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(短編集)
レキシントンの幽霊
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レキシントンの幽霊の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 81~96 5/5ページ
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この本の「沈黙」を読んでみました。いじめられた人について書かれた物語 だということでしたが、自分にとってはこの程度のいじめよりも、殴られて死んでしまった男子生徒の方に悲惨さを感じ、その生徒の立場に立って書いて欲しかったような気もした。なんとなく、その犠牲の上に、2人の男性の格好じみた戦いの中で綺麗事を並べてるような気がして、死んでしまった生徒についてもあまり触れておらず、主人公の独りよがり的な主観だけで書かれたような気もする。けど、確かに共感できるものもあり、70%ぐらいは入り込めたけど あと30%ぐらいは、もう少しいじめについて深く踏み込んで書いて欲しかったという気持ちも残った。 | ||||
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森閑とした短編集といってよいと思います。 個人的には「沈黙」に唸ってしまいました。 春樹さんの小説の中では、地味なものです。 内容を一言でいえば、青木という生徒から高校生活で理不尽な虐めにあった話です。 派手な仕掛けは一切ありません。時空を駆けることもなければ、怪異現象がおこるわけでもありません。 が、主人公は小説後半でこう言いきります。 「僕が怖いのは青木のような人間ではありません。・・・僕が本当に怖いと思うのは、青木のような人間の話を無批判に受け入れて、そのまま信じこんでしまう連中です。自分では何も生み出さず、何も理解してないくせに、口当たりのよい受け入れやすい他人の意見におどらされて集団行動する連中です。・・・」 こう書いてしまうと「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、主人公がここにいたるまでの過程はとても緊迫しており、小説作法的にも揺るぎ及び隙がなく見事であり、それゆえに読む側に説得力があります。 掌編なのに長編を読んだような思いを受けます。 昨今の、若い作家さんが書く学校生活、青春模様がとても稚拙に思えます。 文学賞選者の方々もこの小説を読むべきあるいは再読されるべきではないでしょうか。 そうすればもっと文学賞に重みがつくとおもうのですが。 それくらいのことを言ってみたくなるような秀逸な短編です。 | ||||
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どの短編もいいものばかりです。村上春樹っぽさが、すごく感じられる短編集だと思います。映画化された「トニー滝谷」はもちろん、「沈黙」や「七番目の男」もすごくお勧めです。 | ||||
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いつもながら、孤独でいて切なくてそれでいて心地よい文体。素直に素晴らしいと思う。 村上作品によく見られるようにこの短編集にも孤独や、それについての恐怖が色濃く書き込まれている。 表面だけなぞればなんてことない話だが、どうしてこう胸がしめつけられるのだろうか。うーん、脱帽。 | ||||
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緑色の獣に対する女の傲慢的な態度らしきものが、個人的には共感できるところがありまして、そこになんとなくですが、喜びを感じました。獣の謝り方はどう考えても虚構的でした。 | ||||
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2005年春公開だそうです。 試写に行って来た方の話を聞きました所、広い芝生の丘の上に一部屋セットを組んでそこの空間だけで行なわれるという事。 音声等の文字情報もかなり実験的。 それはそれで面白かったとのこと。。 「トニー滝谷」はジャズトランペットの奏者で彼の半生を描いたものです。空っぽになった部屋とか、他の春樹作品と通じるものがあります。人生ってむなしいね。こんなに切ないのになぜか惹かれてしまう。あたしはなんで本を読むのだろう。 大好きな作品が舞台になったり映画になったり。 自分のイメージしてた物と違うと言って文句言ったりするけれどもそれでもやっぱりなんか嬉しい。 早く観たい早く観たい早くみたい!!! もちろん本読んでから参戦しましょう!! ☆みてきたよおおおおおお!!!! すっごい良かった!!!!!!!! 作品のリズム感が映画にもしっかり残ってた。 右から左に流れる映像と物語。それと同じ速度で進む音楽と人の気持ち。 言葉が印象的ですごく良かった。 | ||||
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ついに映画化だそうですね。 トニー滝谷ははじめて読んだときから、なんとなく気になる作品だったので、映画はどんな具合に仕上がっているのか、興味があります。 トニー滝谷は悲しみよりも喪失感が表されていると思います。 ずっと1人で人と交わらずに生きてきた滝谷が、やっとめぐり合えたそばにいて欲しいと、そばにいたいと思えた人を失ってしまう。 村上さんの作品では失われる物語が多くありますが、これはそのなかでもとくに失われることそのものが描かれている、すぐれた作品だとおもいます。 これほど喪失感を感じるというのはどういうものなのでしょう。 映画ではそのあたりがどう描かれているのか、楽しみに見にいこうとおもいます。 | ||||
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2005年春公開だそうです。 試写に行って来た方の話を聞きました所、広い芝生の丘の上に一部屋セットを組んでそこの空間だけで行なわれるという事。 音声等の文字情報もかなり実験的。 それはそれで面白かったとのこと。。 「トニー滝谷」は実在したジャズトランペットの奏者で彼の半生を描いたものです。空っぽになった部屋とか、他の春樹作品と通じるものがあります。人生ってむなしいね。こんなに切ないのになぜか惹かれてしまう。あたしはなんで本を読むのだろう。 大好きな作品が舞台になったり映画になったり。 自分のイメージしてた物と違うと言って文句言ったりするけれどもそれでもやっぱりなんか嬉しい。 早く観たい早く観たい早くみたい!!! もちろん本読んでから参戦しましょう!! | ||||
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この7編の短編集は文章の切れと良いアイデアといい老成していてかみしめながら読んだ。とはいえ、初めて村上春樹を読む読者にとっては、同じ低い旋律にばかりの短編たちは、練りに練られた巧さに感心するとともに何か物足りなさを感じるかもしれない。非現実的な不安定感を醸し出す本短編集は、今年にはいって読んだ私の小説ベスト3入りです。 特に「沈黙」は高校生になった息子に読ませましたが、まだ「井戸の底」といったような比喩がよく実感できない様子です。息子には古井戸に降りた経験なんかないからなあ。 | ||||
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『恐れるべきは恐怖そのものではなく、 恐怖の対象に背を向けることだ』 これは『7番目の男』で語られる言葉です。 後悔・自責・・・こういった感情でがんじがらめに なっていた自分がはっとさせられた一言でした。 そして自分がその時、ぶち当たっていた壁を 崩す起爆剤となりました。 って大袈裟でしたね。。 心の奥深いところとか人間の暗部。 そういった場所にスポットライト を当てるのが上手いなぁ、この人は。 | ||||
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村上ワールドのファンではないけれども、この本には惹き込まれた。現実にはありえないストーリーも本当に存在するような気がした。読んで晴れやかな気分になるというよりも、どちらかと言えば「どんより」と物思いに老ける方が多いと思う。本から得る感情は読者によって様々だと思うが、惹き込まれることは間違いないと思う。 | ||||
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この作品集で一番気に入っているのは「沈黙」という掌編だ。 飛行機を待つ間のわずかな時間に交わされる個人的な過去の話なのだが、そこには作者をして孤高の位置に導いた原体験のような物が感じられる。 村上作品は初期の三部作、友人「鼠」との交流に端を発する物語群、で見られるような独自の世界への没入と、その世界の中での混乱が語られることが多いように感じるが、上記の作品では「なぜ、そう言う作品を書く作者が形成されたのか」が何となく感じられる、と言うことだ。 そこでは「本物の喜びや本物の誇りを感じることができないであろう」とされる一人の級友について語られている。それは逆に作者は「本物の喜びや誇りを感じること」を選択したということなのだろう。それは作者の世代に共通!なテーマでもあったことを思い出させる。さらに主人公にボクシングについて「リングに立っていても深い穴のそこで暗闇を相手に戦っている気がする。孤独でも悲しくない」と言わせている。これこそ村上作品に共通の井戸についてのモチーフそのものだ。 他にも作者の女性観を感じられる「緑の獣」、原点へと回帰するような印象を与える「7番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」など7編が収められているが、本書では作者の手になる「あとがき」も重要だ。 | ||||
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全体を通じて感じさせられたのが、まるで印象画の絵画を見ているときのような感覚でした。 普通の人が、ごく当たり前のように”日常”を演じている。 けれども過去のどこかに、もしくは今も続いている一つの物事 それは波であったり、チョコレートであったり。。)によって、 主人公たちの心を捉え、影を落とす。 その影を、はっきりと意識しようとすればするほど、それは不確かに形を変えていく。 そんなところに、「印象派の絵画を見ているような」不思議さを感じました。 特にそれを私は「七番目の男」の中に感じました。 写実的過ぎる作品に、物足りなさを感じている方。きっと気に入られると思います。 | ||||
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村上春樹の魅力のひとつに“不”の感情を見事に表現しているというのがあげられる。行間に隠された文章を一文一文紐解いていくと、そこに隠されたメッセージが自分の心の琴線に触れるのである。これはつまり“共感”である。実のところ行間を読ませてくれる作家はもとより、完全に共感させてくれる作家というのはなかなかいない。しかし、その数少ない作家の1人が村上春樹なのである。そしてこの短編集はその村上春樹の魅力を凝縮した傑作である。 | ||||
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「これは数年前に実際に起こったことである。」表題作の冒頭にはこのように記されている。 「あらゆる現実的なマテリアルを…原型が認められなくなるまでに溶解し、しかるのちに適当なかたちにちぎって使用する」と語っていた作者にとってはこれは異色ともいえるアプローチではないだろうか。 派手な効果を狙うような文章はここには無く、すべては静謐に進んでいく。 その分、クライマックスに衝撃的なまでの力は存在しないかもしれないが、それは静謐さの中において充分な表現力を持っている。 | ||||
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「ノルウェイの森」の序章と対となる(作者語る)最後の作品以外は、作者には珍しく一つのアイデアをうどんを引き延ばすように作品に仕立てた短編集。孤独へ至るアンチクライマックスの連続だが、名画家のデッサンのように、原寸大の作者が見える。そんな意味で、ファンには逃せない作品かもしれない。 | ||||
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