致死連盟
- 山荘 (115)
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 | 2009年12月04日 致死連盟 (徳間文庫) 不況のさなか、ようやく警備会社に再就職できた中年男四人が命じられた、老人と可憐な少女のガード。一見楽な仕事のはずが、なんと刺客が次々襲ってきた。しだいに明らかになる少女の両親殺しと、暴力団を私兵に悪徳市長が牛耳る街の関係。人生の下りエスカレーターに乗っていた中年世代が、ふたたび闘いに立つときが来た。痛快再生長篇。 (「BOOK」データベースより) |
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| 埼玉県相武市衛生課の清掃課員に応募して、見事にふるい落とされた中高年四人組が、失意の帰路に心情話しを始める。その時、風に吹かれてガードマン募集のチラシが足元に絡みついた。彼らは、皆、会社が倒産したか、人員整理のとばっちりを受けて失業の身だった。どうせ暇な身体であった四人組は、風が運んだ求人に応募すると、よほど人手不足だったのか、何の支障もなく採用された。もちろん警備員（ガードマン）と言ってもランクが有り、四人は、一番低位のランクである。そして慣れた頃、初めて与えられた業務は、秩父の山中にある山荘に籠っている老人と、その孫娘の警備だった。何故、警備するかと言うと、老人は、元ヤクザの組長で、刑期を終えて出所してくる、対立するヤクザの浅川組組長から身を守るためだった。そんな事とは知らず、会社が倒産したり、人員整理を受けたりして、ガードマンになった四人組が、山奥の山荘で身を隠している、元ヤクザの組長とその孫娘の警備をする事になってしまったのだ。そして、いよいよ対立組のヤクザが山荘を襲って来た。凶器を持ったヤクザに対し、彼ら四人は、素手で戦わねばならない。彼らは、現地にある材料を使って反撃する。待ち伏せして、頭上から岩を落としたり、長いゴムでパチンコを作り、鉄の玉を相手に撃ち込んだりして、相手を翻弄する。何も無いところから、自然の素材を使って武器を作り出す過程が、とても面白い。そして、四人は、何故、元組長と孫娘が狙われるのか、本当の理由を知る事になる。それは、時効間際の十四年まえの殺人事件の目撃者だった孫娘を殺すためだったのだ。さらに、この話の面白いところは、この四人組が、その殺人事件も解決してしまう事なのだ。蟷螂の斧となり武器を持ったヤクザに獅子奮迅の戦いを挑み負かしてしまうのは、留飲が下がる思いです。そもそも、これだけ優秀な四人組が、社会からあぶれたというのは矛盾があるのだが、彼らの戦いは、痛快で読んでいて楽しめました。 （付）本書は1980年6月に光文社から初出版されたものです。その後、1981年9月に角川書店から再出版され、翌年1982年9月に角川文庫で文庫化されました。さらに、1986年4月講談社、1994年11月廣済堂文庫、1998年12月青樹社文庫、2009年12月徳間文庫から再出版されています。そして2015年1月には角川文庫がkindle化しました。 | ||||
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