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聖なる怠け者の冒険
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聖なる怠け者の冒険の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 1~20 1/3ページ
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主人公が、こんなに動かない物語は初めてでした。実際に歩いたことのある場所が出てきて、今も通るたびにこの話しを思い出します。 | ||||
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本書の主な登場人物とセリフひとこと ・独身寮で自分を熟成させる筋金入りの怠け者小和田くん 「ああ、ぼくはもう、有意義なことは何もしないんだ」 ・終末に目一杯予定を詰め込み、一日にどれだけたくさんの冒険ができるかを追求する恩田先輩と桃木さん 「忙しく遊ぶ時、心の時間はゆっくり流れる。それでこそ週末の拡張が可能になるんだ」 ・迷子を祖母のもとに送り届け、酔漢をうち倒し、夫婦喧嘩を仲裁する万人に親切なぽんぽこ仮面 「正しいリズムを維持する。マグロのように泳ぎ続け、疲労の向こう側へ突き抜ける」 ・強面スキンヘッドの後藤所長 「充実した土曜日の朝は、熱い珈琲とタマゴサンドイッチから始まる」 ・世界でもっとも怠け者の私立探偵浦本 「依頼を手に入れた時点で俺の仕事はほぼ終わる。あとは潮の流れを見て利益を確保するだけだ」 ・浦本探偵事務所の週末だけのアルバイト女子大生で方向音痴の玉川さん 「あきれた!」 本書冒頭にあるフジモトマサル氏による挿絵が、狸の毛深い体のようにホンワカした本書全体の雰囲気をよくとらえています。特に恩田先輩と桃木さんの、ぽんぽこ仮面のお面をつけた絵がお気に入り。 | ||||
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本作の名セリフではないと思いつつ、 以下が心に刺さりました。 君はただ漠然と動くのを止めれば休むことができると思いこんでいる。しかし我々に必要なのは、じつら動きは止めることではない。正しいリズムを維持することだ。マグロのように泳ぎ続け、疲労の向こう側へ突き抜けること。これがコツだ。 私も人間以前に怠け者です。 健康的な怠け者であるためにも、元気になれるリズム(卵がけご飯を食べる、本を読む、ビールを飲む)を守って行きたいです。 | ||||
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何が面白いのかそれは自分の文章力と理解度では筆舌に尽くし難いですが、不思議で独特な著者の世界観に引き込まれて一気に読み終えてしまいました。この小説は京都に住む著者だからこそ書ける描写の細かさと言わずもがなの著者の文章作成能力と個性豊かで面白いキャラクター達の存在によって面白い作品になっているんだなと感じました。もしもこの小説がアニメ化されているのだとしたら是非みたい作品です。(因みにアニメ化はされていません。) | ||||
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京都祇園祭宵山の一日を個性豊かなキャラクターたちが東奔西走する冒険小説。 主人公、小和田くんは「ぼくは人間である前に怠け者です」というが、本来人間はそうなのかもしれない。真正の怠け者は、浦本探偵、八兵衛明神の方が、輪をかけての怠け者。小和田くんはそれほど怠け者ではない、と思う。週末ぐらいグウタラの方が心身ともに健康になるだろう。 ラスト4分の1からは、摩訶不思議な「森見ワールド」炸裂で奇想天外!物語の最後の結び方は首尾一貫していて、心地良い! | ||||
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もともと森見登美彦氏のファンなので、こちらの小説本を愛読していたのですが、フジモトさんのイラスト本もあると知り、ずっと購入機会を窺っていました。幸い手頃な価格で出ていたので購入_。 画角の切り取り方、文章からの着想、表現方法等々のどれもが素晴らしいの一言です。私も絵を描きますので、主題に対する返答方法のひとつの手本だと思い、たびたび見返していこうと思っています。 | ||||
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新聞連載をリライトしたということで、同じ舞台仕立ての「宵山万華鏡」「有頂天家族」の ぐんぐん盛り上がる求心力、ぐらぐら危ういバランスハラハラワクワク、というほどではない。 新聞だからかな、なんとなくぽんぽこ仮面、土曜倶楽部、五代目あたりの日常の善悪が他の作品より わかりやすく描かれているようで、一気に描いた勢いは抑えめ。 森見さんはそういうのを超えたグダグダが面白いんだが。 でも登場人物は全て可愛らしい。 怠け者は誰のこころにもあるのだなあ。所長が熟睡できてよかった。 | ||||
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森見登美彦のファンの方々には今更言う必要もないが、とりとめのないファンタジーをくそ真面目な調子で語る 森見節はこの作品でも健在である。この作品のテーマな何であろうかとか、なにを言いたいのだろうかと 野暮なことを考えるべきではない。ただ、只管に森見ワールドを堪能することが大事なのだ。とはいえ、この 本を古本で買ったところ、文庫を一回り小さくした紙が挟んであったが、そこには森見先生の直筆 (多分)署名がされ、しかも「森見登美彦」の安っぽいスタンプまで押されており、「僕は人間である前に怠け者 です」とサインペンで書かれているのである。これがテーマであろう。ここに登場する小和田君をはじめ、多くの 人間が、暇あればサボろうとする怠け者である。出来れば何もしたくない、何もせずにぐうたらすることが 至高の喜びとする人間たちの叫びが聞こえてきそうな作品なのだ。作者自身、そのようなメモを多分すべての 本に挟むように出版社に依頼したのであろうか(頼まれた方は邪魔くさいことである)。あるいは、森見登美彦の かなりディープなファンが、スタンプまで作ってこのメモを記して挟んだのだろうか。ずれにせよ、将来ちょっと価値が 付きそうな気もする。大事にしておこう。 | ||||
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やっぱりいつもの森見さん、というのがどれだけ当てはまるか分からないが、奇想天外で、物語に振り回されるのを楽しめる作品だった。 ゲラゲラ笑うというより時折くすりと笑える。 面白いというより楽しい。 何が起きてるのかは最後までようわからん。 と、なんだかよかった点を説明するのが難しい。 確実に言えるのは、読後感のいい作品ということだ。よく分からないのだが、分からないなりに読み進めるうちになんだか心が温かくなってきて、読み終わるとなんだか前向きな心に出会える。 読む抗うつ剤、とでも言おうか、あまり味わえないこの安心感は、ぜひ読んで体感してほしい。 加えて、意外と寓話的な一面もはらんだ作品だ。このあたりは『四畳半神話大系』『恋文の技術』に通じるものがある。 怠け者でなく、「聖なる怠け者」であり続けた小和田君の人生観はなんたるものか? 具体的に論理的に話そうとすると、「性善説」とか「生産性の是非」とか「ヒューマニズム」とかいろいろな言葉が当てはまりそうだ。 だが……森見作品においてそれを論じるのは野暮というものだ。 とにかく世界を楽しむべし。とにかく人を愛すべし。 | ||||
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"内なる怠け者は眠れる獅子である。咆哮するかわりにあくびをする。南の島のヴァカンスを、不要不急の鉄道の旅を、終わらない夏休みを夢見る"2013年発刊の本書は第2回京都本大賞受賞作にして賑やかな宵山の京都の不思議な一日をテンポよく描いた物語。 個人的には、森見登美彦ファンの集いを企画したことから、勉強も兼ねて手にとりました。 さて、そんな本書は狸のお面をつけ、旧制高校のマントに身をつつんだ、正体不明にして自称"八兵衛明神の使い"『ぽんぽこ仮面』。一年ほど前から京都で人助けをしている人気者が、筋金入りの怠け者会社員『小和田君』を跡継ぎとして目をつけたことから物語が京都の名スポットを舞台にして、著者の別作品と同じく【スモールワールド的に展開していく】わけですが。 著者自身があとがきで(初めての新聞連載として)"一回一回を楽しんで読んでもらえるように努めた"と書いているように、リズミカルかつサービス精神旺盛な京都市内が舞台のドタバタ追跡劇を観ているような感覚があって終始楽しませていただきました。 一方で、精力的に人助けをする為に駆け回る働き者の『ぽんぽこ仮面』と対比する存在として、本書では謎の自信に満ち溢れつつ、すきあらば寝ようとする『小和田君』がいるわけですが。例えば『四畳半神話体系』の『私』などの無駄に多弁な主人公達と比較すると確かに新鮮ではあったものの、登場人物として魅力的、効果的だったかと言われると【こちらは賛否が分かれるのではないか】と思いました。(あと『宵山万華鏡』『有頂天家族』は先に読んでおいた方がより楽しめます) 森見登美彦ファンの人へ、また京都市内ガイド的に手軽に読める小説を探す人にもオススメ。 | ||||
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時間のある在宅の時期に読みたかった作家の作品を読む じっくり時間をかけて読みたい1冊です | ||||
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著者の他の作品同様、登場人物、テーマ、小物、京都の場所の数々、全てが魅力的。京都の街が煌めいて感じられます。京都に住んでいたらなぁと思ってしまいます(当方埼玉県民)。埼玉を舞台にも書いて欲しい(笑) オチは少々弱いというか、ストーリーはあるようなないような…でも読後感は爽やかです!森見登美彦ワールドにどっぷり浸かれる大満足の1冊。 | ||||
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本当にどうでもいいのですが、無間蕎麦の乱闘シーンで「うわっぷ」と悲鳴をあげるシーン、昔の少女マンガによくあった変な言い回しのひとつだったので笑いのツボにハマってしまいました。 大日本沈没党の党首の眼鏡がホースの水で簡単に吹っ飛ぶ描写とか、目に浮かぶようなそういう細かいところが笑えて好きです。 | ||||
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まったくもって夜は短し歩けよ乙女のメソッドで書かれているといっても過言ではないでしょう!しかしこの本を読むことがムダであるということにはなりません!実際の京都が何度訪れても、さまざまに表情を変えるように、異次元的京都へ旅行するということは何度だって楽しいものです。 | ||||
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大変面白かったです。有頂天家族や四畳半神話大系、夜は短し歩けよ乙女などに関連のある団体や人物、建物が出てくるので、作品を知っている方は楽しめると思います。登場人物たちはみんな個性的で、自分の周りにもいたらいいのにと思います。自分は1度読むだけでは話の流れを把握出来ないので、数回じっくり読むことで1度読んだだけでは気がつけなかった伏線などを回収出来たりして楽しかったです。不思議な世界観でした。 | ||||
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表紙を見て分かる通り祇園祭をメインの舞台にした作品。主人公は社会人だが、四畳半でグダっていた学生が社会人になったような人物。 これまでの作品に現れたような人物たちと織りなす万華鏡(かな?)。 森見ワールドが好きな人向け。アニメから入った人の一作目には向かないかもww | ||||
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この作者の作品を初めて読みました。 とても楽しかったです。 ハードボイルドの骨格を見事に脱力させ、そこに京都のテイストを絶妙に絡めていますね。迷惑な正義の味方、行動しない主人公、調査しない探偵、アルパカそっくりの悪役(アル・カポネのもじりですね)など、楽しい登場人物たちが総出演。謎の偽電気ブランや無限蕎麦などを楽しみつつ、最後は見事に脱力の極みのボスキャラとクライマックスが・・・フジモトマサル氏による挿し絵もとても魅力的です。堪能しました。映画化して欲しいですね。 | ||||
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プロローグ 前作(と思っているのは私だけ、だけど)の「夜は短し歩けよ乙女」で、すっかりファンになったと思い込んでいる私は、本屋で平積みになっている本書(文庫本)を手にとって迷わず購入したのだけど、当の本書は時間の塵の中に埋れて玉川さんみたいに何故か迷子になっていた。それが2016年9月中頃。春が来た。一年ぶりに部屋の片付けを始めると、ラッキーにも未読の文庫本が発掘される。時は正に、ムービックスで「夜は短し歩けよ乙女」のアニメが公開されようとしていた。アニメの出来には期待は出来ないが、またまたそれでいっとき森見登美彦ブームになった私は、本書を読み始め、森見登美彦の危なイヤ怪しい世界が、私を連れて行こうとする。生来の怠け者である私は、p121の伏線を発見してあらあらと思った隙間に睡魔が滑り込んで来て‥‥。 平成29年3月15日記入。 エピローグ ‥‥おや⁈ふと眠りこけて何時の間にか一ヶ月以上経った。生来怠け者の私は、文庫の続きを読むこともせず、やおら起き上がり、ムービックスへ映画「夜は短し歩けよ乙女」を観に行く。偽電気ブランや閨房調査団や狸の置物を懐かしく眺める。そもそも原作のファンなのだから、その映画作品は観る前から気に入らない作品になることは「運命」つけられている。映画は掃けて、夜の四十万の帳の端を、小和田くんのように歩いていると、玉川さんのような可愛い女性がちょっかいを出してくる僥倖は、当然のことながら無くて、ふと所長のように死ぬ前に誰からも直接的にもっと感謝されたいと哲学的思考に陥ることも無く、この上ない「冒険」を歩いている自覚もなく、ただ歩いていた。そして何時の間にか、あの伏線はたいした伏線じゃなくて、それでもすべてのどうでもいい謎は解けて本書を読み終えていた。文庫本初回限定(って、初版だけなのかもっとなのかとてもわかりにくいけど)の「著者からのメッセージカード」は、私の人生座右の書として、本棚の奥に仕舞っておこうと思う。「僕は人間である前に怠け者です 森見登美彦」。 平成29年4月17日記入 あとがき 私の拙い感想をお読み頂いてありがとうございます。感想をネットに載せるにあたり、(いろいろ推敲するのはめんどくさくて嫌いだけど)本文に手を加えました。ごめんなさい。 2017年4月30日記入 | ||||
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いつもの森見ワールド。京都を舞台に奇妙キテレツな脇役が躍動し、主人公はぐうたら。声に出して読みたくなる言葉の羅列はこの作品でも健在。文庫なら暇つぶしにちょうどよいだろう。ただ、森見作品にどっぷり浸かった読者は食傷気味になるかもしれない。何が出てきても醤油味という感じ。 | ||||
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京都・宵山当日のある土曜日に、筋金入りの怠け者である社会人2年目の小和田君と彼を取り巻く人たちに起こる冒険?ファンタジーである。この小和田君、本当に筋金入りの怠け者である。上司である恩田先輩、後藤所長の充実した週末計画を意に介さず、怠け者の道を我が物顔で歩く。彼は静謐を求め、平和を愛し、そして川の流れに身を任せる。その川の流れは決して宇治川の流れのように早くない。ゆったりとしている。ゆったりとしていて流れているのかわからないくらいに。それくらい彼はマイペースであるのだ。この物語は激流と緩流が合流したところ緩流になるというなんともヘンテコだ。だがそのヘンテコさを真面目に滔々と語り、気づけば大円団になっている、ここがこの作品の面白いところではないだろうか。主人公だから怠けてはいけないなんて、誰が決めた?その通りである。怠けていても時に冒険は起こる。起こそうと思った冒険も面白いのだろうが、意図せず流れに身を任せて起きる冒険もこれまた違う面白さがあるのではないだろうか。そう感じさせてくれる物語であった。読んでいて、同じ登美彦氏の作品である、『宵山万華鏡』、『有頂天家族』と似た雰囲気をひしひしと感じた。ともに好きな作品なので、読んでいて自分が京都の街を縦横無尽に駆け巡るようで楽しかった。 交差点というものは様々なものが交差する。道路、車、人、狸と多種多様。祭りの山鉾のように意図して交わるものもあれば小和田君たちのように意図せずに交わる者もいる。みんな互いを意識しているわけではないが交わる。まるで逢坂の関のように。宵山の終焉と冒険の終焉、そして物語の終焉を四条烏丸大交差点で迎える。四条烏丸の交差点は京都市街を東西南北に貫く四条通と烏丸通が交差する場所である。交差点から烏丸通を南に進んで行くと本来は四条烏丸からは離れていく。しかし、玉川さんのように迷うと・・・、廻りに廻ってこの交差点に戻ってくる。「宵山」という行事はまるで京都の地理を変えてしまうのだろうか。ともあれ、ある者にとっては大冒険、ある者にとっては小冒険、各々の冒険の辿り着く先はこの交差点。川の流れに身を任せて行けば大抵は海に辿り着くように。 | ||||
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