにかく文章が洗練されていて非常に読みやすく、また、何だか暖かい気持ちにさせられるのが不思議だ。作家としては、やはり相当のキャリアを積んだ実力の持ち主だと実感できる。 | ||||
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サンプルを読んで「海の見える理髪店」は、なぜか心ひかれ、購入。最初の2-3つくらいのお話は結構ぐんぐんと読めたけれど、最後のほうに行くと作風になれてきて、若干疲れた。 | ||||
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はじめに「海の見える理髪店」を読み、おっ!これはすごい本かも、と期待して読んだが、他の短篇はそれを超えるものはなく残念。「海の見える理髪店」を長篇にした方が良かったのでは…。短篇は上手さと下手さが際立つことを知る。 | ||||
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表題作の「海の見える理髪店」、最終話の「成人式」 この2短編が素晴らしすぎて中ほどの4短編が平凡に感じました。 荻原浩作品は全制覇してますが、これまでホロッとかボロッくらいは泣かされた事はあります。 しかし当作品の最終話「成人式」!これはすさまじい破壊力でした。 途中から嗚咽が止まらず(思い出すとまた涙が出て来る) 何度も鼻をかみ、涙を拭き、ようやく読み終えました。読み終わった後はよく泣いたせいか、 「太陽光が雲間からいく筋も伸びて 嵐の過ぎた後の海面を照らしてる風景」の様に、 非常にスッキリ落ち着いて、まるで穏やかな人間に生まれ変わったかくらいの読後感でした。 直木賞に相応しくないと言うレビューも多い様ですが、それはそれで良いと思います。 私にとって、嗚咽が止まらなくなる程に感動した一つの短編は初めてです。 | ||||
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海の見える理髪店は良かったです。短編なのでいろいろですが読みやすいです。 | ||||
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身近な人を大切に生きていこうと、改めて思える作品でした。 とても温かい気持ちにさせてくれる一冊です。 | ||||
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いい話。でも、切ない話。そんな話とは思わず買って、しかも不意をつかれた話の展開に驚いた。私は、普段読まないジャンルの本だったけど、まぁ、良かったのは、私にも子供がいるからだとおもった。 | ||||
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全体的に水彩画のような透明な青色を感じる短編集。2016年上半期の直木賞受賞作品。どの作品も主人公と家族の関わりを描いており、どの作品の主人公も、現在の自分や将来の自分に重ね合わせることができる。そのため、共感できる部分が多くなり、物語に没入できる。作品自体に人を引き付ける大きな力があるのが良い。どの作品も良かったが、表題作の「海の見える理髪店」の意外な展開や、「成人式」の突拍子もない展開でありつつ心温まる展開が特に良かった。 以下、作品ごとの感想やメモ。 ◎海の見える理髪店 表題作。理髪店の年老いた店主と客として訪れた若い男の物語。男がいつもと違う理髪店で髪を切りに来た理由が最後に明かされる。その理由の意外さに驚かされる。読んでいて震えた。 ◎いつか来た道 老いた母親に会いに行く娘のある意味ホラーな物語。家族という輪廻を感じさせる。いろんな伏線が短い物語のなかに散りばめられて、とてもきれいな話になっている。 ◎遠くから来た手紙 表面上の物語は、日本中のどこにでもあるようなものだ。それを特殊なシチュエーションにするのが、遠く(過去)から来た手紙である。ここにも家族を含む輪廻がある。きっと本書の共通テーマなのかと思いつつ、続きを読むことにする。 ◎空は今日もスカイ 子供の純真さや弱さ、そして意外と持っている強さなどを上手く表現している。ラストは胸を締め付けられるかのような大人に対する痛みを感じる。 ◎時のない時計 地球上に住んでいる人にとって、時間はすべての人で共通の物指しになる。一方で個別の時計は、誤差があったり、故障で止まってしまうものもある。人が感じる時間も時計のように個別の時間が流れている。そんなことを感じた物語でした。自分の時間はどんな流れなのだろうか。人と比べるものではないけれど、いい時間が流れているように思いたい。 ◎成人式 この物語は卑怯だ。心を震わさざるをえない。娘を持つ父親だったら泣いてしまうだろう。自分はこの作品を、子供と過ごせる時間は短く、貴重であることに気がつかない、失って初めて気付く大切なものだと分からせるものと捉えた。 | ||||
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何といっても「海の見える理髪店」がよかった。 いままで読んだ萩原浩さんの作品のなかで一番好きだ。 最後の方は涙がでそうになった。 次に「成人式」も良かった。 夫婦の胸を搔きむしるような苦しみの日々の描写は凄い。 自分でも、きっとそうだろうなと十分想像できる。 あれだけ避けてきた成人式のDMをきっかけに少しだけ変化を起こす。 きっとこれら2作品はずっと忘れずに心に残るだろう。 2作品の登場人物達の後悔や心の傷跡は簡単に消えるものではないが、何かのきっかけは、ほんの少しだけ自分を許し、変化をもたらしたことだろう。 同じ場所にずっととどまるのは辛すぎるから、神様が何かのきっかけを作ってくれるのかもしれない。 | ||||
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小説の感動には2種類あると思う。あっと驚く未知の視点の表現による動的感動と、堅実な生き様の表現による静的感動だ。この作品は明らかに後者で、揺るぎない強さというか安心感に満ちた小説である。 短編ではあるが、落語のようなオチが結末にあり、安心感に包まれた読者にちょっとした緊張感をもたらす。たまたま入ったごく普通の飲み屋で、大変気持ちの良いサービスを受けたような気分になる。いい読書時間を過ごして、得したなと思える。 題名の短編は40分もあれば読める。質の高い短編は、小説の基本が詰まっているような気がする。基本に忠実ではあるが、独自の展開と表現技術が基本を外すのではなく新たな境地を拓いているような印象を受ける。 クレームを処理する会社員を描いた「神様からひと言」から得た感動とはまた別の部類の味わいがにじんでおり、何だか嬉しかった。 できれば、作品だけでなくオール読物(2016年9月号)の選評も読んでいただきたい。選考委員のこの作品に対する愛情が記されている。難しいことは抜きにして、この選評からも安心感が伝わった。古い友人に久々に会えた喜びに似た感動が味わえる。 | ||||
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家族の姿はいろいろありますが、家族を大切したい気持ちになりました。短編集なので、一つ一つの内容に感慨深いものがありました。 | ||||
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それぞれの主人公が何かしらの過去を抱えていて、それらの事情を含めた現在を表している短編集。 直木賞作品ということで、面白い作品なのかと思って読んでみたが、予想以上に深い作品であった。 ただ文章をなぞるだけでは分からない、そこにあるそれぞれの主人公の意図や心境を読み取って、初めてひとつの作品になっている。 本を読むことに慣れていない人には少し難しい作品かもしれない。 自分も最初は「何なんだこの作品は…」と思っていたが、そのことに気付いてからは作品の感じ方が全く違った。 一回読んで分からない人は二回三回と繰り返し読んでもらいたい作品。 そして主人公たちが訴えたいことに気付いてもらいたい作品である。 | ||||
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海辺の一本道を走る古いバス,青々とした田畑,境内まで延々と続く神社の階段,あるいは小さな駅前通から山手に続く住宅街への道,色褪せた文字の看板がかかる商店街・・・まるで日本人の心象風景のような町や村を舞台に,内省的ではありますが6つの物語がゆるやかに流れていきます。 世間はせわしく動いているのに,当事者の心の中では時間が止まったままの思い出や,あれだけ身近に接していたのに,遠い過去のことになるまで知ることのなかった親族の昔の出来事など,現実社会を流れる時間軸と,登場人物の心の内の時間軸との間には大きなズレがあるのですが,ある出来事をきっかけに交錯し,登場人物の心の中に化学反応を起こさせます。さて,その結果は・・・。 現実社会と,それぞれの登場人物の思い出には,大きなギャップがありますが,その中間に心象風景のような景色や街並みが位置することで,そのギャップが薄まり,現実と内面の垣根がぼかされ,知らない間に登場人物に感情移入している自分がいます。 6つの物語の中では,直木賞を受賞したタイトル作「海の見える理髪店」の心洗われるエンディングが印象的ですが,「成人式」や「遠くから来た手紙」の清々しいエンディングも印象に残りました。「空は今日もスカイ」は,6つの物語の中では少しカラーが異なりますが,誰でも「子どもの頃はこんな感じだったなぁ」とノスタルジックに浸ってしまうのではないでしょうか。 心優しく,それでいて生きる勇気がわいてくる…そんな1冊です。 | ||||
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表題作を含む六編からなる短編集です。 その一編一編がすべて力作で、どの一編をとってもそれぞれが一冊づつの長編に纏め上げられるしっかりしたテーマを持っています。 そうしたもったいない様な作品ばかりで、短編とは言え読み応え十分なものばかりです。 人は誰も「過去の遺産」を背負っていきています。 その「遺産」は、正のものばかりではなく負のものも多いでしょう。 そして、その「遺産」が現在の生き方を大きく律しているケースも沢山あります。 その「遺産」は、表題作の様に実際に犯してしまった「罪」にあるのかも知れないし、他の作品に見られる様な余りの「愛情」のための「産物」だったりします。 特に、最終作品「成人式」では、子どもの内に亡くなった娘への「愛情」が募りどうにもならない生活をしている夫婦が、亡き娘の成人式に娘の「代理」として出席します。 そこまでは書かれていませんが、その結果はいい意味で夫婦の生活に大きな変化をもたらしたであろうことが推測されます。 人は、背負っている「遺産」を、何かのきっかけで下すのでしょう。 そこに至る経過がきっと大切で、その人間を大きく成長させるのでしょう。 いずれにしても、非常に重く胸にずんとくる素晴らしい作品ばかりでした。 | ||||
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作者が最後まで女性だとおもっていました。 どれをとっても優しい気持ちになれる秀作です。 | ||||
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第一話の海の見える理髪店は、何とも言えない感動がありました。とっても良かった。 | ||||
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もしこの理髪店が実際に存在するならば、ひとりの客として会社を休んで行ってみたい。 | ||||
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6つの短編には、少し悲しい何かを心に持った人たちが、 静かにそのことを受け入れつつ、 または、受け入れなければと思いながら、 大切に生きている、そのサマが描かれていると思う。 やはり表題作がいい。 読みながら、もしかしてこの理髪店に予約を入れたこの青年は、 と想像される。 というよりも、巧みにそう想像されるように導かれている。 最後まで明かされることはないが、 きっとそう。 経験や情報から、家族にはさまざまなかたちがあることを知っている年代でも そうだよね、 誰に語るわけではなくても、 大切に、ていねいにいきていかなくちゃね、と思わされた作品だった。 読みやすい、優しい作品が 直木賞を受賞したことが嬉しい。 | ||||
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