■スポンサードリンク
リトル・バイ・リトル
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
リトル・バイ・リトルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
島本理生さんの作品の中では比較的明るく穏やかに読める一冊です。一般的に普通とは言い難い生い立ちの主人公ですが、母親と妹との生活には愛情と優しさがあり、描かれているのは普通の日常ですが暖かい気持ちになります。主人公の少女が少しずつ自分の気持ちを受け止め、色々なことを学び、成長する姿が書かれています。 高校へ向かう川沿いでこの物語を思いついたという作者の空気感がそのまま感じ取れる作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
淡く爽やかな恋愛小説で当たり前の日常がさり気なく書かれているところが現実的でもあり自然で書かれた光景が簡単に目に浮かぶ。特に強烈な出来事があるわけでもないのにすいすいと飽きずに読めてしまうのは島本理生の才能が際立つ所以かと思う。 最近、世の中なんか面白くないなと感じているなら本書を一読してみて頂きたい、平凡な日常が結局、幸せなんだと気付かされる作品だと思うので。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
若葉のような瑞々しさに溢れた「シルエット」、青葉へと色を濃くする本作「リトル・バイ・リトル」、深い密林へと足を踏み入れたような「ナラタージュ」。筆者の成長は、まるで木々の葉がどんどんと色を濃くするようで、見事だ。 本作は、筆者の作品としては、ヒロインの内面と周囲の人間関係が比較的淡々と綴られている。もちろん、多くの彼女の作品がそうであるように、ヒロインの心には大きなある欠落が存在する。ただ、他の作品と比して、その欠落の描き方は柔らかい。 他の作品で描かれる、ヒロインのこのような心的不全感とでもいうべきものの薄さ(あくまで比較としてである)という点においては、「よだかの片想い」よりも、より明確かもしれない。 島本作品は苦手だという方にも、本作は良いかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
安く早く、探してた本が買えて良かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普段、こういう恋愛小説は読まないのだが、ファンである女優の松井玲奈さんが解説を書いていたので興味を持って手に取ってみた。 あまり期待していなかったのだが、思わぬ良い出会いとなった。 何が良いのか上手く言葉にする事はできないが、凄く心が温かくなる小説だった。 特に大きな事件が起こるわけでもなく、どこにでもいそうな普通の主人公の女の子が家族や恋人と過ごす日常を淡々と描いてるだけなのだが、それが良い。 いつもはミステリーなどを中心にした読書ライフをおくっているのだが、こういうタイプの小説もあるんだと新鮮な気持ちになれた。 松井玲奈さんが解説を書いていなければ読むことはなかった小説だったので、とても得した気分になれた。 本との出会いって不思議ですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
特に大きな変化もないただの日常を描いている作品です。 だけどふと、たまに思い出し何度も何度も手に取って読んでしまう本です。 なぜか繊細でほっこりとしたあの文章がたまに恋しくなります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
島本さんの作品を読むのは初めて。離婚して家を出て行き、しばらく顔も会わせていない父の子ふみ、母と異父妹のゆうちゃんとの三人暮らしに、ふみのボーイフレンドの周、習字の先生の柳さんらがからみ、小さな失敗や楽しみ、おだやかな恋の物語がつづられていく。 読んで思ったのは、作品全体が「文学」の垢にまみれていないところ。まるで子どもの頃以来、好きな本はときどきあったけれど、本が好きでたくさん読んで、自分の作品は先人の影響をこう受けてこうあらねばと書いた、というのではまったくないんですよというように感じられるところ。作者が本など読んでいないだろう、というのではまったくなくて、本が好きでも、それはこの世界に生きる楽しさの中の大切なひとつにすぎないと、作者が感じていると「思わせる」作風で、それはやはり新しい才能なのだと思う。 オジさん読者には、ちょっとうらやましい、まぶしい世界です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
淡々とした筆致で語られるこの物語は、主人公の家庭環境を考慮してもあまり喜怒哀楽にとんでいる物語のようには思えない。何と言うかその淡々とした筆致からは感情の脆くも希薄な所が伺い知れたように思える。それ故に作中にある様々なイベントがあっても例の如く希薄で、まだ何も描かれていないまっさらな白い紙を連想した。それはまさに初々しい子供の純粋な心でもあり、清廉潔白でもあり、処女的な意味合いもあると思う。 そのまっさらな紙は大人に成るにつれてみんな誰もが色んな気持ちや色や言葉が蓄積されていくもの。それが人を形成する。この物語は少女のほんの一片の話にしか過ぎない。だからまだまだまっさらな白い所がいくらでもあるのだ。そう思った。だからこの作品における多少の物足りなさはその初々しい少女の清廉潔白な心に触れているから思うのかも知れない。リトル・バイ・リトル。少しずつで良い。妙に大人びたふりしなくても良い。全てはこれからなのだから。急がなくて良い。少しずつこのまっさらな白い紙に書き足して行けば何とか成るのだから。人はそれでも良いのだから。そう僕は思った。 なおこの作品は [第128回(2002年下半期)芥川龍之介賞(候補)]作。 【第25回(2003年)野間文芸新人賞】受賞作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私が音楽大学入試の時、東京に一人で来て、初めて読みたい!! と思って買った本です。 あれからもう7年も経つけれど、この本だけは、何回も読み返し、自分の大学時代を支えてくれました。 音大時代の私は、、、今もまだまだですが、子供から大人になる中間期。 楽しいだけじゃないんだな、って葛藤の日々でした。その中でも、リトル バイ リトルは、音大時代の私の日々を支えてくれた本でもあります。場所は池袋、高田馬場、自分のいつも生活する場所が書かれていてとても親近感を覚えました。 島本りおさんの本の中で、一番落ち着く本です。 島本りおさんは私と年齢も変わらず、どんどん深い世界観になっていく本がおおいけれど、私はこのあっさりとした中にも奥の深い作品が好きで仕方ありません。 読み終わった後、暖かい気持ちになる本です。 実は大好きな本だから、あまり誰にも教えたくない、心にしまっておきたい本でもあります。 この気持ちを共有できる方が居たら嬉しいな。 carrie | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
個性ってなんだろうということを考えさせられる。どこが島本理生らしいかって、はっきり言えるわけではないけれど、彼女のスタイルはこの時点ですでに完成している。もしかしたら貧しさってこんなものではないのかもしれないけれど、しっかりと共感させる力がある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
出てくる人が特別なわけではない。 特別な出来事があるわけでもない。 ただ、日々の流れを紡いでいるだけ。 それなのに世界に入れ込んでしまう。 それは、誰もが感じる日常が詰まっているからだと思う。 短いが充実感のある話。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公のふみと周そしてまわりの家族などの、日常が淡々と書かれている。その生活は私たちが普段している生活とあまり変わらないかもしれないけれどその中には主人公たちにとっての精一杯の生活があった。 この本にはハリウッド映画のような大きな展開の変化があるわけではない。どちらかといえば普段の私たちの日常の中にあるおもしろさや幸せをスクリーンに映してみせてもらったみたいな感じのする本だった。 ほっとしたいときにお勧めです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
島本 理生の小説は初めて読んだのですが結構良かったです。 明るく書かれている作品で元気がでました。 言葉に出したらその言葉も生き続けるんだ、そしてその相手にもちゃんと影響する。と言うところが良かったです。オススメです!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いや、個人的には素晴らしいと思う。けれど、これは好き嫌いがはっきり出てしまってもしょうがない気がする。見事になにも起きない。 非常に淡々と日常を書いていて、いや、上手いんです、何も起きない話をこれだけのレベルで書けるのは実力がある証拠です、なんなんだけど、この話はそんな主人公の心情すらもあまり見せない。すごいことやるなぁーと感心。綿矢りさには及ばないが、金原ひとみよりはよっぽどいいと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
母と父親が違う妹ユウと3人で暮らす、橘ふみ。実の父は行方不明。大学を受験する時、母が2度目の離婚をしたことにより、大学進学を1年先に延ばし、アルバイトの生活を送っている。そんなふみの前に市倉周が現われる。 ふみの生活が淡々と描かれていきます。3人家族の生活もほほえましい。 彼女の環境は決して明るいものではない。 しかし、暗さは微塵もない。自分が置かれている状況を悲観することもなく、ただ少しずつ進んでいくだけ。 一人の青年の周の出会いが少しずつふみを変えていきます。今までに感じなかった包み込むような優しさと温かさ。それは父親に恵まれなかったふみにとってはまるで父親のように。彼との愛も少しずつ、少しずつ前進していきます。 書道の先生、柳さんの奥さんが亡くなって、ふみとの会話。 結婚する前にひとつの約束をした。「自分より長くいきてくれ」それが奥さんの願い。 柳さんはそれ以来、健康オタクになって、約束を果たした。 「どんな言葉にも言ってしまうと魂が宿るんだよ」 ふみはどんなことも言葉に出していえない。今までの生活がふみにそうさせている。 そんなふみを見つめる周のまなざしは本当に優しい。 明るい小説にしようと思っていた。「困難な状況に対抗できる手段は明るさ」と島本さんはあとがきに書いています。 そんな思いがいっぱい詰まった作品です。 少しずつ、少しずつ進んでいこう。笑いながら。 本当に前向きになれる小説です。おすすめです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何気なく過ぎていく日常。作者の透明感のある文章は、その何気ない日常を、きらきらと輝くように描いている。「明るい小説にしたかった。」「淡々と流れていく日々を照らす光を書きたかった。」後書きで作者がそう書いているように、この作品の中に暗さはない。だから前向きな気持ちで読むことが出来る。少しくらいの困難ならひょいと、乗り越えて行けそうな気がする。 華美に飾ることなく、瑞々しい感性で描かれた素敵な1冊だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本人もあとがきで語っているけれど、日常の人に光を与えられる(希望を与えられる)作品を書きたいと言っていただけあって、読んだ後になんとなく気持ちの良い気分になる本でした。若手と言われる芥川賞受賞作家の本を何冊か読みましたが、後に何も残らなかったり、逆に気分が悪くなったりした事が多かったけれど、この作品は心地よい余韻にひたれました。ただ、描写についてはまだこれからと言う感じです。気持ちの良い作品を書く若手に一票。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公橘ふみは、母と父親違いの妹ユウちゃんの3人暮らし 母の勤める職場が倒産(幸いすぐ転職する) ふみちゃんの実の父親が行方不明 大学受験時母が2度目の離婚で大学進学を1年延ばしたり と、彼女を取り巻く状況は決して明るいものではない でも、この本には暗さはない 明るさと優しさに満ちている 読み進めていくと、ふみちゃんが抱える哀しみや苦しみが ぽろぽろと零れるように出てくるが そのふみちゃんに、市倉周が家のように守る ふみちゃんが心を癒せるように、雨風全てから守る家のように 控えめながら優しさが物語りの奥に潜み、 同時に愛をも潜む 父親を失って成長するしかなかったふみちゃんは 社会からも実の父親を抹消される それは、父親自身の生き方が社会から認められない最低な部分からだが 娘となるふみちゃんは、思春期に父親を待って生きる 子供にとって絶対的な親を失う 彼女の恐い感情はそこから生まれてまだ消えない その中で、真っ直ぐに育ってきた周くんとの時間 少しづつ変化してゆくふみちゃんに安心してしまうのかもしれない | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
幼い頃から本が嫌いで、国語が嫌いで。一番夏休みの宿題で読書感想文が嫌いだった自分。中学は漫画ばっかり。そんな自分が、高校で単行本(ライトノベル)を読むようになってから・・・初めて手に取ったハードカバーでした。きっかけは題名・・・好きな歌のグループ名だったのですが・・・正解でした。初めてでも読みやすくて、でも暖かくなる感じ。日常ほどドラマチックなモノは無いと思いました。 運命とかそんな大層なものでは無いけれど、感動するようなお話です。 島本さんの中でも一番良いと思うし、思い出の一品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
綿矢りさ、金原ひとみ、両人が芥川賞を取った年の前年に芥川賞の候補作に選ばれて話題になったが、綿矢・金原が芥川賞を取ってしまったためにいつの間にか忘れ去れてしまっている感が否めませんね。なんといっても島本理生は群像新人賞を取っています。実力はあるはず。メディアに踊らされて埋もれてしまうにはもったいない作家ですね。 この話自体は何の変哲ではない山も谷も特にない話で、少々退屈かもしれません。しかし、文章がとても瑞々しい。これはこう書こうと思ってかけるものではなかなかありません。読んでいて飽きない文章です。 綿矢・金原よりも成長力を秘めていると、僕は個人的には思います。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!