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石黒くんに春は来ない



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【この小説が収録されている参考書籍】
石黒くんに春は来ない
石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)

石黒くんに春は来ないの評価: 3.47/5点 レビュー 15件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.47pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(4pt)

単行本と文庫本の読み比べのために購入しました。

単行本とは違うストーリーの、同じ題名の本。単行本から、文庫本へと読み比べました。どちらも面白いが、個人的には単行本の結末が好きでした。
石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)より
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No.8:
(5pt)

単行本版と異なる結末

単行本版を加筆修正した本作は、単行本版よりも暗いラストとなっています。
読む順番としては、単行本版→本作を強く勧めます。
それぞれの登場人物が、それぞれの大義名分、正論を元に、閉鎖された学校の中で
狂っていく様は、残酷です。目的を達成するために手段を問わないと、どうなるか、
分かってしまう。
ドロドロ青春物を読みたい方、お勧めです。
石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)より
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No.7:
(4pt)

真に怖いのは?

大雑把にまとめるなら、スクールカーストにおける下克上、無自覚で残酷ないじめへの敵討ち、となるのだろうか…

最後まで引っ張る謎も、ミステリとしてはよくあるパターンで、驚きは少ない。

この話の中での下克上、敵討ちを爽快と感じるのはちょっと短絡的な捉え方に思えて…正義の仕返しが実は同じ穴の狢とも言える集団での暴力に堕していないか?と背筋がモゾモゾし、居心地の悪い気分になる。それこそが作者の狙いかも?

最後に種明かしされる問題の彼の本心と真相から分かるのは、どんなに親しい間柄だとしても他者の心の奥底はその本人にしかわからないという身も蓋も無い真実。

主人公たちの担任が、かなりデフォルメされた酷い先生として描かれていて、作者は学校とか教員に対して恨みでもあるのかな?と思ってしまった。

いじめの問題を扱った先行作品としては、山田詠美の『風葬の教室』、村上春樹の『沈黙』などを勧めたい。スクールカーストやLINEを上手く使って新味を出しているところは、この作品の手柄だと思う。

やはり、響けユーフォニアムシリーズのほうが、個人的には好きだな。
石黒くんに春は来ないAmazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ないより
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No.6:
(5pt)

単行本よりもミステリー感が増してます

同タイトルの単行本も読みましたが、別の作品と言っても良いものになってます。特に終盤は衝撃でした。個人的には単行本の方がスッキリ感がありましたが、「朱音」を面白いと感じた人には文庫版の方が絶対にオススメです。というか、単行本と文庫の読み比べをオススメします。
石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ない (幻冬舎文庫)より
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No.5:
(5pt)

前半は現実的、後半は小説ならでは。

LINEいじめの描写がリアルに感じられて実に良かった。現実なら被害者は泣き寝入りを本作のように余儀なくされるものなんだろう。

だが、後半では加害者への復讐がクラスメートの間でトントン拍子に進み非常にスッキリとしたオチになっている。人を選ぶ作品かもしれないが今時のスクールカーストや学校事情を理解するために読んでおいて損はないと思った。
石黒くんに春は来ないAmazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ないより
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No.4:
(4pt)

人間の持つ利己主義の業は斯くも深い

人間の持つ利己主義の闇はかくも深い。

恐らく、スクールカーストのような格付けやヒエラルキーというものは、大なり小なりいつの時代もどこの国にも存在するものだろう。力を持つものと持たざるもの。その絶対的な差異と人の心の内に潜む姑息な賢しさがある限り、人間はカーストの呪縛から逃れることができない。

そして現代の女子高生の力とは、一にも二にもルックスなのだ。無論、男子もルックスによる影響を受けなくはないが、女子が受けるそれに比べれば些細なものでしかないのだろう。女子のルックスは異性、同性両者からの強い審美眼にさらされ、いつだって仕分けの対象となっている。思春期真っ只中の高校生たちは美意識が強く、自他の容姿に強いコンプレックスを抱いている。十代という若さ故に人間の本質や内面に意識を向けることのできない視野の狭さと稚拙な精神がそれに拍車をかけているのは間違いないだろう。
カーストの最頂点に立てるだけのルックスに秀でた人物を中心に形成されたグループを最上位とし、以下気の合う者同士がグループを組み、それぞれのグループ総合ルックス力によって上下関係が決定付けられるのが現代の多くの高校で見受けられる女子のヒエラルキー構造だろうか。承認欲求と自己顕示欲によって寄り集まった最上位グループに属する人間達の希薄な友情関係を本書では生々しく描写している。

ただ、これだけならば特に変わり映えもしないスクールカーストをモチーフにした薄暗い青春小説ということになるのだが、本書が秀逸なのは現代の若者にとって必須のコミュニケーションツールとも言えるLINEを用いたこと。本書における人間関係の変化の起点はほぼ全てがLINEによるやりとりになっている。
LINEというスパイスを添えたことで現代特有の人間関係像が描かれ、同時に安全圏から他人を容赦なく攻撃する心理や、同調圧力という心理が抱える闇の深さが痛切に描写されている。両者共に人間心理の中に普遍的に存在するものだが、前者はネット社会によって如実に浮き彫りとなり、後者は空気を読むや長いものに巻かれろなど特有の文化を持つ日本社会において無視することのできないものとして蔓延っているように思う。

終盤の怒涛のような断罪劇。そしてラストに明かされる真実。
人間は見たいものだけを認識し、得た情報を自分の都合の良いように解釈する生き物なのだということを痛感させられる。

近しい世代の人間として、著者の卓越した観察眼と物語を最も効果的に描く構成力、筆力は本当に素晴らしいと思わされた。

星4の評価はあくまで個人の嗜好によるー1。人間が持つ心の闇を生々しく描く純文学は、決して嫌いではないのだが、なかなかに救いがないことも多く、決して晴れやかな気持ちになれないというのが難点。
その一点を除けば、この上なく完成された作品だと思う。著者の狙い通り、まんまとはめられているであろう自分がいた。本書を読み終えた時、人間の持つ業の深さにゾッとしている自分が間違いなくそこにいたのだから。
石黒くんに春は来ないAmazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ないより
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No.3:
(4pt)

人間関係ドロドロの作品

響け!ユーフォニアムシリーズが好きなので購読。ユーフォニアム系で見られたような人間関係の対立が前面に出た作品。時折、登場人物の狂気を感じられるがそれはそれで面白い。湊かなえの作品が好きな人に勧められる作品かもしれない。
石黒くんに春は来ないAmazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ないより
4781614884
No.2:
(4pt)

ギスギスを描かせたならば若手一

ネタバレにならないようにかいつまんで言うと、スクールカースト最上位に君臨するいじめっ子に、カースト下位者がコミュニケーションツールをつかって復讐を図る、という物語です。あのハートウォーミングな「ユーフォニアム」シリーズでも随所に描かれた、人と人との分かり合えなさ、乖離感がこの作品では全開です。物語後半、いじめっ子がじりじりと追いつめられていく姿には確かにカタルシスを感じますが、読後感は決していいものではありません。それでも★四つとお勧めするのは(たしか)まだ大学生の作者が、ここまで人と人のギスギスした関係を真正面にみつめて描ききる、その力量に大きな可能性を感じるからです。化けるかもしれません。
石黒くんに春は来ないAmazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ないより
4781614884
No.1:
(4pt)

読んでて苦しくなってくる

初めて読む作者の本。スクールカーストやLINEを使ったクラス内でのやり取りに戦慄。主人公の、10代にしては俯瞰的な目線に救われる。登場人物一人一人に、思春期特有のなんとも言えない「(大人になってみたら感じる)恥ずかしさ」が漂っていて、読んでいて苦しい。帯のアオリにあるようなドンデン返しの連続は感じなかった。でしょうね、だと思いました、という終わり方というか。でも、一気に読めて退屈しませんでした。
石黒くんに春は来ないAmazon書評・レビュー:石黒くんに春は来ないより
4781614884

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