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綴られる愛人



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【この小説が収録されている参考書籍】
綴られる愛人
綴られる愛人 (集英社文庫)

綴られる愛人の評価: 4.25/5点 レビュー 8件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

手紙は嘘をついてしまう

知らない人に宛てた手紙が嘘ばかりになる事象を的確に捉えて、見知らぬ人への希望や欲望を嘘をつく事で加速していく物語。手紙には美辞麗句を、愛の欲望を書き連ねる。出さなかった手紙も本文には綴られるため、何が嘘で真実はどこにあるのか、読者はページをめくるたびに真実は何か、手紙か本文がどちらが真実かの間でさまよう。
凛子の手紙は巧みで、とても美しい。

久しぶりに文学の深みに入りました。
綴られる愛人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:綴られる愛人 (集英社文庫)より
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No.6:
(5pt)

よかった

よかった
綴られる愛人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:綴られる愛人 (集英社文庫)より
408745861X
No.5:
(4pt)

愛人の恋文・・・

作者の書く男性像がいつも、とても興味深いです。
本作も一般的な、いい男は登場しません。(そこがいいんだよなー・・・)

若い学生の男の子を翻弄し振り回す女が夫とする男は愛するのに値する男なのか??
恋とか愛とかに片足を突っ込んでみたものの・・・みたいな若い男の子の暴走の描写には
理解できない部分があるけれど凛子の悪女振りに憧れてしまいます・・・

井上さんの目を借りて通り過ぎる物語を読むことの快感に溺れて・・・
なかなか出られそうにない今日この頃・・・笑
綴られる愛人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:綴られる愛人 (集英社文庫)より
408745861X
No.4:
(5pt)

本名も住所も顔も知らない文通相手から夫の殺害を依頼された男の物語

物語の先がどうなるのか気になって、『綴られる愛人』(井上荒野著、集英社)を一気に読み通してしまいました。

「綴り人の会」という名の会員制の会があります。会員は毎月発行される会報に掲載された自己紹介文を読み、これはという相手を選んで手紙を書きます。便箋に手書きし、封筒に入れ、送料と手数料分の切手を同封し、会宛てに郵送すると、会から相手へ転送されるというシステムです。本名や住所を明かさずに「文通」できるわけです。

この会を通じて、夫の家庭内暴力に悩む東京の28歳の専業主婦・凛子と、金沢勤務の35歳のエリート・サラリーマン、クモオとの文通が始まります。

顔を見たことがないのに、文通を重ねるうちに、二人の気持ちは急速に昂まっていきます。

「東京出張の日取り、決まったら教えてください。前にも書いたとおり、クモオさんが近くにいることを感じていたいから。でも、会うことはできません。彼が生きている間は。約束します。彼が死んだら、あなたに会います。それまではだめ。彼が死んだら、私が金沢へ行ってもいい。もちろんあなたが来てくれれば、東京で一緒に暮らしてもいい。クモオさんがそうしたいなら、仕事をやめればいい。お金のことなんてどうでもいい。生きていけるなら、私は何でもする。私は本気です。2月1日 凛子」。

悩みに悩んだ末、遂に決意を固めたクモオは、凛子の夫殺害を実行してしまいます。

読者は、凛子が実は35歳の人気作家で、マネジャー役の夫の細かい指図を鬱陶しく思っていること、そして、クモオが本当は21歳で、富山県魚津市に住む、就職活動に身が入らぬ三流大学の3年生であること――を知っています。

二人はどうなるのでしょうか・・・。思いがけない結末が待ち構えています。
綴られる愛人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:綴られる愛人 (集英社文庫)より
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No.3:
(4pt)

捨てたものではない、人間。

虚構の中のものは虚構でしか通用しないことが実感できました。そのことで現実世界の重み、案外軽い人間のプライドや自尊感情を他者が肥大して評価する経過も味わえました。荒野さんにしては珍しく?救いの言葉が随所にあり、同年代としては勇気を貰える作品でした
綴られる愛人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:綴られる愛人 (集英社文庫)より
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No.2:
(4pt)

手紙によってかわっていく過程が

自分を偽りながら続ける文通。
それも、綴り人の会 という団体を通しての手紙のやりとりであるから、
受け取った手紙に対する返事がすぐには書けないし届かない。
そのもどかしさが、また、ふたりの憶測や不安をふくらませているのかもしれない。

手紙と本当の姿と、ふたりのそれぞれが交互に描かれる。

夫に支配されている児童文学作家と
大学生活にも就職活動にも友達とも恋人ともうまくいかない大学生。

ふつうであれば接点のないふたりが、
偽った手紙の中で、なにか自分でもわからない奥底にあるものがにじみでてくるような
そんな感じがした。

心理描写のうまさにひきずられて、
すぐに読み終わってしまった。

うまいと思う。
綴られる愛人 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:綴られる愛人 (集英社文庫)より
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No.1:
(4pt)

秘密の文通の成れの果て

井上 荒野さんの最新長編

東京住まいの35歳の作家、天谷柚(あまがいゆう)が主人公です。
夫に内緒で「綴り人の会」を通して、富山に住む21歳の大学生、
森航大(もりこうた)と知り合い文通を始めます。

お互いに本名も年齢も職業も偽ってやりとりして行きます。
柚は凜子(りんこ)と名乗り28歳の専業主婦

航大はクモオと言うペンネームで35歳のエリートサラリーマンを装います。

これだけ身分を偽りながらの文通ですが、互いの満たされない現実や
乾きの様な物から逃避しようとでもする様に徐々に言葉に熱が高まって行きます。

モラハラ夫、真哉(しんや)の存在をうとましく思う思う妻、凜子がクモオに託した願いとは…

今時、珍しい文通と言うツールで、それぞれの手紙にお互いが疑心暗鬼になりながらも
徐々にのめり込んで行く過程にドキドキさせられました。

ラストの展開が少しあっけない印象を持ちましたが、新鮮な恋愛サスペンスとして楽しめた1冊でした。
綴られる愛人Amazon書評・レビュー:綴られる愛人より
4087710122

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