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(アンソロジー)

悪意の迷路: 最新ベスト・ミステリー



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【この小説が収録されている参考書籍】
悪意の迷路 最新ベスト・ミステリー

悪意の迷路: 最新ベスト・ミステリーの評価: 3.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

東川氏の短編を除くとお寒い内容で、<ベスト・短編ミステリ>という名が泣く駄作

2013~2015年のベスト・短編ミステリを集めたと称するアンソロジー。15名の作家から一作ずつ採られている。しかし、世間に名の知れた作家が多い割には、東川篤哉氏の破天荒(ユーモラス)かつ緻密な傑作を除くと、アイデアを凝らした短編がなく、詰まらなくて期待外れだった。昨今の日本ミステリのレベルを良く反映しているとも言える。

本作の作家・作風中、私が愛好しているのは西澤保彦氏のロジカル・ミステリなのだが、本作中の西澤氏の短編はそのロジックが極めて脆弱で、それをカバーするためか、もう一つの悪癖の少女趣味に走っているというお粗末さ。道理で最近、快作が出ない訳だ。もう一人の好みの作家である三津田信三氏は努力賞といった程度(オチが弱い)。また、「満願」を読んだ際は、米澤穂信氏の力量に感心したものだが、本作中の米澤氏の短編は果たして小説(ヒロインにして見れば雑誌記事)として発表すべき内容なのか否か、相当疑問が残る(黙認するのが大人の態度だろう)と共に、米澤氏の力量にも疑問を抱いた。結局、東川氏の短編を除くと、月村了衛氏が遊びで書いた「水戸黄門」のパスティーシュがバカバカシイながらも笑えるという点で一番印象に残るというお寒い内容。

本作では性誤認トリックの短編はないが、例えば、「薫」という名の登場人物を出して、如何にも女性らしく描いて、実は男性だった、という風な幼稚な子供騙しをトリックと"はき違えている"作家が多過ぎる。出来は悪いが、様々な作風の短編を読めるという点が唯一の取り柄という寂しい内容。<ベスト・短編ミステリ>という名が泣く駄作だと思った。
悪意の迷路 最新ベスト・ミステリーAmazon書評・レビュー:悪意の迷路 最新ベスト・ミステリーより
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