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黒い墜落機
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【この小説が収録されている参考書籍】
黒い墜落機の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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まったくの偶然に、それまでいかなる関係もなかった数人がある場所で出会い、敵や 危険の前に必死の知恵をめぐらし、団結して戦うという筋書きは森村作品にしばしば 見られる趣向である。出会った人たちは、前半生において傷つき、失意にある敗者で あり、共通の敵や困難との戦いが立ち直りのきっかけになるといったものだ。本書の ほかに『致死連盟』もそれに当たる。はじめに読んだのは30年以上前のことであるが、 時を忘れて読みふけった思い出があり、大人になったいま再読を思い立ったのである。 最新鋭の自衛隊機が木曽山脈山中に墜落し、自衛隊は凍りついた。単なる事故では 済まされない事情があったのだ。自衛隊にとって幸いなことに、墜落地には「風巣」と 呼ばれる寒村しか存在せず、村の住人さえいなくなれば事故は隠蔽できる。自衛隊 中枢は全村民の抹殺を企図し、レンジャー部隊を送り込むが、新たに村に住み始め 民宿を経営する夫婦と、居合わせた宿泊客5人が生存のための決死の抵抗に臨む。 ・・・とあらすじを知ると、かなり荒唐無稽な話だと思われるであろう。自衛隊が狂気の 作戦を立案するに至ったのは、事故が明るみになることで、国民に隠匿しているある "秘密"が公になってしまうからだが、普通に考えれば"秘密"がバレるよりも、国民に 銃口を向けた事実がバレるほうが自衛隊にとってはるかに壊滅的打撃ではないのか。 とにかく自衛隊の病理が強調された作品だが、作者が熱心な共産党の支持者である ことを勘案すればさもありなんか。ただ小説としてはスリルに富んでいて面白く読める。 | ||||
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ファントムが最新鋭機だったというから、かなり古い作品である。 南アルプス山中に墜落した戦闘機の存在を隠蔽するため、目撃 者を皆殺しにしてしまおうという、かなり強引な設定の作品。 中国や北朝鮮みたいな社会主義国でも、そこまではしないだろう という気がする。逆に言えば、これらの国ではする必要も無いの だろうが。 このような設定が出てくるのは、常に国民の目を意識しなければ ならない自衛隊の宿命なのだろう。 ところで、作者は自衛隊というか、軍隊が嫌いなのかな。 そんなふうに思える記述がみられた。 自衛隊は精鋭の空挺部隊を送り込む。対するは、年老いた老人 達と、村に一軒だけある民宿の管理人夫婦、そして民宿に泊まっ ていた宿泊客。これでは勝負にならないと思ったのか、民宿の 宿泊客はいずれも一癖ありそうな人物で、何故かそれぞれ特殊 能力を持っている。 機体を回収し村人を抹殺しようとする自衛隊と、村人達の駆け 引きが始まる。ここがこの作品の最大の面白さである。荒唐無稽 ではあるが、ある意味ゲームみたいな感覚で楽しめる。 始まりは突然だったが、終わりも唐突に終わる。最後は登場人物 に対する作者の非情な仕打ちが待っている。 後味は悪い。 ゲーム小説として割り切って、エンターテイメントに徹したほうが 良かったのではないかな。 | ||||
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