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あかんべえ
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あかんべえの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全71件 21~40 2/4ページ
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お化けさんが一体づつ井戸の中に消えていくところでは 不覚にも泣いてしまいました。 どれも魅力あふれるお化けさんでしたが、玄ノ介のさわやかさに なぜか志ん朝師匠とその落語を思い浮かべたり・・・ ふね屋はこの先どうなるんだろうとか おりんは本当にお化けさんを見ることができなくなるのだろうかとか さわやかな情味と哀切さ・・余韻嫋々の終り方が 心地よく想像力を刺激してあれこれ思い巡らせるのも この作品の良さでは・・と思いました。 気持ちよい涙が星五つです。 | ||||
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おりんと亡者の交流になんだかほっとします。 亡者の存在が違和感なく受け入れられるのが不思議です。 小さい頃、幽霊の存在について考えたことのある人は、 はまるのではないでしょうか。 | ||||
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著者の新刊の『おそろし』を読み、しんみり感動して、つい、こっちも再読。 もうたぶん4回目くらい。単行本が出版されたときに購入してるけど、せっかくなので上下巻の文庫 で購入し直し。こんなことばっかしてっから金が貯まらないのね、と思いつつ。 出版されて久しいので、内容の概略は割愛中。 「おまえは俺を斬った。しかし、それは正しいことだった」 何度読んでも、この一言に圧倒されます。 正しいことを根拠付けるにあたって目下非常に有力なものが2つあると考えています。 ひとつは進化史的に適応の過程で人間が獲得してきた感受性や情緒性における傾向性から社 会的振る舞いの正しさを演繹しようとする進化生物学的研究。もうひとつは、経済学に代表され る、個々人の振る舞いの大規模な集積を、個々人とは別水準で数理的な検証の俎上に上って くるような傾向性として把握し、そこから社会状態の適正化を演繹しようとする、一部の制度設計 的な経験的社会科学的研究(大雑把ですいません)。 ひとつめの進化生物学的研究の蓄積からは、どうしたって“生存に有利”という結論を超える「正し さ」は導けないと思うので、自分が殺されることを正しいと思える理路は、そこにはないように思えま す。ふたつめの社会科学的な研究からは、もはや個人的な納得感とか情緒的満足感とは別の話 になってしまうので、理性的に「正しい」とは言えても、実存的に納得して「正しい」とは、もう言えな いように思います。 そうしてみれば、この「おまえは俺を斬った。しかし、それは正しいことだった」という一言が、いかに重 大な領野を切り開くか、って話しですよ。進化生物学的研究や経験的社会科学的研究に押さ れて、いまいち肩身の狭い日々が続く、規範的倫理学の出る幕だって、まだまだありそうな今日こ の頃でございます。 | ||||
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「ふね屋」という料理屋の一人娘のおりん。 病床に臥した彼女が夢うつつの中で目にしたのは あかんべえをする女の子。 その女の子を見えるのはどうやらおりんだけ。 そう、その子は亡者、幽霊なのだから。 ふね屋に住み着いた5体の亡者が、成仏できない その理由は何なのか。他の人には見えない亡者が おりんに見える理由は何なのか。 宮部みゆきお得意の歴史小説サスペンス。 そうだった、新潮文庫の「発表!今、読みたい新潮文庫」 フェアで好きな作家アンケート1位の帯がついて、 平積みになっていたから買ってきたんだった。 そのアンケートの結果にも納得の出来るものでした。 北京旅行で最後まで読み終えることが出来なかったんですが、 平日もかばんの中に入れて、空き時間に読んだりしたくらい、 続きが気になりましたね。 亡者が出てきてありえない設定ではあるものの、 読み進めて謎を解いていくうちに、 胸を打つような気持ちにさせられました。 江戸時代という設定ではあるものの、 亡者になるような人間の暗部というのは今もまた同じ。 歴史小説という体裁を使いながらも、現代社会に メッセージを送り込む、宮部みゆきワールドここに ありといった感じの一作でした。 | ||||
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読んでいて、すべての登場人物の出で立ちや表情、しぐさが頭の中で鮮明に浮かび上がりました。時代ものの小説は知識不足の私としては分かりづらいものが多いのですが、宮部さんの時代ものは文章がすんなり頭に入ってきますし、楽しんで読めますのでおすすめです。 | ||||
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今年は本をあまり読まなかったですわ。特に小説はなかなか機会が無くてねぇ。評論やら随筆やらが多くて味気ない生活でもありましたけれど。そんなとき妻が読んでいたので、ひょいと手にとって読み出したら止まらないの。「上」「下」二日間で読み終わりました。宮部みゆきは初めて読みましたが、皆さんのレビューを読むと時代物のほうが評判が宜しいようなので、少し読み続けようと思ってます。 この作品、誰かも書いていましたが「ふね屋」の商売については言及されていないのが「不満」というか「不安」です。あんなお化け騒ぎが起きているのに、よく生活していけてるなぁという疑問と、これからどうやって繁盛させていくんだぃ?って思いがね。へぇ、あっしにはてんで考えつきやせんもので・・・。 | ||||
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ほぼ、2日間で読破でき、非常に読みやすく、長さは感じませんでした。この物語では、普通の人間でもお化けとのあいだに似たようなものがある場合、おばけが見える設定です。多くの人は、同じ痛みを経験して、はじめて他人の痛みがわかる人間になっていくのかと思います。この本を読んでいると、利己的で他人の痛みのわからない人間は亡者と同じで、かわいそうな存在であると思えてきます。主人公のおりんのように他人の痛みのわかる人間になりたいと思うものです。 また、幽霊の玄之助の次の台詞が印象的でした。“おまえ(おりん)の父親は、きっちりと真面目な男のようだが、どうも縫い代が浅いようだ。布の質も仕立ても悪いが縫い代だけはたっぷりある俺のような男の見立てだから、これは確かだ。あんなふうに始終キリキリとしていては、すぐにほつれてしまうだろうな。”こころに余裕のない現代人が学ばなければならない姿勢と思いました。 | ||||
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宮部みゆきにしか書けない幽霊モノ、人情モノ、推理モノ。よくできていて面白い作品です。 幽霊たちと孤独な主人公おりんの交流を軸に、 30年前の事件の謎やおりんの一家に隠された人間模様を描いていきます。 玄之助をはじめとする幽霊が魅力的に描かれており、 少女おりんが彼らから生きる意味を学ぶ。 全体を通じて「人が人を救う」というメッセージが貫かれていて、 宮部みゆきらしいヒューマンタッチの作品だと思います。 後半は謎解きが進んでいきます。 愛すべき幽霊たちは、 「自分はなぜ(成仏せずに)ここにいるのか」を知りたがっており、 おりんの取り組む謎解きはまさにその謎を解き明かすこと。 謎を解くと幽霊との別れは避けられない。 おりんはその葛藤の中で成長していきます。 クライマックスの和尚の描写は、(詳しく書かないけど)スティーブン・キングの影響があるようです。 そこに工夫があると思いました。 宮部みゆきの幽霊ものの中では、一番の長編で読み応え十分です。お勧めです | ||||
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「ふね屋」という料理屋の一人娘、おりん。 次々と起こる謎の出来事を解明するために、 おりんにしか見えないお化けさんたちと事件の真相を探っていく。 そして様々な事実が解明されていき・・・。 おりんのひたむきで真っ直ぐな性格に心うたれました。 純粋な気持ちをどこかに置いてきてしまった人はぜひ読んでほしい作品です。 少しばかり、とりもどせるかもしれないですよ?笑 | ||||
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宮部みゆき作品の入口となった思い出の作品です。少女のけなげさに最初はただのお化けだった幽霊たちが感化されていく様子が温かく描かれています。平易でなおかつ深みのある文章表現は素晴らしく、いつまでも本棚に飾っておきたい本です。 | ||||
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宮部さんの作品はその多さの割りにはそれほど読んでいない部類だとは思うが、これはかなり満足できた作品でした。巧みな人物造形で描き分けながら、その底流にある人間肯定の姿勢が終盤でより濃く出ていたと思います。 「お化け」なんてスーパーナチュラルな存在ですが、この世に未練を残して死んでいった者だからこそ、より深い人間性を描くことが出来たのだと思いました。 擬古文調の語り口も現代文と差が無いほど理解しやすいうえに、江戸情緒を満喫させてくれました。 ぜひ、人の業の哀しさと、それを包む人情の温かさをこの作品で味わってください。 | ||||
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玄の字を映画で見たいです。アニメかなぁ。 はじめて階段で話し込んでいるところとか、もう、目に浮かぶ感じ。 映像化、意識して書かれたかな?ってほど。 宮部みゆきは、やっぱり時代物!と普段から思っていて、手に取ったら、 1ページで引き込まれました。ほんとうに。脱帽!! | ||||
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おりんの喜怒哀楽が読み手に十二分に伝わる表現力、文章力はさすが。 彼女の素直な感性を通して描かれるお化けさんたちも魅力充分で、否が応でも物語の謎への興味を掻き立てられる。 おかげさまで感情移入を妨げられることなく、一気に読み終えることができた。 ただ、ミステリー要素だけに限れば、物語の結末はもうひとひねり欲しかった気がする。 あくまで「限れば」、「強いて言えば」の話。 作者の書きたかったことはそれまでにほぼ書ききれているだろうから、物語としてマイナス評価にするほどでもないコトだけど。 というわけで、人にお薦めする上で特に躊躇する理由は見つからない。 ☆5つ。 | ||||
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宮部みゆきさんの時代小説が大好きで、霊験お初や茂七親分なんかは全部読んでるんですが、あかんべえが一番好きです。健気なおりんちゃんや、やさしいお化けさん達。あったかくなります。ヒネ勝とおりんのその後や、ふね屋がそれからどうなったのかなど想像してみるのも楽しいです。あるいは続編を出してほしいなあ。霊験お初捕物控がマンガ化したのであかんべえもマンガにならないかなあ。 | ||||
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上・下巻、一気に読み進めてしまいました。 突然幽霊が見えるようになったおりん、そしておりんを見守る幽霊達やふな屋の人々。 心情描写や情景描写が秀逸で、どんどん世界に引き込まれてしまいます。 人情あり、ミステリあり、ファンタジーあり、同時に描ききった宮部みゆきの手腕にはただただ感嘆するばかりです。 宮部みゆきの代表作となり得る傑作です。 | ||||
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上・下巻共に、それほど時間を空けることなく読み終えました。 宮部みゆきさんの作品を読むのはこれが初めてですが、純粋に「面白い」と感じました。 文章を読んでいくうちに、おりんの心情にずいずいと引き込まれていって、すごく感情移入しやすかったです。 おみつさん、玄之介、…など、ふね屋にいた五人の亡者たちとおりんが触れ合っていく様子は、とても温かくて大好きです。 | ||||
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「ふね屋」という料理屋の開業準備の中、一人娘のおりんがは病気になった。なんとか命を取り留めたおりんには、ふね屋にいる「お化け」たちを見る事ができた。あかんべえする少女、美男の若侍、婀娜っぽい姐さん、按摩のじいさん、宴席で暴れたおどろ髪の男等々。亡者でありながらどこか優しい亡者達と心を通わせていくうちに、おりんは、ふね屋の怪異が三十年前にここで起きた忌わしい事件に関っていることに気づく。 ここに登場するお化け達は、みな自分が何故この世に居残っているのか理由を知らない。また何故おりんを含め一部の人にしか彼らを見ることが出来ないのか。 ホラーとミステリーとファンタジーの融合した小説空間です。 | ||||
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時は江戸時代。舞台は"いわくつき"の土地にたつ料亭。登場人物たちの間には色と欲が渦巻き、そして、現世に未練を残す幽霊たち…。 これで作者が○井志麻子なら、ドロドログログロエロエロの世界が展開されるんだろうし、○野夏生の作品であれば、人間の醜さをこれでもかと暴き出すピカレスク・ロマンになるのだろう。しかし、宮部みゆきが書くと…あら不思議!なぜかこのモチーフが、泣けて笑える人情時代劇になってしまいました。 主人公は、何故か幽霊達と話が出来るようになってしまった、料理屋の一人娘・おりん。この娘が、解説で作家・菊地秀行も(この人選も中々シャレがきいてるが)書いているように、実に”けなげ”。幽霊騒動に振り回される家族を気遣い励ましながら、それぞれに屈託や未練を抱える幽霊達を“成仏”させようと奮闘する。彼女の奮闘が、やがて、幽霊達、そして大人たちの抱える様々な問題を、少しずつ解きほぐしていく…。 これ、映画かドラマにしたら面白そう。勝手にイメージキャストすると、玄之介(幽霊)は堺○人、おみつ(幽霊)は杉○彩…って、全部、幽霊のキャスティングかよ!? …でもその位、登場する幽霊達がみな、人間臭くて、とても魅力的なんです。 | ||||
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いっきに上下巻を読んでしまいました。 幽霊ものだけど、人間味のある幽霊って言うのか怖くはない。 逆に登場してくる人間の方が怖い。 主人公の少女の素直さ、健気さが嫌味じゃなく受け入れられるのは、宮部みゆきさんならではですね。 どんな幽霊にも、人間にも、最後は救いの手を差しのべるのが宮部みゆきさんらしい。 人間の業と欲は限りがないけれど、それに染まってしまうのがどんなに怖いことか、シミジミ感じ入りました。 | ||||
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普段は読む本を選ぶのに時間のかかる私ですが、この本は、最初にパラパラとページをめくってみたときに、「あ、これ読みたい」と思わせました。登場人物たちとおりんの対話のそこかしこから、人間らしさがあふれています。それぞれに人間の良い面・悪い面をうつしており、時代物ですがきっと読んだら自分にも彼らに通じるところがある事に気づくと思います。 ホラーなのでしょうが、読み終わったときになんだか心がすうっとして、素直になれるような気分になりました。 | ||||
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