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マチネの終わりに
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マチネの終わりにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全256件 101~120 6/13ページ
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話のテンポが早く展開が劇的で飽きさせず最後まで上手くまとまってて面白かった。ただNYCのセントラルパークを知らないのが残念。ビル群は西ではなく東、サイレンはパトカーじゃなくて救急車、湖はジャクリーンオナシスの貯水池でロマンチックな場所は他にすべき。 | ||||
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「ある男」「空白を満たしなさい」に続いて、この作品を読んだ。難解な漢字や凝った描写に、少しにやつきながら、ゆっくりと読み進めた。クラシックギターの知識は全く無かったが、内容は十分に把握できた。 それと、平野さんの「女性」に対する描写に遠慮がない点も面白い。結構、そこまで言うかな、という部分まで細かく書いている。褒めてくれているならいいが、逆なら泣くんじゃないかな、その人が知れば。 状況描写も細かい。思いつくところで、洋子と早苗がスターバックスで話す場面。修羅場と化す可能性ありのところ。 店に入ってそれぞれがセルフで注文し、席につくまでの短い時間。洋子はアイスコーヒーを、早苗は「冷たい」カフェオレ。テーブルの真ん中に「どうぞ。」と言わんばかりに早苗がクッキー類を差し出す。その横には、早苗が入れた「必要は無いだろう?」と思える、コップの水が二つある。深刻なシーンでアイスコーヒーを覗き込む洋子。溶ける氷と濡れる紙ナプキン、などなど。絵が浮かぶ。 読み込むと時間がかかりますが、得るものも多い作品を書いてくれる作家さんです。 次は「決壊」を読む予定です。 最後に今、気になるのはやっぱり、秋に公開される映画です。蒔野、小峰役はなるほどと感じますが、重要なポイントとなる「早苗」「リチャード」「ソリッチ」「ジャリーラ」を誰が演じるのだろうか。言葉も。「岡島」はなんとなく香川照之さんと思うけど。 | ||||
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読み終わった後、じんわり泣けてきた。運命ってなんだろう。なぜかしら?という洋子の問いを、私も同じように読中何度も思った。蒔野と洋子の心の揺れが手に取るようにわかるような文章だった。 早く連絡をして。早く会って誤解を解いて。ともどかしく、またそういう場面って恋愛では多々あるのかなと。 早苗のように堂々と愛する人との幸せだけを求める女性と複雑な洋子との対比も面白い。 私自身大きな選択をした直後でこれでよかったのかと思い悩む時期だったので、余計感情移入した所もあったがいい小説を読んだなー。 エンディングもとてもいい! | ||||
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格調高く、心情を繊細に、事細かく繊細に表現しているな、と頑張っているなーと感心し、字が多いのを、そこまでの情報量を頑張って読み進んで、さあどうなる!と思った件の一番大きなすれ違いがあまりにも安直な偶然でリアリティーにかけ、「メロドラマかい」と心底腹ただしかった。 | ||||
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まず、聡明で美しいヒロイン像に惹かれます。時事、国際問題も絡めたロミオとジュリエット的なお話。ちょっと都合の良いすれ違いには、あれれと思いましたが、劇的な効果ではありました。タイトルの「マチネの終わり」は二人の思い描いていたものとは違った形での幕切れとなります。面白かった。 | ||||
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自分が知らなかっただけかも知れないが、あるようでなかったミドルエイジが読んでも楽しめるカテゴリーの小説。洒落た文体とある程度年齢を重ねたからこそ理解出来る内容で、恋愛小説で久しぶりに楽しめました。 | ||||
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40代の男女の恋愛が美しく描かれている。蒔野は天才的なギタリスト。常に周りからの嫉妬に晒されてきたカッコいい男。自分を一歩下げた自虐的な話しで、周りを笑わせバランスを取る。なんとも世渡り上手。 かたや彼が恋い焦がれる相手は、有名な映画監督の血を引くハーフの小峰洋子。ジャーナリスト。衆人の中で必ず皆が目を惹くような美人。控えめで知的な会話をし、その聡明さに誰もが納得してしまうような、内面外面ともに揃った理想的な女性。 二人は三回会っただけでお互いに惹かれ合い、生涯唯一の相手とまで思いながら、すれ違ってゆく。 二人の運命の歯車を狂わせる蒔野のマネージャーの女性。洋子の対局にあるかのような描かれ方。つまり洋子は完璧な理想像で描かれており、その周りにいる人間たちはその足元にも及ばない凡人なのだ。蒔野にしても天才でルックスもよく、ギター仲間からも嫉妬まじりに一目置かれているわけで、そんな完成度の高い二人の恋愛模様などは読んでいても面白くないはずなのに、ページを繰る手が止まらない。文章が上手い。 その恋愛模様を軸に語られるイラクの現状や、ユーゴスラヴィア問題、リーマンショック、サブプライムローン問題、果ては東日本大震災。これでもかというくらい世界情勢を絡めて描かれるが、この辺りは一体何が言いたいのかわからない。よく関連づけて書いてあるな、とは思うが、その背景の中に主人公二人の世界が乗せられるのは、何か違和感しか感じられず、純粋な恋愛小説として読みづらかった。 世界にはこんな問題があるんだよ。恋愛小説読むついでに知っとくといいよ、的な意図が見えて余計なお世話と思ってしまう。 小説として読んだ場合、世界情勢と恋愛、どちらかにするべきだったのでは、と思った。登場人物の内面描写がよく描かれていただけに残念だと思う。新聞に掲載された小説だからか、恋愛小説でありながら、肉感的な描写もなく、あくまでも美しく描くことに徹している。そこにやはり時事問題として世界情勢も絡めることで読者の知的好奇心をくすぐる作戦とも取れるが、違和感しかなかった。 映画化されるようだが、安っぽいメロドラマにならないことを願うばかりだ。 | ||||
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ここ数年で読んだ中で一番はまった小説です。 薪野と洋子の物事に対する考え方、価値観は読んでいて感慨深いものがあったし、著者の書く文章も、知的で心地よかったです。 大きな展開もなく、このまま平凡に終わってもいいと思えるほど、二人の幸せを願い、何もかもうまくいってほしいと思いながら読み進めていったので、中盤からの展開はとにかくこたえました。 一度読み終わったあとも、しばらく余韻にやられて、何をやっても楽しくないみたいなヤバい状態になりました。 マジでもう駄目かと思いました笑 少し間を置いて、もう一度読み直すと、また少し違った見方ができましたが、やはり切なかったです。 心に残るシーンや言葉がいくつもあり、とても印象的な小説でした。 | ||||
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愛のなかにある人の心も、四十歳前後の人生のしがらみも、音楽の美も、ひとくちにいえない。それを、圧倒的な語彙と多彩な比喩と広い教養によって、ぎりぎりまで汲んで文章の形にすることに成功している。同時代にこの小説があることをうれしく思う。 | ||||
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相手を愛するがゆえに距離を置いて別々の人生を送るという選択肢ができてしまう。別々の人生を歩んでいても要所で愛する人を思い、自分の人生に影響を与えていく。 40歳という年齢がとてもポイントの小説です。人生経験を積み、多様な選択肢に置かれる大人たちの姿、考え方が、時に無様でもありますが格好良いです。 | ||||
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お互いを想い合うが故に一歩引いてしまうというストーリーに引き込まれた。 | ||||
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一人の女性の嫉妬から人生を狂わされて悲しいです。この小説は大変美しい文章で感動です。 最後の再会する時は感動でした。有難うございました。 | ||||
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超一流クラシックギタリストと、世界的映画監督を父に持つスーパーバイリンガルな美人記者の、 パリ、ニューヨーク、東京を舞台にした、大人の切ないラブストーリー。 うーっ、かゆい かゆい!! 本書は通常なら、絶対に読むことのない類。 そもそも惚れた腫れたの話なんざ、いい歳の大人が金と時間を費やして読むものじゃないでしょう。 読みたい本なら他にもいくらでもあるし。 平野啓一郎は、最新作「ある男」が思いのほか面白かったので興味を持った。 本書はセールス的には著者の代表作らしいが、いかんせん最も読まない類の恋愛小説。 少々逡巡したが、この著者なら安くて痒いだけの恋愛小説ではないだろうと、ポチっと購入。 という事で、これが初めて買う恋愛小説となった。 読み始めると、あれよあれよと一気に読了。 なるほど、こりゃ売れるわ。 読了後、果たしてこの後どうなるのだろうと、不覚にも余韻を引きずることに。 当方男なので薪野目線で考えてしまうのだが、早苗では絶対に埋められないものを洋子は 埋められるわけで、そんな洋子と今後は「お友達」として付き合っていくのか? 枝分かれした互いの人生が既に確固たるものになっている以上、「あれは誤解だったね」と 確認しあった後、二度目のさよならをして再び各々の人生に戻っていくのか? 例の件が誤解で、さらに洋子が独り身と知った薪野が、その後ザワつかずにいられるのか? いずれにせよ恋愛小説で余韻にひたる自分が意外であり、少々恥ずかしくもあり。 どうやら著者の術中に、まんまとハマってしまったようだ。 一方で、気になることも。 人為的なものと偶然が幾重にも重なり、誤解が事実へと確定していく過程に違和感が。 いくら何でもそこまで悪い偶然(早苗にとっては良い偶然)が、重なるものか? 著者が最初に記している通り事実なのかもしれないけど、目をつむって針を通すような偶然が こう何度も重なるとちょっと。 誤解である以上、いい加減どこかでそれが是正される出来事や事実にぶつかると思うのだが。 もしかすると著者が序章で「これモデルが居るんです」とわざわざ言っているのは、この辺りの 事を言っているのかも。 つまり、「100%フィクションなら逆にもっとリアリティのあるものを書く。この話は信じがたくても 正真正銘の実話。事実って小説よりも奇でしょう」っていう前書きだったのかなと。 | ||||
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やっと会えた感じが凄い。一気にKindleで一気に読んだので、もう一度紙の本で読み直したい気持ちになる。表紙が気に入って選んだので、まさか映画画化が決まるとは思わなかったが、途中でキャストが固定されてしまった。違和感はまるでなく、そのまま普通に読めた。 若い時なら耐えられない苛立ちを覚えたと思うけど、5年、10年はすぐに経つと思う今では、このスパンで人生をみる感覚が楽しいとさえ思う。一瞬の輝く時に焦点を当てたら、一生その時間が光り輝くって凄く分かる。 | ||||
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とても切ないラブストーリー。 マチネ(matinee)とはフランス語で「午前中」で、音楽会では昼の公演を言うそう。 美しい旋律を奏でる小説の中にぐっと引き込まれていく。 切ないですね。 そのラストシーンはとめどなく涙腺が緩む。 「過去は未来によって変えられる、変わってしまう」という言葉。 最初に受けた強い印象は心の中に必ず持ち続けている。 理性にすれ違いと思いやる繊細なきもち。 ねじれてしまったものは、ごく普通の日常の中に紛れ込んでいるだけ。 こころがつながっている運命はある。 2019年秋、福山雅治、石田ゆり子主演の映画が楽しみ。 | ||||
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登場する二人は、非常に対比的で同等な関係で描かれていることに好感が持てる。彼らの思考や周囲との関係は互いに呼応しており、プロットが進みつつも響き合うように語られる。二人は何か現代的な超越性を理想として持っており(それは伝説的な映画監督と恩師のギタリストが象徴している。また、マルタとマリアの挿話は、通信社や人権団体で働く女と音楽家の男とを対比させている。その理想はあるいは古典的なものかもしれない。)、それは朧げながら人類愛や博愛主義のようなもので、具体的に言えば女にとっては普遍的人権であり、男にとっては(記譜法や伝統的形式を含む)音楽(による救いや赦し)だろう。人権への加害者としては戦争であったり高度化・先鋭化した金融商品が示され、音楽にあっては(妬ましげな批判を含む)騒音や、あるいは静寂という別の美が示される。それらはサブプロットと呼べるものだが、物語の進行と絡みつつ無理なく、また嫌味なく必然性や蓋然性をもって語られる。二人は記者とギタリストであり、つまり表現者である。表現には何かしら個人の人間性といったものが滲み出てしまう。表現と理念とは、日常の言動や思考を媒介として築きあげられるが、識者はそれを見抜いてしまうのだろう。彼らの配偶者もそのような人物として描かれる。人格の核心に触れ得る話題を衒いなく、かつ、理解を持って話し合えるなどという関係は、ある種の奇跡かもしれないが、作家や映画監督といった(ハイレベルの)創造の場にいる人々にとっては日常であるかもしれない。いや、日常であるからこそ身構え、用心する必要があるとも言える。小説の語り方については、二人の視点の切り替えや、欧州、中東、アメリカなどへの移動などがあり、映画的かもしれない。最後の場面は非常に視覚的に美しく描かれ、そこでこの小説は終わる。 | ||||
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一人の人間として、恋や愛というものはどれくらい大切なものなのであろうか。 若い時であれば、全てを投げ打ってまで好きな人へ突き進む心境は多くの人が共感出来るものだ。しかし、大人になるにつれて、恋愛感情一つにだけ拘ることはできず、他の要素が大きく影響してくるものだと感じずにはいられない。 それでは、果たして何が正しいのか。 恋愛よりも人として正しく生きることが大切なのか、それとも常識に反しても、自らの気持ちに正直に生きることが正しいことなのか。 そもそも、幸福とは正しさを前提にしないと成立しないものなのか。 誰もが絶対的な正解というものが無い人生を歩んでいる。そんなことを実感できるストーリー。 一言感想を付け足すならば、ある人に向けられた真っ直ぐな感情は、世界的奏者が奏でる音楽よりもはるかに美しい、ということだ。 久しぶりに美しいものに触れた気がした。 | ||||
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紙屑のように量産される、「○○大賞」、「○○万部突破」のフレーズにはうんざりしている私にとって、この作品は、「作品」と呼ぶことのできる珍しい小説だった。出版界が正気を取り戻すきっかけになればと思う。 | ||||
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良くも悪くも「巡り合わせ」という言葉が当てはまると感じました。 | ||||
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大人としての在り方、生き方、人を愛するとは・・・ 物語に浸りつつ、自分自身に立ち返りながら読み進めていった。 「間違ってなかったって言えるのは。・・・今、この瞬間。わたしの過去を変えてくれた今。」 何が起こっても、どんなに長い時を経たとしても、そう思える日のために私たちが生き続ける意味はあるのではないかと思わずにはいられない。 | ||||
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