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(短編集)
幻坂
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幻坂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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9つの短編からなる本書。 大阪のにある天王寺七坂を舞台に描かれた、ジャンルとしてはホラー小説。 ホラーといっても全然怖くはなく、心温まるお話ばっかり。 個人的には天神坂というエピソードが好きでした。 終盤の詩人に焦点を当てた話はちょっと難しかった。 | ||||
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あとがきを読むまで、怪談を扱った短編集だとは気付かなかった…。明らかに幽霊と書いてある作品は、さすがに、わかったが。私の読解力の乏しさか、作者の上手さか。 大阪に住む者として、確かに、大阪の歴史と言うと、太閤さん以降を思い描いてしまう。海が間近に迫っていた時代に想いを馳せ、上町台地を散策してみたくなる。 | ||||
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2013年にメディアファクトリーから出た単行本の文庫化。 もともと雑誌『幽』に発表された短篇が中心となっており、すなわち怪談集である。 大阪の天王寺七坂を舞台にした「清水坂」「愛染坂」「源聖寺坂」「口縄坂」「真言坂」「天神坂」「逢坂」と、松尾芭蕉を扱った「枯野」、さらに夕陽丘の地名のもととなった「夕陽庵」の9話が収められている。 怪談としては新味に乏しいような……。 心霊探偵も出てくるけれど。 | ||||
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大阪府民なので手に取って読んでみました。 9つの話からなる短編集です。 怪談ではありますが「めちゃくちゃ怖い」というわけではないです。 難しい言葉や硬い表現が多かったですが、名の売れている作家さんの作品だけあって「読ませる力」のようなものが感じられました。 個人的には愛染坂がよかったです。 | ||||
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天王寺七坂を巡る新作怪異譚である。 馴染みのある土地なのに、坂のことは知らなかった。たぶん何度も知らずに通過しているな。 桂米朝「米朝ばなし」のような雰囲気で、ためになった。 切なくもの悲しい幽霊話が多く、まったく怖くない。 「口縄坂」異種族の愛に同性愛が絡む?妖しげな異色作で、本書の白眉だ。 「源聖寺坂」は心霊探偵が謎を解く。 「逢坂」にも同じ探偵が登場するが、謎解きではなく人情話だ。 七坂以外に二篇短編が収録されている。「枯野」は松尾芭蕉の臨終がテーマだ。 超越的なわびさびの世界と生臭い組織の内紛劇が対照的で、文学的な味わいだ。 軽くて手ごろな作品集だった。郷土史マニアや純粋文系の人は大喜びするだろう。私はそうではないが、けっこう楽しめました。 | ||||
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本書は本格ミステリではない、ということはまず明記しておかなければなるまい。作者自身によると「大阪を舞台にした怪談」とか「リアリズムを担う街が秘めてきたファンタジー」であり、帯の惹句によれば「人情味溢れるジェントル・ゴーストストーリー」である。それらに倣って、「あやかしの世界を描いた幻想的なナインストーリーズ」というのはどうだろう。 舞台になっているのは、大阪の〈天王寺七坂〉というエリアだ。七坂をそれぞれタイトルに持つ現代物が7編、時代物が2編。すべてに共通しているのは、幽霊が登場すること。その趣向はさまざまだが、個人的には「清水坂」と「真言坂」がよかった。どちらも一人称で語られる物語で、切ない気持ちにさせられる。もともと有栖川作品には、こういうセンチメンタルな要素が多かれ少なかれあるけれど。 ある意味、もっともミステリ作家らしい作品といえるのは、心霊専門(!)の探偵が登場する2編「源聖寺坂」と「天神坂」だ。この摩訶不思議な心霊探偵・濱地健三郎は、今後ももしかしたらどこかでひょっこり登場するのでは…と思ったりもする。例えるなら、アガサ・クリスティーにとってのハーリ・クィン氏ぐらいの位置づけにはなっていくのではないだろうか?(マニアックな例えですが、ミステリファンにはきっとご理解いただけると信じて…) 「枯野」と「夕陽庵(せきようあん)」は時代小説、というより歴史小説といった方がいいかもしれない。前者は俳聖・松尾芭蕉が主人公だし、後者は歌人・藤原家隆に私淑する男が主人公。いずれも重厚な筆致で綴られているが、これはあくまで小説家としての余芸の範疇だろう。わざと小難しく書いてあるのも、普段のペダンティズムのヴァリエーションだと思う。とにかく作者の地元愛がぎっしりと詰まっている一冊だった。 | ||||
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有栖川有栖の連作ミステリ、なのだが、いわゆる推理小説ではなく、どちらかというと怪談に近い話。 ちなみに、宮部みゆきに同系統の一連の著作があるような気もする。 舞台は原則として、大阪の天王寺にあるという「天王寺七坂」。 大阪の地理にはうといのだが、上町台地くらいは聞いたことがある。その西の縁の部分、崖地にある坂が舞台である。 読んでみると、いずれのストーリにもその坂にまつわる歴史やら言い伝えやらその地の雰囲気などが色濃く出ていて、やはりアウェー感いっぱい。 情景にうまく思いがめぐらせられないまま、淡々と読み進めてしまい、松尾芭蕉のお話を経てそのまま読了してしまった。 ちょっとこまったなという感じである。続編はもし出ても読まないかな。 | ||||
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