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火の縄
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火の縄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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昔読んだのは「松本清張時代小説集」で「無宿人別帳」なども収納されていました。字が細かく上下2段のハードカバーでしたが、この文庫は字が大きく非常に読みやすかった。読みやすい反面、時代小説の風格のようなものは、字面の後ろから全くにじみ出てこないので、以前読んだ印象とかなり違ったものとなりました。とは言え、一色氏謀殺の場面は非常に迫力あり、また、細川忠興、玉夫妻の一種偏執狂的な関係性は極めて現代的な側面も持っています。稲富一夢斎を主人公に据えながら、一夢斎の内面には余り入って行かず実際はその周辺の人々の心理描写を通して一夢斎が浮かび上がってくるような異色の時代小説だと思います。 | ||||
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一気に読みました。細川がラシャはイメージが壊れるほど気位の高い女に描かれていてビックリした。 | ||||
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松本清張の傑作です。 戦国時代、鉄砲の名人であった稲富伊賀守をモデルとした珍しい時代小説。 という体裁になっていますが、稲富の目から見たこの時代の知的奇形種、細川忠興と 妻、ガラシャを描き上げた興味深い小説です。史実では稲富、実戦での鉄砲の戦果は 賛否両論あるようなのですが、この小説内では超人的技術を持つ異能の人と描かれています。 この素朴、朴訥な天才と、当時としても度を超したDV、衝動性人格障害とも看做しうる細川忠興との 確執。互いに相手の姿のうちに己の心性の醜形を見出し、憎みあう姿が緊迫感を持って描かれています。 とかく殉教的死、実際は夫忠興の独占欲からの殺害でしたが、美談で捉えられがちのガラシャの姿を、 マゾ的なしたたかさ、その不気味さも十分に描かれており、今日見直されるて然るべき作品ではないでしょうか。 | ||||
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人間の欲望、憎悪、全てをとらえた生々しい心理小説。稲富治介の劣等感や、キリストに救いを求める侍女の小百合、細川藤孝と嫁ガラシャの温まるような関係や、ガラシャに恐れを抱く義妹の伊与、そして忠興とガラシャの狂気の中の関係。細川ガラシャに関する著作の中で、これが一番的を得ている。彼女は、決して聖女ではない。一個の人格を持った戦国の波乱の中に生きた女性だということが痛感させられる。稲富治介を侮辱する細川夫妻や、その夫妻を獣の夫婦だと罵る稲富治介との関係も見物であり、最後にガラシャを裏切る稲富治介の笑みは、必見だ。しかし、家康にさえも突き放され、家来として認められなかった彼には哀れさえ抱いてしまう。どこを取っても生々しく、美しい描写でさえも、人間の欲望が潜んでいる。時代小説の中でこれほど人間を鋭く描いた小説は見当たらない。 | ||||
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