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ホテルローヤル
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ホテルローヤルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全63件 61~63 4/4ページ
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北海道を舞台にしたなかなか渋い短編集。 ホテルローヤルという郊外のラブホテルが共通軸としてあり、廃業後の話が2編、廃業当日が1編、時期不明の現役時代の話が1編、廃業の半年前の話が1編、15年ほど前の話が1編、30年くらい前で開業前の話が1編で、1980年〜2010年くらいを、7編の小説が現代から過去に時代を遡っていく並びになっている。 ラブホテル、というのは当然セックスをする場所で、客にとっては非日常(「バブルバス」)となるのだが、清掃員など従業員にとっては労働の場で(「星を見ていた」)、経営者やその家族にとっては人生の決断の場ともなる。(「ギフト」) そのあたりが多面的に描いてあるという点では優れた作品であるし、著者は親が実際にラブホテル経営をやっていたということで「取材」も十分だ。 また、どの話もセックスシーン(未遂含め)があるわけだが、結婚前らしきカップルの話(「シャッターチャンス」)を除けば、夫婦か、カップルの片方が既婚者となっている。不能な夫を持つ女にしろ、妻の不倫に悩む男にしろ、どの作品も「夫婦」というものが奥から浮き上がってくる。そのあたりが作風として渋い。個人的には夫婦が実のテーマなのだと思う。 残念なのは、行間ならぬ短編どうしの間を読ませる形にした、廃業した年の3月末にあった出来事についてだ。(「せんせぃ」) 個人的にはここを書くべきだったと思うし、作者は逃げたんじゃないかとも思う。動機としても薄い気もする。 ただ、そこを書かなかったからこその直木賞なのかなとも思う。芥川賞だと絶対に選考委員に詰められるだろうけど(単行本は選考対象ではないが)、そのあたりの一般の読者が不快にならないようにするさじ加減の上手さも含めて、「大人向け」の渋い短編集になっている。 | ||||
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素直に面白く、サラッとしていて、スラスラと読み進めました。 だけど…。短編集だからかもしれないが、全ての話が浅くて、受賞作としては、物足りないと感じました。 本を読んでいる時に感じる、その場に居るような、物語にのめり込むような、情景が浮かぶような感覚はなく、ちょっと残念でした。 同作者の長編を読んでみたいと思います。 | ||||
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7編からなる短編集。全体としては、ストーリーにあるいは表現に、桜木紫乃らしさが薄くちょっと残念な感じ。 桜木紫乃の良さは、『氷平線』でもレビューした通り、“シャープで研ぎ澄まされた文章表現”と“北の大地に根差した理不尽な重荷を受け止める主人公の凛とした靱さ” にあると感じているが、本短編集においては、いずれも明確には伝わってこない。 かろうじてらしさが伝わってくるのは、“親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師”の交流を描く『せんせぇ』と“ホテルローヤルのオーナーとその妻の 出会い”を描く『ギフト』ぐらいか…。 短編であれば『氷平線』、長編であれば『硝子の葦』の様に、深く心に響く様な新作を期待したい。 | ||||
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