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美女と竹林
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美女と竹林の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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2008年に出た単行本の文庫化。 かなり謎の本である。小説と日々の雑記と妄想の中間のような内容だ。 知り合いが持っている京都の竹林の整備をやることになったのだが、同時にそれを雑誌連載のネタにしようと企み、友人や編集者を巻き込んで竹を刈ったり、ステーキを食べたり、ケーキを食べたりするという文章なのである。そのなかにさらに著者の執筆活動やらサイン会やら本上まなみさんとの対談やらの話がからまってくる。 楽屋落ち的な色合いが濃いが、文章にユーモアたっぷりなので、よくわからないながらも最後まで楽しく読んでしまった。大まじめにバカなことを書くという著者の持ち味が全面に出ている。 美女と竹林というタイトルにはだまされた。 | ||||
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森見氏初めてのエッセイ風作品です。友人やら編集者さんやら竹林所有者やらを巻き込みながら竹を刈って妄想するだけの話ですが、ファンからすれば普段見えない作者の日常を垣間見ることができてとても楽しいです。また文庫の最後には単行本にはない「竹林ふたたび」が掲載されており、その後の話が描かれていて興味深いです。 また、森見氏の「竹刈らん」という問いかけに対し「ええよ」と即答する明石氏という人物は面白く、友達に欲しくなります。 読語にはちょっと竹林に出かけたくなるかもしれません。 | ||||
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「美女に会ったら伝えてくれ。俺は嫁を大事にする男だと。妄想と執筆に明け暮れた、多忙にして過酷な日々。森見登美彦氏を支えたのは、竹林であった。美女ではないのが、どうにも遺憾である。」 宣伝文句に惑わされてはいけません。(ハードカバー版では)15ページくらいまで読んだところで「あと260ページもこの調子が続くのか…すごく嫌な予感がする。オチがなかったら許さんぞ!」。軽妙かつ惚けた語り口はなにかを思い出す。そう、星新一のショートショートだ。しかし、そこに込められているのはブラックユーモアではなく、ほとんどが苦しい言い訳だけど。 森見登美彦の小説は「太陽の塔」「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」「きつねのはなし」「【新釈】走れメロス 他四篇」「有頂天家族」と読ませてもらってきたけれど、一体この本は何? どうやら2007年から2008年にかけて「小説宝石」に17回連載された「妄想エッセイ」集らしい。いや、妄想というより孟宗(竹)か。「美女と竹林」とあるけれど、正確には「美女か竹林」だ。 わたしにとって「森見登美彦=京都大学+四畳半+黒髪の乙女もしくは狸」という図式が成り立っていて、好きな作家のひとりに数えてもいいと思っています。作家の人となりを知るには「あとがき」が参考になるのだけれど、わたしは森見登美彦のあとがきを読んだことがありません。この本は小説でもエッセイでもありません。月に一度の「あとがき」集です。当然ストーリーなど存在しません。突っ込みどころ満載です。 京都の西、桂にある竹林に手を入れて(古い竹を伐って)美しいものにするのが行動目的なのですが、締切に追われて忙しかったり、夏は暑かったり、ひとりでは寂しかったりと全くはかどりません。案の定、最後の最後まで。 「かぐや姫、おらんね」 「かぐや姫を切ってしまわないように、くれぐれも気をつけろ。血みどろはごめんです」 「待て。こんな枯れた竹を刈ってもダメだ。もしかぐや姫が中にいたとしても、竹が枯れるまで居座っていたらバアさんではないか」 思わずプッと吹き出すこともあり、なかなか楽しい読み物でした。ただし「森見登美彦は初めて」という方にはお勧めできません。「夜は短し歩けよ乙女」あたりを読んだあとにしたほうがいい。なにせ「あとがき」ですから。 | ||||
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一応エッセイの形になってますが、勿論事実かどうかは怪しいです。 面白エッセイですが、爆笑迄は出来ません。 でも好き。 しかしこういう作品を嫌う人もいるだろうと想像もつきます。 歴史に残る一冊でも、森見さんの中のベストワンでも無いと思いますが、森見さんがエッセイを書くならそりゃこうなるさあ!と私は大満足。何度も暇な時間に読み返せそう。 私的には「有頂天家族」より評価が上…。 | ||||
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作者、登美彦氏が主人公の物語です。物語といっても大したストーリーがあるわけではありません。登美彦氏がなぜか竹を切りたいと思った。そして友人の明石氏を誘って竹林に出かける。しかし竹林は想像以上に手強かったというだけの話である。その中身のない物語を氏の止めどもなく拡がる妄想で膨らませ膨らませ328Pの本にしてしまったのだから開いた口がふさがらない。 しかし、森見氏のこの暴挙とでもいうべき所行は氏の類い希な才能の証しであるとも言える。こんなつまらん物語を外連味有り余る文章で煙に巻いて読者を森見ワールドに引き込んでしまう力業。只者ではありません。 この物語に何らかの意味を求めるとすれば、それは「友情」であろう。登美彦氏は友人の明石氏に問うた。 「竹切らん?」 明石氏は答えた。 「ええよ」 これほどの友情、厚い信頼があろうか? どうして竹を切るのか、竹を切ることに何の意味があるのか、などという問いかけをすることなく、「ええよ」とだけかえす明石氏の登美彦氏に対する信頼の厚さははどうだ、人間の大きさはどうだ、男気はどうだ、このいい加減さはどうだ。この「ええよ」はすなわち「君がそう思うのなら、きっと竹を切ることは人類の最重要課題なのだろう。そうであるなら、僕はよけいな疑問をさしはさむことなく喜んで君と一緒に竹林に行こう。僕にも司法試験受験という重要課題がある。しかし、竹を切りに行ったところで試験に落ちる僕ではない。安心してくれ。僕がええよと言ったからには、そして、君と僕が組むからには、もう目的は達成されたも同然だ。たとえその目的が人類がこれまで達成し得なかったものだとしても……」という思いをシンプルに言い表した一言に違いない。 『美女と竹林』という題名から、竹林を舞台にしたロマンスがテーマかと思いきやさに非ず。竹林に地球の未来を託し、竹林に己が幸せ、すなわち金と美女との出会いを求めた男とその友との管鮑の交わりを描いた物語なのである。 | ||||
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登見彦氏がとても好きな竹の話です。 「例えばどのように好きか?」という問いにうまく答えられずに 本1冊分の行動・過去語り・薀蓄・詭弁・妄想が繰り広げられます。 何となくとても好きなモノがあって、1時間くらい語れそうだけれども 本当に語ると2分くらいで終わってしまう。 それに纏わるエピソードなども語り行動し、友人を巻き込み 結局理解はして貰えないけれども「好きだ」という事だけは伝わったし まあ楽しかったから良かったじゃないか、という事にする。 そういった事は自分もあるので 完全にやり切ってくれて本当に愉快でした。 太陽の塔はとても面白かったけれど 他の作品のファンタジー要素やドタバタ展開にはついて行き切れなかったので 虚構も多々あると思うけれど、作者の良さはそのままに現実的でシンプルで愉快で良かった。 感動やドキドキハラハラの展開などは、当然現実的に無いので 何らかの満足を求めて読むなら物足りないかも。 人にも勧めにくい。 太陽の塔、四畳半神話体系、夜は短し歩けよ乙女、等の主人公が好きなら楽しめる。 | ||||
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森見ファンとして、いったいこの本をどう評価したらいいのだろうか? 作家にとって、 「締め切りがどうの」 「編集者とのやり取りがどうの」 というのをネタにするというのは、正直禁じ手じゃないかと思う。 しかも、とにかく最初から最後までぐだぐだな展開。 なのに、なぜか一気に読める。 そして笑えるという力技。 セグウェイでの琵琶湖一周とか、カリスマ竹林経営者とか、ネタがいちいちツボです。 やっぱり森見さんはすごい、ということを再認識。 でも次は、もうちょいちゃんとした作品を期待・・・。 | ||||
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果たしてこれはエッセイなのか小説なのか?エッセイだとしてどこまでが本当にあったことなのか?これでオチがついていると言えるのか、でもやっぱりついていないような…?なんてことを真面目に考えてはいけない。考えるだけ無駄である。というか、考えたら「負け」のような気がする(何に負けたのかは不明だけど)。とにかくこの本で楽しむんだ、とハラを括れる人だけが読もう。 …実は、知り合いに「面白いよ」と薦めてみたのだけど、「あまりの馬鹿さ加減」に付き合っていられない、と途中で本を投げ出されてしまったので、こんな煙幕を張っているのです。もしかしたら、真面目に物事を考える人には向かないのかなあ。いや、勿論私も真面目な人間ですけどね(笑)。 つまりは、こんなよくわからないレビューになってしまうような本だ、という事です。それに☆5つの評価を与えてしまっているのは正直なんだかなー、と自分でも思わないでもないけど、面白かったんだからしょうがない(と自分を納得させる)。 細かい事とか堅い事とか気にせず、楽しみたい(もしくは呆れてみたい)という人にはオススメ(但し本当に楽しめるかは保証の限りではありませんが)。 | ||||
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竹林。さやさやと、ざわざわと、海のような音に包まれる空間。 洛西では「竹林ではなく筍畑と呼べ!」と習い、子どもの乱入は厳しく禁止された聖なる空間であった。 そこに、降り立つ美女はいるのか!? 個人的に馴染み深い土地にて、お気に入りの作家が孟宗竹と妄想とに耽溺するエッセイっぽい文章。 純粋とエッセイと呼ぶのをためらうほど、小説のような色合いの強い文章だ。 力いっぱい阿呆なことを真面目にするところが楽しいのだが、『夜は短し歩けよ乙女』から『有頂天家族』にかけての小説を執筆している舞台裏の七転八倒もうかがえる。 作者の独特な文体と表現や内容の軽妙さが、むしろ小説よりも際立っており、文体のファンであり、作者のキャラのファンたる私には楽しかった。 | ||||
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虚実空想入り混じった随筆作品。 サラッと読めて、クスッと笑えて、サパッと面白い。 けど、森見登美彦による森見ファンのための一冊って感じかなぁ。 ただ、登美彦氏が竹林を切る!というお話。 切ろうとするが、持ち前のヘナチョコ魂を発揮してなかなか上手くいかなかったり。 詭弁を弄して竹林と美女を結び付けてみたり。 妄想を交えて竹林経営の未来を語ってみたり。 まぁ、そんな感じの本です。面白いですよ。 しかし、森見作品の入り口にはしないほうがいいかも。 森見ワールド未体験の方は、先に『太陽の塔』か『夜は短し歩けよ乙女』を読むことをオススメします。 | ||||
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エッセイだよね?これ・・・ といいつつ内容はほとんど妄想小説になりつつある。 確かにエッセイらしくもあるけれど、 本当に竹を刈り行っているのか机上の妄想なのか・・・・ その不思議加減が妙に心地よく感じられるのが不思議だ。 竹林に対する登美彦氏の想い。 常人には理解できかねるんですけど・・・。 事実と妄想と入り混じりながら 最後の大団円へとたどり着く。 この阿呆さ加減が森見さんの素晴らしいところだと 再確認しつつ読み終えた。 あ、誰にでも理解できるものではない。 だけど、面白い。 無益だけど楽しい文章 森見さんが語るように、まさしくそんな文章でした。 途中途中「ぷっ」と噴出すところもあり、 さすがは森見さん、 そう感じずにはいられない作品でした。 | ||||
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森見登美彦氏が友人と竹を刈る本です。といっても意味が分からないと思いますが、本当にそう言う本です。 読み進むにつれてだんだん竹だけで話を進めるのが難しくなってきて、 どうオチをつけたらいいのか収拾に困っているようなフンイキがたちこめてきます。 彼独特の語り口によるおもしろさは本作も健在なので、上記のような脱線ぷりをも含めて 笑おうという心構えで読む分にはオススメできます(作者は「無益だけど楽しい文章」と言っています)。 けっこうおもしろかったです。 | ||||
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