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オーデュボンの祈り
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オーデュボンの祈りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全252件 141~160 8/13ページ
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こどもの頃ピーターパンの国に憧れたように、 空想の世界に憧れるふわふわした気持ちになれる。 ただ、登場する人物に唯一人めちゃめちゃ不快な男がいて、 その部分の話になるととにかく不快で不快で仕方がない。 作品の中にそういうのも必要な役割なのかもしれないけど、 個人的には不要だった。 それ以外は本当にふわふわした気分で気持ち良く読めるのになぁ。。。 | ||||
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重力ピエロを劇場で見たいので、その前に小説でそこまでたどり着こうと思い読み始めることにしました。 様々な温度の話が綿密に計算され、作者にとって丁度いいバランスで積み重ねられた物語には何か引き込まれるような魅力があり、さすがに次々と作品が映画化されるだけのことはあると思いました。 ただ一点、納得がいかないのが轟です。彼は根幹部分のエピソードを無理やり繋げるための接着剤として使われているためか行動や思考が不安定でキャラクターが成立していないような印象をうけました。 ただおもしろいことには変わりなく、井坂作品に触れる前よりも彼の印象が格段に良くなったのも確かなので劇場公開が終わる前に重力ピエロまでたどりつけるよう次作を読もうと思います。 | ||||
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初めて読んだ作品がデビュー作でした。途中から、吸い込まれるように読み続けました。とても面白かったのですが、終わり方が少し物足りなかったかな!?でも、その後の作品のプロローグなのかもしれません。作者の人生観や社会風刺がきちんと書かれている。世の中には、色々な人間がいて、感じ方も多種多様。その人に欠けているものをも含めて受け入れてやることで、違う本質が見えてくる。弱者に優しく、傲慢な人には手厳しい、素敵な作品でした。 | ||||
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伊坂幸太郎のデビュー作。シュールな世界観と魅力的なキャラクターが織り成すミステリー。 とにかくキャラクターが奇抜。キャラ付けがしっかりとされているので読んでいて楽しい。舞台が日本から隔離された小さな島ということで非現実的。それでいながらその島ではそれが当たり前なところが、我々が感じる常識というものは結局自分のまわりにしか適用されないものなのだと考えさせられる。 話の間で時折挟まれる主人公の祖母の話や、本土にいる元恋人の話など補足的に入っているのが面白かった。そして最終的に挟まれる話はすべて重要なものなのだとあとで気づく。ひょっとしたら僕が気づくのが遅かったのかもしれないけどとにかく大切なエピソードであった。 分類としてはミステリーなんだろうけど、ファンタジー要素も入っているのでかんたんにカテゴライズ出来る小説ではないと思う。ただ、最後にあっといわせる手法がとてもミステリーらしいのでミステリー小説なのだろうと思う。 デビュー作ということで伊坂ワールド全開なこの小説。案外読む人を選ぶ小説かもしれない。 | ||||
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いろんな角度に飛んだ話が 最後一か所に集まり終着したときには 味わったことのない感動を覚えました。 小説という制約された世界の中で 文字の中から何かが飛び出てきそうな。 おもしれ〜 | ||||
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れいによって、とんちんかんなことを書きたい。 荻島。この島には、何かが欠けていた。日比野や田中も、それぞれ、<欠かし>ていたものがあった。 日比野は、島の人たちとうまくコミュニケーションがとれない、彼らと距離がある。どうも、それは、彼の感じ方・表現の仕方が彼らと微妙にずれているかららしい。なぜ、ずれてしまったのか、それは本作を読んでお確かめいただこう。 田中は、片足が不自由だ。独特の歩き方をする。日比野は、歩くのに不自由を感じる田中は、<普通>の人と同じように歩けるようになりたい、そう思っているに違いない、と見る。 頭が非常に弱い私は、いつも、しょげてばかりだ。私も、何かが欠けているに違いない。私も、<普通>になりたい、と思うことがある。一方で、このままでいい、このままがいい、と思うこともある。<普通>ではない、ということは、私らしい、ということでもあるからだ。 そもそも、何かが欠けていない人なんて、この世に存在するのだろうか。 未来を予知し、しゃべることのできる案山子。<カカシ>は、あるいは、<欠かし>のもじりではないだろうか。 確かに、<案山子>は、「古事記」(あるいは、「日本書紀」だったか?)の昔から、何でも知っている存在としてあった。しかし、彼には<欠かし>ていたものがあった。それは、片足だ。一本足の彼は、自分で歩き回ることが出来ないのだ。知っていても、行動することが出来ない。彼は、もどかしかった。後ろめたかった。 誰もが何かを<欠かし>ている。それでも、それだからこそ、人と人とは、つながっていかなければならない、そんなことを考えた。別に、伊坂さんは、そんな教訓的な作品を書いたつもりはないだろうけれど。 | ||||
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初出は2000年12月。第5回新潮ミステリー倶楽部大賞を受賞した伊坂幸太郎のデビュー作(正確には1996年に『悪党たちが目にしみる』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞しているので第2作、でもこの作品を読むのはかなり困難だ)。 まず、既に伊坂ワールドが完成しているのに驚く。そしてこの非凡な才能を新潮ミステリー倶楽部の選考委員が見逃さなかったことに拍手したい。この作品的に言えば『選ばれない』未来も『選ばれる』未来も存在していただろう。しかし、この作品がフツーの読者の手元に届くという未来が選択されたという結果が、その後の続々と発表される傑作が世に出る引き金であったことは間違いない。未来は神様のレシピで決まる、は、伊坂幸太郎が大好きな台詞だが、神様は最高のレシピを出してくれたようだ。 伊坂幸太郎のスゴイと思うところは、作品の全世界を創造力だけで完成できるところだと思う。そして世界の回転を随所に伏線を張りながら、ほとんど会話で創り上げる。一番近いのは村上春樹の『海辺のカフカ』だと思うがこの作品はあの傑作すらも凌駕している、と感じる。これからどれだけの傑作を生み出し続けるのか予想がつかない。ただ既に直木賞を渡すタイミングは逸してしまっているほどビッグな存在になっていることにおそらく選考委員は気がつかないのだろう、と思う。 | ||||
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本屋大賞・山本周五郎賞受賞作品 伊坂幸太郎デビュー作 この作品の中心となる舞台は、150年前から鎖国を続けている“荻島” かなりファンタジーなんだけど、 所々はしっかりと現実とリンクしていて不思議なお話でした。 そして、未来を知っていてかつしゃべる案山子、 桜、ウサギなど個性的なキャラクター達が“荻島”という伊坂ワールドでその魅力をよく発揮していると思います。 うっかり本当に“荻島”は存在しているかのような自然な創りでした。 また、小物を使ったり、追っ手くる城山を通じての現実世界とのつなぎも上手い。 何せ不思議な島。 展開が読めず、様々な不思議な行動や事件が最後につながった時、 少し切なくて、キレイな感動が残りました。 また作者の知性を感じる場面もちらほらありました。 特に “勇午はカカシなのに鳥贔屓だ” リョコウバトと案山子のコラボなんて・・・ シュールすぎます!! 以前から伊坂さんの作品に興味があり、 デビュー作であるこの作品から読んでみたいと思い手に取ったのがきっかけです。 そして見事にハマりました。 | ||||
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伊坂氏の実質的デビュ−作。題名中の「オーデュボン」は実在の動物学者。リョコウバトの記録者として知られる。だが人間の乱獲により何百億羽のリョコウバトは絶滅した。 失業中の主人公がコンビニ強盗の末、無意識のまま運ばれた荻島は江戸時代末期から鎖国している孤島。島には未来を見通し、言葉を喋る神的存在の"カカシ"優午がいる。その他、船を有し、唯一人外界と接触を持つ轟。異邦人の日比野。嘘の国の住人、画家の園山。300Kgの体重で動けない市場の女"ウサギ"。自身が島の掟で、殺人公認の"桜"等の島民。そして、島には"足りないものがある"との伝承がある。意表を突く出だしである。牧歌的文体と相まって、主人公の夢想かと思う程に現実感を欠いている。 そして翌日、優午が殺される(解体されたと言うべきか)。当然の疑問は「なぜ優午は自分が殺される事を予見できなかったのか」だが、優午の能力を信じれば「殺される事を知っていた筈の優午が、なぜ誰にもそれを話さなかったのか」と換言できる。主人公より少し前に島にやって来た曽根川も殺される。二つの事件の関係、そして島の因果律とは何か ? 謎は膨らむ。優午を名探偵に見立て、名探偵が退場した後のミステリを匂わせている辺りが一つの趣向。"名探偵は誰も救わない"。だが、優午は島民のために「祈っていた」と言う。「優午の祈り」の真意とは...。 様々な色・形のモザイクで緻密に構成されたステンド・グラスのような作品で感心するが、作者の意図としてはミステリ的趣向より、人間の持つ善意、優しさ、夢と言ったものを信じる気持ちを伝えたかったのだと思う。城山はその反面教師だ。とにかく、"読ませる"作家であり、その後の活躍を予見させる秀作。 | ||||
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伊坂さんのこの本は、「アヒルと鴨のコインロッカー」「重力ピエロ」 に続いて3番目に読みました。読書からは遠のいていたのですが、妹からすすめられ、 ひまつぶしに・・・と読み始めたらとまらなくなり、一気に読んでしまいました。 感想としては、私は読んだ3作品の中では一番好きでした。もともとファンタジー小説 が好きなので、この作品から漂うファンタジー感に惹かれたのだと思います。 出てくるキャラクターも、淡々としてはいますがどこか憎めなくて私は好きでした。 途中出てくる暴力シーンだけはどうにも嫌悪感を抱いてしまいますが、そこで感じる恐怖も、 作品に引き込む役割になっているのかなと思います。 現実と非現実が入り混じって、読後も頭の中が不思議でいっぱいになりましたが、最後のシーンがちょっと心温まる感じなので、良かったです。 謎ときは最後まで分からない私ですが、この作品では多少先がよめる部分もありました。 それでもなお、楽しめる作品だと思いました。 | ||||
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ミステリーの醍醐味と言えば「“誰が”“何故”“どうやって”殺したのか」にあると思うのがですが、 この『オーデュボンの祈り』にもしっかりとその部分が描写されています。 どちらかと言うとファンタジーの要素が強いため、本格ミステリーとは違いますが、まさに新感覚のミステリー小説と言った感じです。 また、登場人物や文章に全く無駄がないのは凄い! まるで全ての出来事、人物がパズルの1つのピースのように存在しています。 そして、それぞれが綺麗に組み合わさって行き、見事に結末が完成しています。 ここが伊坂 幸太郎さんの作品の凄いトコですね。 | ||||
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カカシが見ることの出来る未来はとても細かな事象の積み重ねである。 「カオス理論」という言葉が本編に出てくる。それは、例えば僕達が今日朝ごはんを食べたか食べなかったか、のような些細なことでも未来には大きな影響を及ぼしうる、ということを表している。そんな理論が物語全体を構成しているように思えた。理由は、すみずみまで伏線を拾ってくれていたから。 いや、すげー面白かったわ。なんか難しいことはあんま考えんと、笑いながら読めましたよ。 | ||||
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人に借りて読み始めたら、止まらなくなった。 コンビニ強盗未遂を起こした男が、なぜか仙台の先の島にいる。 その島は150年前から外の世界と交流を断って孤立している。 島には江戸時代につくられた未来がわかる喋るカカシがいて…。 と、なんとなく荒唐無稽でシュールな話のはずなのに、リアルに感じる不思議な小説。 主人公がわけもわからず島にいるという冒頭から、最後、パズルがはまっていくように、すべてがおさまるところにおさまる。 かといって、謎解きのように【意味がわかる】小説ではないけど。 ストーリーが気持ちよく完結するのが好きな人には向かない小説かもしれない。 私は、島の住人たちの、どこか何かが欠除していて得体がしれないけれど、にくめない共感できる人物像にひっぱられて最後まで読んだ。 島の人間は「この島には何かが足りない」と思ってそれでも島で生きて死んで行く。 外の人間である私たちは、たくさんありすぎて、すべてが足りているような気がして暮らしているのかもしれない。 | ||||
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ミステリー小説とは、自分で伏線を散らかしておいて、それを回収するという自虐的な部分がある。 この小説では、なぜ主人公である名探偵の行く先々で事件が起こるのか。 いわゆる、名探偵のパラドックスについての言及が行われている。 その言及は、このデビュー作がスタートラインなのだという決意の表明に思えてくる。 伏線を散らかしては、それを回収する。 それはどことなく、人生だとか、歴史だとかに似ている。 そんな気がした。 | ||||
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『グラスホッパー』が気に入り、デビュー作を手にしました。 若干まだるっこしい部分もありましたが、なんとも表現のしようが無い、非常に独特で不思議な世界です。物凄い数のレビューがあり大変人気のある作家らしいので解釈本とかあるのかも知れませんが、そんな物に頼らずに自分勝手にイメージを広げて思う存分楽しめばいいのでしょう。 つかみ所がない故に惹かれるという点で、自身の体験では村上春樹、中でも『世界の終わり〜』に通じるものを感じました。 | ||||
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結論:おもしろすぎます!! 今までにないタイプのストーリー。 ・・・超シュール。 おもしろくておもしろくて引き込まれてしまった。 オーデュポン中毒だ! 現実にありえない設定がどんどんでてくるのに 「この場所って本当に存在するのかな?行ってみたい・・」と思わせる。 続きが読みたくてたまらなくなって、 朝は30分早起きして読み、 朝の通勤は電車の中だけでは物足りず、 駅からの歩きをやめバスの車内で読み、 昼休みによみ、帰りによみ、夜に読み 少し厚めの本だったんですが、 のべ3日で読み終えちゃいました。 今思えば、あのあまり魅力的ではなかった表紙の絵も 「狙い」だったのか?と思えるほどです。 最近はエッセイや自己啓発、ビジネス本に偏り気味だった私。 そろそろ頭の片側が重くなってきて いろいろなジャンルの本を読みたいと思ってた矢先に 絶妙な出会いでした。 皆さんも現実の自分に疲れたら、 この本を手にとってみてください。 | ||||
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カカシがしゃべるだけでもおもしろい発想なのだが、さらに未来を予知できるにも関わらず殺害されてしまうというのが奇想天外でおもしろかった。物語はカカシ殺害の犯人を探るべく進んでいくのだが、それと同時に伊藤の祖母との思い出話や仙台にいる凶悪な同級生城山、昔付き合っていた静香が語り手になる場面もあり、ぐいぐい惹き込まれた。カカシ殺害の真相と動機も未来が予知できるカカシならではでおもしろいと思った。伊藤の祖母のセリフの中で、「人生はエスカレータだ。自分は止まっていても、いつのまにか進んでいて、到着するところは決まっている。どうせ進むならぜいぜい息を切らして働くよりも、美味しいものを食っていた方がよほどいい」というセリフが印象に残った。 | ||||
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私はあまり記憶力が良いほうではない。 だから、話の内容を覚えている本はこれぐらいかもしれない。 初めのうち、まぁ、好きな世界観だなと ファンタジックなストーリーを読みふけっていた。 伊坂さんのデビュー作。 そんなきっかけで読み始めたのに過ぎない。 文章力は正直な所、少々荒い部分が気になった。 しかし、キャラ作りの上手さはデビューから変わらない。 頭にしっかりと浮かばせるキャラ達は、なかなかに表現力豊かである。 終局の主人公の最後の台詞を聞くまでは、 その程度の感想しかなかった。 突然、最後の一言で光がパァーと差したのだ。 この言葉なくして、このストーリーは語れない。 謎が解け、すっきりすると共に、 これまでの陰湿な世界が明るくなったような感じである。 こんなにも読み終えて良かったと思える本はそう出会えるものではない。 | ||||
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奇妙な土台の上に奇妙な人物達が交差して、読書ならではの独特の世界に触れられる。 そして伊坂幸太郎が強姦レイプというものを執拗に憎んでいることがよくわかる。 必ずと言っていいほど全ての小説の底辺にレイプを混ぜ込んでいる。 「レイプしたい犯したい」と願ってやまない男達が世の中に溢れ返っている事を伊坂氏は痛いほど知っているのだろう。 「暴行」という名前でしかメディアで伝えられない性的犯罪の多さを現実世界の酷さを、彼は不思議な小説の人物達に淡々と語らせることによって抉り出してくれる。 荻島という閉鎖された空間の中で展開されるほんの数日間の出来事が、ありえない設定の中グイグイと突き進んでいく。 SF、ミステリー、色々な要素が詰まった本の少し浮世離れした物語。 読み終わりたくないと思わせるほどの面白さに拍手。 | ||||
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「陽気なギャングが地球を回す」の映画を見て、作者のイメージを勝手に持っていた のが、この本で良い意味裏切られました。 荒唐無稽な世界を描きつつ、読者をその世界に違和感無く引き込んでいく感じは、 何となく村上春樹ワールドに近い印象を受けました。 | ||||
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