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手紙
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手紙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全538件 361~380 19/27ページ
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小説ですから、話の持っていき方や展開が強引なのは仕方ありませんが、テーマとしては考えさせられます。犯罪者の家族と接するという境遇が、誰にでも身近にあることは間違いなく、またこの作品のように我々は関わりたくないという逆の差別をすることも間違いないと思います。後半、主人公は1つの選択をすることになりますが、もし我々が接する側だとしたら、どんな選択をすればよいでしょうか?難しいですよね、それに答えなんかないです。 | ||||
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逆差別と言う言葉を初めて聞きました。 辞書にものっていない悲しい響きの言葉。 差別だけでも苦しい中で主人公は逆差別にも苦しみます。 逆差別ーそれは人を思いやることでおきる悲しい差別。 人は道徳心がないわけではないのに、それでも犯罪者の弟というだけで 私達は壁をつくってします。 ジョンレノンさんのイマジンという歌がでてきます。 子供達が差別の意味を知るために辞書をひく時代、 そんな世界をイマジンー想像してみませんか? そして、想像するだけではなく逆差別などという 悲しい言葉が存在しない世界を自分達の手で 「想像」するだけではなく「創造」していきたいと感じました。 本当にたくさん人に読んで考えて欲しい作品です!! | ||||
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家族は、兄と弟しかいない。 たった二人に兄弟だからこそ、大切にしないといけない存在。 お金がない。弟を大学に行かせたい!という弟の事をおもうが故に、お金だけを盗む予定が、 殺すつもりがなかったのに…殺人を犯してしまいます。 その罪で大切なものを失っていく、悲しさがとても強く伝わってきました。 弟が恋愛・就職と幸せを掴みかけようとしたら、タイミングよく兄からの手紙が届いたり、 手紙の存在で、受刑者の身内がいると知らされてしまう。 弟が苦しんでいることもしらないからか、兄からの手紙の内容はあっけらかんとした内容で、 弟ばかりが生きる苦しみを味わっています。 人の命を奪う事は、自分が罪を償えば済む問題ではないし、自分の回りの家族やその子供まで、苦しめてしまうことが、痛々しいほどわかる小説です。 | ||||
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社会における差別や偏見の構造というものを、筆者なりに捉えている。またそういった差別を受け止めた上で、どう生きていくべきなのかというところにまで、話は焦点が当てられている。 また「手紙」における隠れたテーマであるのが、「切っても切れない絆」である。絆と言えば、聞こえはいいが、家族に殺人犯がいたとしても、その人が家族であるということには変わりない。家族という関係には一種の魔力があると思う。無条件に許しあえる、愛を分かち合えるなど。どんなに憎しみあっても、関わりを避けても、家族に変はないのである。家族や兄弟の関係において、問題を抱えたまま、目を逸らしつづけて成長した人間は、しっかりした人間にはなれないのかもしれない。血のつながりというものは、温かいものではあるが、また同時に「切っても切れない」、いや「切ってはいけない」ヘビーなものではないだろうか。 以上のことを踏まえて手紙の最後の章は、とくにじっくり読んでいきたい。涙ものです。 | ||||
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弟の進学費用を手に入れようとして、人を殺してしまった兄。逃れるすべも無く、“人殺しの身内”になってしまった弟(主人公)。夢、恋愛、就職…主人公が幸福を掴みかける度、“強盗殺人犯の弟”というレッテルが壁になって立ちふさがる。やがて主人公の幼い娘にまで、容赦の無い“差別”が降りかかる…。弟のたどる過酷な運命の節目節目に、兄との間に交わされる「手紙」がときに象徴的に、そしてときに劇的に登場する。獄中から兄が送った“最後の手紙”(それは弟あてでは無いのですが)とは…。 作者は最後まで、読者が心安んじられるような“救い”を用意してはくれない。そこにこの作品の“凄み”がある。こういう、「骨に直接、刃をたたきつけられる」ような重くて本質的で逃げ場の無いテーマに向き合うとき、それぞれの作家の懐の深さというか、覚悟というか、透徹する眼差しの鋭さや射程距離というか…もっと端的に「人としての器の大きさ」みたいなものが、まざまざと明らかになってしまう。 それでいうと…やはりこの作者は只者ではないと思う。 忘れられないのが、主人公(弟)が就職した会社の社長の、「罪の重さを知らしめ、社会の秩序を守るために、我々は犯罪者の身内を差別しなくてはならない」という言葉。最初読むと一瞬たじろぐのだが、後になってジワジワ効いてくる、重い言葉です。 ※同様の題材を扱った、重松清『疾走』、石田衣良『うつくしい子ども』などと読み比べるのも、なかなか興味深い読書体験かと思います。 | ||||
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もし家族が犯罪を犯してしまったら・・という誰にでも起こりうる重大なテーマに対し,奇麗事ではなく,真正面から向き合った意欲作。 両親をなくし,弟の学費の為・・と一瞬魔がさした為に強盗殺人犯となってしまった兄。学校,就職,仕事,恋愛,結婚・・と人生のターニングポイントのたびに,暴かれ,人生を狂わせていく「強盗殺人犯の弟」という世間からの冷たい視線,仕打ち。 さらに家族,子供にまでそのレッテルが付きまとう中で主人公が腹をくくらざるを得ない覚悟とは・・ 読んでいて,こういう結論に至るとは思わなかった。「片想い」でのジェンダーに関する考察と双璧をなす深さ,そして残酷な現実がズシンときた。 | ||||
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東野 圭吾さんの小説を読むのは、これが初めてでしたが、すんなりと読むことが出来て良かったです。久しぶりに感動、というか、小説を読んで自然と涙してしまいました。 いろいろな面で直貴に向けられる差別や偏見は、読んでいてとてもつらく、犯罪者の身内というだけで世間からどのような目を向けられるのかなど、ひしひしと感じました。 最終的に直貴が下した判断については、そういうこともあるのかな、と納得しました。 傍から考えると残酷な考えだと思うけど、生きていく為には仕方のないことだと。 今日、テレビや新聞などで犯罪が当たり前に報道されますが、加害者の身内のことはさほど考えにも及びませんでした。被害者の家族もつらいけど、加害者の家族もつらいということに気づかされました。 本当におすすめの一冊です。 | ||||
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あまりに丁寧にその心理描写がなされているので、まるで自分がその場にいて、その犯罪を犯そうとしている本人になったような気さえしてしまった。苦しくて、身の置き所がない気がして。加害者として、その家族として、どう生きるべきか。筆者はあえて、被害者側からの視点での描写をしていないのだろう、そのことで、いっそう、読んでいて苦しさがつのった。人の思いを推し量ることは、はっきり知っていることや知らされることより、苦しいものがあると思った。 | ||||
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ふとしたことで、犯罪者になってしまった兄。 ふとしたことで、犯罪者の家族になってしまった弟。 誰の身にも起こりうるそんな背景。 ただ。。 誰の身にも起こりうるけれど、実際にその兄弟に感情移入するには、私が住む現実とかけ離れている気がして、どうしても話の世界に入り込めなかった。 犯罪者となってしまった兄との関係に悩む弟。でも、弟が出した結論は。。 私は、弟が出した結論は、どういう意味を持っていたのだろう?と思う。 もう金輪際連絡を取らないという手紙を最後に兄に出した弟。 なのに、弟は兄にこっそり自分の姿を見せようとする。 そこで、弟に向かって頭を垂れ、合掌をする兄を見つけた弟。 この兄弟はこれで最後なのか。。それともやっぱり血を分けたたった二人の兄弟はこれからも兄弟の関係を続けていくのか。。 実際に犯罪者を身内に持っていない私は、やっぱり最後に兄を助けてあげられるのは弟だけだときれいごとを並べたくなる。でもきっと現実として、身内が犯罪者になってしまったとき、自分の家族を守るために、身内を切り捨ててしまうのだろうか。。それはとても怖い。人が生活をしていく上で、きれいごとだけでは済まされないことは、十分にわかっているつもり。でも実際にその体験をしていない私が考えることは、きっとただのきれいごとなのだろう。。 私という人間が小さいのか。。 それとも。。 人はみんなそうなのか。。 感情移入できぬまま、最後を迎えてしまったため、泣くポイントがわからず、逆に私はそういう感情がないのか。。と思ったりもした。 | ||||
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弟(直貴)のもとに、獄中の兄から手紙が届く。数年前に弟の入学資金を稼ぐため、強盗殺人の罪で兄が服役してから決まりになっている。 しかし、そのことが、恋愛や仕事などの節々の大切な場面で、「強盗殺人犯の弟」というレッテルが貼られ不幸がふりかかる。兄を尊敬していた直貴だが、次第に関わりをもちたくないという兄に対しての不信。また兄の罪が降りかかってくる現実に対して逃避したく。結末はいかに。 小説に感情移入をし、一気に作品を読み上げました。映画化もされております。最後の感動のクライマックスも見ものです。涙なしには見られません。是非ご覧下さい。 | ||||
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強盗殺人を犯してしまった兄と、その弟が人生の節目(夢や恋愛、仕事)ごとに殺人犯の身内がいることを徹底的に意識させられる物語です。 努力や才能で順調にいきそうになるとその度に挫折を味わう弟の姿は、同情を誘い思わず「頑張っているのに…」と感情移入しそうになります。挫折を味わうたびに性格が徐々に歪んでいき、世間知らずの高校生が世を渡っていく術を身につけていく過程がリアルに描かれています。 しかし、作者は兄の罪で弟が世間から差別されることを単純にかわいそうとは思わせてはくれません。苦しんでいる弟に対し、「犯罪加害者の家族は罪を背負わなければならない」という就職先の社長の言葉には、その理由と共に考えさせられる部分があります。さらに考えさせられるのは、物語後半に弟に家族ができるのですが、その家族にまで兄の罪の影響が及び悩んでいる弟に向けられる社長のアドバイスと弟の行動です。 物語終盤にかけて弟の前に現れる選択肢は、どう進んでも明確な正解・不正解はなく、登場人物はもちろん読者にまで、「あなたならどうする?」と選択を迫ってきているようでもありました。 読み手にも逃げ場を与えてくれないような、隙のない作品ですが、読後暗い気持ちになるわけではなく、傑作だと思います。久々に手が止まらず一晩で読んだ本でした。 | ||||
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東野圭吾さんの作品を読むのは初めてなんですが、わりと読みやすく2日ほどで読みきってしまいました。 読んでいる当初はあまり違和感を持たなかったのですが、終盤になるといろいろと考えさせられることが多かったです。 その中でも一番思ったのが、「被害者の老人は殺され損じゃないか?」ということです。普通、交通事故であれば、多額の賠償金を払い、加害者は一生かけて償うものだと思うのですが、この主人公兄弟は(少なくとも弟は)弾みとはいえ、全く罪のない人をあやめたのに、終始、被害者の苦しみから目をそむけ、一般人と同じレベルの生活を追い求めています。いくら未成年で直接の加害者じゃないとはいえ、兄の犯罪の動機のひとつが自分であるはずなのに。自分が被害者の側にまわったときはしっかり賠償のことを口にしているのに。 世の中、そんなものかもしれませんが、自分の価値観からするとなんか生ぬるいというか・・・。 人一人の命ってそんなに軽いのかぁって疑問に思いました。 娯楽として読むにはまずまず面白かったです。 | ||||
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東野作品は初めて読みましたが、噂に違わぬ名作ですね。 最後のやりとりはかなりジーンときてしまいました。 相手のことを思っているからこそ、 時には突き放す必要があるのでしょうね。 家族愛とは?人生とは?優しさとは? いろいろと考えさせられた小説でした! | ||||
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両親もなく、まだ高校3年生だというのに「強盗殺人犯の弟」になってしまった直貴。 「強盗殺人犯の弟」という重たい十字架を背負って、たった一人で生きていかなくてはならない。 世間の差別に耐えながら、何とか生きていこうとするけれど、つかみかけた幸せも「強盗殺人犯の弟」という事で、すべてが駄目になっていく。 どんどん先を読んでいきたいのに、兄の犯した罪によって何もかもが台無しになっていく様子が手に取るようにわかるので、それが切なくて読むのが辛い。 のう天気な兄の手紙とは裏腹に、必死で生きている弟が、今度こそは幸せになれますように・・・と祈らずにはいられなかった。 そんな事を思う私は、ここに出てくる社長の言うような甘えた考えの人間なのだろうか。 | ||||
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今までこういう現実的な本を読んだ事がなかったしあまり興味もなかったんですけどこの本を読んで考え方がかわりました殺人犯の身内が社会で生きていくのがどれだけ大変な事なのか!?殺人犯の身内がいると分かった時の世間は!?・・・・身内の夢は!?就職は!?恋愛は!?子供は!?自分ならその時兄を捨てるか捨てないか??は考えても絶対にその身内の人にしか分からないことだと思います。だからいつまでも考えさせられる名作です。 | ||||
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事前に差別がテーマの作品であることは知ってましたが、あえて考えないで読めばという友人の薦めにより一気読みしました。 そのストーリーに入り込んでしまい犯罪者の兄を持つ弟の人生を、気がついたら同調していました。色々な不幸を積み上げていき、ひとつの結論とひとつの事実にたどり着き、むかえた最後のシーン。弟がみるそのヴィジョンが読み手である自分にもまるで我がことのように見えました。 胸がしめつけられ、色んな感情がわき上がり、気がついたら涙が出ました…きっと弟も同じはずでした。ちなみに自分も兄弟二人…兄弟の特に次男にお勧め! | ||||
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感情によって複雑に絡み合う過酷な現実。でもそれは必然。 問題は、現実をいかにして受け入れるか、どう向き合っていくか。 被害者の思い 加害者の思い それを取り巻く人間の思い 罪 差別 偏見 気付き 葛藤 対話 償い 許し それぞれが、著者らしい繊細な描写で 丁寧に描かれている作品だと思いました。 | ||||
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弟の大学に進む学費を工面するために、老女の家に侵入し、衝動的に強盗殺人を犯してしまう兄・・・ そして、兄の犯した犯罪によって人生を狂わされてしまう弟・・・ この本によって、犯罪加害者の家族の苦しみというものを、初めて考えさせられました。 実際にこのようなことってあるのでしょうね。 由美子の直紀への献身的な愛、平野社長の重みのある言葉などは、どれだけ直紀の勇気や励みになったことか・・・ 寺尾というバンド仲間の存在も大きい。 「何年も会っていないのに、この男は親友でいつづけてくれたのだなと思い知った。」という直紀の言葉は、寺尾との友情の深さを感じました。 直紀から剛志、剛志から被害者家族へ送った最後の手紙は、いずれも深く多くのことを考えさせられるものでした。 | ||||
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私は一人っ子で兄弟はいません。しかし、この作品では兄の弟に対する 愛情に涙してしまいました。特に兄からの「手紙」の箇所では思わず ぐっと胸が痛くなりました。 兄が自分の為に犯罪を起こした…と言うのは分かってはいるのですが、 それですら周りの自分に対する扱いに、兄を恨み、存在そのものを否 定してしまう主人公に同情してしまいました。 ストーリーは端的で非常に分かり易いものですが、その内容は本当に 過酷なものです。 東野先生の作品は素晴らしいのが多いです。是非。 (電車などで読んでいると、ついついグッと来るシーンでうつむき 加減になってしまいます。) | ||||
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“ベストセラー”“東野圭吾”の文字に惹かれ、 内容も知らずに手に取りました。 出張の移動中に、軽い気持ちで読み始めたのですが、 頁を追うごとに、主人公「直貴」と同化していくようでした。 強盗殺人犯を家族に持つということ、 差別する・されるといういうこと、 日常でまず感じる事のない重いテーマが、 現実感を持って淡々と語られていきます。 印象的なラストを読み終えても、まだ“終わらない” 深い余韻を残す、良い小説になっていると思います。 | ||||
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