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(短編集)

春、バーニーズで



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春、バーニーズでの評価: 3.91/5点 レビュー 34件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.91pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 1~20 1/2ページ
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No.22:
(4pt)

誰もが体験するであろう日常を思い出させる軽快なタッチ。

吉田の軽妙な筆力、ついあの日の事を思い出させてくれる。そんな作品。「最後の息子」を読んだ後に読むのをお勧め。
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No.21:
(5pt)

映像作品より自分は好き

素敵な内容
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No.20:
(5pt)

吉田修一ファンにおすすめ

平凡だが幸せな日常を過ごす主人公。簡単に人には言えないような過去を抱きながらも、それを受け入れつつ毎日を消費している彼だけど、ふと「今とは違う人生があったのでは…」という考えに取り憑かれ、日常から逃避する様子が極めて自然に、さり気なく書かれている。このような「さり気なさ」が吉田修一の凄さだと思います。誰しもが抱いたことのある日常からの逃避を求める気持ちや、ふと襲ってくる一抹のセンチメンタルな感情が刺激されます。

個人的に、最終章の楽園が大好き。明確に誰とは書かないので読者はさまざまな解釈ができます。私も、かつて心を通じ合ったものの、今では別の時間を過ごしている誰かに思いを馳せてしまいました。

ホントに吉田修一はすごい作家です…。良質な読書体験が味わえました。ありがとうございます。
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No.19:
(4pt)

美しい装丁、印象的な写真、完成度の高い本

ということで、前康輔さんのモノクロ写真入りの本で大変美しい作りになっています。所有欲が掻き立てられます(kindleではなく文庫を買いました)。

同じ登場人物による連作短編集になっていて、どこから読んでもいいのですが、ゆるい繋がりもあって、全体としてひとつの雰囲気を作っています。その雰囲気というのは「人との偶然の出会い、そして別れ。いつか、その出会いを思い出す」ことによって作られるもので、ひとことで言うならば「せつなさ」でしょうね。「いつ、どこで」を表すタイトルは、その後に続くはずの「誰と」「何を」を暗示しているようです。「誰と」が邂逅と別離、「何を」がその人との思い出につながります。本の作りの良さと相まって、「せつなさ」は「美しさ」である、ということを訴えかけているように感じました。

星は5つ付けたいところですが、最後の2章「パーキングエリア」と「楽園」がいただけません。作為的になりすぎていて、私の好みではありませんでした。

ところで、このタイトル。『去年マリエンバードで』『あの頃、ペニーレインと』を彷彿とさせますね。
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No.18:
(4pt)

小粋な作品

思うに、村上春樹よりずっと吉田修一の方がお洒落ではないだろうか。
プラス吉田ワールドには、足に地の着いた切なさが在る。
ウィットに富んだ会話に、ゾクっとするスリル。クールで身近なサスペンスと、どこかバタ臭いヒューマンドラマが同居し
読後に残る余韻も深い。
やはりこの作家の魅力は未知数だ。
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No.17:
(4pt)

モラトリアム男の別の人生

『春、バーニーズで』は、『最後の息子』の登場人物 筒井が主役の連作短編集である。『最後の息子』の筒井は、新宿のオカマ閻魔ちゃんと同棲していた。閻魔ちゃんに愛想をつかされるように、金をくすねたり、足蹴にしたりで気を引く、なんとも物哀しさが漂う自堕落でモラトリアムな男だった。

10年後の筒井は、会社に務め、子連れの女性 瞳と結婚し、まっとうな人生を歩んでいるようだ。多少のぎくしゃくはあるとして、連れ子の文樹とも、瞳の母とも上手くいっているし、幸福とよべる日々を過ごしているのだ。

本短編集の「春、バーニーズで」、「パパが電車をおりるころ」、「夫婦の悪戯」は、筒井の目から見た日常が活写されている。10年前に比べると、あまりに平々凡々たる日々。そんな中にも、違う人生が、染みのように影を落としていくようだ。

「春、バーニーズで」の再会した閻魔ちゃん、「パパが電車をおりるころ」のマックで隣り合わせた女性、「夫婦の悪戯」のはからずも告白してしまった男性との同棲生活。ついに「パーキングエリア」で筒井は、出勤途中、誰にも行方を告げずにふらりと遠出をしてしまう。別な生き方があったことにふと思いいたり、今のレールから外れてみたくなる というところだろうか。このあたりの感情的な動きは、「最後の息子」を読んでいた方がわかりやすい。最後の短編「楽園」では、”二つの時間を同時に過ごしている”ことを楽園として示唆している。

本短編集は、モノクロ写真のページが挿入されていて、フォトブックのような体裁だ。筒井が見たり、感じたりするものを表しているのかな。筒井の揺れ動いている感情を、つかむことはできると思う。
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No.16:
(5pt)

とても好きな作品。

映画を観てとてもよかったので原作も読みたくなり購入。映画が原作の世界観をそのままに作られていることを確認できた。原作は、どこか読み手を突き放すような乾いた文体の中に、胸がヒリヒリするようなフレーズが溶け込んでいる。この感じ、すごく好き。間に挟み込まれた写真も気分を盛り上げる。この作品を読んで吉田修一さんの他の著作も気になり、次々読み始めているところ。でもいまのところ、バーニーズを超える作品はない。
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No.15:
(5pt)

傑作

同氏の小説「最後の息子」の続編。
結婚し、子供をもった30代男性の日常を上手く描いている。
吉田修一の作品のほとんどに言えることだが、リアリティに富み、主人公が身近に感じられ、作品に入り込んでしまう。
「最後の息子」を読んだ人には、是非とも読んでいただきたい。
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No.14:
(4pt)

短編小説の醍醐味を味わうことができます。

読後は、期待していたような内容とのあまりのギャップに拍子抜けしました。でも、その後じわじわと主人公の気持ちに共感できるようになっていきました。誰もが持っているであろう、自分を「大人」にしてくれた出会い。短編だからこそ解釈は読み手に委ねられ、短編小説の醍醐味を存分に味わうことができました。

短編小説は少ない情報量で読者を物語の世界へと誘わなければならず、長編小説よりはるかに難しいと言われます。それだけに、タイトルも重要な要素。この作品は、「春」「バーニーズ」という一部の人なら確実に胸がときめくであろう記号を巧みに盛り込んだことで、勝負ありです。広告のキャッチコピーのように一瞬で読者を射抜く、優れたタイトルだと思います。
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No.13:
(4pt)

ふっと思いよぎる瞬間

青年時代を通り抜けて、何気ない毎日に埋没しつつある夫婦の一瞬を切り取る。

買い物に出かけたデパートで気づく視線。その先にあるのは20代を一緒に過ごした人がいる。
その過去に懐かしさを覚えながらも今の自分とは相容れないことも感じている。

主人公夫婦の過去を少しずつ垣間見せながら、
今の日常生活がふっと崩れる瞬間を切り取っている。
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No.12:
(5pt)

優等な読後感

吉田修一さんの文というのは変に癖がなく、シンプルで読みやすい。読みやすいが故に、自分の中にすっと、登場人物たちの感情が入り込んでくる。

『春、バーニーズで』の最大の特徴は、その文字(言葉)の巧みな少なさではないだろうか。
夜、例えば夕食をとってしばらく、ふと何か本が読みたくなり、本屋へ足を運ぶとしよう。そこで手に取る作品。選定基準は、ざっとページを手繰ってみて、就寝までにさっくりと読みきってしまえること。

本書を構成する5つの短篇のうち、「パーキングエリア」までは連作として扱って良いかと思われる。
表題作「春、バーニーズで」、「パパが電車をおりるころ」、「夫婦の悪戯」と読み進めてきての「パーキングエリア」。この小説の最大の読みどころである。小説の雰囲気を象徴するシンプルな黒いカバー、そしてそれを包み込む藤色の帯。その帯の裏表紙側には『ふとしたはずみに、もうひとつの時間へ』とコピーが打ってあるが、主人公筒井はこの「パーキングエリア」で、『ふとしたはずみ』でもって『もうひとつの時間』へと流されてしまう。日中、周囲の心配に抗い一切の連絡を絶つ筒井。夕方、筒井は妻瞳にとあるホテルからその日の行動を詫びるのだが、そこでの瞳の返答『「……あ、文樹がね、今日幼稚園できゅうり食べたって」』には吉田修一さんの巧さを痛感させられることだろう。まるで頓珍漢なこの科白ひとつで前章までに描かれてきた筒井夫妻の日常があふれるような気がした。
逆接助詞を比較的使うのが唯一吉田修一さんの癖らしい癖だと私は思うが、「……だが、……」や「……。ただ、……」を使う効果は、この小説の読後に訪れる心が均されたような切なさに顕れているのではなかろうか。いや、「パーキングエリア」の後、一人称で描かれる独立したリリカルな短篇「楽園(Paradis)」への雰囲気作りともとれるだろうか。何れにせよ、小説の空気は最後まで乱れることがない。
すばらしい。
それから最後に。例の藤色の帯には表側に『小説を、贈る。』とある。私が誰かに本をプレゼントするとしたら間違いなく、本書を最有力候補とするだろう。
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No.11:
(4pt)

吉田修一らしい!

きっと読み終わった後、不思議なすがすがしさと、
「結局何が言いたかったんだろう」という感情を抱くと思います!
でもそれが吉田さんの良いところなんです(^。^)!
人物の描写もうまいし、共感できる点も多いです。
最終章は特に、主人公さえも誰なんだろうと思ってしまう
と思いますが、それは個人の考え一つなんだと思います^^
読後に奇妙な感情をもたらしてくれる本です!

ぜひ読んでみてください!
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No.10:
(5pt)

理想の生活

本当にふとした瞬間に全てのことから開放されたくなるときがある。決して辛いことが多いとか、嫌な人がいるとか、そういうことではない。何気ない生活の一瞬にそれはやってくる。

自分が理想だと思っている生活、他人が理想だと思っている生活、自分が理想だと思い込もうとしている生活。自分の求めている姿が自分にも分からないから、全てを投げ出したくなる。

相手の心の中を完全に読むことが出来ない以上、相手への負い目は拭い去ることは出来ない。相手が負い目だと思っていることを、自分が気にしていないことを伝えられないもどかしさ。払拭しきれない、証明することが出来ない誤解。

「楽園」に出てくる女性は誰なのか。昔同棲していたオカマか、昔付き合っていた女性か、瞳か。それとも全く関係の無い一話なのか。著者が意図していた相手が誰だとしても、結末には変わりはない。

主人公の選んだ道。たとえ何があったとしても、最後に残っているものはそれだけ。
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No.9:
(4pt)

派手さはありませんが思わず泣かされてしまいました

はじめは軽いノリで「うん、うん、それで?」という感じで読み進んでいましたが、ラスト近く(個人的には「パーキングエリア」の章)で泣かされました。いかにも吉田修一という感じです。主人公の小心者的心情(たとえば、「衝撃」的な行動の内実は意外に冷静なものであると思ってみたり、先輩の飲みをむげに断ってしまったが、あれでよかったのかと悩んでみたりする)に共感しているうちにストーリーに引き込まれてしまうのです。地方から東京に出てきたものの、都会の洗練さになじめきれなく、どこか土臭い。かといって地方の生活には戻れないような。何者かになろうと東京に出てきたものの、何者になれたわけでもなく、それでも現実と折り合いを付けて、それなりに東京で生きている。地方出身の東京人が読むと妙な親近感を覚えてしまうストーリーです。小説の形式は、「日曜日たち」系列ですが、「日曜~」より洗練されています。それゆえ、あえて4つ星にしました。うますぎるのですヨ。
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No.8:
(5pt)

秀逸!

1968年生まれ
法政大卒
僕と似たような感じでがする『パーク・ライフ』で芥川賞受賞うまい。勉強になる。150ページ、5作からなる短編小説集なぜかなかなか先に読み進められなかった
厚い紙を使っているからかもしれないバツイチ、子供ひとり付きの女と結婚した男の話
筒井(主人公)、瞳(妻)、文樹(子供)のトリオ秀逸。純文学!
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No.7:
(5pt)

読み手の生活の一部

すでに前のレビューでもあったが、最終章「楽園」。ここにこの小説のすべてが詰まっており、この最終章のためにそれまでの四章があるのだと思う。
 最終章に出てくる「彼女」とはすべての登場人物に当てはめることができると思う。妻の瞳も昔の彼女・美雪も、もちろんオカマの「その人」も。そしてそれ以外の誰でも、「彼女」に当てはまる。もっと言ってしまえば、最終章の「ぼく」とは主人公の筒井ではない。最後の「楽園」とは物語の一部ではなく、読み手の生活の一部なのだ。僕はこれを読んでそう思った。 上に、すべては最終章のためにある、というようなことを書いたがこれは他の四章をないがしろにしてよいというわけではない。むしろその四章に吉田氏の魅力が詰まっており、その四章がまさに「小説」なのだと思う。 人間同士の距離をうまく描く吉田修一氏、これぞ吉田修一の小説です。
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No.6:
(5pt)

やばい!!やばい!!

書き直したのですが、批判される人も多いかと思いますが、
やばいです!!!吉田さんファンの自分には、ヒット~!!
って感じですね。はっきり言って、具体的にこの本は何を伝えたいのか、何を言いたいのかなんて分からないんです。。おいおいって
感じですが、吉田さんの本って大体そうじゃないですか??
あとはご想像~♪みたいな。そんな無責任な言い方ではありませんが。
でもこの、なんつーーか、アッサリ感がたまらない!!
こーーーーさらっとしてるというか。。。。
中学生のガキですが、これくらいで説明するのが精一杯かと。。。でも自分はこのアッサリ感と《だからと言って浅い話ではない!!》
さらっとした会話がたまらないのです!!もーーホントやばい!!
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No.5:
(5pt)

平凡なサラリーマンにも人生がある

主人公は世間的に見たら、30代妻子持ちのサラリーマンで個性を埋没される。
毎日満員電車に揉まれ、休日は家族サービスにいそしむ。
その外側だけ見てると、そこに非凡は存在しない。
しかし、彼にも過去にゲイと同棲したり、子供と一緒の時に若い女性とメールアドレス交換したり・・ちょっとした出来事はある。
それはもちろん妻にも何がしらある。
集団に埋没されてしまいそうな毎日のある日、主人公は見えない何かに急かされ無断欠勤してしまう。
携帯の電源を切った1日。
心がやっと落ち着いたとき、主人公はもとの生活に戻れるのか。
全体に妙に心かき乱されて、切なくなる作品。
没個性は、自分ではなく世間が押し付ける。
30代サラリーマンの見えない苦悩が、じわじわ染みてくるが、ラストで肩の荷が下りるので読後の爽快感あり。
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No.4:
(4pt)

ベストではないけれど

この短編(と言いながら連結した中編)の一つ「パーキングエリア」のラストで号泣してしまいました。なんと温かいやさしさだろうと、誰でもいいので感謝したくなりました。個人的には「パレード」や「日曜日たち」が好きで、この小説がベストではないんですが、泣かされた小説は他にないので、してやられた気分と共に大きな讃辞を贈りたいです。吉田さんの職人気質の文体が好きです。普通の人を映画フィルムの人物のように、生々しい現実からひとつ昇華させたり、無意味に納得してしまう物語の完結の仕方も、だまされたようでも心地よいです。
すごくすごくオススメ!
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No.3:
(4pt)

好きです・・・

初めて吉田修一氏の作品を読んだのですが、
「はぁ?」なんてつっこみたくなるような微妙な可笑しさと品のよい色気があって気に入っちゃいました。
(「パーキングエリア」で主人公がやってしまったみたいな事、私も経験あります!)
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