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剣鬼喇嘛仏 最後の忍法帖
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【この小説が収録されている参考書籍】
剣鬼喇嘛仏 最後の忍法帖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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全巻を揃えるための補充。 | ||||
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忍法帖短篇全集の最終巻で、9作品を収載。 「忍法女郎屋戦争」。 老中・田沼意次の息子、若年寄・意知(おきとも)が赤坂・氷川神社裏に公儀直営の遊郭(利用は武士限定)を造営したという史実の紹介だけで面白い。支配人に抜擢された伊賀組頭領、伊賀億蔵の転落と意外な結末を描く。 「伊賀の散歩者」。 タイトルで一目瞭然、師匠の江戸川乱歩に捧げるオマージュ。乱歩なのに何で藤堂藩の話なのと思いつつ読んでいくと、主人公が乱歩の9代前の先祖だと明かされてびっくり。解説を読んでわかったが大変なパロディぶりで、風太郎自身も登場しているのに気がつかなかった自分が情けない。 「剣鬼喇嘛仏(ラマぶつ)」。 武蔵との果たし合いに憑かれた長岡与五郎(細川忠興とガラシア夫人の間の次男)は戦の迫る大坂城に武蔵がいることを知り、自分も入城すると言い出す。家康の怒りを恐れた忠興は細川家の忍び「青竜寺組」に阻止を命じ、女忍者の登世が男女和合の喇嘛仏をもって与五郎の寝所に現れるが・・・ 剣豪小説が汎セクシャリズムのおとぎ話へ、さらには哀切な恋愛譚に変わるという、かなりヘンな一篇。 「春夢兵」。 間宮林蔵が忍法帖に再登場。前作では「師を売った密告者として、当時も唾棄された」はずだが、本作では不屈の体力・精神力を持つ愛国者となっている。 林蔵が伊賀組に八戸藩の内情偵察を依頼して調べてみると、相馬大作(風太郎作品ではお馴染み)の弟がファナティックな軍国政治、選民(改良)政策を強行している。伊賀者は例によってセックス仕掛けで藩を瓦解させようとするが・・・ 戦前の日本やナチス批判の趣があり、反抗がナンパによって行われるところが面白い。 「甲賀南蛮寺領」。 切支丹もの+忍法帖の一篇。聖書中のキリスト受難の一節がそのまま伏線というきれいな構造に感心する。主人公の甲賀忍者、荒晒野雄太夫(あざれの・ゆうだゆう)の名前の意味が最後にわかるオチは秀逸。 甲賀国は地侍の自治が伝統だったが、天正5年、信長が伴天連・オルガンチーノに昇天寺(通称、南蛮寺)の建立を許し、近江甲賀郡500貫を寺領として寄進したことから両者は対立、信長は伊賀甲賀を侵略する。この一篇はその経緯と意外な結末を描いている。 「伊賀の聴恋器」「羅妖の秀康」「筒なし呆兵衛」、さらには忍法帖の最終作品「開化の忍者」も汎セクシャリズム系おとぎ話。 | ||||
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