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忘れゆく男



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【この小説が収録されている参考書籍】
忘れゆく男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

忘れゆく男の評価: 5.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

静かに、悲しい歴史の一齣を描く

推理小説の愛好者ではないが、海外の友人を通じて、このスコットランドの作家(1951年生)を知った。スコットランドの西方沖合にルーイス島があるがそこを舞台とした3部作の2冊目だ(1冊目は『さよなら、ブラックハウス』{ハヤカワ文庫}、3冊目は未刊)。3冊を通じてエディンバラ市警の元刑事フィン・マクラウドとそのパートナーのマーシャリーが事件に関わり解決して行くのだろう。この巻では、泥炭の下から発見された男の身元を調べる過程(DNA鑑定)で、痴呆が進み老人施設に入れられているマーシャリーの父親の血縁者(実際は弟)であることが分かる。もともと孤児となって孤児施設に入れられ、後に一般家庭に引き取られた兄弟には親類縁者がいない。しかも兄は痴呆状態だ。しかし、彼には、苦しいこの時代の断片的記憶が切れ切れに蘇る。刑事の捜査の過程とこの輪郭のはっきりしない回想を交互に読むことによって、われわれ読者は真実に近づくことになる。鍵を握ったのは、孤児施設で一緒で、兄貴の恋人だったが、その後離れ離れになった女性ケイトの存在だった。大西洋に浮かぶヘブリディーズ諸島を初めて知ったが、その荒々しく美しい自然と、そこに住む人々の生活が良く描かれている。過去におけるイギリスの孤児の過酷な扱いの話はTVのドキュメンタリー等で見たことがあるが、読み終わって、こうした孤児たちの悲しみがずっしりと残る作品だった。
忘れゆく男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:忘れゆく男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151805524
No.1:
(5pt)

まさに認知症の人が理解できるかも

スコットランドの小さな島ルイスから始まる物語です。
退職した元刑事のフィン元恋人の血縁関係だったという保存状態の遺体が泥炭のなかで見つかる。

彼女の父には兄弟がいたのか?
いろいろな謎がフィンという一人の男の過去と現在、元恋人の今と父の秘密が絡まって展開します。

認知症を患い、容易でない過去を追いかけていくフィンが、彼女の父トーモッドの壮絶な過去を知り始めると、意外な方向へ引き寄せられトーモッドの信じがたい厳しい過去を暴き出します。

悲しい結末と、ハッピーエンドが待っています。
認知症の人の気持ちも分かるような気がします。

この作者は、現実の孤児院というものがなまやさしいものではないことに物語の中で書き記しています。
あとあじは良いデス。
忘れゆく男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:忘れゆく男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151805524

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