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魔王
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魔王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全129件 81~100 5/7ページ
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内容的に賛否両論を巻き起こすのは仕方がないのかもしれませんが、 小説としてエンターテイメントとしてみたときに、 レベルの高さは否定できません。 時折混ぜ込まれるユーモアのセンス。 キャラクター設定と微妙な人間関係を独特のセリフ回しでの表現。 特別な風景ではないのに、遠くの世界のような風景。 ひとつひとつ味わいながら、楽しんで読み進めました。 | ||||
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これと言ってストーリーに盛り上がりがあるわけでもなく、落としどころもないまま終わってしまっているが、 「こうすべきだ」という主張はせずに、その分含みをもたしたメッセージ性が強く感じられた。 まぁ、政治とか世の中の流れとか何が正しいのか分からないものだし、 それこそハッキリと物が言える犬養みたいな政治家がいたら、私だって支持する。 ただ、皆が右を向くから自分も、という考えはちょっと待って、という感じぐらいの主張をしている。 だからこの先どうなるか分からない、暗い未来と明るい未来の両方を残している感じもいい。 そして、「(クラレッタのめくれ上がったスカートを)少なくとも、“直してあげたい”と思える人間に」や 「相手を言い負かして幸せになるのは、自分だけ」とか、今回も印象に残るセリフが多かった。 | ||||
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この著者のほかの本のように、テンポよく、スタイリッシュな文章で面白く読める。超能力のような不思議な力、超カリスマ的な人物、兄の遺志を継ぐ弟など、ストーリーは、時間は現在だけれど、何か主人公が経験をつんで成長していくロールプレイングゲームみたいに思えた。RPG小説に政治議論のスパイスをかけた、ハイブリッドのエンターテイメントという感じか。 | ||||
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大好きな伊坂幸太郎の書籍が文庫になったので購入。 お金がなくてハードカバーには手がでなかったので、なんとも嬉しい限り。 今作も伊坂テイストは衰えていない。 独特のテンポ、文体はやはり楽しい。 「仲のいい兄弟2人」というキャラクターも見ていて何か嬉しくなる。 「魔王」とはいったい何か・・・。 強健な政治家?なんとなく動いていく世論?それとも、世論によって動かされる一般大衆か? 自分なりに「魔王」の定義について考えさせられる。 終盤からラストにかけては、ちょっと歯切れが悪かった。 と思ったら、続きがあるみたいなので、そちらに期待。 | ||||
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本作品は少年サンデー連載の「魔王」の原作です。但し、根本に流れる思想はほぼ同一ですが、かなり違うものです。 ・表紙及びタイトルは悲壮感じみていますが、本書内容は「文学」的です ・読後感も結構爽やかですし、サクサク読めます ・自分でしっかり考え、周りに思考停止状態で追随しないようにしよう、と思います 私はコミックを読んで、原作を読みました。 どちらも良い作品だと思います。 お勧めします! | ||||
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読んでいて、熱くなる本でした。 エンターテイメント性が思ったより高かったです。 どろどろしたものもあるが、読後感は悪くない。 | ||||
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日本人とマスコミ・政治家との関係をシニカルに描いた「魔王」と、その五年後の様子を眺めた「呼吸」という、登場人物の同じ二つの小説から構成されています。前者が問題提起、後者がその結果と言ってもよいでしょう。 例えばインターネットで検索して「答え」を見つけることで満足していたり,提供された選択肢のみから「答え」を選ぶだけで別な選択肢をみつけようとはしないといった、「自分で考えることをやめてしまった」という最近の風潮が指摘されています。その危うさを独特の舞台設定で伝えてくれる本でした。 | ||||
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俺はかなり好きです。 今回は哲学してますね。 他の方のレビューにも書いてあった気がしますが、 確かにこの作品は純文学に近い。 といって純文学ってなんだ?って言われりゃ漠然としてはいますが… 政治・集団心理・日本人とかそういったものを自問自答しながら追ってってます。 ドコにも落とし所のない感じが純文学という感じ? いつものように皮肉とユーモアはそのままで 重たい内容を今までより重たい描き方をしてる。 もしかすると、より伊坂幸太郎らしい作品なのではないかと邪推します。 | ||||
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現在の日本の状況から、もしカリスマ性と強いリーダーシップをもった政治家が現れたら?誰もが望むことでしょうが、心地よい言葉に盲従し、マスコミが垂れ流す嘘に振り回されてしまうとどうなるか。多くのひとは命令されることを待っている。インターネットの進んだ現代では、考えることさえ面倒になり、答えを検索し、コピペする.それが正しいか、間違っているかを考えない.その先にあるものが、恐怖政治だとしても。幸運なことにヒトラーやムッソリーニや毛沢東やスターリンやポルポトや金日成のような人間はまだ日本には現れていない。しかし、そのような政治家を待望するような空気に満ちていることは確かだ.情報を吟味し、よく考えることを日頃から身につけておかなければならないだろう.非常に面白い内容だったが、まだ途中であり、次作、モダンタイムスで結果が示されるだろう。楽しみである. | ||||
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以前からの伊坂氏のファンであった方ならばきっとハードカバー版をお持ちのことでしょう。そういった方も、小学館刊行の漫画で興味を持った方も、充分買う価値のある文庫版です。なぜなら、主人公たちの台詞等で幾つかの変更点があり、「エソラ」で発表されたときから四年近く経った氏の思想の変化を感じ取ることができるようになっているからです。私は漫画版からハードカバー版、そして文庫へと進んでいった人間ですが、ハードカバー版を読んでから文庫版を読むと、特に「呼吸」での潤也の最後の台詞が感慨深く感じます。詩織同様、不思議な安堵を覚え、こちらまで勇気を与えられる……そんな感じでしょうか。 決して後味の良いだけの作品ではありません。「魔王」のラストなどはとても悲しいものです。それでも力強く爽やかで、心を震わせる感動がある。この力こそがまさに伊坂小説の魅力でしょう。 文庫版あとがきで、氏は「特定のメッセージはない」と書かれています。しかし、安藤の迷いや潤也の生き方、犬養の言葉などは、皆、読者に対する「考えてください」という真摯なメッセージなのではないでしょうか。文庫版では330ページから333ページにおいて書かれている犬養の発言は、まさにそれです。説教臭さよりも何よりもまず、小説家・伊坂氏の真摯な考えを感じさせる台詞。2008年9月現在、日本のみならず世界中の政治が揺れている今だからこそ、普段、惰性で政治を眺めている人たちに読んでほしい傑作です。 | ||||
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安藤兄弟が特殊能力をどう使っていくのか楽しみながら読めた。アメリカ、中国との外交問題、日本国憲法第9条の武力放棄の法律改正など、政治的な話も分かりやすく表現されており、非常に読みやすかった。ただ、弟の潤也が今後どうやって世界を変えていくかという話を期待していたのにあっけなく終わってしまった結末がちょっと残念だった。 | ||||
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伊坂さんの作品はどれも読んでいますが、これもとても好きな一冊です。 清潔で、強いのです。もちろん、夢中になって読めるおもしろさです。 ここには、特殊な能力者たちが登場しますが、ある意味では、「だれもが持つ能力」のように、私には感じられます。 だれもが、そんな力を、自覚するか、見ないふりをするか、そして、気づいたときに、どちらの方向に使うのかは、選ぶことができます。 政治性というよりは、「だれもが、世界を選ぶことができる」、そんなメッセージを感じました。 | ||||
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インパクトあるタイトルの本書『魔王』は、表題「魔王」とそれに続く「呼吸」という2作品から構成されている。扱われている内容はきわめてデンス(濃密)かつディープ(深遠)だ。ファシズムの意味論、大衆迎合主義の問題性、米国や中国との緊張関係、アジアにおける日本の位置、憲法論議など、犬養首相の言葉を借りれば、「読者は本書を読む覚悟ができているのか」と言いたくなる。 本書の評価は、今後の日本を見据えるうえで決して回避し得ないそうした重要な諸問題に対する、国民(ないしは一個人)としてのそれなりの見識を有していることが前提になっている印象を受けるからである。むろん本書を通じて、自分なりにあらためて問い直すことは可能であろう。 前半の「魔王」よりも後半の「呼吸」のほうが私は好きだ。それは、清々しい大空とそこを自由に羽を拡げて雄飛する鷹といった自然描写が、乾き切った人間社会との鮮明な対称性をなしているせいかもしれないし、ストーリー展開における「目線」が亡くなった兄の弟の妻に移ったことで、ある種の柔らかさを帯びたことによるのかもしれない。いやそれ以上に、兄の信念・使命が弟に継承=バトンされてゆく緩やかなダイナミズムが巧みに描かれているからではないか。若い頃に両親を同時に失った兄弟間に生じた関係・心情をどう表現すべきか難しいが、永遠に心のなかで生き続けるであろう兄への「敬愛」ともいうべき価値観は尊い。社会現象に対して「諦観」や「無関心」でいることへの危険性を兄は誰よりも憂い、その姿勢は確実に弟に引き継がれてゆく。 「馬鹿でかい規模の洪水が起きた時、俺はそれでも、水に流されないで、立ち尽くす一本の木になりたいんだよ」(278頁)という弟の主張は、兄の生き様を反映した発言である。犬養の「おまえ達のやっていることは検索で、思索ではない」(263頁)というセリフも私には響くものがあった。本書の含意は実に深い。 | ||||
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これは魔王についての物語です。 では魔王とは誰なのか? 最後の最後で明らかになります。 前編を通じてさわやかでほのぼのとした雰囲気が 最後の一瞬だけ凄絶な血と炎の色に染まります。 これは魔王覚醒の物語です。 | ||||
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私がこの小説を読んでいた頃、建築家の黒川紀章さんが都知事選に立候補されて、世間から「どうしちゃったの?」と白い目で見られていました。実は私自身もその1人でした。しかし、小説を読み終わり、報道番組での黒川さんの姿を見たとき、私は「あっ」と、鳥肌の立つような感覚を覚えました。、ここからは私の勝手な解釈ですが、黒川さんの活動は美しかったと、この場を借りて断言したい。黒川さんが目指したことと、この小説とが、私の中で結び付いたような気がしました。私の勝手な解釈でした。 | ||||
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人間が人間を動かす時、それは見えないパワーなのか それは人の考えを変えてしまう宗教的なリーダーシップなのか それとも金なのか 私はどれも怖いと思った。 兄と弟、日本を動かす政治家。 兄は自分が持っている念力で政治家に立ち向かい、政治家は自分の掲げる公約で世間の支持を熱烈に集め「国」を動かそうとする、 弟は最後に自分にも兄と一緒のパワーがある事を知り、庶民が「国」を動かすには、 「お金」が必要だと考える。 どれもががかなり危険因子的だ。ひとつ間違うとどれも危ない。 政治に興味のない人でも本当にありそうな現実に、いち個人として立ち向かえるのか?などと 思わせる一冊でした。 | ||||
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作者の過去の作品とは作風が異なるため、好みが別れるのも分かる作品です。 個人的に、この作品はSFホラーとしてとらえてます。 結末やメッセージを求める小説ではなく、漠然とした怖さを表現するような。 誰が正しく、何が魔王か? 伊坂さんが書くと禍々しさはなく、透明な灰色といった感じになるのはさすがです。 作品は好きなのですが…上記のような考えなので、単行本の帯が 「なんかちがうなぁ」って思えて好きになれないので (帯の好き嫌いをいうのは筋違いかもですが)この評価にしました。 | ||||
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大学の帰り道にある古本屋で半額以下だったので買ってしまいました。 今までにない伊坂作品で、ある意味衝撃的な1冊でした。 僕たち一般人が知らない、気づかない間に世界はどんどん移り変わっている。 知らない間に憲法は改正され、ファシズムが成立してしまう。 それはとても恐ろしいことだ。 と、伊坂はこの作品でそれを警告している。 はたして現代にめくれているスカートをなおせる人間がどれだけいるんだろう? 必読。 | ||||
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物語を通して「群集心理」の怖さを改めて感じました。 確かに「流行」というものは非常に不思議なものです。 それを過ぎてしまえばなんて事はないのにその時期は殆どが同じ人を支持したり同じものを持つことをステータスだと考えたりする。 今回は「政治」を例に挙げていましたが、確かに「流行」に流されてとんでもない方向に行く可能性もあるのだとも感じた。 | ||||
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話の内容は一つの物語。 だけど、僕は違かった。第二章「呼吸」での弟の静かだが確かな意思。 あの描写が強烈だった。 自問した。何が俺と違うんだ。俺とこの弟は、特殊な能力を除いて何も違わない。 なら同じことが出来るんじゃないかって。 俺は単純だし、ねじまがった理解の仕方をするからこうなりました。 一人で何かを変えようとする二人の兄弟の意思に衝撃です。 | ||||
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