■スポンサードリンク
名もなき毒
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
名もなき毒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東京新聞等に2005年に連載されたミステリー。 先行する「誰か」の続編的位置づけ。 サラリーマン杉村氏が再び事件に関係、探偵役を担う。 日常の平和な背景の中、殺人事件が起こり、関係者の人物・人間関係が丁寧に書き進められて行く。とても読みやすく、後半の展開もスピード感を持つ。 杉村氏を攻撃する女性の、境界型人格障害から人格障害への移行が不自然では…。 ともかく、「誰か」を先に読まれた方が、本作の良さをより味わえるものと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
青酸カリを使用した連続殺人。一方社内報を編集する巨大コンチェルンの総帥の娘婿。狂気に満ちた部下を解雇したことによって事件に巻き込まれて行く。実際に殺人を犯す人間と殺人を犯さないまでも周りの人間を次々に不幸に陥れていく人間。絡み合った複雑な人間関係をすっきりした軽いタッチで描かれたミステリー。暇つぶしの読み物としてはちょうどいいかも。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
先が早く知りたくなる展開のうえ、読みやすいため、2日程度で読了した。 良い意味でも悪い意味でも後味の悪くない小説。 人によっては爽やかな読後感を与えるだろう。 人によってはやや物足りなさを感じさせるだろう。 自分には物足りなさの方が強く感じられた。 事件を経て、傷を負ったのは、自分のせいでもないのに毒に冒された人々だけ。 恵まれた環境にいる主人公達は、ちょっとしたスリルを経験できただけ。 結局、土壌汚染を自力で改良できるか、できないかの違いというだけか。 それだけでは、あまりにも毒に冒された人達に救いがないような気がしてしまった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきでなければ、もっと高い評価を出しているであろうと思います。 生きていく上でのさまざまな『毒』を題材にしたのでしょうが、 どれも消化しきれず、サラッと触っただけで終わってしまったように 感じられるのが残念です。 ...が、作者自身がこういうタッチの作品を書きたかったのかな、 という感じも受けます。 読後が爽やかで悪くはないのですが、展開があまりにも主人公に よりで、とんとんと行き過ぎる気がしました。 一気に読ませるところはさすがです。読んで損はしません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
静かに日常の中に潜んでいる…。 そんな『毒』だったのかな? 誰もが、持っている『毒』 はいているかもしれない『毒』 あっという間に読めるのだけど。 残らないなぁ。何かが。 無差別事件のお話。 なんだけど。 『誰か』の続編。 『誰か』の流れに似ている。 感じた物も同じ。 じんわり系かな?あとからくるのかしらん? 彼が主人公だから?か?と、思っている。 そんな中。 義父との会話。 『権力』の話。 「〜究極の権力は、人を殺すことだ〜」 無力なこと…。 立ち向かえないモノ? 「〜正義なんてものはこの世にないと思わせてはいけない。それが大人の役目だ。なのに果たせん。〜」 〜我々が内包する毒の名は何というのだ。〜 が、テーマなのでしょうね。 と、思っております。るん! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み終わるまでになぜかとても時間がかかった本でした。プロローグを読む限りでは「どうなるんだろ?」と興味津々だったのが、だんだんペースダウンしてきて、中盤では投げ出そうかと思ってしまったくらい。 「毒」にかけて、人間の持つ「怒り」とか、土壌汚染とか、シックハウス症候群とかを絡めてくるのですが、その毒が多すぎて焦点がぼやけたように思います。もっとすっきりとした展開を期待していました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
●すごいどんでん返しと巧妙にちりばめた伏線がはじける瞬間などは期待しませんでしたがどうもこれの敵役というか犯人象に一切共感も理解もありませんでした。謎解きや因縁が発覚する驚きより心理描写を楽しむ小説にこの本はあたるのでしょうがどいつもこいつも本当に向こう側の人で「何でそういうことするの?」という感情しか抱けませんでした。●毒というより憤怒がテーマです。私も憤怒自体は否定しません。けれどこの登場人物のような発散の仕方はまったく魔境であり私は踏み入れたことの無いゾーンです。どうしたらあんなふうになるのでしょう。これほど堅実で読書量も相当数ありそうな作家にまでああいう荒唐無稽な動機と人物像の提示を迫るほど我々の生きている時代が病膏肓にはいっているということでしょうか。すごいしっかりしたディティールでリアルに描かれている部分が大半ですが核心部が脆弱です。●この話にこの主人公でなければいけない理由があまり見つかりませんがそういう必然性のなさがリアリティーなのかな?●勤務先の名称が○○コンツェルンというのはいかがなものかと、コングロマリット系でこういう名前をつけるセンスの経営者は今の日本ではないでしょう。昔も○○コンツェルンは相当稀有でしたし。●しかしうまさはあります。ものすごく面白いわけではありませんが読んでいて苦にはなりません。物語の軸を背負う人もそれ以外の人も描写が興味深いです。そういう人いるなあという感じで読めます。●同僚以外のサブキャラが少なからず登場するので今回は主人公が彼らと協力したり彼らに指示をしたりして幾分制約をはねのけて�的になれるのかと期待していたらやっぱり後手後手にまわり気味でした。この点も期待はずれ。探偵小説のようには行きませんね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
推理という要素に乏しく、興奮度は低かった。犯人が簡単に出てくる。動機に深いものがないし、手法にトリックがあるわけでもない。土壌汚染について長々と書いているところでは「また、作者の勉強結果のご披露か」と思ってしまった。作者の思い入れがあったのだろうが、感情移入はおこらなかった。吉川文学賞っていうのは意外というか、よく分からない。本当にすごいやつをまた書いて欲しいな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部さんの作品は好きなのですが、どうもこのシリーズの主人公の設定には肩入れできないんだな。本人が望まないのに事件に巻き込まれてしまうパターンはよくある話だとは思うのですが、シリーズ化されてしまうと、それは無いだろうと思わざるを得ない。 アルバイト社員の問題は、身近に起こりうる可能性もあるし、そんな奴がいても今の世の中不不思議じゃないと、思わせてくれるし、その他の「毒」も実際にある話しだし、納得も出来るのですが。 作者の意図として事件を際立たせる為に、あえて主人公を控えめに設定したのかもしれませんが(それを補うような箇所は、散見するのですが)やっぱり不自然だな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
連続毒殺事件を中心にシックハウスなど様々な毒が登場します。根底にあるのは人間の心に潜む毒です。 続き物とは知らずに読んだのですが、前作を知らなくても読める内容になっています。この本では出番のなかった卯月刑事などは前作で活躍したのでしょうね…。連載ものだったためか、説明が多すぎる気がしました。 とても読みやすいです。やや軽い印象はあるものの、テーマも明白で分りやすいと思いました。人間関係がきちんと描かれており、共感することも。 土壌汚染などの豆知識も得られます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品のレビューを書くにあたっては、主人公・杉村三郎とその妻について触れなければなるまい。刊行時の新聞インタビューで宮部氏が、「将来的には現代ものの長編はこのシリーズだけに絞りたい」と答えていたのだから尚更である。 しかし・・・前作『誰か』で感じたこの夫婦、とりわけ杉村への違和感を本作でもぬぐうことはできなかった。『誰か』でも思ったのだが、北村薫作品の登場人物のよう。北村作品では慣れているが、宮部氏の小説に出てくるとどうもしっくり来ない。 無差別型殺人、不可解で強烈な悪意、土壌に潜む毒、人の心と身体を蝕む毒・・・納得しようのない事件が頻発する昨今、それに挑んだ意欲は買う。また、そうした事件や現象をこれまでの方法論で描き、すっきりとした着地点をもつ小説に仕上げることがむつかしい(小説としては座りがいいが、現実に対しては不誠実だろう)ということも少しはわかるつもりだ。でも、この夫婦が事件に関わり、事件を語ることにより、はがゆい感じばかりが残ったのは確かだ。別の人間が語っていたら、同じ物語でも違う着地点(小説内での)を示していたであろうし、そちらの方を読みたい気がしてしまった。また、宮部作品の魅力、頼もしい脇役や、ホロっとさせられるエピソードなどが生きていないようにも感じた。 次作で杉村は「探偵」になるという。これまでの2作における杉村のじれったさが、名探偵(?)へと驚くべき変貌を遂げることへの伏線であってほしいとさえ思う。 以上、杉村に否定的なコメントを連ねてしまったが、全く個人的な好みに過ぎず、もちろんつまらない小説ではないと念のため書き加えておく。タイトルもいい(また否定的コメントのようだが、タイトルが一番印象深かった)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『誰か』に続く、杉村三郎シリーズ第2弾。作品のキーワードは、タイトルに含まれる毒。それは殺人事件を引き起こす青酸カリであったり、人間の怒りや憎悪といった負の感情であったり、土壌汚染を引き起こす化学物質であったりする。毒というものは、形を変えて人々の生活のいたる場所に存在する。その事が綿密に描かれていて、文章はとても読みやすい。内容的にミステリーではないと思うが、社会の抱える闇を巧みに描いている。 しかしながら、好き嫌いでいうと、私はこの作品が嫌いである。理由は杉村三郎が好きになれないから。お人好しでお節介、彼の判断や行動が危機を招く事も少なくない。読んでいてイライラしてくるのである。『誰か』を読んで「あまり好きじゃない」と感じた人は、回避した方が無難。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一晩で一気に読んでしまいました。 全体的に読みやすく、軽い印象ではあるのですが、 社会の中に化学薬品による土壌汚染のごとくに浸潤した毒、 人の中に溜まっている毒、 そして人から吐き出される毒・・・ 色んな毒が、読んでいる私をもクラクラさせてしまう、そんなカンジになりました。 主人公が翻弄される元バイトの 行き過ぎた奔放さ、 自分勝手な解釈で、自分の都合で色づけされた世界に住む女性のやることなすこと、 恐ろしいけれど、目が離せないような、 支えてあげたいような気持ちにさせられてしまう・・・。 毒にあてられて・・・。 そう、この作品の登場人物、皆が、 誰かに支えられ、 誰かを支えていたり、 誰かの支えを必要としていたり・・・。 そういう人と人との関わりが、とてもいい感じなのです。 新聞の連載だったので、ちょっと途中何度も主人公の置かれている立場が説明されるのが少々鬱陶しいのと、 主人公のちょっと考えられないほどの「首を突っ込んで抜けなくなる病(?)」度合い、 そして、この主人公の性格で、今後も探偵家業の真似事をやっていくような終わり方には少々、不自然さ、違和感を感じつつ、 映画化とかしやすそうだな、とも思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
んー、オチも弱いし、謎解きも特にない。 とっつきやすい展開ではあるが、すべてに目新しさや驚きがない。 ま、でも、スイスイと読めるからいいです。それが大事。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部さんが、この複雑なテーマや人間関係が入り乱れる 小説で描こうとしたのは、まさに「病んだ世界」そのものだと 思います。 登場してくるのも、一見個性があるようには見えない、 けれど・・・・・・? な感じの人ばかり。 一筋縄ではいかない作品テーマに果敢に取り組んだ作品ではあると 思います。 しかし、正直いって、やはり長いです。 テーマが大きい分、描き込むにはたくさんの分量が要るとはいえ、 机の前にズンと座って読んでいると、あまりに次々と 新人物とそれにまつわる新展開が出てくるので、 集中力が保ちにくいトコロもあります。 ここは目先を変えて・・・ということで 電車の中で読んでいると、かえってサクサクとすすみ、 ラストまで一気に読むことができました。 物語の流れ方には色々と思うところも、確かにありましたが、 「毒は毒をもって制す」ではなく、毒に犯された者の中にしか抗体は出来ない、 という事実をしみじみと感じさせてくれるラストはさすが、でした。 それにしても「毒」にもっとも犯されていると思われる あの怖〜い女の子の存在感は読み終わって しばらくたってもなお、後に引きますね。 彼女自身も被害者であったとおぼしいのですが・・・。 いやはや、ホントに怖い作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
たまたま購読していた新聞で連載が始まっていた為読んだ作品。 青酸カリという致死性の「毒」、 ハウスシックという「毒」、 人が持つ言葉という「毒」、 その他様々な「毒」がこの作品にはある。 それを巧みに、かつ新聞連載という中で面白く 「明日の内容が楽しみだ」と思わせる続き方だったとは思う。 ただ、一冊の本としてはどうか?とは思う。 これは人それぞれなのだろう。 被害者の孫の連載ラストでの、 やり場のない「バカヤロー!」は切ないが、 吹っ切れない終わり方なのは否めない。 さすがに、文庫化に当たり最終章が描かれたようだが、 連載でもそこまで見せてもらいたかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作品の内容がどうこう以前に、本書を一言で評するなら、 「長すぎる」ということに尽きる。 登場人物が多数出てくるが、その中には「この人、いなくてもいいのでは?」 と思う人物もかなりいる。 しかも、いなくて済む人間についても、いちいち人物描写を掘り下げているため、 全体的に散漫になっている。 そのあおりをうけ、逆にもっと書き込むべき「主人公と妻の関係」、 「主人公の家庭への思い」などが、きわめて浅い描写になっている。 新聞連載終了後、単行本化する際に 「削るべきところは削り、もっと書き込むべきところは書き込む」 という推敲を重ねて欲しかった。 そうすれば、300ページあたりにまとまり、読みがいのあるミステリーではなく、 読みがいのある上質な人間ドラマになったのではないだろうか? なお、重箱の隅をつつくようだが、 「犯人逮捕」という見出しの号外が出てくる場面は、のけぞった。 ああいう時、新聞社は「容疑者逮捕」と書く。 マスコミの倫理感については昨今とやかく言われているが、いくらなんでも、 容疑者が逮捕された時点で「犯人呼ばわり」するような新聞社は存在しません。 ただ、この点については、著者のせいではなく、 ゲラの段階で編集者なり、校正者なりが、きちんと赤入れするべきだろう。 人気作家に、自社から出版してもらえるという約束を取りつけた時点で、 自分の仕事が終わりだと思ってはいけない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容についてはすでに色々解説がありますので控えるとして、 書き方が漫談口調というか(上手くいえないんですが、 捕り物っぽい感じというか・・・)、なんか内容と比べて軽い口調なのが 気になりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
財閥今多コンツェルン社内報「あおぞら」の編集 部に勤務する杉村三郎はトラブルを起こしてパート を首になった原田いずみの身上調査の過程上で連続 無差別毒殺事件の関係者とも関わることになる。 世の中には色々な毒がある。毒殺に使用される青酸カリ のみならず,住人をさいなむシックハウスや土壌汚染・・・ 本書の文中にもあるように「人間が住まう限り,そこ には毒が入り込む,なぜなら我々人間自体が毒なのだから。」 実際の毒も描きながらも人の心に巣喰う毒を静かに 描いた本である。人の心って難しい・・・ 読んで気付いたのであるが,「誰か」の続編である。 しかし,前作の話も出てくるが,単体でも十分に読める 内容であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「誰か」と同じ登場人物が登場しますが、もちろんこの「名もなき毒」単品でしっかり楽しめます。ただ、前作の誰かを読んで杉村氏とその周辺の登場人物をつかんでいた方がやはり色々楽しめます。 詳しくは書けませんが、私はこの本の中に登場する事象について名前は聞いたことはありますが、自分には関係のないこととしていました。それが、これを読んで人や物が怖いなと思うところがたくさんありました。 相変わらず人物がとても丁寧に書かれていてそれでいて不自然ではなくまさに周囲にいそうな人がたくさん出てきます。 複雑に絡み合った人間関係の末、まったくどのように事態が収束するのか予想もつかないまま、気がついたら結末を迎えていました。 やっぱり読んでいる間は苦しいところもありますが、最後まで読み終わった感想はすっきりとしました。さすがですね。 やっぱり宮部さんの現代ミステリ、好きです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!