■スポンサードリンク
日の名残り
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
日の名残りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
凄く評価されてるのに、面白く読めなかったということは、いかに自分に教養がないかってことだろうなあ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作」 こんな紹介文があったら誰だって期待してしまうだろう。 本当に大げさすぎる!これを読んで世界中が感動するわけがない。 物語はスティーブンスという執事による一人称で語られる。 時代は1920〜30年代辺りまで遡る。 彼はダーリントン・ホールという、かつてあのダーリントン卿が住まいにしていた館を取り仕切っていた人物である。 今は新しい主人に入れ替わっており、しばらくの暇を与えられた。 そこで、スティーブンスは主人の車を借りて旅に出るのであった。 旅の道中では、素晴らしい景色に出会いながら過去の郷愁に浸り続ける。 働き詰めの時代は、主人やそこに集まる紳士たちの話を聞くだけで世の中を知った風に思っていた。 敬愛するダーリントン卿に尽くすことこそが彼の全てであったし、 それに疑問を持つこともないまま仕事に熱中していた。 しかしながら、今や栄光の時代は終焉した。 主人がアメリカ人に変わったことは象徴的である。 新主人の勧めで外の世界に踏み出した時、スティーブンスは現実をにわかに受け入れることができなかった。 彼は執事としての品格を追求してきた。 それにはどんな名家に仕えているかが肝になってくるのだが、ダーリントンという家名はそれを支えるに十分であった。 だが、ダーリントン卿は対独融和を図った人物として、実は世界的には評価は低い。 スティーブンスは卿を擁護しつつも、執事としての立場を言い訳に自分は悪くないと言い張る。 自分は政治に首を突っ込むべきではないだろうと。 それは至極尤もなことなのだが、考えること全てが言い訳に満ちていて自分だけは正当化するのである。 しかも、彼が西へ向かう理由はかつての女中頭、ミス・ケントンに再会するためと言っても過言ではない。 考えれば考えるほど昔ミス・ケントンに自分が好かれていたのでは、と気づくようになり、 あわよくばダーリントン・ホールに戻ってもらおうと画策しているのである。 彼女はすでに結婚しており、何度か家を出ているとのこと。 何とも汚い男である。 途中、自分のコミュニケーション能力の無さを嘆いてくよくよしたり、 練習したジョークを試して心配してみたり、態度が陰気臭い。 結局、ミス・ケントンが幸せでいることを知ったスティーブンスは、昔の気持ちだけ確かめて彼女を見送った。 スティーブンスは特に政治に対する意見も見識もないにもかかわらず、 ダーリントン卿の威を借りてプライドばかりを育てていた情けない男である。 当時、女中の恋心にも気づかず、今更淡い期待を寄せてしまう可愛そうな老人である。 だから、旅の最後に出会った男の言葉が耳に刺さる(350ページ)。 今を生きることが大事であって、過去に頼ることは決してしたくない。 本書は黄昏期の老人たちを慰めるために書かれたのだろうか? 今を楽しく生きようとする若者には全く響かない物語であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
執事からイメージされるのは、推理小説の登場人物くらいで、あまり現実感がないので、イギリスのお屋敷の一流の執事たるものは、どうあるべきかという読み物として読んでしまうと単なるボヤキ?あるいは「執事の品格」になってしまいます。 時代背景が、第一次世界大戦と第二次大戦の挟間で世界が大きく動く歴史をおさらいして読むと、もう少し、理解ができるものと思います。 ダーリントン卿にお仕えした執事の仕事の達成感と寂しさ、ダーリントン卿が失脚して、新しくアメリカから来たファラディ様に仕え、イギリス流とは違ったジョークを勉強しなければならない苦痛感。執事のスティーブンが、ファラディ様の好意で休暇を取り、フォードを借りて、かつて一緒に働いた女中頭ミス・ケントン(ミセス・ベン)からもらった手紙を頼りに、彼女に会いに行く物語。スティーブンの執事としての人生・スティーブンとケントンの恋物語・ダーリントン卿の衰退とイギリスの衰退という時代背景がうまく溶け込んでいます。 執事が物語を淡々と語るので、物語に引きこまれていきます。 ★2つをつけると、この小説に対して理解不足だと叱られそうですが、個人的には、そんなに面白い小説とは感じませんでした。しかし、こうした静かなイギリス的な?ものを読むのもいいのかもしれません。 その時だったと存じます。男がこう言ったのは――「人生、楽しまなくっちゃ。夕方がいちばんいい。私はそう思う。みんなにも尋ねてごらんよ。夕方が一番いい時間だって言うよ」 「たしかにおっしゃるとおりかもしれません」と私は言いました。 私はここに残り、今の瞬間を――桟橋のあかりが点燈するのを――待っておりました。先ほども申し上げましたが、楽しみを求めてこの桟橋に集まってきた人々が、点燈の瞬間に大きな歓声をあげました。その様子を見ておりますと、あの男の言葉の正しさが実感されます。たしかに、多くの人々にとりまして、夕方は一日でいちばん楽しめる時間なのかもしれません。では、後ろを振り向いてばかりいるのをやめ、もっと前向きになって、残された時間を最大限楽しめという男の忠告にも、同様の真実が含まれているのでしょうか。(本文から) | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!