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ベント・ロード
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ベント・ロードの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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昔、主人公の家族が住んでいた田舎に戻ると、失踪事件が発生し・・・というお話。 全篇これといった新味はなく、お話も類型的ですし、登場人物もよくあるキャラだったりしますが、読んでいる間はしみじみ読めました。多分、著者の筆力なのでしょうか、古い酒瓶に美味しい酒をいれる手腕がなかなか冴えているように思えます。特に、田舎での生活場面は21世紀にはいってからは急速になくなりつつある事象として懐旧の思いで読めました。解説にも書いてある通り、家族小説の中に推理小説的要素の入った文芸小説として評価した方がいいように思えます。推理小説としては☆3つくらいですが、家族小説としては☆4つくらいは挙げてもいいかという意味でこういう評価になりました。 これでもMWAの最優秀処女長編賞をもらっているとか。最近のアメリカのミステリはミステリとしての技巧より、文芸小説や人間ドラマに比重を置いたものが高く評価される傾向があるようで、どうしてそうなったかは判りませんが、ミステリも大分変容していることが端的に判る小説だと思いました。 田舎家族小説の佳作。機会があったら是非。 | ||||
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物語は1965年妻シーリア、息子ダニエル、次女イーヴィ、夫アーサー一家の内4人が大都市デトロイトからアーサーの生家があるカンザスに向かう車中から始まる。 闇の中の曲がりくねった道。不穏な空気。20年ぶりの帰郷。家族にとっては初めておとずれる土地。 25年前に夫の姉イヴはこの地で殺されていた。 濃い寒気につつまれた夫の生家には義母リーサと姉ルースがいる。 <シーリアはアーサーとリーサが秘密を分かち合っていることを知っている。> <シーリアにはふみ込めない歴史があることを知っている。> <何がアーサーをこの地から遠ざけてきたか。> <その過去が今掘起されようとしている。> 全編、現在形で語られる物語は読者に明確な映像として臨場感を与えてくれ、すばらしい緊迫感をうみだしている。 彼らが帰郷した直後、同じ地域に住む少女ジュリアン・ロビンソンが行方不明となる。 妻シーリアの極度の不安は、都会から田舎への意にそぐわない移住による環境の変化、人々の噂、数年前にも殺人事件がおきている現実に直面し世界がすべて灰色に見えてくる。 人は何を信じて生きていけばいいのか。誰もが皆弱さをもち、大きな不安の中で生きながら暗い謎が解き明かされる。 その犯罪の暗闇の底には人間の愚行と隠ぺいせざるをえなかった真実がひそんでいる。 1960年代。カウンターカルチャーの時代。ケネディ暗殺、ベトナム戦争、反戦反政府、デトロイト暴動。アメリカ国内は不安と不信の時である。 作者ローリー・ロイはすぐれてミステリアスなストーリーと人間ドラマをつくりあげた。 多視点現在形で時間軸を繰り返す場面転換など緊張感を高めるテクニックを駆使する本作はエドガー賞処女長編賞受賞納得の作品である。 | ||||
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