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笑い陰陽師
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【この小説が収録されている参考書籍】
笑い陰陽師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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世はすでに泰平、忍法は殺生の技にあらず、というわけで、いつもの忍法帖と違うのは確か。 しかし、夫は卍谷、妻は鍔隠れの出身ということで、随所に凄腕が見え隠れします。 とりわけ、終盤で、これまで帯びなかった大刀を腰に差した果心堂がその深編笠を取るとき、妻も恐怖するほど、歴代甲賀忍びを凌ぐ技前を見せるのではないか、と期待させる幕引きは、さすが山田風太郎と唸らざるを得ません。甲賀忍法帖ほか一連の作品読了後に読み返すと楽しめる佳作と言えます。 | ||||
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山風忍法帖では、♂忍者と♀忍者は互いに性技を駆使した忍法で闘い、死んでゆく。忍法帖初巻でもある『甲賀忍法帖』で顕著なように、たまに忍者同士の恋が描かれても、大抵はもろくもかき消されてゆく。恋してようがしてまいが、ほぼすべての忍者が、虫のように大急ぎで死んでゆく。 そんな彼らには、たまには幸せを掴んでくれてもいいのに、なんて思わないでもないのだが、まさに本書はそういった思いに応える、あるいは怨霊封じの供養にもなる?連作短篇集。 江戸の各所に「おん占い十六文」の見台を出す果心堂は、太平の時代に暇を出された元甲賀忍者。その横で同じく編み笠を被っているのは、妻のお狛。こちらは元伊賀の忍びという設定。 そんな彼らに八卦見を依頼するのは、主にシモの悩みに苦しむ武士たち。 果心堂の回答は、悩める武士たちを助けているのか、興味本位で揶揄っているのか定かではないが、彼らの時に壮大なイタズラ?には、サポートに下忍の集団が駆り出されたりもするので、果心堂とお狛は上忍のようである。 その意味で、『甲賀忍法帖』の甲賀弦之介と朧の生まれ変わりと言ってもいいだろう。 決して、バカバカしいと放り投げてはいけない。供養だから。 | ||||
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なし | ||||
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風太郎自身もこの連作は気に入っていたようで、下ネタ満載の作者の悪ノリについていける人はこのナンセンス忍法帖は好きなんでしょうが、個人的にはイマイチのれませんでした。 下ネタやパロディはそれなりに面白いんですが、それ以上に時代を感じてしまう、昭和っぽさを他の忍法帖以上に感じてしまいます。 昭和の昔は、朝日新聞の朝刊でもフジ三太郎が平気で下ネタやってたし、ドリフはゴールデンタイムにストリップネタやってたし、ある深夜番組では盗撮の仕方を教えていたし、レイプマンという正義のためにレイプをするヒーローのマンガがあったし―まぁ、そういう時代をどうにも感じてしまう読後感でした。 大きいことはいいことだ信奉とか、女性ややってしまえばこっちのものという古臭いエロ意識がどうにもね。 夫婦の会話の掛け合いなんか絶妙に面白いのですが。。。やっぱり他の忍法帖の面白さに比べて特に上には置けないかなと。 時代かなぁ。 | ||||
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別な意味で山田風太郎の代表作。何と言っても作者自らA級と言っているのだから。でもあまり売れなかったらしい。因みに「A」と言っている所は歴史を感じさせる。よくもまあ、これだけメチャクチャな小説が有った物だ。山田センセイは忍法帖シリーズを「全く意味の無い物を書きたかった」と評している。物書きでこんな暴言を吐くとは、いや正直と言うべきか。「笑い陰陽師」は可笑しさでは多分一番だと思う。余韻とか感動とは一切ない!山田センセイは書きながらドンドン変わっていくタイプの物書きだ。だから本作でも雰囲気がドンドン変わって行く。それにつれて作者がドンドン参加しだす。本作は風太郎センセの悪ノリが一番顔を出す作品だと思う。とにかくアイディアが凄い。意味が分かって、一瞬唖然としてしまう感覚はちょっと類が無い。 | ||||
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山田風太郎の最高傑作と言えば? 普通なら『魔界転生』と答えるだろうし、ファンの間では、『風来』や『甲賀』と答える人も多いだろうが、作者はこれと答えている。 なら、是非とも読んでみようと読んでみたが……。 馬鹿馬鹿しすぎて笑える。 これを選んだ作者のセンスには脱帽ものだが、でも読めば読むほど……ますます馬鹿馬鹿しい。(笑) 忍法のネーミングセンスや、主人公の果心堂と、その妻お狛も、某忍法帖の悲劇的カップルの馬鹿馬鹿しいパロディに見えるし、やっている事も馬鹿馬鹿しい。 しかし、この馬鹿馬鹿しさが、知らぬ間に、不思議な魅力になる、馬鹿馬鹿しい作品です。 『馬鹿馬鹿しい』 これが、この作品の魅力です。 | ||||
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山田風太郎は性の作家と言うべき人だが、本書はまさに氏の書いたセックス・ジョークそのものだろう。そして本書のジョークは愉しむ為だけにある。 各話にて狂言回しとして登場する元忍者の辻易者の夫婦。旦那の果心堂が引っかき回し、女房のお狛が取り納める。とにかく寄せられる性の悩みはただただ笑うしかない。読んで面白いかは読者次第。だが書いた著者はきっと楽しかったに違いない。読み終わっても、見事なまでに何も残らない。ただふわふわした何やら楽しかった読後感だけが残っている。 | ||||
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所謂「忍法帖」とは路線を異にした連作短編集。下ネタ中心の馬鹿馬鹿しいドタバタ劇、文壇の内輪ネタなどの小ネタ諸々、と奇想と虚無の山田風太郎作品の中でも異色極まりない作品。ではあるが一読すればなぜ作者がこの作品を完成度第一としたか分かってもらえると思う。とにかく笑える!そして結末が!筑摩の忍法帖短編全集に入ってないってどーゆーことだ(#゚Д゚)ゴルァ!! 乞復刊!! | ||||
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とっても軽くて明るいカンジで1話ずつ進んでいく短編です。山田風太郎の忍法帖もののエッセンスを所々に散りばめつつも、大河ドラマには決してなりません(笑)。むしろ、しない気マンマンで、大河ドラマになる寸前で話が終了します。起こる事件は登場人物の個々人的な悩みから、一国を揺るがすようなものまで取り揃えられていますが、全ての事件が『滑稽なエロス』がらみです。男性の鼻と、女性の口の大きさは性器に比例するのか?に興味を持った殿様が~云々、等(笑)。山田風太郎氏による、自作忍法帖物の、狙ってやってる思いきりの良いセルフパロディ作品では?と自分は解釈しています(笑)。 | ||||
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