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(短編集)
レキシントンの幽霊
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レキシントンの幽霊の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 41~60 3/5ページ
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最近氏の作品を読み直していますが、幸か不幸かまったく筋を忘れてしまっておりどれも(特に短編小説)新鮮に読めます。個人的にはちょっと調子に乗った軽い印象を受ける前半のものより、後半の作品により魅力を感じています。 『雑文集』にそれと知らずにハワイで買った同名日系議員の選挙応援Tシャツから想像を膨らませて書いた小説という記載がありましたね。 | ||||
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この短編集は村上春樹が得意とする、静かな孤独と切ない喪失感が描かれている。 七番目の男やトニー滝谷と名作揃いだが、僕はなかでも「沈黙」に衝撃を受けた。 学校にも社会にも、一定のコミュニティーには必ず存在するであろう良い奴に見えて計算高くて、どうにも手に終えない奴が、たまたまそいつの内に秘めていた汚ならしさを見破ったばかりに主人公は、見事に羽交い締めにされる事になる。 孤独な学校生活を送りながらも、習っていたボクシングを通して身に付けたであろう忍耐が主人公を支え、ある時電車でそいつと見つめ合う事になる。そこが物語の山である。 沈黙のラウンドで鳴ったゴング。勝者はどちらか。 | ||||
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村上ワールドを全部体験していなくても、この1冊は格別! 日常生活から飛んでいってしまう読後感は知人にも薦めます。 何冊か購入して、気軽に贈りました。今から何かが変わるかも? 村上春樹の短編集は秀逸でした。 | ||||
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短編集ですが、どれを取っても、「それで・・・・?」となってしまいました。村上 春樹 ワールドは私には理解できません。 | ||||
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作者の短編集の中では、比較的好きな一冊。孤独感や喪失感というのは、村上作品特有の味としてよく指摘されるものだが、本書所収のどの短編にもそういう味はある。だが、自分自身の心の闇を前に力強く立ち上がったかのような「第七の男」、小器用な悪に踊らされるフツーの人々に対する違和感を表明した「沈黙」(silent majorityというニクソンの有名な表現を受けたと思われる表題)というような、妙にストレートなお話が混じっているところが、本書の特徴と言えるかもしれない。そして僕は、このどうしようもない世界に結構男らしくイライラしている村上春樹、というのも好きだったりする。 それにしても、本書最終話の最終頁に載っている「目に見えるものが存在せず、目に見えないものが存在する場所」(p.210、『めくらやなぎと、眠る女』)というフレーズは、春樹ワールドそのものですね。 | ||||
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7編からなる短編集。村上さんの本をマトモに読んだのは、2冊め。 ノンフィクションなら読んだ事もあったのだが。 レキシントンの幽霊/緑色の獣/沈黙/氷男/トニー滝谷/七番目の男/めくらやなぎと、眠る女 作家さんの作風を知りたくて、読んでみた。 レコードがお好きなんだなぁ、とか、ストーリーうんぬんよりも文章で楽しみたい方には向いてるんじゃないかなぁ、とか。 印象的だったのは、「沈黙」と「氷男」。 あとは普通だったかな… アクションとかはあまりなく躍動感はないけれど、 しんみりとじっくり時間をかけて読むとよい。 そんな短編集でした。 | ||||
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レキシントンの幽霊。いじめの話です。いじめにあった人は多いと思います。いじめにあわない人の方が少ない世の中ではないでしょうか。 本作は短編です。著者自身、過去のいじめにあった体験から書いたそうです。 いじめにあった人が、本当の意味で克服することなどないのだろうと思います。 みんな過去を抱えて人生を送っているのだと思います。 | ||||
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村上春樹による、村上春樹のための、読者不在の短編集といった感覚。 書きたいことを書きたいだけ連ねたような感じで、 実際に春樹自身もその事をあとがきで認めている。 暇つぶしに読むにしても、へたな幻想文学のようで後味が悪い。 あまり面白くは無かったけれど、トニー滝谷の記憶の堆積については、何となく思う所があった。 | ||||
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この短編集にまとめられた物語には、ひとが身近なひととかかわることで生まれる孤独が通奏低音として流れている。それぞれの物語の登場人物は、自分の心の中にイメージされる孤独と対峙し静かに闘っているように思えた。どの物語も時間を忘れてゆっくりと読みたいものばかりだ。 | ||||
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『レキシントンの幽霊』 『緑色の獣』 『沈黙』 『氷男』 『トニー滝谷』 『七番目の男』 『めくらやなぎと、眠る女』 7つの短編が収められています。 よく村上作品の特徴を「透明感」と言う方がおられますが、この短編集は実に言い得て妙だと思います。 あまり会話文を使わず、地の文で物語が進められてゆくのが共通しています。 村上春樹さんがあとがきで、それぞれの作品についてコメントを付されています。 それによれば、『七番目の男』と『レキシントンの幽霊』は、『ねじまき鳥クロニクル』(1996年)の後。 それ以外の作品は、『ダンス、ダンス、ダンス』『TVピープル』(1990、91年)の後に書かれたこと。 両者の間には5年あって、その期間アメリカに住んでおられたこと。 そして、『めくらやなぎと、眠る女』は1983年のものを短くしたものだが、『めくらやなぎと眠る女』とは別作品として存在していること。 他の作品も大体が初出に加筆したものであることなどが書かれています。 読後感としては、孤独、恐怖、メッセージといったものが残りました。 孤独は村上春樹さんの作品に常に見られるのですが、孤独でない孤独と本当の孤独があって、これまでになく”本当の孤独”を描いているように思えました。 そして、恐怖です。スリラーという意味ではなく、本当の恐しいこととは何か、といったことを伝えようとしている部分が何カ所か読みとれました。 それとこれまでになくメッセージ色が濃いようにも思いました。作者の心情の顕れ、といいましょうか。 『ノルウェイの森』の爆発的なセールスで村上さんを取り巻く環境が変わり始め、フラストレーションが増していった頃の心情が反映されているのではないか、といった想像をしています。 この短編集の中の『トニー滝谷』は市川準さんによって映画化されています。イッセー尾形さんがトニー滝谷、宮沢りえさんが奥様を演じています。 原作も映画もよかったと言える作品でした。是非ご覧ください。 | ||||
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物語の至る所に散りばめられた「アフォリズム」と「メタファー」。 どの短編も一見すると暗く悲しい話に見えるが、パラドックスに差別からの開放や究極の愛を仄めかしている。 特筆すべき点は構成の素晴らしさ。非科学な話が続いた後に現実的な話に落ち着く。それでいて、テーマはコミットメントしている。 「アフォリズム」なり「メタファー」なり、人それぞれが自由な捉え方をできる純文学のアメリカナイズがこの本にはある。 | ||||
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学生時代に文学青年が一度は通る道、となった感のある純文学作家・村上春樹の短編集。 この人の作品はとかく長編がいろいろと取り上げられるが、 本当のよさは短編にあるんじゃないかと時々思う。 短編小説はいずれも日本語が抜群に美しい。読んでてうっとりとするほどに美しい。 僕はこの本を読んで特に強くそう思いました。 だって、きれいな日本語に感動したのは、いまのところ僕にとってはこの本だけなのです。 | ||||
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村上春樹さんの作品をすべて読もうとしています。 この作品でも、独特の雰囲気は感じました。 しかし、”感動”はありませんでした。 もしかしたら短編集”めくらやなぎと眠る女”を既に読んでいるので、既読の作品があったからかもしれません。 | ||||
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めくらやなぎが咲く季節が近づいてきたこの頃は、この7つの短編集を読んでみるのがいい季節の巡り合わせ。表題作のほか、「沈黙」「氷男」「トニー滝谷」、そして「めくらやなぎと、眠る女」がいい。 特に「めくらやなぎ・・・・・」はその後の「ノルウェイの森」につながるテーマなので、読み逃せない。「僕」のかつてのお仕事・広告代理店勤務がまたまた登場してくる。さらに高二の頃の思い出はムラカミ作品の重要なモティーフ。 そういえばその昔、トニー谷っていうそろばん芸人がいましたね。 | ||||
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音と映像では、以前じゅうぶんに楽しみました。 「記憶は風に揺らぐ霧のようにゆっくりとその形を変え、形を変えるたびに薄らいでいった。」 | ||||
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「レキシントンの幽霊」「緑色の獣」「沈黙」「氷男」「トニー滝谷」「七番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」といった作品を収録した短篇集です。物理的に喪失をする際に、それに付随して何らかのものも喪失するのでしょう。その失ったものを他の物で埋め合わせようとしても、代替がきくわけではなく、それには時間をかけて少しずつ受け入れていく事が必要なのではないでしょうか。 「人は勝つこともあるし、負けることもあります。でもその深みを理解できていれば、人はたとえ負けたとしても、傷つきはしません。人はあらゆるものに勝つわけにはいかないんです。人はいつか必ず負けます。大事なのはその深みを理解することなのです」 | ||||
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短編小説もうまい村上春樹。 そのなかでもこの短編集はやや異色だろう。 書き直された「めくらやなぎと眠る女」以外の短編は読後感が悪い。 読後感が悪い、というか遊びが無い。 「沈黙」などは救いようがない。 実際にありそうな話だけに恐ろしい。 おそらく、トーンが似た系統の短編を集めたのかもしれないが、何度も読みたいと思うものではない。 と言いながら何度か読んではいるが、読むたびに落ち込む。 読み終えた後に、ザラッとした感触が残る話ばかり。 村上春樹の違った一面を見るためには、読んでおく必要がある一冊。 「めくらやなぎと眠る女」は「蛍、納屋を焼く」に収録されている文章を改訂したもの。 テイストを残したまま、うまく話が短縮されている。 この話だけ、この短編集の中では一息つくことができる物語だ。 | ||||
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これは孤独を描いた短編集である。孤独というものの姿をくっきりと描こうとした作品集である。絶対的な孤独、純度の高いしんと静まりかえった孤独。そんなものを描いて何になるのか。全く何にもならないだろう。だが、それは描かれねばならない。 「緑色の獣」のように、現実離れした設定で戯画的に描かれることもあり、「レキシントンの幽霊」「7番目の男」のように写生的に描かれるものもある。「めくらやなぎと、眠る女」のように極小の孤独として磨き出されることもあり、「トニー滝谷」のように普遍的な形で描出される場合もある。 これらあらわにされた孤独の姿は、村上の見事な手さばきを読者に知らしめる。それに何の意味があるかと問われれば、沈黙で答える以外にない。オリンピックの超絶も、人間国宝の神技も、意味や理由の外に存在するではないか。 | ||||
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物語に、序破急は必ずしも、必要ない。 読中読後に、自身が内包されている世界の、時の刻み方、 密度といった基調が揺らぎさえすれば良い。 そんな、自身の感覚が澄む、少し憂鬱な気分を与えてくれるのは、 彼だけ。 | ||||
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村上春樹90年代の短編集。 「レキシントンの幽霊」「緑色の獣」「沈黙」「氷男」「トニー滝谷」「七番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」以上7つの短編が収録されている。 タイトルを見ればわかるとおり、いずれも村上春樹的個性を持った素晴らしい作品ばかりであるが、特に注目に値するのは「沈黙」と「七番目の男」だろう。 「沈黙」では、とある事件をきっかけにクラスメイトから無視されるようになった少年の苦悩を描く。彼はいかにしてクラスメイトからの突然の黙殺という仕打ちに耐え、それを乗り越えていったのか。 「七番目の男」の主人公は、少年の頃に親友と海を見に行くが、突然の大波に親友をさらわれてしまう。迫りくる大波から親友を助けることができたかも知れないのに、彼は恐怖にかられて自分だけ逃げてしまった。以降、彼は波の恐怖と自責の念にさいなまれながら生きていくことを強いられる。 この2つの短編に共通しているのは希望が明確に描かれていることだ。いずれの主人公も最終的には困難と和解し、精神的な救済を得る。 短編長編にかかわらず、村上氏がここまで明確に希望へとその舵をきったことはなかった。 そして、この作品から10年たった今、この2つの短編は氏が今後進んでいく方向を予告していたと言える。 | ||||
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