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(短編集)
天体の回転について
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天体の回転についての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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KEIさんの表紙でジャケ買いした。KEIイラストの本は、聖典「ピアピア動画」以外に「雨乞い部っ!」「セガ女神」などのラノベ、内容はまったく好みに合わない「ディスコ探偵水曜日」などを持っている。本書はミク似の美少女が肌を晒しているだけで愛蔵に値するが、中身が表紙に劣らず素晴らしかった。 八篇収録、どれも短いので面白さを伝えようとしたらネタバレしそうだ。なるべくバレないように紹介する。表題作は軌道エレベーターの話だ。表紙の女の子はエレベーターガールである。主人公のセリフではないが、眺めているだけで幸福になる。科学技術の解説が不思議と甘酸っぱく、切ない名編だ。 「灰色の車輪」はロボット三原則、「あの日」は逆転した特殊設定ミステリである。ありがちなテーマだが、一捻りも二捻りもしてあって味わい深い。 「性交体験者」は驚愕のジェンダーSF。単なる逆転ではない。 「銀の舟」隣の惑星の人面岩に取り付かれた少女は、宇宙飛行士となって異星の大地を踏む。素朴な宇宙への憧れがテーマなのだが、終盤の展開にたまげる。 「三百万」ウルトラマン宇宙というべきか、ドラゴンボール宇宙というべきか。脳筋宇宙でいいかな。アニメや特撮でありがちな設定は、きちんと小説で描くとかくも異様なのか。ひきつった笑いが込みあがってくる。 「盗まれた昨日」全人類が前向性健忘症にかかったら。 「時空争奪」論理遊びから文化財改竄になり、壮大な宇宙SFへと展開する。 うむ、素晴らしい。全部おもしろく、甲乙つけがたい。 | ||||
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面白かったです | ||||
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「天体の回転について」、「灰色の車輪」、「あの日」、「性交体験者」、「銀の舟」、「三〇〇万」、「盗まれた昨日」、「時空争奪」の8編を収録しバラエティに富んだ内容になっています。多くのエピソードが設定の説明ばかりで難解だった「」より読み易くなっています。「天体の回転について」はカバーガールの萌えキャラの女の子(リーナ)と軌道エレベータで月を目指します。「灰色の車輪」はロボット3原則をテーマにロボットを虐める内容です。「あの日」は先生に作文の添削を受ける話で若干くどいです。「性交体験者」はサイバー婦警のエロティック猟奇殺人ものです。「銀の舟」は短めでファーストコンタクトを描いています。「三〇〇万」はおそらく「」にインスパイアされて書かれたもので宇宙の侵略王を描いており、本人は大真面目なのにバカすぎて笑ってしまいます。凄く面白いのにここで終わりかよ!!という感じで残念です。「盗まれた昨日」は「」収録の「キ(土偏に危)憶」、「」と同じテーマ(前向性健忘症)を扱った全く違う話で、2作とも大好きなのでかなり楽しかったです。「時空争奪」は日常が侵食されていきますが、かなり魚臭いです。角川ホラー文庫の作品群で小林さんのファンになり、ハヤカワの小林作品は難しくて苦手な部分もありますがそれでも何とか4冊読みましたが本作はとても良かったです。カバーイラストも本作の顔である女の子、リーナを上手く描いていると思うのでとても良いと思います。小林さんご自身による解説も読み易く、「背景を気にせず自由に想像の翼を広げて欲しい」、「私のホラー小説が好きな方は私のSF小説も楽しめるはず」と書かれています。 | ||||
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イマイチこの手の分野に出遅れ感のある早川にしては思い切った選択。表紙絵師はSFマガジンの表紙を飾ったこともある初音ミクの絵師KEI。 本自体は単行本の方持ってましたけどこの絵のおかげで文庫版まで買わざるを得なくなりました。昨今のライトノベルって奴は、表紙絵が魅力的な割にイマイチ中身が追いついてない印象ですが、この作者に関しては安心して買えます。大丈夫、小林泰三の本だよ! この小林泰三という作家を知らないのなら、これよりはむしろ「玩具修理者」から入るのがいいと思います。角川ホラー文庫ですが内容はそこまでホラーでも無く、スラスラ読める、最後でちょっとどんでん返しという点がとても魅力です。 この手の表紙は兎角、老害SFファン(今時の若者がこの程度の絵で拒否反応を示すとは思えない)からは全力で否定され、ラノベオタからはいつも読んでるものとコードが違うことから面白くないと認定されてしまい誰も得しないように思われがちですが、自分のようにラノベ風の表紙でまともな日本語の小説が読みたい人間もいますので、早川には引き続きこの系統のものを続けて欲しいですね。 | ||||
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結構面白い。 短編なのでサクサク読めますし、嗜好の違ったSFが1冊で楽しめます。 中にはグロテスクな描写がある編もあるので注意ですが、 バイトハザードというゲームみたいなグロテスク系が 好きではない私でも許容範囲かなとは思います。 また、読み終わった後「続きが読みたい」と思えるような編も多く 「えっ!?ここでおわり!?」と思ってしまいますが、 これは短編なのに非常に面白くのめり込んでしまった裏返しとも言えます。 中でも「そう来たかぁ・・」と思ったのは「銀の舟」ですね。 ただ「三〇〇万」がなぜその題なのかピンと来なかった・・ | ||||
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短篇集。 表題作の「天体の回転について」が良い。 コリオリの力の解説など、頭の中で錆びついて眠っていた力学計算の中枢が、解きほぐされるようにマッサージされて、脳がまた動くようになったと感じます。 萌え要素も快適。 著者最新作長編の「天獄と地国」にも、萌え要素はあるので、先に本書を読んでいたほうが、脳が馴染みやすいでしょう。 このような素晴らしいSF小説に導いてくれた、KEIの表紙に感謝。 | ||||
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「天体の回転について」 軌道エレベーターでの「旅」を萌え要素を絡めながらビジュアル的に描いた作品。 「灰色の車輪」 ロボット工学三原則がいかに現実的・合理的でないか。ロボット工学技術と軍事技術は密接な関係だ。 そもそも、ロボットとマシーンの区別とは?自立性の有無? マッドサイエンティストを集め、閉じ込めた小惑星という設定は面白い。 「あの日」 矛盾が無いというかワキが甘くないフィクションを書くのは難しいという言い訳めいたことをそれとなく書いているのが、おかしかった。 「性交体験者」 ある種の虫のような生態をもつヒューマノイドを描いた作品。 「銀の船」 実は逆転していたというのはパターンだが、見せ方が上手い。 「300万」 多くの恒星系を支配している王が少数の側近のみを引き連れ全裸で地球に攻めてくる話。 彼には深い哲学がある。 読後にドラゴンボールが読みたくなった。 「盗まれた昨日」 イーガンが同じ設定の話を書いたら、アイデンティティーのゆらぎみたいな方向に話が展開するんだろう。 しかし小林氏は・・・ 「時空争奪」 タイムパラドックスとクトゥルー神話を絡めた話。 | ||||
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あまりSFに素養のない初心者でも楽しく読める「わかりやすいSF」 8編の中で当たり外れは多少あるが全体的には楽しく読めた。 個人的には「300万」が好感触。 表紙のアニメ絵はファン層が被るか少し疑問。 購買者を減らしている 気がしてならない。 | ||||
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ハードSFの文法に、センスオブワンダーがてんこもりで、これこそSFだ!という、読んでて驚きと歓びで本を持つ手が震えるほどですよ。 小林泰三は、読んでいて気づく瞬間が楽しいので内容については触れません。 読んで、気づいて、楽しんでください。 | ||||
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