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(短編集)
死神の精度
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死神の精度の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全325件 181~200 10/17ページ
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極端に、ではない。ただし微妙にズレがある設定。 もしかしたら。首を半分だけ傾けたくなる程度の違和感。 雨男。都道府県の名前。素手で人間に触れられない。 CDショップに入り浸り。無事に死ぬのを見届ける。余計なことはやらない、仕事だからだ。 伊坂幸太郎の世界はいつだって、計算しつくされ完全に閉じた世界。 読者は与えられた設定に、最初は窮屈さを覚え、よろめきながら、着実にそのズレに取り込まれてゆく。 慣れたころには圧倒的な居心地の良さに包まれる。 それが、作者の与えた前提にのみ成り立つものだということすら、いつしか忘れて。 文章を生業とする人生を私は知らない。だからその努力も知らない。 もしかしたらすごく苦労しているのかもしれない。 けれどこの作者にはいつだって、飄々とした雰囲気が付きまとう。 苦悩とか調査とか地道な努力はどこかに隠し、文章はあくまでも軽妙洒脱。 この人はうんうん唸って小説を生み出すのではなく、ふらりと散歩がてらに、 この世のどこかにある小説の木から無造作に、小説の実をもいでくるのではないか。 時々私はそう思う。創造者というよりは、腹が減ったときに収穫する、捕食者。 そんな作者がごろりと我々の前に転がす死神、千葉にはだから、熱がない。 メーカー勤めのOL、やくざ、ブティックの店員、人殺し、美容院の老女。 対峙する千葉は常に、観察者だ。巻き込まれず、揺さぶられず、踏み込まれない。 彼はいつだって、薄皮一枚でこちらの世界と完璧に隔てられた、向こうの世界の住人なのだ。 現実感というダルイ日常をきれいさっぱり排除して、小気味よいばかりにスマート。 およそ熱とは相容れずクール。 しがらみだとか胸の痛みだとかつながりだとか、重力の軛からも解き放たれて、中空に凛と立つ。 だから安心して私は、この完璧な向こうの住人に焦がれることができる。 自分のじっとりした熱も泥臭い日常も、えいとばかりに投げ捨てて。 そう、私は、薄皮一枚隔てた、ユメの住人に、恋をする。 | ||||
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2005年に出た単行本の文庫化。 6本の短編が収められている。 面白いのは間違いない。工夫のある物語で、設定も奇抜だし、文章にも魅力がある。泣ける本でもある。 しかし、こんな方向に進んでしまって著者は後悔していないのか? なんだか「普通の小説」で、その感動的な物語にはあざとさすら感じてしまった。 面白いけれど、ガッカリという一冊であった。 | ||||
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今までに見たこともない新しいタイプの「死神」 伊坂さん得意の伏線を散りばめた短編のような長編。 なんといっても「死神の精度」 読み終えた後にこのタイトルの意味を考えると ほのぼのします。 | ||||
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意外とさっと読めます。文章が変に難しいわけでもなく、とても面白い。 何故か雨男の死神が人の生死を決めるため一週間傍に居る。 人間じゃなく死神という男の視点だから何処か冷めていて、でも不思議と引き込まれる作品です。 ラストで「あぁ…。」と思わず呟いてしまいました。そうきたか、と。 文章が苦手なんだ、という方も是非一度読んでみてください。 本当にお勧めします。 | ||||
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私は主人公と同じように音楽に夢中だが死神ではない。でも主人公の死神がどうも人間臭くて好感が持てる。 私はまだまだ彼にはお会いしたくは無いが、自分がその時を迎えるのであれば彼と最後に話をしてみたいものだ。 もし私が死神だったら、もっともっと「見送り」が増えてしまい、死神と言う仕事を剥奪されるかも知れない。 確かに第1話で「見送り」があったので、当初の予想ではもっと「見送り」があるのかと思っていたが読み進めるうち、なかなか「見送り」に出会えず、この人など「見送り」にしてあげれば・・・?と思う自分がいた。 しかし最後の老女とのお話は、なかなか楽しませてくれた。きちんと過去の物語と繋がっているところなど、読んでいて思わずニヤリとしてしまう。 すぐにでも作者の他の作品も読みたくなってしまうのは、私だけじゃないと思う。 | ||||
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伊坂さんのファンなのですが、その作品の中でもかなりお気に入りの一冊です。ちょっと不思議な死神千葉さん。素敵です。どうせ死ぬなら、千葉さんのような死神が来てくれたら良いのに…なんて。私としては5話目の「旅路を死神」が一番好きなのですが。ちなみに、文庫版が出るにあたって文庫版と単行本を読み比べてみました…結構、所々変わっていますね。全部確認した訳ではないですが、文庫版ではややカットされている一文などがある感じです。個人的には、単行本の方が好きかも知れません。 | ||||
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初出は『オール讀物』2003年12月号から2005年4月号及び『別冊文藝春秋』255号。単行本は2005年6月リリース。伊坂幸太郎の創り出すキャラクタの中でも出色の一人、死神『千葉』がステキだ。 伊坂の手にかかると死神は、 1.CDショップでひたすら音楽を愛し、 2.苗字に街の名前を持って、 3.受け答えが微妙で、 4.素手で触ると気を失わせ、寿命を1年短くする 者となる。この辺の削り込みが良い。 短編6作だがぼくは最後にいくほど好きだ。『旅路を死神』・『死神対老女』の味わいは他の作家では得られない。 | ||||
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初伊坂幸太郎でした。あまり売れてる作家は敬遠しがちだったのですが、1冊読んでみるかと思い読んでみるとこれが面白い。連作短編集になっていますがどの話も良くできています。 先が読めてしまう場面もありましたが楽しめます。伊坂幸太郎もっと読んでみたいと思います。読了後ついCDショップで視聴している人が気なってしまいます。 | ||||
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著者は、本当に、キャラ作るの、名人級。 どうしてこんなにユニークで、且つ、いい人ってワケじゃないのに愛してしまいたくなる人物を書けるのだろう。 それだけでもこの人の作品を読む価値があるといつも思う。 この「死神の精度」は、秀逸なエンターテインメント短編集だと思う。 それぞれに、このキャラでこれだけ話をいくつも考えたな、と思うほど、違う。なのに一冊になったとき、完璧にまとまっている。 上手すぎる。 | ||||
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この短編集は素晴らしい! 私は文章を読むのが激しく遅い。おかげで現代国語の成績が・・・ある友人に相談したところ、「まぁ、まずは黙ってこれを読め」の一言と共にこの本を差し出されました。 短編集でしてね、私は一日に一章読もうと心に決めたわけです。いや、一日一章読むのだって、私的にはかなり大きな目標だったんですよ。なんせ以前、某作者の200頁ほどの小説で一ヶ月かかってますからね、私(つまりは読む気がおこらなかった)。読書におっくうになってたのは、読書に面白さを見出せなかったからなんでしょうね。うんうん。 そんな私がなんと!この本はたったの2日で読み終わってしまった! まず面白いのはこの死神・千葉(主人公)。何事にもクールで着実にお仕事をこなす(亡くなる予定七日前から一週間その人間を観察し、死ぬ「可」きか、死な「不可」きか、判断して上司に報告する)、しかし音楽大好きで店の試聴コーナーに入り浸り、というおちゃめさも持ち合わせる人物像。 人間ではないので、そういった温かい感情は持っていないのですが、彼の冷静な人間観察が面白い!着眼点が違いますよね。死神の視点からみた人間・・・なんとも滑稽、しかし温かい。さまざまな個性的な登場人物を通して、人間って馬鹿だけど、やっぱりいいもんだよね、なんて思ってしまうような人間模様が各章に丁寧に収められている。 もうひとつ面白い点は、短編集でありながら、時をこえて少しづつ章と章が連鎖しているという、作者が大得意な文章構成でしょうか。この構成は憎い(笑)以前に出てきた登場人物の名前が出てくると無性に嬉しくなるんですよね。 そしてこの本は各章ごとに話の傾向がさまざまなので、絶対に飽きない!(雪山サスペンス・恋愛・ほのぼの・・・)この多様なジャンル全てに適応できる千葉さんも素晴らしい(笑) 騙されたと思って読んでみて下さい。絶対、絶対面白いから!! | ||||
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主人公は「死神」、名前は千葉。各短編ごとに、それぞれ別の人間の姿になって登場する。 あるときはちょっとガラの悪い中年男、あるときは20台のモデル並のルックスを持った好青年。 情報部から下された命令に従ってターゲットとなる人間を7日間観察し、 「可」−すなわち死ぬことになるのか、それとも「見送り」にするのかを判定するのが彼の仕事。 死神に、人間の心は解らない。人間の世界のことも、解らない。 そんな千葉がただ淡々と"仕事"をこなす背景に、 人間の持つ本来の人間らしさ−優しさや健気さに触れながら、 少しづつ、少しづつだが、微妙に彼の心が変化していく様子が絶妙な加減で描かれており、 読み手の心を捉えてぐいぐいと物語に引き込んでいく。 何度でも読み返したくなる伊坂作品一押しの一冊。 | ||||
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まず、このタイトルに惹かれた。 「死神の精度」 いったい何のことなのだろう? と。 読んでみると、これがまた、面白い。 死神の「千葉」という男が主人公なのだが、この男の性格がまた面白い。無機質でそっけないのだけれど、冷徹な訳ではなく、むしろ飄々としてユーモアたっぷりなのだ。そのせいか、親しみが感じられ、そのシュールな発言に吹き出してしまうことも。 全部で6話の短編集という形なのだが、前の話と後の話が微妙につながっていたりして、それがまたいい味をかもし出している。 文章の書き方や構成も、短編推理小説的な色合いが濃厚なので、そういうのが好きな人は、きっとのこの本を楽しめるだろう。 | ||||
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死神をここまで魅力的にユーモラスに描ける作家は、 伊坂幸太郎をおいて他にいないと思う。 本書で登場する人間に残されている時間は1週間のみ。 死神はその1週間でその人間を調査し、生と死を判断する。 ただ死神たちはそれほど人間に興味があるわけではなく、 とりあえずは死の判断をするのが常となっている。 死神たちが興味のあるもの。 それは「ミュージック」。 人間たちはなぜお金にあそこまで死に物狂いになるのか。 それが死神には理解ができない。 死神と人間との視点・観点のギャップが、 独特のおかしみを醸し出している。 | ||||
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‘来世は死神になりたい’ と思わせられたのは私だけでしょうか? | ||||
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短編小説と思って読みすすめると・・・やられます(笑) 死神と聞くと、鋭い判断力をもっているように聞こえるが、 実際のところは“たいして考えていない” というのがこの本の面白いところ。 死神は人間の作った音楽を聞きたくて、大喜びで人間社会に現れ、たいした考えもなしに、早々と「上層部の判断どおり“死ぬべき者でした”」と連絡をし、死を見届けるまでの残りの時間を、音楽を聞いて楽しむというのだから、笑ってしまう!!! おぬしはアルバイトか!!!(ツッコミ) 善良な人間だが若くして死ぬ人、夢なかばで事件にまきこまれて死ぬ人・・・など、 その裏に、死神の適当な判断が関係しているのかと思うと、理不尽さに腹立たしくもなるが、死神が関わったところで、自分がいつ死ぬのかを 前もって知ることはできないのなら、何歳で死ぬことになっても、結局“死に対する心構え”は変わらないのかもしれない。 『自分は平均寿命あたりで死ぬ』なんて勝手に思いこんで、いろんなことを先送りせず、 “今やれること”を常日頃から、ちゃんとやっておかないといけないのかもしれない。 せめて命が尽きた後、強い後悔が残らない程度には・・・。 運命を客観視させてくれる、おすすめの作品です。 | ||||
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短編集にみえて、短編集でない。 なんだか、とっても不思議な作品。 話は、それぞれ違うのだけれども、 “死神”が主人公として、全作品に登場。 話も、バラバラのようにみえて、 実は、つながっていたりもする。 映画では、小西真奈美がその役を演じていましたが、 本は、また別の人物が、その役を担っていたんですね。 映画は、映画で素晴らしいですが、 本は、本で、さらに素晴らしい。 なかなかない、稀有な作品です!! PS 映画鑑賞後だったため、 “死神”が金城武さんに思えて仕方がなかったです。 | ||||
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味わい深い、短編集でした。なんと言っても、死神が魅力的。雨の日の空しか知らない死神が、最後のお話で青空に遭えるのは、予想内でしたがホッとしました。少しずつ繋がっていくのも短編集ならではですが、最初と最後の話で結構な時間経過があったのが面白かったです。 | ||||
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死神は「死」の判定を下すために、きょうも人間界に降り立つ。 全部で6話の短編には、様々な人間模様があり、どれも楽しめる。 テーマは死を扱った作品ですが、重くならず、良い意味で軽く読めます。 個人的には題名でもある「死神の精度」が気に入っています。 最後に下す「死」の判定理由がこれまた面白いなぁと思いました。 実際にはありえない話ですが、実際にあるのではないかと思ってしまう。 これもまた、伊坂マジックでしょうか。 | ||||
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初めて読む作者の本なのですが、死神の淡々とした視点が面白かった。 価値を置くものはミュージックだけ。 決して情に流される事無く淡々と仕事を処理していく視点は、確かに死神らしい。 けれど、人に興味はなくても対象者を調査しなければならないため人とかかわって いかなければならないため、サラリーマンのようにコツコツ働いている点に、 ちょっぴりおかしみも感じます。 それぞれ対象者が異なるため、死神との関わり方、距離感、様々描き分けられているのが見事。 時々同僚と会うシーンも興味深いです。 もっと死神シリーズを読みたいなと思いました。 | ||||
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形の上は別個の短編集である。文体は死に神の目を通して冷たくて、冷酷に思えるが、その反面全編を通してユーモアや暖かみが感じられる。話の展開はスピ−イディーでかつ色々とプロットが絡み合っているのが全部を読み終わった後分かるといった、善くねられた短編集である。一度読み始めると置くのが惜しいと思わせるすばらしい作品である。このような気持ちは他にはあまり感じたことがなかった。 | ||||
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