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あの日にドライブ
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あの日にドライブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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人間誰しもが人生に対して「もし」を感じているのだなぁと言う事が良く分かります。振り返ってみると後悔の連続で「後悔先に立たず」という言葉を噛締めますが、それに反省しないのが人間であり、その時は、今の行動が後の後悔につながるなんて考えられないのが人間なのです。だから人生は面白く、人生に夢を見る事が出来るのだと思います。 誰もが後悔をしながらも、実は一生懸命生きているのだという事が伝る本でした。また、荻原氏独特の軽いタッチで書かれた描写で思わず電車の中で一人で笑ってしまいました。人生について考え始めたら本書を読んで元気をもらってください。 | ||||
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学生のときにフラれた彼女と今も一緒だったら・・・自分から別れを切り出した彼女と今も一緒に居れば・・・今の会社ではなく、迷っていたもう1社に就職を決めて入れば・・・等々、このくらいの年齢の男性(会社勤めで中間管理職くらいになっているような方)なら、一度は妄想してしまいそうなことが綴られており、小説なのですが、ある意味自分と重ねあわせることのできるドキュメンタリーとして読めました。忘れかけてた切ない気持ちを呼び起こしてくれる一冊。 | ||||
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人生も40年を過ぎると、残された時間が貴重に思えてくる。そこで、これまで出逢ったいくつかの曲がり角を思い出し、右ではなく左の道を行っていたら、今より幸せになっていたのではないかと考え始める。ちょうど、学生時代に過ごした街で同窓会があり、その直後にこの本を読んだので、伸郎と自分を重ねてしまった。 「一年半つきあったというのに、自分が恵美(注、昔の恋人)の何を知っていたのかと改めて考えると、不安になる。きっと学生時代の伸郎は、恵美の顔や服や服の中身ばかり見ていたのだ。悩みを聞いたり、夢を語り合ったりしたことだってあったはずだが、それらを恵美の外面の付属品扱いしていたのだと思う。」(283頁)過去の自分は、見たいものしか見ておらず、そのため、思いでは美しくなるのだ。 しかし、このような感覚を持つのは男性だけかもしれない。「女性は思い出を上書き保存し、男性は思い出をそれぞれの引き出しに保存する」と言った人がいた。 著者は、この作品を書くに当たって、相当な取材を重ねたのだろう。タクシー業界の状況も知ることが出来て、興味深かった。 | ||||
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自分もちょうど主人公と同じような、人生の岐路に立っている所なので、 共感できて感情移入して読めました。 文体は、あっさりしすぎていて、ちょっと物足りなかったかな… まぁこれは好みの問題だと思います。 同年代の男性なら間違いなく自分を投影しながら楽しめるとおもいます。 | ||||
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主人公は43才の、銀行をリストラされたタクシードライバー。私と1才違い。この辺でもストライクなのだが、男(女もかもしんないが)四十代で人生をやっぱ振り返えますよね。20、30才代だったら振り返るより前を凡庸とみているんでしょうけど、最近、若いといか今まででの人生を振り返って目の前の女房と結婚してなかっかたら、とか中学校の頃心ときめかせて交換日記していたあの娘と一緒になっていたら、とかありもしない妄想を私も時々もっていたので、猛烈に感情移入して読んでしまいました。でもまあ、ひとの人生は縁(偶然)が作り上げる、それなりの帰結を含んだ目の前のささやかな幸せなんだな、それが大事なんだな、と改めて思って頁をとじられました。通勤の地下鉄電車の席で。 | ||||
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荻原浩は抽斗(ひきだし)の多い作家だ。たっぷり笑えてしみじみ泣けるユーモア小説や人情ものを書いたかと思えば、シリアスなミステリーや哀愁と感動の人間ドラマを書いたりする。 本書はあえて言えば、渡辺謙主演で映画化された『明日の記憶』の系譜に連なる人間ドラマということになるだろう。「直木賞」のノミネート作品でもある。 牧村伸郎は43才。優秀で着実な営業実績とキャリアを持つ銀行員だったが、おととし、上司へのたった一言の諫言がもとでリストラ同然の出向を命じられて、自ら退職する。公認会計士を目指して自宅浪人を始めたが、試験を受けるまでの腰掛のつもりで、3ヶ月前タクシードライバーになった。会社では営業ノルマに追いかけられ、家では特殊な勤務時間のため、妻や娘、息子ともまともに会話ができない。毎日に疲れきり、ストレスから円形脱毛症になってしまった。 彼は、今までの人生の岐路すべてで誤った選択をしたと思いはじめる。「もう一度、人生をやり直すことができたら」、「もう一度、チャンスが欲しい」、「できるなら、時計の針を戻したい」いつしか彼は、自分が選ばなかった道を見てやろうと決心し、やり直しの人生をバーチャルに想像するようになる。あの時違う選択をしていたら・・・、自分の人生はこんな風にはならなかっただろう。---悪い想像はひとつも浮かんでこない。 そして、夢のような過去を辿りなおし、“あの日にドライブ”をして、文字通り夢想した彼が見たものとは・・・。 著者は、ユーモアとペーソスあふれる独特の荻原テイストを醸し出しながら、誰もの頭に一度はよぎるであろう“人生のやり直し”というテーマに真正面から挑んでいる。どうなることかと思って読んでゆくのだが、最後には前向きでさわやかなエンディングに胸をなでおろしている自分がいた。 | ||||
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ボクの父親がタクシーの運転手なので、仕事のやり方などの苦労が分かって共感できるところが多かった。物語は銀行をリストラされた主人公が、昔付き合っていた彼女と結婚していたらとか、出版社に就職していればとか、「たら・れば」の過去を振り返りながら現在を生き方を見つめ直していくのだが、この主人公に限らずたいていの人が何か壁にぶつかる度に、「たら・れば」を思い出すのだと思う。過去にその選択をしていたらどうなっていたかなんて今になっては分かるはずもないのだが、自分を見つめなおすのも人生の1つなのだなと考えさせられた。 | ||||
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上司への失言が原因で都銀を辞め,タクシー運転手で糊口をしのぐ主人公。運転席という孤独な空間で考えることといえば,「人生の車線変更はできるんだろうか」という思い。 重松清「流星ワゴン」のような内容かと思ったけど,あくまでも現実の時間・現実の状況の範囲で,妄想の人生を無理なく(?)綴ります。これがまたリアルで,感情移入の余地がたっぷり。 妄想の中にある発見から,ひとつの結論めいたことが出てきて物語のテーマとしては完結するわけですが,そのあとにもうひとひねり入れて来るのが荻原流。サラリーマンの悲哀をスカッと蹴っ飛ばし,最後に主題をリフレイン。 次の曲がり角の先に,何があるか。 それが分からないから,人生は面白い・・・のかもしれないね。 | ||||
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荻原作品は初めて読みました。最初にもかかわらず、「おそらくこの人の 作品には外れはないだろうな」と感じさせてくれる作品でした。はっきり 言って文体も変な癖がなく読みやすく、ストーリーも重過ぎず、かつ面白 いと感じました。 ただ一つ残念だったのは、主人公が公認会計士を目指すシーン。当時の 公認会計士試験は大卒なら2次試験から始まります。だから1次試験での 討ち死には実際にはありえません。こんなディテールでのミスが物語を ウソっぽくしています。 でも、荻原作品には奥田英朗作品のような読みやすさがありますので多分、 これからファンになるでしょう。 | ||||
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優しい文体、ユーモアのあるほのぼのとした語り口、好きです!荻原浩小説が。 そこにはいつも愛がある。そこはかない愛があるのです。 今回もまたまた挫折した中年おやじの人生の再生の物語。 様々な乗客、同僚の運転手たちを通して、自分自身の人生を、家族との絆を再生していく。 つなぎと思っていやいややっているタクシー運転手も、やってみれば、稼ぐためには頭脳がいうることが判る。 昔の彼女の実家をストーカーめいたことしてうろつくんだけれど、彼女の心の怖い部分を具間みることで、自分の選んだ人生もまた決して間違っていなかったことに少し安心するのだ。 この本を読んでいて、よく私も”あのときああしていれば”とか”あのときあっちの道を選んでいれば”どんな違った人生だったのか想像してみるときが多々ある。伸郎とまるっきり同じことを夢想することが。。とても他人とは思えない。。 でもいつも最後に行きつくことは、どんな人生だったにしろ、自分の子供に会えない人生は自分の人生ではないと思う。だからこれでよかったのだといつも思えるのだ。 あの日にドライブしても、必ず今日に戻ってくる。 今の自分の人生を大切にしたい。。と改めて思える作品だった。 | ||||
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読みやすくて一気に読みきりました。 上質なユーモアにテンポも良くて・・大好きになりました。 スローでやさしい展開なんだけど、心の底に入ってくるような。。 それぞれの与えられた運命を楽しんで前向きに生きる事の大切さを ジワジワ実感させてくれる1冊でした。 集中して読みきれる本は心の中がきれいになって元気がでます. | ||||
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この本からタクシー運ちゃんのいろいろなことを教えられた。 もう、絶対近く(後ろ、横)を走らない! しかし、この著者は毎回毎回ものすごい取材と情報収集を行っていることが解かる。 毎回ほんとうにびっくり、関心する。 今回も、運ちゃんの隠語は面白い。 「へー」 「んー、確かにそうかも知れない」 と、思わずなずく。 最後、ドンドン売り上げが上がっていくのは読めるが、 この著者独自の最後のどんでん返しが何なのか?どう逆転してくれるのか?非常に興味を持ちながら読み進めた。 毎回、この著者には楽しませていただいています。 この著者に「はずれ」は無い! ■お薦め度:★★★★★ | ||||
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本作品は荻原氏がはじめて直木賞の候補作となったもの。孤高の作家宮城谷先生だけがひとりこの作品を直木賞の選考で推したという。象徴的な話しである。この小説は嫌いな人と好きな人にはっきりと分かれるのではないかと思う。特に女性には支持させないと思う。銀行をやめてもどっか銀行マンであったことのプライドが捨てきれないとか、過去の思い出に浸るとかと言う点はまったく共感を呼ばないところではないか。私としてはその駄目さ加減が書けていることに賞賛をおくりたいのであるが。 | ||||
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まず「あの日にドライブ」というタイトルがいい。 それに表紙のタクシーの後姿の絵がなんとなく悲哀を感じさせてくれて、これまたいい。 「明日の記憶」に続いて本書を読んだのだが、息つく暇もなく一気に読み通せた。 銀行マンがタクシー運転手に転職して展開していく物語は、サラリーマンなら誰しも一度は 考える「会社を辞めたらどうなるんだろう」という漠然とした思いをより現実的に描いて くれている。 元銀行マンとしてのプライドとの葛藤や、世間体を気にして生きている自分、家族の中での 立場の弱さといったマイナス面がある一方、銀行という組織からの束縛から逃れたときの 開放感、タクシー運転手仲間と打ち解けていく様など、「これも悪くはないか」といった 主人公の揺れ動く気持ちがうまく描かれている。 本書のテーマは「人生の岐路における選択」だが、どの道を選択をするか、というよりも 選択した道をどう生きていくかが実は大切なのだ、というのが読み終えた率直な感想でした。 | ||||
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「あの日にドライブ」という題名がまず好きです。リストラによってやむなくタクシーの運転手をすることになった主人公がある時、昔付き合っていた彼女の姿を見かけたことで、過去に取り付かれます。「もしあの時彼女との道を選んでいたら・・・」「もしあの時ああしていれば・・・」あるはずもないことに夢を膨らませ、現実を置き去りにする。しかし、現実は会社を首になり、タクシー運転手としてのノルマも達成できず、家族とも上手く付き合えていない冴えない男。自分を過大評価し、周りを見下し、愚痴ばっかりの主人公も、ある時ふと気づく。自分の周りにいる人の人生に。同じタクシー運転手をしている男は昔、競輪の選手だった。どこかの会社の社長をしていた人もいる。自分ばかりが上手くいかない人生に手こずっているのではなく、周りもみんなそうだったということに気づいた時、男は「他人の人生なめちゃいけないな。」と思う。あるはずもない空想に夢を見続けるよりも、今ある生活を生きていくことに前向きになった男の心の動きがごく自然に描かれていて、共感する部分が多かった。ナチュラルに気負わず読ませてくれるさりげなさは「明日の記憶」と同様。プラスαとして、とても身近にいるタクシー運転手という職業が扱われていたことで、より現実味が増して、よかった。 街に溢れているタクシー運転手を見る目が少し優しくなったような気がする。 | ||||
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荻原さんの作品はいつも面白いので安心して読み始める。 今回も読み止らない面白さだった。読み返してじっくり味わうタイプの 本ではないけど、ミステリー小説並みにここら辺でやめようとは 思えないテンポの良い作品。 主人公の伸朗43歳は銀行をリストラされて、今はしがないタクシー 運転手。運転手は腰掛のつもりだからか、仕事には身が入らずノルマ も達成できない毎日。心なしか家庭生活もうまくいっていないように 思えて、過去自分がどこで道を誤ったか、そればかり妄想している。 過去の恋人と結婚していたら、あの会社に就職していたら、 あまりの妄想に「もっと現実を見ろ!!」って喝を入れたくなることも しばしば。でも同世代の同性の人が読んでいたら、そうだよなぁって 納得しながら読めるのかもしれない。伸朗は後ろばかり向いていたから 前には中々進めなかったけど、きちんと前を見据えるようになったら 物事はなんとなく良い方に進みはじめる。読後感爽やかな作品です。 何かスカッとしたいなぁって思っている人にお薦めかも。 但し、ゆっくりじっくり文章を味わうという本ではないので★4つ!! | ||||
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中年男性なら職種を問わず、誰でも思い当たるあの場面この場面のあれこれ。(私は女だが)読みながら思わず「そうだ、そうだ!」「言い返せ」「そこで負けるな」と興奮した。若い人にはこういうものは到底書けないですよ。小説というのはケイタイ用語を持て遊びながら書くものじゃないからね。感性だけではダメなんだよ。主人公の鬱憤や屈託が伝わってきて疲れた部分もあったが、半日で一気読みでした。荻原さん、これからも頑張って。この路線で行って下さいナ。 | ||||
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大人の鑑賞に堪えうる、大人のための作品ではないでしょうか。 「人生を描く」と謳いつつ、悲惨な状況や、奇異な出来事の描写に終始している小説が多い中、ユーモ アを織り込みつつ人生を描くことに成功している上質な作品であると思います。 久々に、楽しく小説が読めました。 | ||||
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金融機関のおぞましさが如実に描かれている。どこの企業でもこんなもんさ。これでいいのか。日本の経済。金融機関が経済の主役だとみんな勘違いしている。銀行は渋沢栄一が日本の復興のため企業に血を流そうとつくった。しかし、今や骨肉身体になってしまった。俺達銀行があるからお前ら企業が成り立っているんだろとでかい顔をしている。銀行が経済の顔になってはいけない。血になれ。このままでは日本の経済は衰退する一方だ。この話は銀行の拙さがおもしろおかしく描かれている。著者も銀行に恨みがあるのだろう。タクシー運転手の難しさおもしろさも楽しく描かれている。読んでいて飽きない話だ。青春を回避する話は淡く胸がくすぐられる。しかし、42歳でこの話は設定に無理がある。せめて50歳ぐらいなら現実味がおびてくる。前作の明日の記憶ほどの良さはないがまあ楽しめる。こんな銀行が存在する日本で生きている僕らにこれからはあるのだろうか? | ||||
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「あの時こうしていたら」と何度も主人公は思う。そして、もしかしたら、こんなことが起きるのではないかと夢想する。等身大の、ありのままの、普通の人間の煩悩の、赤裸々な描写が、胸に迫りつまる作品だった。誰もが何度となく味わう感覚を呼び起こさせる。そして、最後には、「こんなことをしていられない」「ポジティブにならねば」と、モチベーションを高めさせられる気分になった。著者の意図はそこにあるのではないか。 | ||||
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