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泥の河
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泥の河の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全72件 61~72 4/4ページ
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彼の短編は初めてです。長編もいいですが、もしかしたら、短編の方がいいかもしれないってくらい、気に入ってしまいました。 「泥の川」と「蛍川」の短編ニ作の文庫本です。 前者は大阪が舞台で、後者は富山が舞台です。なのでどちらも例のごとく方言です(笑)私は富山に縁があって、富山弁も聞きなれているのでなんともなかったのですが、知らない人には読みにくいのかもしれませんね。 解説にもありましたが、「暗さ」があるんですよね。貧しさとか、死とかいう直接的なものはもちろん、罪じゃないんだけど罪悪感を感じる感情とか、めちゃめちゃうまく描かれているから、そこから暗さとかほろ苦さが伝わってくる。決して退屈しないストーリー展開。でも、全体の流れはとてもスムーズで、飛ばない。子供の頃のことを思い出すとき、なんだか胸がきゅぅってなりません?そんな感じにさせてくれる作品です。 好みはあるかもしれないけども、やっぱりうまいんですね。 | ||||
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「泥の川」「蛍川」とも、子供の成長に必要なある種の「節目」のタイミングを捕らえた物語。そこには、青くさいエロティクな感情や照れ、恥ずかしさ、など本来なら甘酸っぱい感傷と捕らえられる状況を、作者は全然甘酸っぱくなく、猥雑な意味を持たせている。しかしながら両短編とも、印象的なシーンが記憶に残る。泥の川であると、蟹の燃えている姿、巨大な鯉が船の後を泳いでいるシーン。蛍川では、ラストの蛍に包まれている人間の像。そのシーンは全編に流れる、猥雑さとは一線を画している。そのことで物語が救われるのである。 青春前の独特の感傷を再確認できる物語です。 | ||||
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芥川賞受賞作品です。 主人公を取り巻く、暗い生活環境。 幼馴染に抱く恋心。 暗さの中にも明るさ、希望があり ラストシーンにつながります。 最後の文章の描かれ方は まさに目の前にその景色が浮かぶようで 登場人物のこころをまさに反映しているようで。 むかし国語で、情景ってことばを習いましたが この本のまさにラストシーンでこういうもんなんだ と実感。 | ||||
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大阪を舞台にした『泥の川』と富山を舞台にした『蛍川』、いずれも川を題材にした短篇2篇が収録された作品集。 両作品とも戦後から10年ほどの、まだ市井には死の臭いが漂っていた頃を背景に描かれている。そんな混沌としした渦中にあって、社会へ向けられる少年達の鋭い視線が哀愁をともなって丁寧に描かれている。 折々の風情と情緒たっぷりに描かれる文章の中に、可憐でどこかはかない人の業のようなものを感じさせる。 いずれも作品として高い完成度を誇り、『泥の川』が第13回太宰治賞、『蛍川』が第78回芥川賞の授賞も頷ける。 | ||||
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私の父も30代、40代と順調に事業を進めてきたが、晩年になって陰りをみせはじめ、最後は破産という悲しい結末で人生を終えた。年をとってから堕ちていく様は,家族までも不幸にし惨めの一言に尽きる。それでも蛍の大群が綾なす妖光に命の輝きを見出す蛍川は、生きていく希望を教えてくれる。こんな時代もあった。そして、今もどこかでこの小説を必要としている人達はきっといる。 | ||||
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このレビューで紹介するまでもないことですが、太宰治賞受賞の「泥の河」と芥川賞受賞の「蛍川」の宮本輝氏の代表作2編からなる文庫本です。両作品ともなんとなくノスタルジックで少年から青年へと変化する多感な時期を非常に上手く表現しています。そこには友情があり初恋があり、誰しもが時代を問わず経験した甘酸っぱい感覚が呼び起こされます。 | ||||
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宮本輝の作品の中では、唐突に人が死にます。死は特別な事ではなく、生活することと同等なのだと言うように。生と死の狭間で、誰もが抱きながらもまじまじと見つめ直すことのない想い…、人間の心の奥の、なま温かく湿った部分を、平易ながら美しい文体で描いています。 | ||||
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教科書で「蛍川」の一部分だけ読んで、凄く気になったので買ってしまいました。 普段はファンタジー系ばかり読んでる僕ですが、これは凄く心に響きました。 きっと、歳を取るたびに違う目線で読んでいけるんだろうと思います。 派手な場面はまったくないですけど、一つ一つの場面の書き方が凄く丁寧で、感動です。 「泥の川」も好きです。ただその時代の背景がどうしてもイメージできないんですよね・・・勉強しなくちゃ。 | ||||
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宮本輝の小説は美しく、そしてしっかり地に足が着いている。本作に納められた二編は、実質デビュー作であるとともに、その悲しさ、そして見事なイメージと叙情あふれる文章でつづられる世界は、非常に完成されている。このレベルをデビューで結実させた実力は見事だ。泥の河。大阪の河で廓船で母親とともに暮らす少女と少年。その家族と主人公のほのかな交流にはひそやかな優しさが滲み、秀逸な文章で読むものの心をゆっくりと物語に引き込む。そして主人公の少年は、ある夜、船のすきまから・・・。生きる事の残酷と悲哀が、深くせつない。主人公と少年の思い描いていた人生の光は、切なさとともにささやかな希望を残す。泣けます・・・。 | ||||
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「泥の河」は太宰治賞、「蛍川」は芥川賞である。宮本輝自身、小説のつまらなさに作家になったというが、これには圧巻である。別にスケールが大きいわけではない。普通の小説に見える。だが、何かが違う。心情描写であろうか。 いまやこの小説は文学の枠を超え、入試問題に頻出する問題となった。実際問題集をとくと、箇所こそ違うものの、『宮本輝「蛍川」』とか、あるのだ。 僕自身は、「泥の河」の方が好きだが、皆様はどうだろうか。 | ||||
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私にとって、宮本作品の忘れがたい一作です。情景が手にとるように鮮明に伝わってきて、一気にその世界に引き込まれました。蛍川は切なくて、電車の中で読んでいましたが涙をこらえるのに必死でした。宮本作品の根底に常に流れる人の温かさと、優しさを感じてもらいたいと思います。 | ||||
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今は大作家となった宮本輝氏の芥川賞を受賞したデビュー作。新人とは思えない、とよく言われてるようで、なるほど、新人作家の作品とは思えない。私は氏の作品をほとんど読んだが、この作品が最も好きだ。 川に浮かぶ船に住むきっちゃんと主人公のやりとり、話全体の雰囲気がとても印象的で忘れ難い作品。他にも良い作品はあるが、私は最初にこの本を読むことをお勧めしたい。 | ||||
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