■スポンサードリンク
すべての愛がゆるされる島
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
すべての愛がゆるされる島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルと表紙に惹かれて購入。著者の他作品は未読。ハッピーな話ではないだろうなあと思っていたけど予想外の方向から斜め上のパンチが来た。 最初に戻って斜め読みしてみるとなるほど、言葉選びの一つ一つが巧妙。すごく考えて書かれた小説だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
二回読みました。 200ページにも満たないため、内容が薄いのではと不安になりましたが、この小説は少なくとも2回読んでこそ、意味のある作品だなと思いました。(自分の頭が悪いせいかもしれませんが) この物語は神父の言葉が物語の本意そのものだと思います。 自分たち人間が作り出した神、規則、習慣、掟によって登場人物4人、ないしわれわれが「愛」について苦しんでいるのであり、互いが思いあってればどんな形でもそれは「愛」に間違いはないのです。 扉が開けばそのこと自体が「愛」であり、開かないからといって「愛」の不在証明にはならないのです。 時が止まっていると言われているその扉の向こうで「愛」がどんな姿で待っているのか。 細かい表現や、人の呼び方までよく練られた作品です。一字一句気を抜かず読んでみてください。読み終えた時にはあなたの持っていた「愛」に対する認識が、まるで初めからなかったかのように音もなく崩れて消えてしまうでしょう。 稚拙なレビューとなってしまいましたが、このレビューがこの本を読んでみようと思ってくれれば幸いです。 ぜひ読んでみてください! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
特殊な恋愛をしていて迫害された人たちが祝福される。 最初は、そんな心温まるハートフルストーリーを想像していましたが、ジメジメした話になっています。 読みやすい文体をしていますが、残念な比喩表現が多かった気がします。 個人的には語り部が細かく切り替わっていくのも減点対象。集中しずらい構成になっています。 そのせいで、この物語のロジックに序盤から気づいてしまう人も多いんじゃないかと。 自分もこういうタイプの話だな、と気づいてしまいました。 ただ、素数の話や、信仰についての話は面白かった。 短くよくまとまってると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
愛がテーマの作品は数多く出ているが、近親愛をテーマにした作品はメディアワークスとしては珍しい。父と娘、姉と弟といった、俗に言う『禁断の愛』にスポットを当てて、そこに纏わりつくしがらみに苛まれながら、すべての愛がゆるされるという島の中で、それぞれの愛情を確かめ合い、あるいは否定しながら、島の謎の核心である教会の扉を目指していく。 人の内に潜む愛が表に出るとき、それはどのような色を持つのだろうか。酷く、卑しく、狂気を孕むこともある。優しく、温かく、慈しみを持つことも当然あるだろう。ときには諦念にまみれた哀しみを振り撒くこともあるだろうし、その哀しみを覆い隠す外郭にも成り得よう。それほど愛情とは醜いものだし、美しいものなのだ。たとえそれが父娘、姉弟の間に生じた関係だろうと。 愛情についての再確認、むしろ、新しい見方を得られる本かもしれない。 この本の魅力は他のレビューでも挙げられているように、読後感の清々しさにある。これだけ重く果てのないテーマを話題としているのに、美しく締めた著者には脱帽と評する他ない。 是非手に取って欲しい。とてもいい物語だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あとがきは解説だったり、近況報告だったりすることも多いが、この小説はあとがきも小説の一部なのだということを痛感させられた作品。 僕が少読の為そういった作品を知らないだけかもしれないが、下手なミステリを読むよりはよっぽど面白い。 まさに、This is a fiction.といった作品。 通勤の暇つぶしには最適な一冊のひとつ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルと『狂おしく痛ましい愛の物語』というキャッチコピー につられて購入しました。 先の方のレビューをみて関係性のない色んなカップルが多数出てくるのかと勘違いをしてしまったのですが、実際は2組のカップルメインで、とても関係性が深いです。 読後感がよいというレビューを見ました。捉え方は様々でしょうが、自分的には虚しさが残り破綻的に感じました。 しかし読んだら引き付けられます。結末がどうなるかハラハラします。 この物語の終わりとして結末は最良だったのではと思いますが、私は最後何ともいえないもどかしさが残ったので星4つです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新創刊されたメディアワークス文庫。”電撃文庫で育った大人たちに贈る”という、ある意味あいまいなコピーに、うまいこと合わせて来たなあという感じがする。さすがに器用ですね。 だからと言うべきか、「神様のメモ帳」「さよならピアノソナタ」の様に、ちょっと情けないけれど今後の伸びしろに期待が持てる少年、みたいな存在は出てこない。何というか、既に伸び切ったけれど、その不完全さをもてあましている様な大人(あるいは大人未満)が登場する。 赤道直下にある、地図にも載せられていない島。その断崖には古い教会があり、そこを訪れる二人がどのような関係であろうと、本当に愛し合っていさえすれば、許され祝福されるという。 父と娘、姉と弟。二人の間にある関係性を愛と名づけるため、あるいは愛を形付けるための関係性を求めるために島を訪れる。 多分単純なことなのだけれど、色々なしがらみがそれを本質からずれさせる。そのずれは社会を成立させるために必要なのだけれど、その必要性は物語を重ねていくうちに曖昧になって、最後には煙に巻かれてしまう。 文中のたとえ話は等価原理っぽいけれど、作用反作用の法則は、内側でどんな力が働いていても外には影響を及ぼさない、ということを示している。これを二人の関係に敷衍すると、周囲からは普通に見えていても二人の間にはどんな関係が起きているかは分からない、ということになるだろう。言い換えれば、二人の間にあるものは、二人の間だけで意味がある、ということになるのかも知れない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このライトノベルがすごい2010で15位以内に入った『さよならピアノソナタ』や『神様のメモ帳』の作者・杉井光が贈る、狂おしく痛ましい愛の物語。ライトノベルの枠を飛び出して、堂々の発売です。 一般小説しか読まない人にも自信を持ってオススメできる作品だと思う。 この作品は詳細に物語の中身を用いて感想を書いてはいけない気がするので感想だけにしたいと思います。 この物語は、すべての愛がゆるされると言われる島に訪れたカップルたちの物語です。 鬱々として、どこか不安定さも感じられる空気が序盤から流れていたけれど、最後には素晴らしい読了感で満たしてくれるところは流石杉井光だ、と言いたい。それほどまでに読了感が素晴らしい。 この物語には複数のカップルが登場するのだけれど、それぞれの物語が交錯し、最後にひとつに繋がる流れは本当に素晴らしかった。 読みながら、結末や登場する教会の謎について予想を何となく立てることは出来るんだけど(実際自分も教会の謎については当たってたし、結末も4〜5割は当たってた)、その予想を超えた結末に持っていってくれた。 ぜひ一度手にとって読んでほしい作品です。価格も手を出しやすいし、ページ数も200ページ弱なので取っつきやすいかと。また、一般小説に近い文章になっていて対象とする年齢層もライトノベルと比べて上がった感じがするので、社会人の人も十分に楽しめると思う。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!