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プラハの墓地
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プラハの墓地の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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読み応えは凄いです。ただ主人公(の1人である)シモニーニが稀代の偽文書作成家であるという割には文書作成に関する記述が思ったより少なく、暴動を企てたり等何でも屋になり過ぎてるきらいがあるように思えた。 せっかくの設定なのだから、もうちょっと偽文書関連の絡みを増やして、そちらの面を際立てると設定が生かされるのではと思った | ||||
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シモニーニというピエモンテ(現在のイタリア北部の州)人の稀代の偽文書作成の名人が、作成した偽文書によって歴史上の数々の事績を引き起こしたというピカレスク風の壮大なホラ話。シモニーニ以外の殆どの登場人物は実在の歴史上の著名人なので、このホラ話の大枠は史実に基づいた歴史小説にもなっているという凝った創り。更に、本作はシモニーニとその別人格(この治療に当るのがフロイト!)のピッコラ神父の回想風手記のカットバックで構成されており、記述形式の面でも工夫を凝らしている。そして、本作のテーマはズバリ、「民族・宗教に対する差別・偏見への批判」、である。 シモニーニが引き起こしたとされる主な歴史上の事績は、イタリア統一、パリ・コミューン陥落、ドレフェス事件、そして何と言っても、ナチのホロコーストの根拠となった「シオン賢者の議定書」作成である。そう、本作では徹底的なユダヤ人差別が描かれているのである。この他、黒ミサ、黒魔術、上流階級の性的倒錯、イエズス会やフリーメーソンの陰謀(?)等が禍々しく描かれている上に、それらの挿絵が随所に挟まれており、当時流行していた(らしい)通俗小説のパロディともなっているという凝りに凝った創り。シモニーニとピッコラ神父との関係は書けないが、「忘却の幸福感と回想の不安感」、というサブ・テーマらしい。 しかしながら、「薔薇の名前」を読んだ時も感じた事だが、幾ら作者が世界的記号学者だからと言って、こうまで博識をひけらかす必要があるのだろうか ? 本作も、中世暗黒時代から小国に別れていたイタリアやドイツが国家を形成する19世紀までのヨーロッパの(宗教を中心とした)歴史を熟知していないと付いて行けない(少なくても私はそうだった)。作中、(シモニーニの言葉を借りて)デュマを、「見た事を書くだけの作家」、と揶揄しているが、少なくてもデュマの「三銃士」は面白い。その点、本作は読んでいて面白くないのである。テーマは分り易いのに、こうまで分り難い構成にする必然性がサッパリ理解出来なかった。 | ||||
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19世紀のヨーロッパの暗部を抉るミステリーです。ピカレスクともいえるでしょうが、痛快さはあまりありません。前編おどろおどろしさにまみれ、時々出てくるグルメ話に一息です。主人公以外、実在人物という設定ですが、イタリア独立戦争から『シオンの長老の議定書』まで、ユダヤ人、フリーメーソン、カトリックに関する憎悪が入り交じり、大戦前夜のヨーロッパの葛藤を見事に描いています。 | ||||
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