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わすれて、わすれて



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わすれて、わすれて

わすれて、わすれての評価: 5.00/5点 レビュー 1件。 -ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

少女特有の優しさや純粋さや残酷さがないまぜになった復讐譚の行く末

前作『うそつき、うそつき』の語り口と世界観が好きで、こちらも手にとりました。
タイトルは似てますが、続篇ではなかったです。前作より未来の世界なのかな?

舞台は、暴力で理不尽にいろいろなものが奪われる世界。
親を殺された16歳の二人の少女が主人公です。
語り手は、国一番の射撃の名手、リリイ。通称リリイ・ザ・フラッシャー。
もう一人は、その親友で、親から特定の記憶を消去できる不思議な本「ダイアリー」を相続したカレン。
カレンが親を殺された事実を16の誕生日とともに祖母から聞かされ、「ダイアリー」を相続して復讐を決意し、
リリイを用心棒として復讐の旅に誘ったことから、物語は始まります。

少女特有の優しさや純粋さや残酷さがないまぜになって、復讐という形で発露するとき、
どうしても自己矛盾を抱えて、破滅へ向かって突っ走ることになるのかもしれません。
はたして「ダイアリー」が破滅を止めるためのマジック・アイテムになりうるのか。

冒頭にこんなエピグラフが載っています。

「わたしには父や祖父がやっていたみたいに、この本を世のひとのために役立てるつもりはありません。
ただただ個人的な復讐のためだけに使いたいのです。」
                                   カレン

「でも、やられてやりかえしていたら、復讐の連鎖がどこまでも続いてしまいますよ。」
                                   アンネ

エピグラフからもわかりますが、これは、復讐と記憶をテーマにした寓話的な物語です。
切なくて、胸をえぐられるようなところもあり、ラストシーンはとても美しいと思う。

『うそつき、うそつき』でもそうだったけれど、メインテーマとは別に、友情についての考察が通底していて、
厳しい世界にあっても失われない、みずみずしい心がいとおしくなります。
わすれて、わすれてAmazon書評・レビュー:わすれて、わすれてより
415209639X

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