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リトル・バイ・リトル
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リトル・バイ・リトルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 1~20 1/3ページ
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島本理生さんの作品の中では比較的明るく穏やかに読める一冊です。一般的に普通とは言い難い生い立ちの主人公ですが、母親と妹との生活には愛情と優しさがあり、描かれているのは普通の日常ですが暖かい気持ちになります。主人公の少女が少しずつ自分の気持ちを受け止め、色々なことを学び、成長する姿が書かれています。 高校へ向かう川沿いでこの物語を思いついたという作者の空気感がそのまま感じ取れる作品だと思います。 | ||||
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淡く爽やかな恋愛小説で当たり前の日常がさり気なく書かれているところが現実的でもあり自然で書かれた光景が簡単に目に浮かぶ。特に強烈な出来事があるわけでもないのにすいすいと飽きずに読めてしまうのは島本理生の才能が際立つ所以かと思う。 最近、世の中なんか面白くないなと感じているなら本書を一読してみて頂きたい、平凡な日常が結局、幸せなんだと気付かされる作品だと思うので。 | ||||
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若葉のような瑞々しさに溢れた「シルエット」、青葉へと色を濃くする本作「リトル・バイ・リトル」、深い密林へと足を踏み入れたような「ナラタージュ」。筆者の成長は、まるで木々の葉がどんどんと色を濃くするようで、見事だ。 本作は、筆者の作品としては、ヒロインの内面と周囲の人間関係が比較的淡々と綴られている。もちろん、多くの彼女の作品がそうであるように、ヒロインの心には大きなある欠落が存在する。ただ、他の作品と比して、その欠落の描き方は柔らかい。 他の作品で描かれる、ヒロインのこのような心的不全感とでもいうべきものの薄さ(あくまで比較としてである)という点においては、「よだかの片想い」よりも、より明確かもしれない。 島本作品は苦手だという方にも、本作は良いかもしれない。 | ||||
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安く早く、探してた本が買えて良かった。 | ||||
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実母と義父との離婚によって、大学の受験資金の当てがなくなった高卒女子が主人公。受験を来年に見送って、実家で暮らしつつアルバイト中。アルバイトのことや異父妹とペットのモルモットの世話のこと、通っている習字教室のこと、母の勤める整骨院に来るキックボクシングプロ少年との恋、義父との気まずさ、暴力的だった実父を心のどこかで待っていること、実父との面会がなくなった理由などが綴られていく。 フィクションに真実味を持たせるディテール、フィクションに面白さを与えるストーリー、フィクションに意味をもたらすテーマ。創作の三要素、全てにおいて不足を感じる話だった。 まずディテール。主人公一家は、結構な貧乏のはずである。大学への進学資金どころか、受験資金に困ってサラ金を検討するほどなのだから。すぐに次の仕事場を見つけられたものの、物語冒頭では母が失職。異父妹はまだ小学生。主人公のアルバイトは路上のティッシュ配りや看板持ちで、高収入とは思えない。かなりの節約をしないと苦しいだろう。しかしこの貧困気味母子家庭、どうにも貧しさの気配がない。母は平気で高そうな牛肉を買ってくるし、それに溜息を吐いた主人公も散歩中に水筒ではなく自動販売機で飲み物を買う。バイト中の昼食は弁当ではなく外食、格闘技観戦に行くとなれば図書館ではなく書店で専門雑誌を買う、習字教室に通うのも止めない、離婚した実父と義父が養育費を出している様子もない……読み進めるうちに、貧乏がファッションやパフォーマンスに思えてきた。お花畑の童話ではないのだ、もう少し設定を詰めて欲しい。真実味がないと物語に入り込みにくい。 大学受験を来年に見送った主人公の、向学心にも疑問を抱いた。高校在学中は行事や授業をサボっていたとのこと、現在もろくに勉強しているように見えない。せめて習字教室の授業料を予備校や模試代に使ってはどうか。貧困を理由にして、モラトリアムを楽しんではいまいか。 次にストーリー。今作には大きな筋、話の起伏がなかった。描かれる目立った変化は、恋の進展と実父への納得。どちらも心理面がメインで、目に見える激変に乏しい。また、主人公が自発的に動いて起こした変化でもない。終始淡い。 他にも多様なイベントや、身近な存在の死は体験している。しかしどの出来事も、後の展開に及ぼす影響は小さい。そのため小石の寄せ集め、ブログの記事をまとめた本のような印象を受けた。日記ブログの各見出しを取り払ってひとつにし、小説と名乗れば完成である。 最後にテーマ。今作に込められた意味は何なのか、私には未だ見出せない。著者のあとがきには「恵まれた境遇とは言いがたい主人公が、他者を通じて、家の中から外の世界へと踏み出していく小説」「理不尽も痛みも、「まあ、」という一言で静かに終わらせてきた主人公が、周に出会い、もっと自分を大事にしてくれる人々に触れる」とあるが、その様はあまり感じられなかった。もっと家庭環境への抵抗や、主人公が変わっていく姿が描けていれば何かしら解ったのだろうが……諦めの境地に生きる主人公の、なあなあな前進以上のものは見えてこなかった。 純文学という括りならばOK? エンタメじゃないんだ大目に見ろ? そういった別枠甘口の態度が、この国の物語を腐らせているのではないだろうか。 心理描写に重きを置いてもいい。日常の何気ない風景を、一切書くなとは言わない。実験的な作品も大歓迎だ。繊細な文章の美しさはわかる。しかしそれらは、純文学の謳う「芸術性」とやらは、ディテールとストーリーとテーマの面白さの先にあるべきだ。 裸の王様にはまず服を着せろ。 | ||||
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普段、こういう恋愛小説は読まないのだが、ファンである女優の松井玲奈さんが解説を書いていたので興味を持って手に取ってみた。 あまり期待していなかったのだが、思わぬ良い出会いとなった。 何が良いのか上手く言葉にする事はできないが、凄く心が温かくなる小説だった。 特に大きな事件が起こるわけでもなく、どこにでもいそうな普通の主人公の女の子が家族や恋人と過ごす日常を淡々と描いてるだけなのだが、それが良い。 いつもはミステリーなどを中心にした読書ライフをおくっているのだが、こういうタイプの小説もあるんだと新鮮な気持ちになれた。 松井玲奈さんが解説を書いていなければ読むことはなかった小説だったので、とても得した気分になれた。 本との出会いって不思議ですね。 | ||||
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ありきたりの日常と家族がよく描かれていると思いました。作者の島本さんは感性が強いのだと思います。ふとしたことに気づかされたり、家族とは、愛とは何かと考えさせられました。 | ||||
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淡々と、さして盛り上がることもなく終わってしまった印象。どこで盛り上がれば良かったんだろう? | ||||
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淡々としているというよりも、ト書きと会話がバラバラと並んだような、そっけなくてリズムが悪い文章だなと思った。 主人公と周りとの関係も同様で、ひたすら表面的に思えてしまう。それなのに流れ去るような単純な会話のやりとりの中に時々難しい単語が紛れ込んで、ご飯の中に小石が混じっていたような違和感が感じる事があった。 ただ、原田宗典の解説まで読み終わって感じたのは、「実際はこんなものだよな」ということだ。日常の行動のそれぞれを深く考えているわけでもないし、まして他者の考えていることはわからない。他者との関係の中では、単純な応答が断続的に積み重なっていくしかないではないか。それがタイトルにもつながる。そんな日常の積み重なりの中に、よく見ていくと悲しみや喜びが埋まっている。それが現実だ。 もっと読んでみたい作家になった。 | ||||
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特に大きな変化もないただの日常を描いている作品です。 だけどふと、たまに思い出し何度も何度も手に取って読んでしまう本です。 なぜか繊細でほっこりとしたあの文章がたまに恋しくなります。 | ||||
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島本さんの作品を読むのは初めて。離婚して家を出て行き、しばらく顔も会わせていない父の子ふみ、母と異父妹のゆうちゃんとの三人暮らしに、ふみのボーイフレンドの周、習字の先生の柳さんらがからみ、小さな失敗や楽しみ、おだやかな恋の物語がつづられていく。 読んで思ったのは、作品全体が「文学」の垢にまみれていないところ。まるで子どもの頃以来、好きな本はときどきあったけれど、本が好きでたくさん読んで、自分の作品は先人の影響をこう受けてこうあらねばと書いた、というのではまったくないんですよというように感じられるところ。作者が本など読んでいないだろう、というのではまったくなくて、本が好きでも、それはこの世界に生きる楽しさの中の大切なひとつにすぎないと、作者が感じていると「思わせる」作風で、それはやはり新しい才能なのだと思う。 オジさん読者には、ちょっとうらやましい、まぶしい世界です。 | ||||
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人気作家、島本理生の野間文芸新人賞受賞作。 母と父違いの妹との三人暮らしをするふみは、高校を卒業してアルバイトの毎日を送っていた。そんなある日、母親から一人の男の子を紹介され、ふみとその子、周は付き合うことになり……。 感性の違いというか、世代の違いというか、そういうものをとことんまで突きつけられるような小説だと感じました。 描かれているのは、いつの時代にも変わらない、楽しくてだるくてちょっと温かい「青春」なのですが、そこで繰り広げられるやり取りがとても現代的なのです。 たとえば、ふみと周がホテルに行く時の台詞は、 「泊まりに行きましょう」だったりします。 これなんか読むと、僕なんかは「えっ?」と思ってしまうのです。 世代の違いなんてことを大きな声では言いたくないのですが、少なくとも80年代や90年代前半を謳歌してきたような人には、この気持ち伝わるような気がします。 性的なことに関してこんなにシンプルかつ自然でいいの。 って言うか、なんでそんなに冷静なの。醒めてるのって感じ。 で、あぁそうか、これが2000年代の若者なんだなぁ、と爺臭いことを思ってしまうのです。 この点はたぶん作者の島本さんも、意識してるかどうかは別として、感じているのではないでしょうか。そこら辺は、その前の世代の人たちがほとんど出てこない辺りに強く感じます。 (前世代の代表のような、ふみのこっそり憧れるお父さんは行方不明。同じく前世代的なもう一人のお父さんはふみとは相容れません) なんにしても、若い人が書くと小説ってこうなるんだと思えて、とても新鮮でした。すごく好きとまではなりませんでしたが、面白かったです。 | ||||
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淡々とした筆致で語られるこの物語は、主人公の家庭環境を考慮してもあまり喜怒哀楽にとんでいる物語のようには思えない。何と言うかその淡々とした筆致からは感情の脆くも希薄な所が伺い知れたように思える。それ故に作中にある様々なイベントがあっても例の如く希薄で、まだ何も描かれていないまっさらな白い紙を連想した。それはまさに初々しい子供の純粋な心でもあり、清廉潔白でもあり、処女的な意味合いもあると思う。 そのまっさらな紙は大人に成るにつれてみんな誰もが色んな気持ちや色や言葉が蓄積されていくもの。それが人を形成する。この物語は少女のほんの一片の話にしか過ぎない。だからまだまだまっさらな白い所がいくらでもあるのだ。そう思った。だからこの作品における多少の物足りなさはその初々しい少女の清廉潔白な心に触れているから思うのかも知れない。リトル・バイ・リトル。少しずつで良い。妙に大人びたふりしなくても良い。全てはこれからなのだから。急がなくて良い。少しずつこのまっさらな白い紙に書き足して行けば何とか成るのだから。人はそれでも良いのだから。そう僕は思った。 なおこの作品は [第128回(2002年下半期)芥川龍之介賞(候補)]作。 【第25回(2003年)野間文芸新人賞】受賞作。 | ||||
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明るい小説、とのことでしたが。 それはちょっと違うようにも感じました。明るいようで、暗い。 お話は本当に、さっぱりと、淡々と進みます。 すごく読みやすいです。軽く読めます。 けれど、そのぶん心に残るものも、訴えてくるものも 小説を読む際のわくわく、どきどきなんてものは感じませんでした。 期待していたので、少し残念。 気楽にちょっと読む本としては良いと思います。 | ||||
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私が音楽大学入試の時、東京に一人で来て、初めて読みたい!! と思って買った本です。 あれからもう7年も経つけれど、この本だけは、何回も読み返し、自分の大学時代を支えてくれました。 音大時代の私は、、、今もまだまだですが、子供から大人になる中間期。 楽しいだけじゃないんだな、って葛藤の日々でした。その中でも、リトル バイ リトルは、音大時代の私の日々を支えてくれた本でもあります。場所は池袋、高田馬場、自分のいつも生活する場所が書かれていてとても親近感を覚えました。 島本りおさんの本の中で、一番落ち着く本です。 島本りおさんは私と年齢も変わらず、どんどん深い世界観になっていく本がおおいけれど、私はこのあっさりとした中にも奥の深い作品が好きで仕方ありません。 読み終わった後、暖かい気持ちになる本です。 実は大好きな本だから、あまり誰にも教えたくない、心にしまっておきたい本でもあります。 この気持ちを共有できる方が居たら嬉しいな。 carrie | ||||
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“明るさ”を大切にしたいという著者。 「ささやかな日常の中にたくさんの光を見つけ出せるような小説をこれからもずっと書いていけたら良いと思う」と語っている。本書もまさに、そんな著者の意図が反映された、優しさあふれる作品でした。 主人公、18歳の橘ふみは父親のDVを受けて育った。その男の所在は、今やわからない。2度の離婚を経験した母と、腹違いの妹、ユウの三人暮らしで生活費を稼ぐためバイトをする日々。 彼女を取り巻く環境はちょっと“普通”とは言い難く、語り口は暗くなってしまいそうなものなのに、冒頭のとおり、物語は極めて明るい表情を帯びほがらかな調子で、進められている。そして、くすぐったくなっちゃうほど、清潔感あふれる、恋愛小説となっている。 自分の境遇を割り切っていて、サバサバした性格に見えるふみ。 でもココロの中に叶うはずのない、期待を抱いている。 はっきりと明言はされていないけれど、それこそ、トラウマと呼ばれるべきもの。 離れて遠ざかるほど実像とは違う姿が頭の中でかってに形成されていくのだ。 ふみのココロに凝り固まった塊。そのしこりは、不気味な存在感を示し、触ると鈍い痛みをともなうのだ。けれども、その塊は彼との関係や習字の先生とのやりとりの中で徐々に溶けていく。穏やかに。この物語の先にはきっと、幸せなエンディングが待っているんだろうな、とさるきちは嬉しく思ったのでした。 | ||||
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個性ってなんだろうということを考えさせられる。どこが島本理生らしいかって、はっきり言えるわけではないけれど、彼女のスタイルはこの時点ですでに完成している。もしかしたら貧しさってこんなものではないのかもしれないけれど、しっかりと共感させる力がある。 | ||||
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出てくる人が特別なわけではない。 特別な出来事があるわけでもない。 ただ、日々の流れを紡いでいるだけ。 それなのに世界に入れ込んでしまう。 それは、誰もが感じる日常が詰まっているからだと思う。 短いが充実感のある話。 | ||||
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主人公のふみと周そしてまわりの家族などの、日常が淡々と書かれている。その生活は私たちが普段している生活とあまり変わらないかもしれないけれどその中には主人公たちにとっての精一杯の生活があった。 この本にはハリウッド映画のような大きな展開の変化があるわけではない。どちらかといえば普段の私たちの日常の中にあるおもしろさや幸せをスクリーンに映してみせてもらったみたいな感じのする本だった。 ほっとしたいときにお勧めです。 | ||||
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島本 理生の小説は初めて読んだのですが結構良かったです。 明るく書かれている作品で元気がでました。 言葉に出したらその言葉も生き続けるんだ、そしてその相手にもちゃんと影響する。と言うところが良かったです。オススメです!! | ||||
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