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ガラパゴス
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ガラパゴスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全66件 41~60 3/4ページ
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大手の経済新聞をずっと読んでいます。優秀な記者の書く記事だから世界の経済の潮流はよくわかります。ただ この新聞が主張する「働き方改革」とか「多様な働き方」という耳障りのいい言葉の中身は 労働者のヒエラルキーをもっと細分化して 企業が必要なレベルの労働者を 必要に応じて”採用”あるいは 調達しやすくすべきと考えていることへの理屈付けにすぎないと感じています。彼ら新聞社の収入は ダントツによいはずだから 企業寄りになるのはしかたないことだしね・・・。 この本を読んで あの秋葉原の無差別殺傷事件の背景をあらためて考えました。でも 現在 失業者の再就職支援の仕事をしていて ほかの人よりはずっと身近に就職に苦労している人がいる私にも わからないのですよ、彼らの本音が。 | ||||
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読書の醍醐味のひとつに、 自分が今まで知らなくて、知るべきだった情報がどんどんと ダムの放流のように自分に雪崩れ込んで来るような興奮というか アドレナリンが暴走する感覚を味わう、というものがあります。 この本は刑事モノです。 自殺とされて処理されていた一人の身元不明者が、巧妙に偽造した 殺人事件の被害者であることを見抜いたベテラン刑事が企業ぐるみ の暗幕に迫ってゆくというストーリーです。 ですが読者に詰め寄るこの本の核は、事件の真相に迫るうちに 明らかになるってゆく派遣業界に依存する現代社会の闇にあります。 経済が不景気であろうが好景気であろうが、効率化の名のもとに 雇用形態の底辺として 使い捨てられ 搾取されていく 派遣の人達。 その立場になってしまえば破格の低賃金と過酷な労働条件を強いられ 正社員への道は絶望的に狭く、病気や職場での労災で怪我を負っても 補償されることはおろか雇用自体も簡単に雇い止めされてしまう。 綱渡りのような月々は不安とストレスの連続で貯金も結婚も 思い描くことさえできません。 そして少なくない人数が綱から一度落ちれば更にホームレスや生活困窮者に 転落してしまいます。そこから這い上がることは更にできません。 小説ということで多少の誇張があったとしても事実と実態の持つ重みは 読者にじわじわと詰め寄ります。 いつからか、いつのまにか僕らが育ち、学校を出て就職してきた世界とは 全く変質してしまった世界。ホラーよりも異常殺人よりも怖いです。 この世界はどうしてしまったのでしょうか? 救われる道は下巻では示されるのでしょうか?。。。(/≧◇≦\) 残念ながら下巻の予約の順番が巡ってくるのは少し先のようです。 | ||||
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最初は殺人刑事モノかと読み始めましたが、実際には経済モノとして楽しめます。事件の動機が社会問題(派遣社員、ブラック企業)と絡んでおり、現実的にありそうなリアル感があり、2日間で一気読みできる小説です。ただ、人材派遣会社、大手電機メーカー、自動車メーカーが巨悪のように書かれていますが、そこまでひどくはないと思っています。 社内に派遣会社の社員の方もいましたが(事務職)、本人の意思で派遣の契約形態が気に入っているようでした。ただし、家族や子供を持ったり、安定性の面では派遣契約ではなかなか難しいのだろうとも思います。問題は、日本は一度貧困化すると再起が難しい社会なのだろうと思いました。例えば、正社員で求職活動をして、うまく見つからないため、まずは派遣契約で始めるというのもあると思います。ただ、一度派遣契約で慣れてしまうと、正社員の面接を受けるのが面倒くさい、回りの派遣契約社員との人間関係(抜け駆けと思われる?)などから、転職できないのだと思います。仮に正社員になっても、ブラック企業で残業代がなかったり、人間関係が厳しいなどの困難も待ち構えていますが。。。 主人公?の仲野も、派遣契約からスタートして、工場の現場労働で疲労困憊になって正社員への転職活動ができなかったのかと思いました。そうなると、セイフティーネットとして、家族や友人の存在がまさに生命線になってきます。ちなみに、ハイブリッドカーについて、日本だけのガラパゴスの技術で未来はないように書かれていましたが、本当にそうなのか、知りたいと思いました。確かにクリーンディーゼルなども日本でも発売はされ、テスラの電気自動車も米国で売れているようです。この本に書かれていることを100%真に受けるのではなく、自分で他の情報源からも調べて見たいと思いました。 | ||||
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真面目な青年達の苦しみと其の原因がストーリーを通してひしひしと迫ってきます。日本はいつからこんな目先の利益ばかり追うような国になってしまったのでしょう。 | ||||
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サスペンスな警察小説を展開させつつ、現代社会の構図を描いています。 真相を解明するために各地を巡る地道な鑑取りが分厚い手帳の中で積み上げられていきます。 最適化にあたり性能を追求しつつコストダウンを図り生存競争に打ち勝つしかないモノづくり。 そのためにはモジュール化(部材の共通ユニット化)をし、使い捨て感覚でワーカーを投入する。 昭和の会社を担っているという意識が高い大量生産時代のラインワーカーとは一線を画し、ひととひとのつながりはない。 ひとがひととしてではなく、モノへと、部品へと変わってしまっていることに警笛を鳴らしています。 郷愁にかられる三線が昔からつながりあるひとごころだと力説しています。 結末は蜥蜴の尻尾切りとなってしまっていますが、それも現実感ある姿と言えるかもしれません。 上下巻で500頁を越える長編となっていますが、核心に迫る切り込みがするどく、中だるみがありません。 | ||||
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「震える牛」の続編であることはあまり意識せずに読み進めることができます。 いつもの相場さんタッチのごとく、冒頭から前半部分は”散らばっている点”からスタートするのでとっつきにくさがあります。 それを読み進めるうちに、点と点が集まりだしていきます。 下巻のほうでは、点と点の集まりが線となり、線と線が集まり面となって、問題提起されることと思います。 まさしく現代社会にはびこる、コスパに優れたものづくり手法による盲点を描こうとしています。 コストダウンのためのモジュール化は労働者に至るまで押し寄せているのです。 今まさしく、燃費の問題で世間を騒がしているように、あたかも「すぐれもの」といった表示はみせかけであること。 最新鋭でありつつ過剰なコストダウンを要求されることにより、そのギャップは安全性を脅かすまでに至ること。 隠し続け、必死に抵抗する企業。 労働者は使い捨てのもの管理になっていること。 これらの社会問題を痛烈に風刺しています。 | ||||
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ミステリーの一分野として、情報小説があります。 普段詳しくない業界の裏側を知ると同時に、社会への提起を含みます。 このガラパゴスでも、製造業の非正規化社員の問題に取り組まれてますが、 正直言って、どこかで聞いたことのある話ばかり。 主人公の刑事が、登場人物の境遇に怒りを覚えますが、とても薄っぺらな正義感からの ものですから、共感を覚えることができません。 非正規の問題を扱うのでしたら、もっと深い掘り下げをしないと、問題提起にすらなりません。 ミステリーとしても、次から次へ、ご都合主義で手掛りが出てくる展開にうんざりします。 ただ悪徳刑事の描写はステレオタイプにならず、良かったと思います。 | ||||
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推理小説としてもとてもおもしろいのですが、登場する派遣労働者の実態や派遣会社と企業との癒着やカラクリなど、実態をしっかりと取材して丁寧に詳細に描写しています。これを読めば、派遣労働の問題点がよくわかります。 | ||||
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今の日本の現状をリアルに表した作品といえる。 仲野という人物が織り成す切ない終焉に涙。 若い人に是非読んでほしい。 | ||||
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リアルにこだわり、リアルに映らない。 宣伝の帯があまりに凄いので期待しましたが、期待を下回りました。 取材を消化しきれずに書き下ろしたせいか、過剰に会話で補う構成に結末が読めてしまいます。 ただ、執拗な捜査をする田川刑事のキャラが魅力的で、作品として惜しいなと感じました。 | ||||
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「震える牛」を予習として読んだ上で、本書も読んでみました。 前作に続き、現代日本の社会的な問題をミステリーのテーマに置くのはよいのですが、少し説教臭すぎませんか。 主人公に非正規労働者の問題をレクチャーしてくれる、投資顧問の登場も唐突で、なんでここまで親切に解説してくれるのか 動機がよく分からない。 読者に背景を説明するための、便利な「解説くん」のようで、小説としてはノイズに思えました。 ミステリー小説として楽しみながら、時事問題の勉強もできる啓蒙書としての意義もわかるのですが、少しそのウェイトが重すぎて ミステリー作品としての評価はもう一つと個人的には点をつけます。 メモ魔の中年刑事、しかも体を壊して禁酒中というキャラクターには魅力がありますし、警察組織内の権力闘争も警察小説では定番のテーマながら 面白く読めました。 次作では、もう少し肩の力の抜けたテーマで読んでみたいですね。 | ||||
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格差社会、非正規社員の悲哀、ブラック派遣会社、日本のガラパゴス化による孤立・・・といった日本の時事問題をたくさん取り上げており、 鋭いところもある。 しかし、殺人事件の被害者が告発していた内容や、加害者が殺人まで行った動機など、背景にある社会問題を強引に事件と結びつけている感じがして、違和感を持った。 | ||||
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日本社会の、特に雇用問題を取り上げ、社会の歪みを糾弾した作品。非正規という名の部品として扱われる人間たちの姿を鮮明に描き出している。これが今現在の日本の姿であると思うと、胸が締め付けられ、絶望感に打ちのめされずにはいられない。作品の中にぐいぐい引き込まるうちに、自分や家族、友人たちが、登場人物たちと同じ立場に立っている錯覚に陥り、理不尽な社会への憤怒と、その一方でこの社会に対してどうにもできない無力感に襲われる。 本作品は一冊のミステリーとしてではなく、痛烈な社会批判をテーマとして読むこともできる。 | ||||
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面白い。 一気読みした。 ただ、昨今よくある、警察組織のトップや、大物政治家に最後邪魔されるという展開勘弁して欲しい。 カタルシスがあったもんじゃない。 | ||||
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派遣社員の働いても働いても恵まれない環境が、せつなかった。ぼくも契約社員の経験があり1年単位での契約更新で、いつクビきられるかと不安であったことを思いだした。この小説では、工場の派遣は項目では備品扱いというのも絶句した。日本の実態を知るためにも一読をすすめます。 | ||||
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ハイブリットカーが製造コストや専用バッテリー寿命から、エコとは対極であるのは知ってた。 実燃費がインチキなのはJC08モードそのものが国際基準とはかけ離れてる計測法だから。 政府が補助金をだして購買をあおる品目はすでに競争力を失いガラパゴス化してる。のは納得だ。 古くは家庭用太陽光パネル、エコ家電、エコ自動車、つぎは新建材住宅か。 田川シリーズはインパクトある社会問題を警察&ミステリー小説としてあつかうようだが、 安全性を犠牲にしたメーカーの犯罪をネット掲示板に乗せたのが殺害動機とか、 トリックの部分が軽薄であり、ご都合主義なところがご愛嬌なのかな。ともおもう。 最後、巨悪が逃げ切るのも不満なんだよな。( 読み処はソコではないと作者の声が聞こえる。) 「震える牛」はWowWowでドラマ化されヒットしたが、本作は映像化できるかな? 自民党政策と国内自動車メーカーを敵に廻す犯罪ネタだね。 勇気あるスポンサーの出現を願う。 | ||||
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内容も作家のことも全く知らず読み始めたけど、もう圧倒的な面白さだった。経済の話も絡んできて、それでいて全く退屈させないどころか、主人公の田川と同様「もっと話を聞きたい。知りたい」という気持ちにさせられ、本を置くことができず、ただひたすら読み続けてしまった。 主人公の田川も非常に魅力的な人物として書かれてる。チビで髪が薄いメタボ気味のオッサン、という設定だけど、心優しく、正義感強く、好奇心が強く、柔軟性が高く、そして粘り強い。良い作家に出会ったな、と思う。 派遣社員、ブラック企業、格差社会。色々なことを考えさせられる、本当に面白い小説だった。 | ||||
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『震える牛』が良かったので、今回は自動車メーカーと人材業界の闇というだけにどれくらい調べあげたものなのか期待して読んだが、派遣の仕組みや法制度の内容など週刊誌かネットの掲示板レベルの生半可な知識で書かれていて一気にリアリティが無くなった。 現代社会とはちょっと違う仕組みの社会のフィクションとして読むぶんには面白いのではないでしょうか。まあ、よく知らない人はこれが人材業界や自動車メーカーのリアルだと誤解するのでしょう。 | ||||
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終に実行犯に辿り着いた、田川刑事。 しかし、事件の発端である自動車会社や派遣会社は、すんでの所で 逃げ切ってしまう。 「しかし、働くってこんなに大変な事なのか?」木幡刑事の漏らした言葉、 大半が非正規社員の今の現状、やはり狂ってますね。 | ||||
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下巻「第9章 真実」にある、被害者の今際の際の言葉に泣ける。 プロットが優れていて場当たり的な陳腐さがなく、遅読の私でも二晩で上下巻読めてしまった。 ただ、全てを社会システムのせいにしようとする相場英雄氏のスタンスには同意できない。また、実行犯は自分の利益のために殺しを行ったにすぎず、情状酌量の余地はない。酌量しては被害者が浮かばれない。やはり相場英雄氏のスタンスには疑問符が付く。 くどいようだが、読み物としては良だが、スタンスには共感できない。 殺人を社会のせいにしたら秋葉原事件の加藤某と同じだっちゅーの。 | ||||
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