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地の骨
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【この小説が収録されている参考書籍】
地の骨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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清張はとことん大学の先生たちを貶めた。学生に見せる落ち着いた知のエキスパートたちの欲得づく、女好き、黒い心等々の面の皮を見事に引っぺがした。高邁な学問に打ち込むのではなく金、女、地位の獲得に邁進する。その為に一途に考えを巡らす様が滑稽でもあり笑いを誘う。結末は悲惨というよりも愚かしい人たちを読者は嘲笑いたい。まさに清朝は彼らを貶めた。誰ひとり感動的な人間が登場しない。世の中は総じて喜劇と化した。純粋な学生たちに少しの希望を残して。 | ||||
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何度も読んだのですが、「?」という感想しか思い浮かばなくて. 何でだろう? と思っていたのですが、TVドラマ化されたのを視て思い切り改変されていて. 『ああそうか、駄作だからそういう扱いをされたんだ』にやっと気づいて. | ||||
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自分の中で清張作品がちょっとしたマイブームである。 急に日本語で書かれた小説が大量に読みたくなったが、かと言って最近の大衆迎合の寝言のような小説は気が進まない。そこで、思い出したのが松本清張。冷静な現実認識のひんやりした感じが逆に心地よいのだ。 そう思って立て続けに何作か読み始めたが、あれ予想と違う。気楽に読める今のエンタメに近い作品もあれば、(「目の壁」「Dの複合」)ロマンティックな純愛小説もある。(「波の塔」)古くからのファンには鼻で笑われそうだが、こちらの想像以上に幅広い作風の作家だったようだ。 どうも、子供の時読んだ「鬼畜」の印象が強すぎたらしい。小市民が妙なスケベ心を出したばっかりに破滅への道を突き進む―みうらじゅんの言う所謂“清張地獄”は確かに清張作品の特徴の一面を捉えているのだが、あくまでも一面でしかないのだ。 上述の作品以外に驚いたのが、殆どコメディと言ってもよいようなものがあること。「わるいやつら」の主人公の間抜けぶりは喜劇としか言いようがないし、「黒革の手帖」の結末は完全にブラックユーモアである。そして、この私大の内紛劇を描いた「地の骨」などは清張作品の中で最もコメディ色の強い作品であろう。主人公の大学教授川西のキャラがいい。どこの大学でもこういう早々に学問の世界で業績を挙げることに見切りをつけ、“政治”に走る教員がいるものであるが、そのカリカチュアに見事に成功している。読んでいるときは、生前の金子信雄に演じさせればさぞ面白かっただろうにと思えてならなかったが、読後ふと思ったのが案外これは作者自身の自己投影ではないかということ。俺が大学研究者の世界に身を置いたならこんな風にしたたかに立ち回ってやるぞ―松本清張と言う人はそんな自己劇画さえ出来るような稚気溢れる人だったような気がするのだが、果たしてどうであろうか。 残念なのは、冒頭の入学試験紛失のエピソードが大して重要な役割を果たしていないことと、清張作品全般に言えることだが文章がきっちりしすぎていること。全く無駄のない、折り目正しい文体は清張作品の大きな魅力ではあるが、この手の作品にはもう少し諧謔味が欲しい。そうであるなら更に作品の普遍性が高まったような気がする。もっとも、こんなことを言うと、それは俺の意図と違うぞとあの世においでの著者に怒られそうだが。 ドタバタ色が強すぎて「砂の器」のような真面目な作品を好む読者には受け入れがたいかもしれないが、個人的には全清張作品の上位に入る傑作。おすすめ。 | ||||
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私立大学の裏口入学について記された作品。 日本では医大への入学で、必ずしも公正とは言えない現実が明るみに。 そして、学者には、私生活でも社会から尊敬されることが期待される。 この作品で描かれた内容は永遠の命題。 本作には時代を超えた普遍性がある。 | ||||
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プライドの無い俗物が沢山でてきます。 エロ小説のようです。 くどい説明。 不自然な人間関係。 | ||||
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週刊新潮・連載小説。1964年(昭和39年・清張氏55歳)11月から一年半余りにわたって掲載。 なかなかの長編である。上下2段組みで470ページ。ちなみに、飛鳥地方に散在する謎の石造物を、シルクロードを越えて、遠くイラン文明・ゾロアスター教に関連づけて解き明かす古代史ロマン「火の路」はお気に入りの作品(全集第50巻)だったが、総数493頁もの大作だった。 「地の骨」(このタイトルは意味不明)は、私学経営を題材とした、一種の風俗小説。学内教授連の学閥争い、財政を握る理事長、授業料値上げに抵抗する学生運動、主力取引銀行などが当然描かれ、これに美貌のホテル経営者や銀座のマダムが絡む。 学生数の頭打ちで学校経営が難しくなっていること、また私学経営の内幕などは昨今の「加計学園」騒動で公知の事柄となっているから、今更これを読んでも新しい発見はない。 登場人物はいずれもスケール小さくいじましい。人間としての哀しみまでは踏み込んでないから、とても感情移入できない。清張作品としてはB級もしくはC級か。 ただし、清張氏は前年、「日本の黒い霧」「深層海流」「現代官僚論」などの業績により、第五回日本ジャーナリスト会議賞を受けている。また大作「昭和史発掘」の連載(週刊文春)をこの年の7月よりスタートさせている。つまり本格的な仕事を続行しながらも、週刊新潮などの読者向けにせっせと娯楽味ある大衆小説を書き続けるそのプロ魂がエライと思うのである。息抜きにまた通勤の合間に拾い読みする週刊誌の連載である。濡れ場も結構あり、これはこれで十分楽しめるのでなかろうか。 | ||||
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なかなか感情移入がしにくて、最後までのつこつして読み終えた、イマイチ。 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算30作品目の読書完。1973/07/15 | ||||
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