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明日の記憶
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明日の記憶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全163件 141~160 8/9ページ
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読むきっかけは本屋大賞を受賞した本だったので、読んでみようかなと思いました。若年性アルツハイマーの話だと帯を読んだ時も、「ふーん」という感じで、いまいちピンときていませんでした。20代の私には何とも縁のない別世界の事の様に思われて、現実にある病気だとはなかなか思えませんでした。でもこの本を読んで本当に怖くなりました。主人公のアルツハイマーにかかってしまった人は50歳。ちょうど私の父ぐらいの歳です。この本を読んでいる時に父が「あれ、この人何て言ったけなぁー?あの番組に出てただろ?」と聞いてきたときなんて、本当に冷汗が出ました。私にも人の名前や昔の記憶が出てこない時はあるし、物忘れなんて誰にでもある事と本当に思いますが、この本を通して若年性アルツハイマーという病気を知り、主人公を通してこの病気にかかった人の苦しみを少しでも知るきっかけになりとてもよかったと思います。 | ||||
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もう一度思い出して欲しい。あなたの人生を。これまで歩んできた道を。誰でも一度や二度は、人生のすべてを忘れてしまいたい!などと戯言を願ったことがあるだろう。しかし、自分の「記憶」がこんなにも愛しく、尊いものだと感じることがあっただろうか?それは、「記憶」こそがその人の生きた証であり、「記憶」こそが人生そのものであるからだろう。この本を読めば、明日からの人生が違って見えるだろう。なぜなら、私たちは、昨日も今日も明日も、自分の‘生きた証’を残せるから。そんなささやかな幸せを、この本は教えてくれるはず☆ | ||||
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身につまされるとは、こういう感覚なのだろうか?度忘れ?ここまでわかっているのに言葉が出てこない。こんな時、年をとったのだろうと自嘲気味に笑ってみても、どこか吹っ切れずに不安をぬぐいきれない。ぷつんと脳細胞を繋ぐシナプスが切れていくような感覚なのだろうか。今若年性アルツハイマーと診断され、仕事もできず、周りの人間を認識できなくなるとしたら・・・。思わず身震いをしてしまう。「俺は違うさ」と一つ一つを打ち消そうと躍起になっている自分がいる。大丈夫だと信じたいのだが、じわじわと真綿で首を締められていく感覚の中で、ひょっとしたらという不安がもたげてくる。怖い。 | ||||
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物忘れって普段でもあることだけど、これを読んでいくと、どんどん物語の中に引き込まれていって、もしこんなことが身近に起こったら、ということを考えてしまいました。この物語の薄れる記憶の中にもしっかりとした愛情があり、感動もするし、悲しいし、読み終わると色んな感情混じりのため息が出てきました。 | ||||
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若年性アルツハイマーであると知ったときから、病気の進行に抗う様子、次第に病気が進行していき、心情が変化していく様子がよく描かれていると思った。とてもリアルに感じた。会社人間として生きてきた一人の男が不治の病を受け入れていく心情がわかりすぎるほどわかって、読むのがつらいほどだった。主人公だけでなく、その妻の立場に立ったらどういう風に思うのかと考えるとますますつらいものがあった。とても家族の愛情が感じられる作品になっていた。ただこのテーマについては以前ドラマで見たことがあるので、そういう意味では私にとって斬新というわけではなかった。 | ||||
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~記憶をが奪われていくと、これまでの人生の営みそのものが消えてしまうのか。たとえ本人の記憶が消え去っても、周りの人たちの記憶の中に自分の人生は刻まれている。なんてポジティブに考えられるのか。しかし、いつか私、あるいは私の周りの誰かが認知症になってしまったら?読んでから数日しても、思い出してじっと考えてしまう物語でした。ラストから続い~~ていくであろう困難な生活はきっと壮絶なものなんだろうけど、主人公の妻が最後に見せる表情が印象的です。自分もそうでありたいと思いました。~ | ||||
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この本を読んで、ページを捲っていく度に不安とか、自分がもしこうなったら…なんてことを考えて、生きる意味を考えさせられました。愛する人の名前、顔、記憶を無くしてしまう、こんなことが自分に起きたら、と想像するだけで涙が出そうになりました。 | ||||
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本を閉じてから、それぞれに勝手な事をしている、茶の間の家族を長い間ボンヤリと見ていた。 最後のページの、美しい情景の続きが、この目の前の日常に続いているかのように錯覚し、天井に張られた板の境に目をやった。 ささやかな幸せと言っても良いこの日常を実感し、これからの未来に対する不安と哀れさを漠然と想った。 数10年ぶりに「忘れたくない」と思った本に出合えた。 !!!わかった。2007/05/11 自分のキャリアの崩壊に対する恐怖なんだ。 | ||||
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人の名前が出てこない。最近物忘れが、多くなった。こんな事、よくある事。それが、若年性アルツハイマー病の初期症状だなんて。 50歳になった主人公 佐伯に下った診断。今、自分が見たこと、言った事、行っていることを、次の瞬間に忘れてしまう。考えてみると、恐ろしい事。最後の方の、27年前の日向窯に向かっていくくだり、「道は記憶のままだった。」そこでの菅原老人とのやり取り、野焼き,作陶、一気に読んだ。頭は記憶を失っても、体には、記憶が残っている。私自身が私を忘れても、まだ生命が、残っている。この言葉と、ラストの枝実子との会話が、印象的。現実はそんなに甘いものではないが。自分には、何があるのだろうと考えさせられた。 | ||||
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そう…。私もちょうど、この主人公と同様、高校の倫社の授業で「生とは?」「死とは?」と問われ、当時、自分の抱いていた人生観、死生観を記述して結構、いい成績を取った記憶がある。周囲には珍しがられるが、倫社は好きな科目だった。当然、哲学やら宗教やら、その後も興味がなかったわけではなく、人生について多分、普通の人より少し多く考えてきたと自負している。しかし、そんな私がこの小説と出会って、自分の軽薄さと無知さを痛いほど思い知ることとなってしまった。生きることについて真っ向から取り組んでこなかった、自分の軟弱さとずるさがこの小説によって炙りだされたのである。自分の物忘れが気になりだし始めたアナタなら、この小説のすざましさを感じ取ってくれるに違いない。40を過ぎた人々の必読書として紹介したい1冊である。 | ||||
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自分にとってかけがえのない人でさえも忘れていく。失うのは記憶だけではない。自分自身もだ。どんなにあがいても、ずるずると絶望の淵へ追いやられていく。恐怖、怒り、悲しみ。どれほどの感情が彼の中で渦巻いたことだろうか。その苦悩は想像できない。決して人ごととは思えない病。自分がもしそうなったとき、はたしてどんな行動をとるべきなのか?読んでいて恐怖さえ感じた。医学が進歩し、治療方法が一日でも早く発見されることを、願わずにはいられない。 | ||||
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感動とか、涙するということはありませんでした。 ただ自分に置き換えた時に、どうしたらいいのかわかりません。また、愛する家族にも親しい友人にもその可能性はあるということを思うと、やはり途方に暮れてしまいます。 | ||||
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2位ですって!未読だわ!と読み始めました。あ~どうかすると、夜ピクより私には迫ってきます。静かで、選び抜かれた言葉での描写が心地よい作品でした。先が気になるので、あなたの時間を奪うことになるでしょうが、購入して損のない一冊だと思います。 | ||||
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純愛小説で涙しない私ですが、病気だと思っている彼を見舞う取引先の課長、部下の女の子とのくだりで号泣してしまいました。わざとらしくなく、うそっぽくなく、小難しくなく。怖くて、悔しくて、笑って、泣いての言わば『感情ジェットコースター小説』。この作家ファンになりました。 | ||||
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人はたくさんの記憶の中で自分を自分と認識し、安心して生きていける。若年性アルツハイマーと診断された男は深い闇の中で苦しみ、まだ失われていない記憶を必死にメモに残そうとする。しかし過去の思い出にすがる事ができなくなった時、ただひたすら今を生きるため歩を進めるしかできなくなってしまったのだ。暗闇の中で絶望に打ちひしがれていた彼は、皮肉にも記憶を失う事と引き換えに一筋の光を見出す。最後の場面には一種の救いのようなものを感じた。過去の記憶にとらわれずただ明日を歩いていくしかないのだ。 | ||||
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小説の醍醐味が味わえる物語です。どこにでもいる人物である主人公ゆえに,その記憶の落ちてゆく悲しみを読者は自分のものとして,そして自分の愛する人のものとして,読み進めてしまいます。徐々に漢字が抜け落ちてゆく文に悲哀がにじみます。荻原浩の渾身の一作。 | ||||
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広告代理店の部長を務める50歳の私は原因不明の頭痛に襲われるようになる。診察の結果告げられた病名は若年性アルツハイマー。徐々に記憶が薄れ、取引先とのアポイントメントやその所在地も記憶できなくなる。やがて病気のことが勤務先に知られてしまい…。 「記憶は自分だけのものじゃない。人と分かち合ったり、確かめ合ったりするものでもあり、生きていくうえでの大切な約束ごとでもある」(214頁)。 この言葉がとても心に沁みました。 この小説の第一の核はもちろん、記憶を失っていく主人公の悲しみにありますが、同時に妻の枝実子もまた、分かち合ってきた夫との記憶を無理やり剥ぎ取られてしまう哀しみを抱えている。そのことを象徴した言葉です。 そんな風に考えながら読み進めると、最後に待ち受けていた結末はやはり私の想定した通りでした。ダニエル・キース作「アルジャーノンに花束を」、ニコール・クラウス作「2/3の不在」など、記憶に関する小説をいくつか読んできた私の目には、その場面は決して新奇なものには映りませんでした。 ですが、私は決してそれを否定的に読んだわけではありません。これこそが最も苛酷で切ない幕切れなのです。上記2作品では私はその結末部分を幾度も読み返したものです。 ここでその詳細に触れるのはレビュー規約に反するために出来ませんが、この「明日の記憶」もまた同様に美しい結末をもった物語であったとだけ申し上げておきましょう。 | ||||
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週刊ブックレビューで、壇ふみさんが、「妹に買ってきてもらったら途中の喫茶店で読み始めたところ、初めは小説とわからずにノンフィクションとして読み進めた」というコメントを聞き、実際に読んでみたら自分にも当てはまる挿話もたくさん出てきて、一種の恐怖小説のようでもあり、でもこの作者独特のユーモアもあり、泣かせどころもあり、お薦めです。読んでいる途中で、レビュータイトルの三つの言葉が思い出せなかったときは、背すじがゾーとしました。 | ||||
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いったんかかったら治癒の見込みのない脳の病気「若年性アルツハイマー」に侵されたひとりの中年サラリーマンの生き様を描いた小説。 外国映画の主演俳優の名前が思い出せない、鍵の置き場がわからない・・・そんなことは誰にでもある。「自分にもある」、思いあたるフシばかりの読者はいやおうなくこの小説の世界に引きずり込まれていく。 昨今、脳の仕組みや研究解説、ぼけ(認知症)予防ドリルなどが続々と出版されるなかで、本書は正真正銘の物語、つまり著者荻原氏の"想像の産物"という点で一線を画す。それだけに解説本にはない、アルツハイマーという病気の本当の怖さを如実に描き出す。その怖さとは、この物語のなかでただ一つの実話に基づくシーンに隠されている。 主人公が最後に"終の棲家"として選ぶのが、東京郊外のとあるナーシングホーム。しかし果たしてそれが最善の選択なのかどうか――。同年代の男性はもとより、医療、介護に携わる方々、施設関係者の方々にもぜひご一読いただきたい小説である。 | ||||
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前作の”僕たちの戦争”も大変よかったが、今回もまったく違う意味で素晴らしい。人にとっての記憶と意識、そして過去、現在、未来との関わりの大切さを身に染みて感じさせる、かつ一気に読ませる面白さに満ちています。終盤の至福ともいえる時間の展開に心を揺さぶられるものがありました。 | ||||
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