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少女
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少女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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官能小説、少女売春、旅先でのセックス経験、不能の夫に代わって妻とセックスする話、夫婦交換と、セックスに関係した短編五作で、作中にはセックスに関する描写が多い。「少女」と「盗まれた情事」がお勧め。 「熱い闇」 週刊誌編集者の由紀は、官能小説家の上原の担当をしているが、自分と青木との間での情事と瓜二つの内容がその原稿に執筆されている謎。それなりに合理的な説明がなされるものの、そのような行動を取った登場人物の心情はいささか理解しがたい。 「少女」 家賃の支払いに使った紙幣の通し番号から、郵便局の強盗犯人と疑われる主人公。その金は、買春した少女の財布から盗んだものだが、その少女が警察に対して買春も窃盗も否定した謎。真相の逆転構造が見事。少女の「復讐」の意味が真相に活かされている。 「ひと夏の肌」 八十日間の記憶を喪失し、旅先の山口県の弔い浜で倒れているところを見つけられた主人公。四つの場面だけを鮮明に記憶していた。失われた記憶を取り戻すために、弔い浜を再訪し、ミツ江と知り合い、ミツ江との情事にのめり込んでいく。記憶にある四つの場面のうちの三つが、ミツ江との間で繰り返され、不審に思う主人公。合理的な解決ではないので、やや拍子抜けする作品。 「盗まれた情事」 不能の自分に代わって妻を抱いてほしいという奇妙な依頼を雑誌で見て、それに応じることになった主人公。情事の最中に誰かの視線を感じるようになり、やがて殺人事件が発生し、主人公は妻のアリバイの証人となるが……。 奇妙な依頼、のぞき見されているのではという疑い、殺人事件の発生、意外な真相と、起承転結のいずれも高得点の作品。エレベーターでの勘違い、ハンカチを渡されたこと、夫が電話で発した言葉の意味など、伏線もすばらしい。 「金色の髪」 フランス人夫婦と日本人夫婦の夫婦交換をテーマにした映画を撮影する話が、主人公のカメラマンの視線で語られる。主人公は、金色の髪を持つクレールに魅せられ、夫のロジェに殺意を抱くようになるが……。 最後に、主人公は騙されていたことに気づく。 | ||||
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「私と寝ない?」うらぶれたバーテンの「彼」が喫茶店で新聞を広げているところに、 少女は声をかけてきた。 その日暮らしで、最初から金を払うつもりなどなかった「彼」は、ことを果たした後、 少女の隙を狙って、その定期入れから2万円を盗んで逃走する。 ところが、その金はつい先日、郵便局から強奪された金の一部だった…。 「少女」ほか、得体の知れぬ欲望と性愛に絡み取られた男・女の心理をミステリアスに描く 計5篇の短編集。 どの作品も必ずオチというか、ミステリー仕立てのトリックが仕掛けられているが、 「少女」以外は、意外性はそれほど大きくは無い。 というか、主題はあくまで男或いは女の性(さが)そのもののような気がした。 連城作品らしい情緒纏綿たる描写も全開。 それにしても、もともとは1984年刊行の作品だが、「少女」で取り上げる今で言う援交 (作中では「少女売春」となっている)は、その頃はまだ一般に認知されていなかった と思うが、さすが作家の嗅覚というか、時代感覚は一流であると感じた。 | ||||
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