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石黒くんに春は来ない



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【この小説が収録されている参考書籍】
石黒くんに春は来ない
石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)

石黒くんに春は来ないの評価: 3.47/5点 レビュー 15件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.47pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全15件 1~15 1/1ページ
No.15:
(3pt)

オチがすっきりしない

単行本は読んでおらず、この本だけの感想です。
終盤までは楽しく読ませていただきましたが、真犯人(首謀者)の本当の狙いや心情が理解できずにもやもやとしてしまいました。そして読み終わった後に表紙カバー絵を見返して「なぜ彼が表紙なの?」とさらに首を傾げてしまいました。全体的にすっきりしない終わり方でしたが、逆に想像の余地もあるのかもしれません(ミステリーならばスッキリさせて欲しいところですが)
石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)より
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No.14:
(2pt)

狭い世界のくだらない復讐

面白くない。
スクールカーストの上位と下位の対立、そして下位の復讐が描かれているが、上位の傲慢さが中途半端なせいで、下位の復讐の正当性が弱い。
作者は意図的に下位の主人公を絶対的な正義にしないよう書くことで、下位の復讐に「正義に酔っている集団心理の恐ろしさ」を表現しようとしている。
だがそれは逆に誰にも共感できないという結果をもたらしている。
下位の心理描写は卑屈で、これもまた共感から遠い。

共感ができないので、読者は第三者の視点から復讐劇を眺めることになるが、
カースト上位を蹴落とすという主人公たちの目的を客観的に見たとして、
それは陳腐な行動にしか見えず、つまらないことをやってるなとしか感じない。
とにかく高校生の教室は世界があまりにも狭すぎる。
その世界の閉塞感は、現役の高校生からすればリアルなのかもしれないが、
大人になればただの狭い数メートル四方の空間でしかない。
そこでのいざこざを、キャラへの共感なしに眺めるのは、個人的には退屈でしかなかった。
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No.13:
(4pt)

単行本と文庫本の読み比べのために購入しました。

単行本とは違うストーリーの、同じ題名の本。単行本から、文庫本へと読み比べました。どちらも面白いが、個人的には単行本の結末が好きでした。
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No.12:
(5pt)

単行本版と異なる結末

単行本版を加筆修正した本作は、単行本版よりも暗いラストとなっています。
読む順番としては、単行本版→本作を強く勧めます。
それぞれの登場人物が、それぞれの大義名分、正論を元に、閉鎖された学校の中で
狂っていく様は、残酷です。目的を達成するために手段を問わないと、どうなるか、
分かってしまう。
ドロドロ青春物を読みたい方、お勧めです。
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No.11:
(4pt)

真に怖いのは?

大雑把にまとめるなら、スクールカーストにおける下克上、無自覚で残酷ないじめへの敵討ち、となるのだろうか…

最後まで引っ張る謎も、ミステリとしてはよくあるパターンで、驚きは少ない。

この話の中での下克上、敵討ちを爽快と感じるのはちょっと短絡的な捉え方に思えて…正義の仕返しが実は同じ穴の狢とも言える集団での暴力に堕していないか?と背筋がモゾモゾし、居心地の悪い気分になる。それこそが作者の狙いかも?

最後に種明かしされる問題の彼の本心と真相から分かるのは、どんなに親しい間柄だとしても他者の心の奥底はその本人にしかわからないという身も蓋も無い真実。

主人公たちの担任が、かなりデフォルメされた酷い先生として描かれていて、作者は学校とか教員に対して恨みでもあるのかな?と思ってしまった。

いじめの問題を扱った先行作品としては、山田詠美の『風葬の教室』、村上春樹の『沈黙』などを勧めたい。スクールカーストやLINEを上手く使って新味を出しているところは、この作品の手柄だと思う。

やはり、響けユーフォニアムシリーズのほうが、個人的には好きだな。
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No.10:
(5pt)

単行本よりもミステリー感が増してます

同タイトルの単行本も読みましたが、別の作品と言っても良いものになってます。特に終盤は衝撃でした。個人的には単行本の方がスッキリ感がありましたが、「朱音」を面白いと感じた人には文庫版の方が絶対にオススメです。というか、単行本と文庫の読み比べをオススメします。
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No.9:
(2pt)

どうなんだろうか?

登場人物が多すぎて、魅力的な人物が一人もいなくなってしまったのではないか?
物語の進行役、カリスマ性のないカリスマ、正義の味方のような復讐者、その他の回りの者たち。
どれも皆、中途半端のように思えるのだが…
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No.8:
(5pt)

前半は現実的、後半は小説ならでは。

LINEいじめの描写がリアルに感じられて実に良かった。現実なら被害者は泣き寝入りを本作のように余儀なくされるものなんだろう。

だが、後半では加害者への復讐がクラスメートの間でトントン拍子に進み非常にスッキリとしたオチになっている。人を選ぶ作品かもしれないが今時のスクールカーストや学校事情を理解するために読んでおいて損はないと思った。
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No.7:
(3pt)

前半モヤモヤ、後半サクサク、読後ほろにが

個人的にはスカッとしました。
相手の言葉をブーメランにして、弱者が強者の首を取る。
そして規模は小さいにしろ、ここの登場人物のこれからの高校生活、似たことが各グループで起こるのではないかと。または、起こるのではないかという恐れを抱えて、卒業していくんだろうな、と。
そしてお互いに疲れて、疎遠になっていくんでしょうね。
高校生って、どのくらいの割合の子たちが、「楽しい、明るい、自己肯定バンザイ」って思ってるんだろう。
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No.6:
(4pt)

人間の持つ利己主義の業は斯くも深い

人間の持つ利己主義の闇はかくも深い。

恐らく、スクールカーストのような格付けやヒエラルキーというものは、大なり小なりいつの時代もどこの国にも存在するものだろう。力を持つものと持たざるもの。その絶対的な差異と人の心の内に潜む姑息な賢しさがある限り、人間はカーストの呪縛から逃れることができない。

そして現代の女子高生の力とは、一にも二にもルックスなのだ。無論、男子もルックスによる影響を受けなくはないが、女子が受けるそれに比べれば些細なものでしかないのだろう。女子のルックスは異性、同性両者からの強い審美眼にさらされ、いつだって仕分けの対象となっている。思春期真っ只中の高校生たちは美意識が強く、自他の容姿に強いコンプレックスを抱いている。十代という若さ故に人間の本質や内面に意識を向けることのできない視野の狭さと稚拙な精神がそれに拍車をかけているのは間違いないだろう。
カーストの最頂点に立てるだけのルックスに秀でた人物を中心に形成されたグループを最上位とし、以下気の合う者同士がグループを組み、それぞれのグループ総合ルックス力によって上下関係が決定付けられるのが現代の多くの高校で見受けられる女子のヒエラルキー構造だろうか。承認欲求と自己顕示欲によって寄り集まった最上位グループに属する人間達の希薄な友情関係を本書では生々しく描写している。

ただ、これだけならば特に変わり映えもしないスクールカーストをモチーフにした薄暗い青春小説ということになるのだが、本書が秀逸なのは現代の若者にとって必須のコミュニケーションツールとも言えるLINEを用いたこと。本書における人間関係の変化の起点はほぼ全てがLINEによるやりとりになっている。
LINEというスパイスを添えたことで現代特有の人間関係像が描かれ、同時に安全圏から他人を容赦なく攻撃する心理や、同調圧力という心理が抱える闇の深さが痛切に描写されている。両者共に人間心理の中に普遍的に存在するものだが、前者はネット社会によって如実に浮き彫りとなり、後者は空気を読むや長いものに巻かれろなど特有の文化を持つ日本社会において無視することのできないものとして蔓延っているように思う。

終盤の怒涛のような断罪劇。そしてラストに明かされる真実。
人間は見たいものだけを認識し、得た情報を自分の都合の良いように解釈する生き物なのだということを痛感させられる。

近しい世代の人間として、著者の卓越した観察眼と物語を最も効果的に描く構成力、筆力は本当に素晴らしいと思わされた。

星4の評価はあくまで個人の嗜好によるー1。人間が持つ心の闇を生々しく描く純文学は、決して嫌いではないのだが、なかなかに救いがないことも多く、決して晴れやかな気持ちになれないというのが難点。
その一点を除けば、この上なく完成された作品だと思う。著者の狙い通り、まんまとはめられているであろう自分がいた。本書を読み終えた時、人間の持つ業の深さにゾッとしている自分が間違いなくそこにいたのだから。
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No.5:
(2pt)

サンプル版(石黒くん失踪発覚時まで)感想

中高生時代の微妙に鬱陶しい交友関係がよく書かれていると思う。
物語冒頭から読みやすかったし作者の作った世界に入りやすい文章だった。
そこそこどこにでもいそうな高校生ばかりだけど登場人物それぞれ書き分けもされている。
特有の潔癖さや自己肯定感の低さのわりにナルシストっぽい一面発言とかその痛々しさとか周りに配慮できない無神経さなどドロっとしたものが沢山。
読みやすいだけにその人間関係のうんざり感もきっちりあるので好みがすごく分かれそう。
あと思春期の子供を焦点をあてすぎたばかりに本当に大人不在の世界に感じた。
学年行事のスキー旅行でまるっと大人が放置しているような世界観はどーなのだろうかと。いやいるんだけど。
200人規模の生徒を雪山に連れて行くのに上級者と初心者一緒の班で構わないような班分けさせるって
班を作る意味は?インストラクターも付けないのかなぁとか。宿戻りも各自でずいぶん自由な学校だな。でもそんなとこもあるのかも??
にしても作中でも上級者と初級者だからってのもあって別行動してるし5人の40班じゃなくて200人バラバラなのを監督するのと変わらんよなぁとか。
ターンできなかったらコース端は急斜面(怪我+遭難)とかスキーエッジで流血、転んで骨折、転倒して頭打って脳内出血、単独行動の末コースアウト遭難、
止まれなくて一般客に突っ込んで怪我をさせるー。
生徒視点だとちょい面倒なだけだったスキー教室も、もし自分が教師側だったら更に面倒そうな行事だなと想像されるだけになんだかなぁと。
戻ってない時点で班員に話聞きにきたの同級生だし。
教師側でも石黒がこの時点で戻ってないことに食事時間を遅らせる程度に危機感をもってて
まっさきに班員に何も聞いてない大人しかいない世界なのか、はたまた教師が班メンバーさえ把握していないのか、と。
教師同士も連絡取り合ってる感もなにも出さないからすごく適当感。
まるっと存在感自体がなさすぎて空気。
物語を作者のいいように進める為のご都合主義的展開か?と思いはじめたあたりでサンプル終了。
読んだ分の7割結構面白くて残り3割で✩がっつり削った。個人的に細かいところで色々なんだかなぁと思う回数が多かったので。

あくまでサンプル分なのでそこから巻き返す可能性もあるんだけど買ってまで先を読みたいと思えなかった。
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No.4:
(1pt)

作者の思想が垣間見れる

簡単に言えば
実名を晒して書き込んだり、相手に直接意見を言う人間に対し、直接言い返せないからSNSで他人に成りすましたり、自分の名前を隠して相手より陰湿な方法で復讐するという話。それを、最終的になんとか正当化しようと必死になっている作品。
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No.3:
(4pt)

人間関係ドロドロの作品

響け!ユーフォニアムシリーズが好きなので購読。ユーフォニアム系で見られたような人間関係の対立が前面に出た作品。時折、登場人物の狂気を感じられるがそれはそれで面白い。湊かなえの作品が好きな人に勧められる作品かもしれない。
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No.2:
(4pt)

ギスギスを描かせたならば若手一

ネタバレにならないようにかいつまんで言うと、スクールカースト最上位に君臨するいじめっ子に、カースト下位者がコミュニケーションツールをつかって復讐を図る、という物語です。あのハートウォーミングな「ユーフォニアム」シリーズでも随所に描かれた、人と人との分かり合えなさ、乖離感がこの作品では全開です。物語後半、いじめっ子がじりじりと追いつめられていく姿には確かにカタルシスを感じますが、読後感は決していいものではありません。それでも★四つとお勧めするのは(たしか)まだ大学生の作者が、ここまで人と人のギスギスした関係を真正面にみつめて描ききる、その力量に大きな可能性を感じるからです。化けるかもしれません。
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No.1:
(4pt)

読んでて苦しくなってくる

初めて読む作者の本。スクールカーストやLINEを使ったクラス内でのやり取りに戦慄。主人公の、10代にしては俯瞰的な目線に救われる。登場人物一人一人に、思春期特有のなんとも言えない「(大人になってみたら感じる)恥ずかしさ」が漂っていて、読んでいて苦しい。帯のアオリにあるようなドンデン返しの連続は感じなかった。でしょうね、だと思いました、という終わり方というか。でも、一気に読めて退屈しませんでした。
石黒くんに春は来ないAmazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ないより
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