■スポンサードリンク
(短編集)
レキシントンの幽霊
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
レキシントンの幽霊の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 61~80 4/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「緑色の獣」に関して…『ねえ獣、お前は女というもののことをよく知らないんだ。そういう種類のことなら私にはいくらだっていくらだって思いつけるのだ。』…ぶ、ぶっ飛んでいます。そしてやられっぱなしの緑の獣は可哀相だけど確かにキモイです。やめてやめてと言いながら反撃もせず逃げもせず、ただただ主人公の攻撃を喰らっているその様はSとMの関係にも似ていますが、微妙に異なるような気がします。 ぱっと連想したのは「ジョジョの奇妙な冒険」のジョルノ編で出てくる本体の無いスタンドを、スパイスガールズがクローゼットの中にあった衣文賭けのポールでなぶり殺すシーンでした。 いやー、どっちも気持ち悪いなあ。もう忘れよう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
例によって不思議な、空想的な話が七編。少し恐いテイストの話(「氷男」等)もあるが、基本的にどれも軽く読める。風呂に入りながら、空いた時間にさらっと読める。読後感も良好。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何か、掴めそうで掴めない感じの、不安定な短篇集。 「氷男」と「トニー滝谷」とは、類似品のよう。 全体的に読み易く、同氏の長篇よりも好ましい。 だけど、1冊読めばもう満腹といった感じで、余り、これ以上この作家の作品が読みたいとは思わせてくれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
短編だ。 村上さんの短編はどれをとってもクオリティが高い。 もともとこの人は短編むきの作家なのではないかと思うほどだ。 本人は長編作家と名乗っているのだが。 しかし「めくらやなぎと、眠る女」を読めばわかるように短編を長編につなげていくのが得意だ (作業的にはその逆かもしれないが。) 表題作含む七つの短編がおさめられている。 表題作は読めばわかると思うが村上春樹氏本人であるとしか思えない(笑) 全体的に、あんまり春樹さんっぽくないような話に感じる。 むろんけなしているわけではない。 ただ、主人公がいつもの村上さんの長編みたいじゃなくていろいろいるから、そう感じるだけなのだろう。 どれもがユニークで、どれもが観念的で、どれもが思わず深読みしてしまうタイプの話だった。 個人的に好きなのは『氷男』である。 響き的にも『羊男』みたいだし、「結局お前、なんなのよ?」という感じの存在だからだ。 あと、この作品はけっこう難解だったというのもある。 もちろん村上さんの著作だから平均点はかなり高いのだが、それでも『パン屋再襲撃』にはかなわないかな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「あのとき、なぜあんなことをしてしまったのか?」「なぜ、もっと別の対応ができなかったのか?」と後になってから思うことって、誰にでもあると思う。些細なことだけど、決定的に取り返しがつかないこと。 それでも、(本当の意味では取り返しはつかないのだけれど)何かの拍子に別の形で救われることもあるし、ダメだといって後悔ばかりしていても仕方ない。 そんなことを感じさせてくれる短編集。 個人的には「氷男」が一番好き。一度、氷男に会ってみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全編通して感じられるのは「孤独」。 人は完全にひとりで生きることはできない。必ず誰かと関わって 生きていくことになる。 それにも関わらず、完全に誰かを理解し、分かり合うことなどできないという「孤独」。 一緒に生きているからこそ感じる「孤独」。そういったものがどの作品からも感じられた。 感じるのは硬質の薄氷のようなもの。 透明で透けていていくらでも人を近くに感じられるけれど、触れることはできない。 そういった感覚。 特に「トニー滝谷」から発せられる孤独感は強い。 この作品のラスト一文の寂しさに読み終わってしばらくは呆然と過ごした。 「レコードの山がすっかり消えてしまうと、 トニー滝谷は今度こそ本当にひとりぼっちになった。」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹作品の中で、この本に収められている短編「沈黙」は、率直で、わかりやすく書かれている珍しい作品だと思う。 学生時代のクラス内での「シカト」。ほとんどの人が加害者または被害者として体験してきていることだ。この作品の主人公、大沢は、大人になってからもそのトラウマを心の底に抱えて暮らしている。 だけれども、村上春樹が普通の人と違うのは、その恐怖の対象がなにかを鋭くついていることだ。 被害者である主人公の側に立って読んでいた読者は、最後の大沢の独白によって、突然、加害者側であったかもしれない自分に気がつき、愕然とする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本は薄い。文庫本コーナーでも目立つほどの薄さだ。ただ、これを読み終えた後ならば、この薄さがそのまま満足に代わる筈である。そう、この短編小説集は、とにかく内容が濃い。かと言って読み難い訳でもなくスラスラと読める、それがこの本一番の個性だと思う。 どの短編も独自の味があり、かつ読み易い。簡単に読めるのに、読み終わると読書の醍醐味とでも言うべき感動がしっかりと存在しているのである。孤独という、心を抉る様なテーマを共通させながらそれを達成出来た事が、そのまま村上春樹の才能と能力を代弁している。 少し褒めすぎたかもしれない。しかし、これほどクオリティの高い短編小説集は、世界でも稀だと思う。普段本を読まない人にこそ薦めたい一冊である。収録された短編の中では、個人的には「氷男」の寓話性と残酷な結末が、印象として最も強烈に残っている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どれも不思議な雰囲気を持った話だった。読めば読むほど味わいがあるが、 同時に得体の知れない怖さも感じる。読んでいると、深い闇の底を覗き 込んだときのような不安や恐れが迫ってくる。どの話も面白いと思ったが、 一番印象に残ったのは「沈黙」だった。人の悪意ほど恐ろしいものはない。 一人の人間の悪意が多くの人たちを動かしていく。そしてその悪意が特定の 人間に向けられたとき、悲劇が始まる。決して物語の世界だけのできごと ではない。いつ自分の身に起こるか分からないできごとなのだ。最後に 大沢が語る言葉が切実に胸に迫った。本当に怖いものはすぐ身近にあるのだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
言わずと知れた村上春樹の短編集です。 私はどちらかといえば春樹氏の短編の方が好きですね さらっと心に刺さりますから。 10代の頃にはわかりませんでしたが、歳を重ねるごとに春樹氏の小説の深みが分かってきた気がします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者は一人の男に焦点を当ててその男の苦悩を書く作品が少ないですね。「沈黙」と「7番目の男」は一人の男の孤独な闘いを描いた作品です。「沈黙」ではクラスメイトに「7番目の男」では幼い日の体験に、日常生活もままならぬところまで追い詰められます。けれどももう限界かと思ったところで今まで気がつかなかったひとつの真実に気がつきます。主人公が一歩前進したことで、こちらまで一緒に救われてうれしい気持ちになります。 「緑色の獣」はおかしくも哀しく、これもいいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに読み返してみると、標題の「レキシントンの幽霊」や「沈黙」「トニー滝谷」「七番目の男」といった短編が、短く、しかし深く、それぞれが孤独というものに繋がっていることに気がつきます。「沈黙」では大沢さんは半年間、高校のクラスで無視され続けます。「トニー滝谷」は家族を失くし、死んでしまった妻の洋服と亡くなった父親のレコードも売ってしまい、がらんとした家でひとりぼっちになります。「七番目の男」が年少の頃、失くした親友を思っていた四十年間、抱いていた思いは孤独以外の何ものでもなかったのでしょう。 しかし、大沢さんは、人間の「深み」に対するプライドで、辛い高校生活をしのいでいきます。「七番目の男」は人生で一番怖いものは恐怖そのものでなく、「恐怖に背を向け、目を閉じてしまうこと」であり、そうしないと「自分の中にあるいちばん重要なものを何か譲り渡してしまうこと」になると、四十年間たたえてきた孤独の原点にあったもの、恐怖を語ります。 孤独を感じ、孤独にどう向き合っていくか、この短編集にある村上春樹は人生に対する信頼のようなものを感じさせながらも、冴え渡るメスは人生に鋭く切り込んでどこか冷静です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
数年振りに、村上春樹の小説を読んでみた。 小説というものは、エンターテイメントとして楽しむものから、読者に物の価値観を変えてしまうものまで様々ありますが、村上春樹を読むと心の中がしんとなり、落ち着いた穏やかな気持ちにさせてくれる。そこには少し寂しさが共存しているのだが。 本作も、夜中に好きな音楽を小さめにかけながら読むのにふさわしい作品でした。 村上春樹は有名になりすぎて、割と読者は好き嫌いが激しいようですか、嫌いな人も短編なんで読んでみてください。 あと、表題作「レキシントンの幽霊」なかなか良い小説でした。 あれは、事実という名を付けた小説だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮沢りえ・イッセー尾形主演で映画化された「トニー滝谷」。 全国学校図書館協議会から単独でも出版されている「沈黙」。 また「めくらやなぎと、眠る女」に関しては、新たに書き直されたものなので、 村上春樹氏の思い入れも強い作品だと思います。これは海外でも何か賞を獲りましたね。 実は、これが村上春樹氏の短編集初体験でしたが、 短編には、短編にしか持つことのできない味があるのだなと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ずっと前に読んだ一冊ですが、自分は、「氷男」の悲しさと、「トニー滝谷」の虚無感と、「めくらやなぎと眠る女」の世界観が好きでした。特に「トニー滝谷」は、映像作品も好きで、しかも「ねじまき鳥クロニクル」にも登場するので、印象が深い作品です。 ただ、表題作「レキシントンの幽霊」、これがいけなかった。ノンフィクションなのでしょうが、春樹の偽善性がモロに見えてしまっています。友人に信頼されて家の留守番を頼まれたのに、留守番の初夜、一階で集団が騒いでいるのを、「幽霊」と勝手に決め付けて見て見ぬ振りをし、友人にはそのことを報告しないなんて・・・。・・・唯の、偽善者じゃん・・・(苦笑)。 村上春樹はただフィクションを書いているだけのほうがいい。 読者は唯だまされているだけのほうがいい、と思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私個人的には村上氏の長編の方が好きですが、こちらの短編集も悪くない。やはりどことなく暗い印象は変わりません。主人公の内面を巧みに描く心理描写のうまさと、それらを周囲の環境との兼ね合いで象徴的に描く手法は、変わりませんでした。 暗いと一言で片付けられるものではありませんが、「人間」というものの本来持っている孤独や毒と、現代における社会という眼からの監獄のごとき圧力を表現しているからなのかもしれません。それでも国境を越えて多くの人に読まれているのは、人間の否定的な部分と、生きる意志のようなものが見事に融合しているからだと思います。 短編集だからと軽い気持ちで読んでしまうには勿体無いが、長編のような迫力をを期待して読んでしまうと、どこか物足りない感じを受ける、そんな感じでした。 個人的には『緑色の獣』が描く、人間の暴力性、排他性といった世界観が多くを考えさせられ、小説というフィクションの枠組みにおさまりきらない文章が好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
独立戦争の古戦場。それがレキシントンです。大英帝国がその威信をかけて、植民地軍と戦って敗れた古戦場。そういう意味では、この短編集は負けをとるのか、それとも今まで自分の故郷であり、自分の誇りでもあった母国にタテつき、そして相手を凌駕してしまった新生アメリカと取るのか?村上春樹がハルキとなった記念碑的短編集。 このあたりから、村上は村上ではなくムラカミとなり、読者層は熱く厚く世界に広がりました。それは単にムラカミ先生が偉いだけではない。こうした日本の作家の作品を翻訳できる人材が生まれた。ということです。ムラカミハルキは単に日本語で支えられているだけだはなく、英語やフランス語、イタリア語、韓国語、そしてロシア語の翻訳で支えられています。こうした翻訳者に日本語を教えて消えていった日本語の先生達に本当に感謝したい。そんな気持にさせられます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
短編集です。 本のタイトルに『レキシントンの幽霊』を選んだり、「底無しの怖さを秘めた七つの短編を収録」と紹介したりしていますが、そのようなホラーじみた作品集ではありません。 全体を通して感じられるのは「孤独感」です。 人間不信とかそういうのじゃない(『沈黙』から抜粋)、それなりの成功を手にしてもそれなりに幸せな結婚生活をおくっていても感じてしまう種の「孤独感」です。 出版社の意図に安っぽさを感じてしまったので☆4つにしましたが、内容はどれもとても良かったです。本当の気持ちが書いてある気がして。 あ、『緑色の獣』だけは、ちょっと路線がちがいました。女の人の一人称で書かれているのですが、「男の考える種の女の意地悪さ」的な部分を感じ取ってしまって、そこは苦手でした。 あとがきで村上春樹さんが、『めくらやなぎと眠る女』を別にすれば、『七番目の男』と『レキシントンの幽霊』の二作品は『ねじまき鳥クロニクル』のあとで書かれ(1996年)、それ以外の作品は『ダンス・ダンス・ダンス』『TVピープル』のあとで書かれた(1991年)、と書いています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全体的に寂しい印象の小説だった。 特に七番目の男、めくらやなぎと眠る女、が良かった。 さみしくて、せつなくて、懐かしくて優しい、だけど残酷。 話の落ちがあるわけではないんだけど、意味があって、 普段忘れてしまいそうな大切なことを考えさせてくれる部分があった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「トニー滝谷」が心地よい存在感を放っていて気持ちのいい短編集.なんともいえない孤独感が漂っているのが印象的.表題作「レキシントンの幽霊」は,レキシントンの近くに住んでいる者として親近感が湧いて楽しめた.「沈黙」も味わい深い独白. | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!