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裏切りの明日



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裏切りの明日の評価: 4.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

最後に笑ったのは誰か

警察という権力の側にいるために、自らの欲望によって身を滅ぼす刑事の姿を描いた
クライムノベル。

 主人公である沢井は、暴力を憎み卑劣を憎む昔気質の刑事であった。しかしある事を
きっかけとして、汚職に手をそめるようになる。
物語は製粉会社の社長とその幹部たち、会社をのっとろうとする株主。そこにつけこもう
とする沢井や、社長の妾である料亭のおかみを軸に展開していく。
また株の取引をはじめ、会社をのっとるためのテクニック、手形の売買などもリアリティを
もって描かれている。そういう意味で、この作品は犯罪小説だけでなく経済小説としても
読めるだろう。

 「この作品で、私は、権力に腐食され、欲望に滅び去ってゆく一人の刑事を書こうと
したが、彼を憎むことができなかった。」
と、著書が書いているように、私は主人公の行いは非難されるべきだと思いながらも
たえず彼に感情移入をしながら本書を読んだ。
そして、主人公の心がくっせつすることになった出来事や、本作の最後の一行を読んだとき
男である私はなんともいえない気持ちになったのである。
裏切りの明日―結城昌治コレクション (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:裏切りの明日―結城昌治コレクション (光文社文庫)より
4334744656

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