ハーモニー

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評判

ハーモニーの評価:

4.16/5点 レビュー 253件。 A ランク

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平均点4.16pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全506件 181〜200 10/26ページ
No.326
(5pt)

文明の進歩で人間はやる気が無くなる

物語の本筋はSFミステリーだが、世界観がとにかく凄い。
すべての人間が健康管理され、寿命以外では死ななくなった世界。
そんな世界では、みんなが親切になり怒ることもなくなる。
自分の意思とは一体何なのか。
私も心理学の本を何冊も読んだけど、この作者も結構詳しい。
すでに起こり得る現実だと思う。

糖尿病は進化の過程で生まれた
糖尿病は寒冷期に人類が獲得した貴重な形質のひとつ。
糖分を含んだ水分は氷点がゼロ以下になる。
たとえ肝臓がいかれても、死亡するのは十数年経ってからだ。
それまでに子孫を残せれば遺伝的にはよい。糖尿病は進化の一部だ。
進化とはつぎはぎで、前向きな言葉ではない。
すべての生き物は膨大なその場しのぎの集合体である。
深い話だ。
私はメーカーで働いているが、続く製品には何か変な特徴がある。
どの製品にも設計ミスが出る。これを例に考えを見直そうと思った。

善悪の善とは
家族、幸せ、平和が続くこと。内容は何でもいい。
何かが続いていくようにする。その何かを信じることが善。
私も思い当たることがある。続ける自体が目的になってること。
続けることが善だから、善か悪の議論に意味は無い。
もしやめさせるなら、悪人になるべきなのかな。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.325
(5pt)

文明の進歩で人間はやる気が無くなる

物語の本筋はSFミステリーだが、世界観がとにかく凄い。
すべての人間が健康管理され、寿命以外では死ななくなった世界。
そんな世界では、みんなが親切になり怒ることもなくなる。
自分の意思とは一体何なのか。
私も心理学の本を何冊も読んだけど、この作者も結構詳しい。
すでに起こり得る現実だと思う。

糖尿病は進化の過程で生まれた
糖尿病は寒冷期に人類が獲得した貴重な形質のひとつ。
糖分を含んだ水分は氷点がゼロ以下になる。
たとえ肝臓がいかれても、死亡するのは十数年経ってからだ。
それまでに子孫を残せれば遺伝的にはよい。糖尿病は進化の一部だ。
進化とはつぎはぎで、前向きな言葉ではない。
すべての生き物は膨大なその場しのぎの集合体である。
深い話だ。
私はメーカーで働いているが、続く製品には何か変な特徴がある。
どの製品にも設計ミスが出る。これを例に考えを見直そうと思った。

善悪の善とは
家族、幸せ、平和が続くこと。内容は何でもいい。
何かが続いていくようにする。その何かを信じることが善。
私も思い当たることがある。続ける自体が目的になってること。
続けることが善だから、善か悪の議論に意味は無い。
もしやめさせるなら、悪人になるべきなのかな。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.324
(5pt)

最高傑作

劇場アニメにもなったこの作品は、著者の最高傑作だと思う。
SFに少しでも興味がある方にはぜひ読んでほしい。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.323
(5pt)

最高傑作

劇場アニメにもなったこの作品は、著者の最高傑作だと思う。
SFに少しでも興味がある方にはぜひ読んでほしい。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.322
(5pt)

神の遺作。

素晴らし過ぎる。まさにハーモニー。現実の世界もこうなるべきだと心から思う。
私も一刻も早く神の元へ行きたい。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.321
(5pt)

神の遺作。

素晴らし過ぎる。まさにハーモニー。現実の世界もこうなるべきだと心から思う。
私も一刻も早く神の元へ行きたい。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.320
(2pt)

SF古典の方が断然おもしろいです。

展開が遅く、いちいち気障で最後まで読めませんでした。円城塔が好きな方は気に入るかもしれません。個人的にはバラードやディックの方が断然おもしろいと思います。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.319
(2pt)

SF古典の方が断然おもしろいです。

展開が遅く、いちいち気障で最後まで読めませんでした。円城塔が好きな方は気に入るかもしれません。個人的にはバラードやディックの方が断然おもしろいと思います。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.318
(1pt)

訳あって…

訳あって眠れない夜を過ごしている上に精神的にも動揺していて何も手につかないのですが、なぜかこの小説の感想だけは書けそうなので、今書いています。

いくつか批判めいた事を書きますが、正直な感想でもあるのでご容赦を。

物語としても、人物の描写としても、あまり好きになれない小説なのですが、一番嫌なのは徹底して貫かれる唯物論的な思想です。

意識というのは進化の過程で生存に有利だから、生物の脳の物質的な機作の中から生まれてきた、というようなことが繰り返し書かれているのですが、こういう考えって、本当に正しくて科学的な主張なんでしょうか。哲学的な議論に深入りする気はありませんが、この考えを絶対的な真実として展開する物語って非常に安易で不毛だし、不快に感じます。

巻末のインタビューで、この作者はリベットの実験を取り上げて、もっと科学に注目しろよみたいなことを語っていますが、これも、物理主義的な考えが一番正しいと言いたいからのように見えます。リベットの実験について私はそんなに詳しく知らないのですが、別に物理主義を正しいとしなくても、意識の奥に潜在的な意識が存在すると考えるとか、ある程度他にも多様な柔軟な解釈が出来るように思うのですが、どうなんでしょうか。

このインタビュアーのほうも、脳の探求の先にクオリアが立ちはだかってつまらない話になるのなら何のためにそこまで突き詰めてきたんだ、なんて語っていますが、じゃあその先にあるのが物理主義でクオリアなんかありませんよなんて結論が、本当にこの世界と物事を知った事になるんでしょうか?

私は古いSFの読み手で、一番好きなSF作家はR・A・ラファティなのですが、こういう物質の理論を唯一至上の物として語る物語はどうしても好きになれません。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.317
(1pt)

訳あって…

訳あって眠れない夜を過ごしている上に精神的にも動揺していて何も手につかないのですが、なぜかこの小説の感想だけは書けそうなので、今書いています。

いくつか批判めいた事を書きますが、正直な感想でもあるのでご容赦を。

物語としても、人物の描写としても、あまり好きになれない小説なのですが、一番嫌なのは徹底して貫かれる唯物論的な思想です。

意識というのは進化の過程で生存に有利だから、生物の脳の物質的な機作の中から生まれてきた、というようなことが繰り返し書かれているのですが、こういう考えって、本当に正しくて科学的な主張なんでしょうか。哲学的な議論に深入りする気はありませんが、この考えを絶対的な真実として展開する物語って非常に安易で不毛だし、不快に感じます。

巻末のインタビューで、この作者はリベットの実験を取り上げて、もっと科学に注目しろよみたいなことを語っていますが、これも、物理主義的な考えが一番正しいと言いたいからのように見えます。リベットの実験について私はそんなに詳しく知らないのですが、別に物理主義を正しいとしなくても、意識の奥に潜在的な意識が存在すると考えるとか、ある程度他にも多様な柔軟な解釈が出来るように思うのですが、どうなんでしょうか。

このインタビュアーのほうも、脳の探求の先にクオリアが立ちはだかってつまらない話になるのなら何のためにそこまで突き詰めてきたんだ、なんて語っていますが、じゃあその先にあるのが物理主義でクオリアなんかありませんよなんて結論が、本当にこの世界と物事を知った事になるんでしょうか?

私は古いSFの読み手で、一番好きなSF作家はR・A・ラファティなのですが、こういう物質の理論を唯一至上の物として語る物語はどうしても好きになれません。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.316
(5pt)

虐殺器官に続けて一気読みした

初めて読んだ時は図書館で借りた。
その翌々日くらいに3.11が起きて、生々しい気持ちで読んだ忘れられない作品。
たまに無性に読みたくなるため、いつでも読めるようにkindleで購入。
伊藤計劃さん、もっと生きていてほしかった。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.315
(5pt)

虐殺器官に続けて一気読みした

初めて読んだ時は図書館で借りた。
その翌々日くらいに3.11が起きて、生々しい気持ちで読んだ忘れられない作品。
たまに無性に読みたくなるため、いつでも読めるようにkindleで購入。
伊藤計劃さん、もっと生きていてほしかった。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.314
(5pt)

地獄は頭の中にある。ならば天国は……

伊藤計劃氏のデビュー作「虐殺器官」の中でアレックスは「地獄はここにあります。頭のなか、脳みそのなかに。大脳皮質の襞のパターンに」と言っていました。リーランドの「天国もそこにあるのかい」という質問の答えは、地獄を知っているアレックスにも分からないままでした。
「ハーモニー」を読み終えた後、「虐殺器官」の地獄について語る場面を思い出しました。「虐殺器官」の中で天国がどこにあるのかは語られることなく終わってしまい、ストーリー全体から見れば天国の在り処に大した意味はないように思われます。
しかし、伊藤計劃氏は亡くなる前に答えを本の中に残してくれました。
地獄は頭の中にある。なら天国はどこにあるのか。
答えは本書にて語られています。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.313
(5pt)

地獄は頭の中にある。ならば天国は……

伊藤計劃氏のデビュー作「虐殺器官」の中でアレックスは「地獄はここにあります。頭のなか、脳みそのなかに。大脳皮質の襞のパターンに」と言っていました。リーランドの「天国もそこにあるのかい」という質問の答えは、地獄を知っているアレックスにも分からないままでした。
「ハーモニー」を読み終えた後、「虐殺器官」の地獄について語る場面を思い出しました。「虐殺器官」の中で天国がどこにあるのかは語られることなく終わってしまい、ストーリー全体から見れば天国の在り処に大した意味はないように思われます。
しかし、伊藤計劃氏は亡くなる前に答えを本の中に残してくれました。
地獄は頭の中にある。なら天国はどこにあるのか。
答えは本書にて語られています。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.312
(2pt)

小説版フーコー

ミシェル・フーコーの世界観に骨肉を与えただけ、という印象をぬぐえず、どうしても他の方々のような高い評価をつけることができませんでした。申し訳ありません。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.311
(2pt)

小説版フーコー

ミシェル・フーコーの世界観に骨肉を与えただけ、という印象をぬぐえず、どうしても他の方々のような高い評価をつけることができませんでした。申し訳ありません。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.310
(4pt)

ミラクルディストピアワールドの続きがみたかった。

現在新版が出回っていますが、個人的にはこちらの方が世界観にあっていて好きなデザインです。
ラストを思うとこれだなあと思います。

実は「虐殺~」の前にこちらを読んでしまったのですが、時間軸的には「虐殺器官」→「ハーモニー」が正しいようです。
虐殺器官の世界観をご覧になったうえで、その未来がこの世界観だと知っておくとおかないとでは
受け取る側の意識がかなり変わりますので
できれば順番どおりにご覧になるべきかと。
(私は個人的に失敗したなと思いましたし、できるなら一度記憶を失って読み直したかったくらいです。)

トァン、ミァハ、友人のキアン、三人の少女と彼女たちの末路の話ですが、
普通の子に近いと言える人物はおそらくキアンのみで、
視点者であるトァン、ミァハはそれぞれがそれぞれの対極に立つ非常にとんがった子です。
この前提で話を見て行かないと、最後の方でおいて行かれます。

自分自身さえ公共物として扱われ、息をすることさえ苦しく感じるほどのディストピア。
事実を知ろうとするトァンとともに、劇中で物語を紐解き、最後にミァハにたどり着いた時、
読者は人の心というものが本当に必要なものだったのか、という物凄い問いを突きつけられます。
究極すぎる二択……これはきつい。
おそらくこの話の先に、究極のディストピアの先があったのだと思うのですが、
筆者がすでに逝去なさっていることもあり、先を読むことは永久にできなくなってしまいました。
そのことが本当に残念でなりません。

もしこの先があったとしたら……
管理されていない世界の人達は少なくとも心を失わずにいるでしょうから、
彼らの中から事態を打開する人が現れて……とかなんでしょうか。
それとも何らかの原因により管理社会に穴が発生するなどして、また人類が別の形の進化を
模索する話になったのでしょうか。
凡人が考えても分からないんですけど、
この先にこそ本当は意味があったと思うので、そこを考えると難しい作品ですね。
文体の仕掛けもすごいと思います。

愛憎入り乱れた世界の終わり系SF。続編がないという点を念頭にどうぞ。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.309
(4pt)

ミラクルディストピアワールドの続きがみたかった。

現在新版が出回っていますが、個人的にはこちらの方が世界観にあっていて好きなデザインです。
ラストを思うとこれだなあと思います。

実は「虐殺~」の前にこちらを読んでしまったのですが、時間軸的には「虐殺器官」→「ハーモニー」が正しいようです。
虐殺器官の世界観をご覧になったうえで、その未来がこの世界観だと知っておくとおかないとでは
受け取る側の意識がかなり変わりますので
できれば順番どおりにご覧になるべきかと。
(私は個人的に失敗したなと思いましたし、できるなら一度記憶を失って読み直したかったくらいです。)

トァン、ミァハ、友人のキアン、三人の少女と彼女たちの末路の話ですが、
普通の子に近いと言える人物はおそらくキアンのみで、
視点者であるトァン、ミァハはそれぞれがそれぞれの対極に立つ非常にとんがった子です。
この前提で話を見て行かないと、最後の方でおいて行かれます。

自分自身さえ公共物として扱われ、息をすることさえ苦しく感じるほどのディストピア。
事実を知ろうとするトァンとともに、劇中で物語を紐解き、最後にミァハにたどり着いた時、
読者は人の心というものが本当に必要なものだったのか、という物凄い問いを突きつけられます。
究極すぎる二択……これはきつい。
おそらくこの話の先に、究極のディストピアの先があったのだと思うのですが、
筆者がすでに逝去なさっていることもあり、先を読むことは永久にできなくなってしまいました。
そのことが本当に残念でなりません。

もしこの先があったとしたら……
管理されていない世界の人達は少なくとも心を失わずにいるでしょうから、
彼らの中から事態を打開する人が現れて……とかなんでしょうか。
それとも何らかの原因により管理社会に穴が発生するなどして、また人類が別の形の進化を
模索する話になったのでしょうか。
凡人が考えても分からないんですけど、
この先にこそ本当は意味があったと思うので、そこを考えると難しい作品ですね。
文体の仕掛けもすごいと思います。

愛憎入り乱れた世界の終わり系SF。続編がないという点を念頭にどうぞ。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.308
(3pt)

期待したほどではなかった。

いろいろなところで高く評価されている作品だし、作中でも言及のある
フーコーの「生-権力」に隅々まで支配されつつある社会で、一人の少女が
ひそかな叛逆を企てる・・、という設定はさすがと思わせるものがあったが、
夭逝した作者がこれを書いた時は既に闘病中だったためか、中盤以降の
展開がやや一本調子というか、描写などもあっさり書かれ過ぎているような
気がしたし、結末にもそこまでの衝撃や納得感がないのが残念だった。

★★以下、物語の根幹に関わる記述があるので、未読の方は注意★★
少女ミァハが「生-権力」に叛逆を企てる根本の理由は、彼女がチェチェンの
特殊な部族の出身だったからということになっているが、このような「超越的
審級」を持ち出すことは、この作品全体の説得力をかえって弱めていると思う。
むしろ、ある意味世界中でもっとも無菌的な空間と言える日本においてこそ、
とくに少女の間でそのような意識が尖鋭化するし、そのことに「チェチェン」の
ような裏付けはとくに必要ない、という描き方にすべきではなかったか。

また、結末では人類全体の意識が消えることになっているが、正確に言えば、
作中に登場するトゥアレグ族やイラクの人民など、「生-権力」による監視体制
から洩れている人間が少数いるはずだから、彼らのその後が描かれないこと
には、この作品は完結しないのではないかという疑問も感じた。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.307
(3pt)

期待したほどではなかった。

いろいろなところで高く評価されている作品だし、作中でも言及のある
フーコーの「生-権力」に隅々まで支配されつつある社会で、一人の少女が
ひそかな叛逆を企てる・・、という設定はさすがと思わせるものがあったが、
夭逝した作者がこれを書いた時は既に闘病中だったためか、中盤以降の
展開がやや一本調子というか、描写などもあっさり書かれ過ぎているような
気がしたし、結末にもそこまでの衝撃や納得感がないのが残念だった。

★★以下、物語の根幹に関わる記述があるので、未読の方は注意★★
少女ミァハが「生-権力」に叛逆を企てる根本の理由は、彼女がチェチェンの
特殊な部族の出身だったからということになっているが、このような「超越的
審級」を持ち出すことは、この作品全体の説得力をかえって弱めていると思う。
むしろ、ある意味世界中でもっとも無菌的な空間と言える日本においてこそ、
とくに少女の間でそのような意識が尖鋭化するし、そのことに「チェチェン」の
ような裏付けはとくに必要ない、という描き方にすべきではなかったか。

また、結末では人類全体の意識が消えることになっているが、正確に言えば、
作中に登場するトゥアレグ族やイラクの人民など、「生-権力」による監視体制
から洩れている人間が少数いるはずだから、彼らのその後が描かれないこと
には、この作品は完結しないのではないかという疑問も感じた。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X