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グラスホッパー
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グラスホッパーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全271件 201~220 11/14ページ
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伏線につぐ伏線。 読む僕を裏切りまくりながらストーリーは流れていきました。 すばらしい。 インクが乗った紙の集まりのなかに、最高のエンターテイメントを見つけました。 | ||||
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殺し屋と言う非日常的な世界を業界と称して、日常の世界にとけ込ませていた。登場人物それぞれに感情移入出来、何度も読み返せる作品だと思った。 | ||||
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作品としての面白さや、伏線の妙は、『ラッシュライフ』まではいかなくとも、 『重力ピエロ』に匹敵、もしくは迫っていると思います。 特に伏線の張り方、回収の仕方は、さすが伊坂幸太郎だと、舌を巻くより他ありません。 伊坂幸太郎らしく、謎が謎のままで終わる箇所も、いくつかあります。 特に、最後の三行で提示される謎は、爽やかに終わろうとしていたラストに、 急に陰が差したような、陰湿な感じを覚えます。 果たして、この三行は必要だったのだろうか、とも思います。 以上の理由で、五つ星から星を一つ減らしましたが、 今まで読んだ伊坂幸太郎作品の中で、三本の指には確実に入る秀作だと思います。 | ||||
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初出は2004年7月。作者自身が一番達成感があった、と言うのも頷ける。キャラタ・伏線・構成どれをとっても『伊坂ワールド』が完成したと確信できる傑作だ。 『グラスホッパー』は殺し屋の話だ。ただいつもに増してリアリティがあって、まるでジェフリー・ディーヴァーを読んでいるような感覚に襲われた。普通の日常に出てくるキャラクタがすっぽりはまって何の違和感もない。交差点で待っていて、後ろに『押し屋』がいてもなんらおかしくないし、日々ニュースで伝えられる自殺の現場に『鯨』が実はいてもおかしくない。犯人不明の殺人現場に実は『蝉』がいても不思議ではない。そういうところがこのストーリーをより刺激的にしていると思う。 ところで文中によく『ジャック・クリスピン』という奴の台詞がで来るのだが、聞いたこと無い人名なので検索してみたが・・・どうも伊坂の創作した人物らしい。このあたりも実に面白い。 | ||||
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「グラスホッパー」は7回繰り返して読んだ。 伊坂ファンでも評価が二分される作品。登場人物に共鳴して溶け込むことができる人にだけ、本当の面白さが分かる。 登場人物の大半は殺し屋………非合法的な「アウトロー」だが、同時に実存主義者的な「アウトサイダー」でもある。 これらの登場人物に対し拒否反応を示すのは、良識があるが、人類中心の固定観念に縛られている人だ。 「グラスホッパー」(バッタの群集相)というタイトルの他にも、人類を中心に世界が回っているわけではないと随所で著者は指摘している。また「世の中は善悪じゃない」というメッセージも繰り返される。「善悪」は所詮、人類が勝手に作り上げた固定観念にすぎないからだ。 最初は、「普通の人」である主人公、鈴木の立場で読む人が多いだろう。私もそうだった。繰り返し読むうちに、非合法な会社《令嬢》の社員である比与子や、殺し屋「蝉」に自己同一化して読む楽しさを味わった。「鯨」や「槿(あさがお)」になって読んでみたが、悪くない。 「俺は、世の中で、小説と呼ばれるものは、これしか読んだことがない」………それは嘘だが、私の中では最高傑作である。 作成日: 2008年11月29日(土) | ||||
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伊坂幸太郎は実に巧みな文章を書く。伏線の張り方には 独自のテイストが溢れており、テンポの良い文章は小気味良く 読み手の脳内を踊る。固定ファンが多いのも頷ける。 本作のテーマは「殺し屋」、主要人物は2人の殺し屋と妻を 自動車事故で亡くした1人の男。人が次々と死に、それらの生死が 淡々と紡がれていく世界。どう考えても現実離れしているのだが、 にも関わらず奇妙な「現実感」を感じてしまう。そこに伊坂の 表現力の妙がある。 常軌を逸した冷酷無比な表現は好みが分かれるかもしれないが、 独特のブラック・ユーモアがそこかしこに軽快に塗されており、 所謂「ハードボイルド」的な重さは感じられない。 最後まで一気に読めるはずだ。 ナイフ使いの「蝉」、自殺専門の殺し屋「鯨」というキャラ立ちした2人。 主要人物が何しろ「殺し屋」なのだから、彼等に感情移入して楽しむ タイプの小説ではない。一般人であれば、そもそも殺す側、 殺される側の感情の機微に自分を重ねることなど、はなから できやしないのだ。無論、フィナーレに救いを求めてもいけない。 法規社会では決して許されない殺しを新しいタイプの「エンタメ」 小説として仕上げた、そこに作者の意図がある。 | ||||
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「魔王」を読んでから「グラスホッパー」を読んだのだが、舞台装置は全く違うけれども、内容はかなり似ていると感じた。そもそも読もうと思ったきっかけは、週刊少年サンデーの連載なのだが、あちらでは2作品が再構成されている感じなので、そもそも言いたいことは同じだったのかもしれない。 最後まで救いはないし、結局は自分たちの知らない所で事件は収束してしまうわけだけれども、実際の世界もそんなものかもしれない。 | ||||
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「元教師:鈴木」「自殺専門の殺し屋:鯨」「ナイフつかいの若者」の3人の視点から、「押し屋」と呼ばれる殺し屋を追いかける話の展開。 3人の視点の移り変わりで1つの話が流れるというわけではなく、3人それぞれのストーリーが、どこかしらでそれぞれが関わり、最終的に1つの結末に向かうというストーリーです。 その話の流れ方に特別、目新しさは感じないのですが、「「押し屋」の正体は?その行く末は?」がとにかく気になり、最後まで夢中で読みました。 確かに数多くの人達が、殺し屋達によって何の躊躇もなく殺されます。 そのシーンだけ見たら、非常に残忍で暗くて重苦しいです。 しかしその殺し屋達も、「かつて自分が殺した人間の亡霊」を見たり、映画の不遇な主人公を自分と重ね合わせるなど、今現在の自分にたとえ無意識でも満足していないんだという一面を見せられたり、話の過程で子供がからんできたりする所などは、全体としては暗さ、重さを軽減させる要素となっています。 何より終盤でそれまで思いもよらなかった展開があり、その時点でそれまでに伏線が敷かれていたことに気づくなど、読み終わった今、小説としてよく作りこまれている印象が強いですね。 特に最後の1行を読んだ時、まだ何か気づいていない部分があると感じ、もう一度読み返したくなったのは私だけでしょうか…。 | ||||
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最初の1ページ、人間は、動物よりもむしろ虫に近いのではないか というのが筆者の問いかけかと思います。虫という意味は、感情、愛がないという意味です。4人+αの登場人物がでてきますが、それぞれの登場人物が、人間、動物、虫、植物の象徴になっており、読者は基本的に人間の鈴木以外には感情移入はできない設定だと思います。その象徴の4人は殺し屋で、いずれ対決するのか、いったい誰が勝つのか!?、話の進み方自体非常に面白く読み応えのある展開ですが、いったい最後はどういう結末になるのか読んでいてわくわくする作品でした。世の中にはこんなに虫けらみたいなやつがいるという風刺も、筆者の弱者に対する同情を感じます。 | ||||
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読み終わった正直な感想は『面白い!』でした。 書店のポップで店員さんがお勧めしてたので購入しましたが、良い意味で期待を裏切ってくれました。読み始めると、次の展開が気になって区切りのタイミングを見失い結局は一気に読んでしまいました。主人公の鈴木、鯨、蝉の三人が、押し屋と呼ばれる人間を巡って展開するストーリーです。三人が交錯するシーンなんかは、お互いが何を思ってるんだろう?と各々の章をすぐに読みたくなります。今まで『伊坂』作品を読んだことが無かったのでこれからジャンジャン読んで行こうと思います。他の作品を読んだことが無いのですが、『伊坂』作品を読んだことが無い人には、ぜひのめり込むキッカケの作品に出来る思います。『読むしかないじゃない!』です! | ||||
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3人の視点で描かれていて、「押し屋」を通じて繋がっていく。蝉が押し屋を捜す動機等は多少、無理矢理な感じが否めなかったけど、それぞれが繋がる場面は「やっとか!」と思いました。この作品の中で、唯一平凡な登場人物の鈴木が、最後の最後で殺されやしないか、押されやしないかとハラハラしました。それにしても自殺屋ってすごいなぁ〜。相手の心の内側の、誰しも持っているであろう罪悪感。死ななければと思い起こさせる威圧感。誰もが死にたがっている。誰もが、は言い過ぎだけど、私はドキリとさせられました。 | ||||
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妻の仇を探す「鈴木」 自殺専門の殺し屋「鯨」 ナイフを使う殺し屋「蝉」 1つの事件が3人の視点から語られる。 暗く重い影をひきずるような内容だけれど、 まさかの展開に読み出すと止まらない。 人間が壊れていくさまがリアルな描き方で 目の前に生々しい映像が浮かびあふれて、 裏の世界に生きる人々の姿を垣間見た気がした。 「死んでるみたいに生きたくない」 | ||||
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多彩な作風を持つ作者のハードボイルド風サスペンス小説。三人の特徴的な殺し屋が織り成すスリリングな交錯が物語を引き締める。"もう中盤かよ"、と思わせる冒頭から始まり、ノン・ストップの軽快なテンポでストーリーは展開する。もう一人、ドラ息子に妻を殺され、そのドラ息子が所属する非合法組織に潜入する鈴木と言う元教師が唯一マトモな人間役で登場する。非合法組織に潜入すると言う大胆さの割には、お人好し過ぎるのだが、本作の他の登場人物との対比と言う事か。 "蝉"は根っからの殺し屋で、罪悪感とは無縁。大量殺人を好み、「無駄だっつうの」と軽いノリで相手を殺す。"鯨"は相手を自殺に追いやる"自殺屋"と言う変り種。彼の眼光に射すくめられると相手は深い欝に陥ってしまうと言う不気味な特技を持つ。ポケットには常に「罪と罰」を持ち、過去に自殺に陥れた被害者の亡霊に悩まされていると言う設定。各章には鈴木、"蝉"、"鯨"の名前が付けられ、三人各様の視点で物語が綴られる。もう一人の殺し屋は、相手を道路や線路に押し出して殺す"押し屋"の"槿"。"槿"がドラ息子を殺し、"蝉"が"鯨"の殺人依頼を受ける事により、三つ巴(軽、重、静)の闘いが始まる...。 物語に散りばめられた遊びも面白い。"蝉"の兄貴分が引用するジャック・クリスピンなる(架空の)人物の警句は勿論作者が考えたものである。また、作中には"虫"に関する話題が頻繁に出て来る。これが題名の由来(グラスホッパー=バッタ)だが、ある地域にバッタが多くなり過ぎると、あるバッタは変種して飛翔力を増して他の地域に出て行くと言う話は面白かった。殺し屋の論理では、"そうなる前に数を減らす"だろう。ホームレスの田中の老師ぶりも印象に残る。作者の魅力を再認識させるサスペンス小説の秀作。 | ||||
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おもしろいじゃん!超おもしろいじゃん! おもしろくないとか言ってる奴は伊坂幸太郎わかってなさすぎ。帯にも書いてましたが「すごく好きな小説」は超おもしろいよフラグです! 伊坂幸太郎の小説=伊坂ワールド内で起きる出来事ですからっ! あの〜「どうしてそんなに殺せるかわからない」とか「グロテスクでちょっと」とかで勝手にダメダメ解釈してる人多いですが、現実世界じゃなくて、伊坂ワールドですよ!?伊坂ファンタジーなんですよ!?わ・か・れ!!笑 | ||||
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直木賞候補にノミネートされるのを辞退したとニュースで見た覚えがあり、一時帰国時に書店で衝動買いしました。 作者の作品は初めてですが、登場人物の会話部分が妙にしっくりきたのと、ストーリー展開と登場人物のキャラが独特で大変気に入りました。 その他の作品も片っ端からチェックしてみたいと思います。 | ||||
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他にも言ってる方が居ますが、不思議なキャラばかりです。 現実味の無いキャラばかりなのですが、それがまた面白い。 登場人物を昆虫や動物に例えているのも、面白い発想です。 と、言っても私は大須賀めぐみ先生が描いている漫画"魔王"を先に読んだので入りやすかっただけかもしれません。 キャラが勝手に、脳内で大須賀先生の絵で変換されて 「あぁ、なるほどね」と、場面を想像しやすかったです。 もしも、キャラにどうしても愛着がわかない方は漫画のほうを一読してもらっても良いかもしれません。 | ||||
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面白半分に妻を轢き殺された「鈴木」が狙う復讐の対象と3人のユニークな殺し屋が、織り成す不思議な物語です。 読み始めは現実感が非常に乏しいのですが、読み進めているうちに現実感を帯びてきて背筋が寒くなります。 「劇団」や「押し屋」等は実在していても何の不思議もありません。 中盤辺りから、物語の中にどんどん引きずり込まれて行きます。 私は、通勤時に読書をしているのですが、この作品を駅のホームで読んでいる時に、偶々通った通過電車がなかなか通り過ぎないのでまさか「幻覚」?と真剣に焦りました。 読後の爽快感はありませんが、終盤からのスピード感あふれる展開は一読に値します。 | ||||
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「このまま空はずっと晴れないんじゃないだろうか?」そう、悲観的とは少し違うが陰鬱な気分の底にある。一方で、この物語に隠されている真相やトリック、人間の錯覚、等々を期待させられる。この悲観的・陰鬱な雰囲気と独特の期待感が緊張感を生み出しページを捲るのを促す。 伊坂さんの話には、概念が埋め込まれている事がよくあります。今回は郡生相。この概念は高校の生物の教科書にも載っているぐらい一般的である。 (以下Wikipediaより引用 バッタの幼虫は、低い密度で生息すると孤独相(こどくそう)という、単独生活を送るふつうの成虫になるが、幼虫が高い密度で生息すると群生相(ぐんせいそう)という飛翔能力と集団性が高い成虫に変化するという特徴がある。群生相の成虫は、孤独相の成虫にくらべて後脚が短く、翅が長いスマートな体型となり、体色も黒くなる。) 郡生相を示すものは、上の特徴にあるように活動的であり、その延長としてか凶暴である。これが人間にもあてはまるのではないか、ということだ。人が集まると、どうなるのか?もちろん人がだ。 僕は大阪に育ち、京都の大学に通う大学生だ。京都は学生の街と呼ばれるぐらいで、近畿の人間だけじゃなく、地方から来ている学生も多い。その中で、やはり人が多い所で生きている人間とそうでない人間は決定的に違うように思う。 何が違うのだろうか?僕が思うところでは、批判的な視点であると思う。僕らは昆虫や動物のように凶暴になったりできないし。ましてや、バッタの様に周りに仲間が多いからといって色が変わったり速く走れるようになったりはしない。そこで、変わったのが物の見方だ。 正直、皆が平和に生きていればこんなものはいらないんだ。だけど、仕方ない。皆が万全の状態で毎日生活していない以上、人が人と関わる上で批判的な視点は必ず必要になってくる。人は増えすぎたのだろうか。というよりも、近づきすぎた?必要なのは距離感じゃないだろうか。 | ||||
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ある事故に関係する3人の男の視点が交互に描かれるスタイリッシュサスペンスです。 今作でも相変わらず伊坂幸太郎特有のお洒落な例えが連発されるため、話に入っていけるか否かは最初の数ページではっきりすると思います。 伊坂作品は既に数冊読んでいますが、決して良い出来だとは思いませんでした。 彼独特のスタイリッシュさが裏目に出てしまった感じです。各登場人物は魅力的ではありますが、 その行動原理に説得力が無いため、いつもは快活に感じる台詞回しが薄っぺらく感じてしまうのです。 ラストに向けてどんどん収束していくスピード感と複線回収の手際は流石で、一つの作品として面白いことは確かです。 しかし、他の作品と比べると佳作と言わざるを得ません。 星4つをつけたのは、ハッピーエンド志向で終わることの多い伊坂作品の中で、吉田修一的ないやらしさを残すラストを付け加えているからです。 恐らく意図的に書かれたであろう最後の一文を最後の複線の回収であると見なすことで、 見かけ上は清々しいラストの解釈が悲惨な物に変わっていきます。 全体を通しても言えますが、物語としては勧善懲悪的な進行であるのにも関わらず、決して誰も幸せにはなっていないのです。 結局は、自分の輪の中から抜け出せていないというジレンマを感じる点で吉田修一的だと感じました。 今後作風の変化が起こりうるのではないか、という期待を抱かせる点での星4つです。 ということで伊坂作品として最初に読むことはあまりお勧めしません。 | ||||
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伊坂幸太郎は村上春樹ぽくて苦手だが、これだけは別。 従来の読者からすれば良い意味でも悪い意味でも異色の作品なんだろうけど、私のツボにはびびっときた。 轢き逃げされた妻の復讐のために裏社会の大手企業に入った鈴木、ナイフ使いの蝉、対象に暗示をかけ自殺させる鯨、押し屋の槿。 個性的なキャラ達がそれぞれ相互に関連し終盤はひとつの着地点にむかい収束していく。 とにかく蝉が岩西とセットで良い! 「女子供は殺さないってのは差別だろうが」と老若男女問わずに殺しまくるさまはいっそ潔く清清しく、ジャック・クリスピンを信奉する上司岩西との会話は風刺が利いてて楽しい。紅茶のティーバックをめぐるやりとりには思わず笑ってしまった。 信頼関係とも主従関係とも言い切れぬ間柄の二人が携帯越しに交わす会話は哀愁とユーモアの比率が絶妙に折り合っていて、俗に言うワイズ・クラックが好きな人はハマること請け合い。 乾いたスピード感あふれるパンキッシュな殺し屋小説なので、IWGP一連から成る石田衣良の小説が好きな人が好きそうな感触。 「え、このキャラ死んじゃうの!?」という驚きの展開も用意されていて、ジェットコースター的加速がかかる終盤はどんどん読書スピードが上がる。 ラストは実に宙ぶらりんな不安を残します。 ストレンジ スナッフ スピーディー。 みっつのSのエッセンスを凝縮した「今」の小説を読みたい方はぜひ! | ||||
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